リリース12cR1.2.1.8 Enterprise Edition、2013-07-09 01:03:03 UTC
Oracle NoSQL Databaseはキー/値ペアによる分散型ストアで、水平拡張によって大量のデータを処理できます。
本製品は、Oracle NoSQL Database Enterprise Editionリリース12cR1.2.1.8です。これは、メジャー・リリースである2.0.23と、パッチ・リリース2.0.26および2.0.39に続く3番目のパッチ・リリースです。
このリリースには、ストア管理者と開発者の両方にとって重要な多くの変更が含まれています。この項では、その変更内容の概要を説明します。このリリースのOracle NoSQL Databaseで実施されたすべての変更に関する詳細なリスト(すべてのバグ修正も含む)は、変更ログを参照してください。
このリリースのOracle NoSQL Databaseには、Community Edition (CE)とEnterprise Edition (EE)の2種類のバージョンがあります。CEバージョンはオープンソースです。ソース・コードが付属し、Affero General Public License (aGPL v3)のもとでリリースされています。
EEバージョンはソース・コードを含まず、Oracleのライセンスで出荷されます。EEバージョンには、CEバージョンにない機能として、ストア監視のためのSNMPサポートとOracle外部表のサポートの2つも含まれています。
システム管理者は、本製品について次の変更点に注意する必要があります。
リリース1.0で「レプリケーション・グループ」という用語が使用されていた箇所には、「シャード」という用語が使用されています。
ストアのサイズを拡張できるようになりました。以前のリリースでは、ストアで使用できるリソースがインストール時のまま固定されていました。このリリースでは、ストアに新しいストレージ・ノードを追加できます。
新しいストレージ・ノードをストアに追加したうえで、レプリケーション・ノードを追加できるように拡張する操作は、ストア・トポロジ管理の一部とみなされます。
詳細は、ストアの構成の決定に関する項を参照してください。
このリリースでは、Simple Network Management Protocol (SNMP)またはJava Management Extensions (JMX)を使用してストアを監視する機能が追加されています。これらのインタフェースを使用して監視を有効にする方法の詳細は、『Oracle NoSQL Database管理者ガイド』で標準化されたインタフェース監視に関する項を参照してください。JMXを使用して監視できる内容の詳細は、 oracle.kv.mgmt.jmxパッケージを参照してください。SNMPを使用して監視できる内容の詳細は、nosql.mibファイルを参照してください。
SNMPがサポートされるのは、EEバージョンのみです。
リリース1.0では、管理コンソール(HTMLベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェース)を使用してストアを構成できました。このリリースでは、管理コンソールで行えるのはストアの監視のみになります。かわりに、コマンドライン・インタフェースを使用して排他的にストアの管理と構成が可能になります。
ストアの構成と監視に使用するコマンドライン・インタフェースが変更されたため、CLIコマンドでは多くの構文が変更されています。したがって、Oracle NoSQL Databaseリリース1に書き込まれていたCLIスクリプトをこのリリースで使用するためには、いずれも書き換えが必要です。
Oracle NoSQL Databaseリリース1では、ストレージ・ノードを1つのレプリケーション・ノードのみで構成することが強く推奨されていました。これは、ストレージ・ノードの物理特性が、ストア・レイアウトに関する決定で考慮されなかったためです。リリース2では、ストレージ・ノードの特性とシャードの可用性がストア・レイアウトのガイドとして使用されます。その結果、1つのストレージ・ノードだけでも、リソースが十分であれば複数のレプリケーション・ノードを事実上ホストできるようになっています。
このリリースでは、Avroデータ形式が新たにサポートされます。この形式の使用が関係するのは大部分が開発者のみですが、Avroをサポートするには、ストアでAvroスキーマ(JSONを使用して指定されます)を追加して管理する必要があります。Avroスキーマの記述は開発チームが行いますが、ストアでのスキーマの管理はストア管理者にとっても重要です。
ストアにおけるスキーマの追加と管理の詳細は、『Oracle NoSQL Database管理者ガイド』でAvroスキーマの管理に関する項を参照してください。
このリリースではOracle外部表のサポートが追加され、NoSQLストアに格納されているデータをOracle Databaseに読み込めるようになります。これは読取り専用のメカニズムです。
詳細は、oracle.kv.exttabのパッケージ・サマリーを参照してください。
外部表がサポートされるのは、EEバージョンのみです。
このリリースには、管理コンポーネントのバージョン3とレプリケーション・ノード・コンポーネントのバージョン2が用意されています。その結果オンディスク形式が変更され、これらのコンポーネントによって格納される内部データにも影響します。この変更は上位互換であり、旧バージョンのコンポーネントによって作成されたデータを新バージョンのコンポーネントで読み込むことはできますが、新しいコンポーネントによって作成されたデータを旧バージョンのコンポーネントで読み込むことはできません。したがって、リリース2へのアップグレード後に、システム管理者がストアをリリース1に戻すことはできません。
開発者は、本製品について次の変更点に注意する必要があります。
このリリースでは、Avroデータ形式が新たにサポートされます。リリース1.0では、ストアのレコードの値部分にデータを配置する際のシリアライズ・メカニズムは開発者が担当しました。現在は、Avroを使用してこの機能を実行できるため、スキーマベースのバイナリ・データ形式がきわめてコンパクトになります。Avroを使用するには、レコードの値に含まれるデータにスキーマを定義する(JSONを使用して)必要があります。
本製品で今後予定されている機能をサポートするために、可能なかぎりAvroデータ形式を使用することを強く推奨します。
Avroスキーマの作成の詳細は、スタート・ガイドの第7章「Avroスキーマ」を参照してください。Avroデータ形式を使用する値のシリアライズ/デシリアライズの詳細は、スタート・ガイドの第8章「Avroバインディング」を参照してください。
このリリースで追加されたAvroのサポートとともに、スキーマベースのJSONデータを格納するためのJSONバインディングも導入されます。これは、Oracle NoSQL DatabaseをJSONベースの既存データ・ソースおよびシステムと統合しようとする開発者にとって重要な意味を持ちます。
このリリースでは、ラージ・オブジェクトが新たにサポートされます。ラージ・オブジェクト(LOB)のサポートにより、データをマテリアライズすることなくストアとの間で直接データのストリーミングが可能になります。これは、データ項目のサイズが大きくなるためにJava仮想マシンのガベージ・コレクションのパフォーマンスが損なわれる恐れがある場合に効果的です。
LOBをサポートするには、ストアにおけるレコードの読取り/書込み/削除に特定のAPIを使用する必要があります。特定の接尾辞を持つキーを使用してLOBレコードを識別することも必要です。
LOBサポートの詳細は、『Oracle NoSQL Databaseスタート・ガイド』のラージ・オブジェクトの使用に関する項を参照してください。
このリリースには、NoSQL DBクライアントを開発するためのC APIが用意されています。C APIはJava Native Interfaceを使用するため、実行するにはJava仮想マシンが必要です。
C APIの詳細は、別途ダウンロードしてご利用いただけるOracle NoSQL Database C APIリファレンス・ガイドを参照してください。
このリリースではOracle外部表のサポートが追加され、NoSQLストアに格納されているデータをOracle Databaseに読み込めるようになります。これは読取り専用のメカニズムです。
詳細は、oracle.kv.exttabのパッケージ・サマリーを参照してください。
外部表がサポートされるのは、EEバージョンのみです。
Community Editionで、ソースからビルドするときにはbuild.xmlファイルが正しく機能しません。
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