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Oracle® Big Data Applianceオーナーズ・ガイド
リリース2 (2.2.1)
E48216-02
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14 Oracle Integrated Lights Out Managerの使用方法

Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)は、サーバーとスイッチを監視するために使用できるOracle Big Data Applianceのインストール済コンポーネントです。Oracle ILOMは第7章で使用します。

この章の内容は次のとおりです。


関連項目:

Oracle Integrated Lights Out Manager 3.0のドキュメント・ライブラリ

http://docs.oracle.com/cd/E19860-01/


14.1 Oracle ILOMの概要

Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)によって、Oracle Big Data Applianceラックのサーバーとスイッチを管理および監視するために使用できる拡張サービス・プロセッサ(SP)のハードウェアおよびソフトウェアが提供されます。Oracle ILOM専用のハードウェアおよびソフトウェアは、各コンポーネントに事前インストールされています。これは、電源が適用されると同時に自動的に初期化されます。

Oracle ILOMでは、オペレーティング・システムの状態にかかわらずOracle Big Data Applianceのサーバーをアクティブに管理および監視できるため、信頼性の高いLights-Out Management (LOM)システムが実現します。

Oracle ILOMによって、次のことをプロアクティブに実行できます。

  • ハードウェアのエラーおよび障害を発生時に認識できます。

  • サーバーの電源状態をリモートから制御できます。

  • グラフィカル・コンソールと非グラフィカル・コンソールを表示できます。

  • システムのセンサーとインジケータの現在のステータスを表示できます。

  • システムのハードウェア構成を確認できます。

  • システム・イベントに関して事前に生成されるアラートを受信できます。

Oracle ILOMサービス・プロセッサは、独自の組込みオペレーティング・システムを実行し、連携してアウトオブバンド管理機能を提供する専用のイーサネット・ポートを持ちます。また、Oracle ILOMには、サーバー・オペレーティング・システム(Oracle Linux)からアクセスできます。Oracle ILOMを使用すると、ローカルKVMを使用する場合と同じように、Oracle Big Data Applianceをリモートから管理できます。

14.1.1 Oracle ILOMのインタフェース

Oracle ILOMでは、その機能および動作にアクセスするための2つのインタフェースがサポートされます。ブラウザ・ベースのWebインタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用できます。

Webインタフェース

Webインタフェースでは、ブラウザを使用してSPにログインし、システム管理および監視を実行できます。

コマンドライン・インタフェース

コマンドライン・インタフェース(CLI)では、キーボード・コマンドを使用してOracle ILOMを操作できます。これは、業界標準のDMTFスタイルのCLIおよびスクリプト・プロトコルに準拠します。Oracle ILOMでは、CLIに対するセキュアなアクセスのためにSSH v2.0およびv3.0がサポートされます。CLIでは、既存のスクリプトを再利用することや、わかりやすいインタフェースを使用してタスクを自動化できます。

14.1.2 Oracle ILOMのユーザー

Oracle Big Data Applianceサーバーは、初期設定ではrootユーザーについてのみ構成されます。

インフィニバンド・スイッチは、次の追加ユーザーを使用して構成されます。

  • ilom-admin: rootの完全な権限を使用することなく、システム構成を変更するために必要な書込み権限を提供します。

  • ilom-operator: システムを監視するための読取り専用権限を提供します。

必要に応じてrootとして追加ILOMユーザーを作成できます。

14.2 管理ネットワーク図

図14-1に、管理Oracle ILOMネットワークを示します。この図は、2組の18のサーバーと2つのSun Network QDR InfiniBand Gatewayスイッチを示しています。Ciscoイーサネット管理スイッチがサーバーとインフィニバンド・スイッチに接続されています。

図14-1 Oracle Big Data Applianceの管理ネットワーク

図14-1の説明が続きます
「図14-1 Oracle Big Data Applianceの管理ネットワーク」の説明

14.3 Oracle Big Data ApplianceコンポーネントのOracle ILOM IPアドレス

サービス・プロセッサ(Oracle ILOM)・アクセス用に少なくとも1つの静的IPアドレスが必要です。製造時にOracle Big Data Applianceコンポーネントに割り当てられるデフォルトのOracle ILOM IPアドレスのリストは、「工場出荷時のネットワーク設定」を参照してください。

Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティを使用してこれらのIPアドレスを再構成した後、再構成したIPアドレスを使用してOracle ILOMにアクセスする必要があります。

14.4 ネットワークを使用したOracle ILOMへの接続

通常、イーサネット接続を介したネットワークを使用してOracle ILOMにアクセスできます。Oracle ILOMのイーサネット・アドレスを把握しておく必要があります。システム構成の前は、アドレスは工場出荷時のIPアドレス設定になっています。システム構成の後は、インストール・テンプレートにリストされているコンポーネント名またはIPアドレスを使用できます。CLIまたはブラウザ・インタフェースを使用してOracle ILOMにアクセスできます。または、リモートKVMセッションを起動できます。


注意:

ネットワークを通じてOracle ILOMのIPアドレスにアクセスできる場合、この接続方法を使用できます。この接続方法を使用することをお薦めします。第7章を参照してください。

この項で説明する項目は、次のとおりです。

14.4.1 コマンドライン・インタフェースへの接続

Oracle ILOMコマンドライン・インタフェースに接続するには、次の手順を実行します。

  1. PuTTYなどのセキュア・シェル(SSH)・クライアントを開きます。

  2. 「Host Name (or IP address)」フィールドに、接続するコンポーネントのOracle ILOM名またはIPアドレスを入力します。たとえば、構成の前にSun Network QDR InfiniBand Gatewayスイッチの工場出荷時のデフォルトIPアドレスである192.168.1.203を入力します。構成の後に、新しいIPアドレスまたはbda1sw-ib2などの名前を入力します。

  3. 「Connection Type」として「SSH」が選択されていることを確認します。

  4. 入力を求められたら、ユーザー名とパスワードを入力します。デフォルト・ユーザー名はrootで、デフォルト・パスワードはwelcome1です。

    CLIのコマンド・プロンプト(#)が表示されます。

  5. コマンドのリストを表示するには、helpと入力します。


関連項目:

Oracle ILOM日常管理 -- CLI手順ガイド

http://docs.oracle.com/cd/E19860-01/


14.4.2 Web GUIへの接続

Oracle ILOM Webインタフェースに接続するには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザを開き、Oracle ILOM名か、Oracle Big Data ApplianceサーバーまたはスイッチのIPアドレスに移動します。

    ログイン画面が表示されます。

  2. ユーザー名とパスワードを入力します。工場出荷時に構成されているユーザー名については、「Oracle ILOMのユーザー」を参照してください。初期パスワードはwelcome1です。

    注意: パスワードを変更するには、passwdコマンドを使用します。

  3. 「Log In」をクリックします。

    図14-2に示すとおり、Web GUIが表示されます。

    図14-2 Oracle Big Data Appliance X3-2サーバー上のOracle ILOM Webインタフェース

    図14-2の説明が続きます
    「図14-2 Oracle Big Data Appliance X3-2サーバー上のOracle ILOM Webインタフェース」の説明


関連項目:

Oracle ILOM 3.0日常管理 -- Web手順ガイド

http://docs.oracle.com/cd/E19860-01/


14.5 シリアル接続を使用したOracle ILOMへの接続

サーバーでOracle ILOMにアクセスする際に、次のいずれかの問題が原因でネットワークを使用してOracle ILOMにアクセスできない場合、シリアル接続を使用してOracle ILOMに接続できます。

  • ネットワークの不適切な構成

  • Oracle ILOM IPアドレスの不適切な構成

  • Ciscoイーサネット・スイッチ・ポートの不適切な構成

  • サイドバンドの構成問題

14.5.1 サーバーのOracle ILOMへの接続

シリアル接続を使用してサーバーのOracle ILOMに接続するには、次の手順を実行します。

  1. ターミナルまたはPCで実行中のターミナル・エミュレーション・ソフトウェアからOracle Big Data ApplianceサーバーのSER MGTポートにシリアル・ケーブルを接続します。ケーブルは、15フィート以下にする必要があります。

  2. ターミナルまたはラップトップが動作していることを確認します。

  3. 次の設定を使用するようにターミナル・デバイスまたはターミナル・エミュレーション・ソフトウェアを構成します。

    • 8N1: 8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビット

    • 9600ボー(デフォルト、ただし最大115200の任意の標準レートに設定可能)

    • ソフトウェア・フロー制御(XON/XOFF)無効

    • ハードウェア制御無効

  4. 電源がいずれかのPSUに供給されていることを確認します。

    電源がいずれかのPSUに供給されていれば、サーバーの電源状態にかかわらずOracle ILOMは動作します。

  5. ターミナル・デバイスで[Enter]を押します。ターミナル・デバイスとOracle ILOM間の接続が確立されます。

    Oracle ILOMのログイン・プロンプトが表示されます。

  6. デフォルト・パスワードwelcome1を使用してrootとしてCLIにログインします。

    Oracle ILOMのデフォルト・コマンド・プロンプトが表示されます。

14.5.2 インフィニバンド・スイッチのOracle ILOMへの接続

シリアル接続を使用してインフィニバンド・スイッチのOracle ILOMに接続するには、次の手順を実行します。

  1. USBとシリアルをつなぐコネクタをスイッチのUSBポートに接続します。

  2. ターミナルまたはラップトップが動作していることを確認します。

  3. 次の設定を使用するようにターミナル・デバイスまたはターミナル・エミュレーション・ソフトウェアを構成します。

    • 8N1: 8データ・ビット、パリティなし、1ストップ・ビット

    • 115200ボー

    • ソフトウェア・フロー制御(XON/XOFF)無効

    • ハードウェア制御無効

  4. シリアル・デバイスの[Return]または[Enter]キーを数回押して、接続を同期します。

    次のようなテキストが表示される場合があります。

    where nm2name is the host name of the management controller.The name might be the word hostname.

    テキストが表示されない場合でも、手順5に進んでください。

  5. 管理ユーザー名とパスワード(ilom-adminおよびwelcome1)を使用してログインします。#プロンプトが表示されます。


    注意:

    この出力またはプロンプトが表示されない場合、シリアル構成、USBとシリアルをつなぐコネクタ、またはCLIに問題があります。