この章では、Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティの使用方法について説明します。内容は次のとおりです。
注意: ネットワーク管理者は、Oracle Big Data Applianceを設置する前に、構成ユーティリティによる出力ファイルを使用して、ネットワーク構成をチェックする必要があります。そうしない場合、ネットワーク・エラーによって大幅な遅延が発生する可能性があります。「Oracle Big Data Applianceのネットワークの準備」を参照してください。 |
Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティは、インストールおよびデプロイメント・ファイルを生成するために使用します。
ユーティリティは、次のワークシートを含むスプレッドシートとして実装されます。
Welcome
Network Configuration
Server Group Configuration (1から3枚のワークシート)
Preview
オラクル社の担当者は、通常、Oracle Big Data Appliance構成ワークシートでユーザーによって提供された情報から、Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティを完成します。ユーザーとオラクル社の担当者は、連携してOracle Big Data Applianceが正しく構成されていることを確認します。構成に含まれる手順の順序は、Oracle Big Data Appliance構成ワークシート を参照してください。
この項では、Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティの使用方法について説明します。次の項目について説明します。
Apache OpenOffice Spreadsheet 3.4またはOracle Open Office Calc 3.3を使用してスプレッドシートを構成する必要があります。Microsoft Office Excelなどの他のスプレッドシート・プログラムは使用しないでください(スプレッドシートは変更できますが、ファイルは生成できません)。
Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティを入手するには、My Oracle Support情報センターID 1445745.2を参照してください。
Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティを開くには、次の手順を実行します。
次のWebサイトからOpenOfficeをダウンロードし、インストールの指示に従います。
Apache OpenOffice Spreadsheetを開きます。
OpenOffice Spreadsheetで、bda_configurator.odsファイルを開きます。現在の設定でマクロが許可されない場合、メッセージが表示されます。
マクロ設定を変更するため、次の手順を実行します。
「Tools」メニューから「Options」を選択します。
ナビゲーション・ツリーで、「OpenOffice.org」フォルダを展開して「Security」を選択します。
右側のペインで、「Macro Security」をクリックします。
セキュリティ・レベルを下げるか、信頼できるソースを入力します。
オートコレクトを無効にするため、次の手順を実行します。
「Tools」メニューから「AutoCorrect Options」を選択します。
「Options」タブを選択します。
すべてのチェック・ボックスの選択を解除し、「OK」をクリックします。
オートコレクト設定によって、パスワードの入力が困難になる場合があります。
変更を保存してスプレッドシートを再ロードします。
セキュリティ警告が表示されたら、「Enable Macros」を選択します。
この手順では、Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティを使用して、インストールのデフォルト構成設定をカスタマイズする方法について説明します。スプレッドシートの各フィールドの詳細は、この章の他の項を参照してください。
前の手順の説明に従って、OpenOfficeでスプレッドシートを開きます。
「Welcome」ページでは、インストールのタイプを選択し、次にドロップダウン・メニューからサーバーのレイアウトを選択します。選択できるレイアウトは、選択したインストールのタイプによって変わります。
「Next」をクリックして「Network Configuration」シートを編集します。
Oracle Big Data Appliance構成ワークシートの指定に従って、ネットワーク構成設定を入力します。サーバーIPアドレスが連続していない場合、それらを「Preview」ページで入力できます。
「Next」をクリックします。変更が無効な場合は、エラー・メッセージが表示されます。「Server Group 1」シートに進む前に、エラーを修正する必要があります。
変更を破棄するには、「Reset」をクリックします。
Oracle Big Data Appliance構成ワークシートの指定に従って、ソフトウェア構成設定を入力します。サーバー・グループを既存のクラスタに追加する場合は、すべての設定が表示されなくなります。
「Welcome」シートの選択内容によっては、1枚から3枚の「Server Group」シートを完成する必要があります。「Next」をクリックして次の「Server Group」シートを表示します。
「Preview」をクリックして、ユーザーの入力で定義された構成設定を表示します。変更を行うには、「Previous」をクリックして特定のシートのタブをクリックするか、「Preview」ページで手動で変更を入力します。生成された変更を「Preview」シートに表示するには、「Software Configuration」シートで「Preview」をクリックする必要があります。
構成に問題がなければ、「Preview」シートの「Save Configuration」をクリックして構成ファイルを生成します。
この手順では、ワークシートは保存されません。変更を保存するには、「Save」アイコンをクリックします。
「Select Path」ダイアログ・ボックスで構成ファイルの場所を選択します。ファイルは、その場所のbda-customer_name/rack_nameというディレクトリ(bda-Example Inc/bda1など)に作成されます。
単一のラックやラックの一部を構成している場合は、これで完了です。マルチラック・クラスタの場合は、プライマリ・ラック外部の各拡張について「Network Configuration」を別個のワークシートのセットで完成させます。
ネットワーク管理者にインストール・テンプレートを送付して、構成が適切であることを確認します。
ネットワーク管理者に最終的なインストール・テンプレート、hostsファイルおよびpreinstall-checkip.shスクリプトを送付して、Oracle Big Data Applianceの設置に備えてネットワークを準備します。
Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティによって、システムの構成時に使用される次のファイルが生成されます。これらは、customer_name/rack_nameというディレクトリ(bda-Example Inc/bda1など)に作成されます。ラックに複数のクラスタを構成する場合、ユーティリティによってクラスタごとにディレクトリが作成されます。
フル・ラック、スタータ・ラック、またはラック内拡張キットが1つ組み込まれたスタータ・ラックのネットワーク構成が含まれます。すべてのサーバー、スイッチおよびPDUの情報が含まれます。Oracle Big Data Applianceにコピーするため、このファイルをUSBドライブに転送します。「ネットワークの構成」を参照してください。
1つまたは2つのラック内拡張キットのネットワーク構成が含まれます。すべてのサーバーに関する情報が含まれますが、スイッチやPDUの情報は含まれません。Oracle Big Data Applianceにコピーするため、このファイルをUSBドライブに転送します。「ネットワークの構成」を参照してください。
スプレッドシートに指定されたサーバー・グループの、ネットワーク構成、ポート番号、デフォルトのユーザー名、パスワードなどの情報が含まれます。スプレッドシートによってクラスタごとに異なるパラメータ・ファイルが作成されます。複数のクラスタが構成される場合、各パラメータ・ファイルは別個のサブディレクトリ(config/cluster_name)に配置されます。Oracle Big Data Applianceにコピーするために、ファイルをUSBドライブに転送します。「新規ラックへのソフトウェアのインストール」を参照してください。
ラック内拡張キットを既存のクラスタに追加するために構成する場合、パラメータ・ファイルはスプレッドシートによって生成されません。Mammothユーティリティによって生成されます。
印刷可能な形式でスプレッドシートの「Installation Preview」ページを再現します。ネットワーク管理者などのユーザーは、このインストール・テンプレートを使用して設定を検証し、最終的な修正作業を実行できます。
すべてのネットワーク上のすべてのホストのIPアドレスとドメインをリストします。
パブリック(クライアント)ネットワーク上のサーバー
管理ネットワーク上のサーバー
プライベート(インフィニバンド)ネットワーク上のサーバー
管理ネットワーク上のOracle ILOM
管理ネットワーク上のスイッチおよびPDU
一連のテストを実行して、Oracle Big Data Applianceの特定名およびIPアドレスがネーム・サーバーに正しく追加されており、それらが既存のネットワーク構成と競合していないことを確認します。このスクリプトの実行手順は、「Oracle Big Data Applianceのネットワークの準備」を参照してください。
図4-1に、インストール・テンプレートの最初のページの一部を示します。
表4-2から表4-6では、Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティの「Network Configuration」シートのフィールドの概要について説明します。詳細は、Oracle Big Data Appliance構成ワークシートを参照してください。
表4-2でラックの一般的なプロパティについて説明します。
表4-3では、ラック全体のネットワーク・プロパティについて説明します。DNSサーバー、NTPサーバーまたは検索ドメインが異なる、孤立したクライアント・ネットワークと管理ネットワークがサイトにある場合、クライアント・ネットワークにはこの項を、管理ネットワークには表4-7を実行します。
表4-3 ラックのネットワーク・プロパティ
表4-4では、ラック内の個々のネットワーク・プロパティについて説明します。node01に割り当てるIPアドレスを指定します。他のサーバーには、連番が自動的に割り当てられます。十分なアドレスの範囲がアクセス・タイプごとに空いていることを確認してください。連続したIPアドレスがサーバーで使用できない場合、「Preview」ページを編集できます。
表4-4 サーバーのネットワーク・プロパティ
スプレッドシートのフィールド | 説明 |
---|---|
Administrative - eth0 |
管理ネットワークの18個のうちの最初のIPアドレス |
Private - bondib0 |
18個のうちの最初のIPアドレス |
Client Access - bondeth0 |
クライアント・アクセス・ネットワークの18個のうちの最初のIPアドレス |
ILOM |
管理ネットワークの18個のうちの最初のIPアドレス |
表4-5では、すべてのスイッチのネットワーク・プロパティについて説明します。第7章の説明に従って、手動でスイッチを構成します。3個の連続したIPアドレスがインフィニバンド・スイッチで使用できない場合、「Preview」ページを編集できます。
表4-5 スイッチのネットワーク・プロパティ
スプレッドシートのフィールド | 説明 |
---|---|
KVM Switch IP |
KVMスイッチのIPアドレス。Oracle Big Data Appliance X3-2にはKVMスイッチはないため、該当しません。 |
Cisco Switch IP |
CiscoスイッチのIPアドレス |
First InfiniBand Switch IP |
インフィニバンド・スイッチの3個のうちの最初のIPアドレス |
表4-6では、配電ユニット(PDU)のネットワーク・プロパティについて説明します。第7章の説明に従って、手動でPDUを構成します。
表4-7では、管理ネットワークとクライアント・ネットワークでネットワーク・プロパティが異なる場合の管理ネットワークのネットワーク・プロパティについて説明します。通常、これらのプロパティは両方のネットワークで同じで、これらのフィールドを空のままにできます。一般的なネットワーク・プロパティとして入力した値にデフォルト設定されます。表4-3を参照してください。
表4-7 高度なネットワーク構成プロパティ
スプレッドシートのフィールド | 説明 |
---|---|
Admin Domain |
管理ドメイン名(一般的なラックのプロパティで指定したドメインと異なる場合)。 |
Are administrative host name entries in the DNS? |
「Yes」または「No」を選択します。 |
Admin DNS Servers |
最大4つの管理ドメイン・ネーム・システム・サーバーのIPアドレス(一般的なネットワーク・プロパティで指定したアドレスと異なる場合)。 |
Admin NTP Servers |
最大4つの管理ネットワーク・タイム・プロトコル・サーバーのIPアドレス(一般的なネットワーク・プロパティで指定したアドレスと異なる場合)。 |
Admin Search Domains |
Oracle Big Data Appliance管理ネットワークが稼働する最大4つのドメイン名(一般的なネットワーク・プロパティで指定したドメインと異なる場合)。 |
サーバー・グループは、CDHクラスタ、Oracle NoSQL Databaseクラスタまたは既存のクラスタのアドインとして構成できます。サーバー・グループを構成しないこともできます。クラスタ・タイプの選択により、スプレッドシートに表示される他のソフトウェアの選択に影響します。
CDHクラスタ: Oracle NoSQL Databaseデータベースを構成するフィールドが表示されなくなります。
Oracle NoSQL Database: Oracle Big Data Connectors、MySQL DatabaseおよびCloudera Managerを構成するフィールドが表示されなくなります。
既存のクラスタのアドオン、または構成しない: その他のすべてのフィールドが表示されなくなります。ソフトウェア構成の選択はありません。
表4-8から表4-12では、Oracle Big Data Appliance構成ユーティリティの「Software Configuration」シートのすべてのフィールドの概要について説明します。
表4-8では、Oracle Big Data Applianceに用意されているオプションのソフトウェアについて説明します。Oracle Big Data Connectorsのライセンスを持っている場合は、ソフトウェアをインストールできます。これらのコンポーネントの詳細は、『Oracle Big Data Applianceソフトウェア・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
表4-8 インストールされるコンポーネント
表4-9では、自動サービス・リクエスト(ASR)のオプションについて説明します。このサービスでは、Oracle Big Data Applianceハードウェアの健全性を監視します。ASRマネージャは、障害を検出すると、Oracleサポート・サービスにサービス・リクエストを自動的に送信します。ASRの詳細は、第5章を参照してください。
表4-9 Oracle自動サービス・リクエスト
スプレッドシートのフィールド | 説明 |
---|---|
自動サービス・リクエストを有効にしますか。 |
このサービスを無効にすることもできますが、「Yes」を選択してASRを有効にすることを強くお薦めします。 |
ASR Manager Host |
ASRがインストールされるネットワーク上のLinuxサーバーの完全修飾名 |
ASRマネージャのポート番号。デフォルト・ポートは162です。 |
|
ASR Server Root Password |
ASRマネージャ・ホストの |
表4-10では、ソフトウェアのインストール時に設定できるユーザー、グループおよびパスワードについて説明します。パスワードを空白のままにすると、インストール時にその入力を要求されます。Network File System (NFS)プロトコルをサポートするには、Oracle IDが、接続されたOracle Exadata Database MachineのIDと一致している必要があります。
表4-10 ユーザー、グループおよびパスワード
表4-11では、Cloudera ManagerでCDHクラスタからアラートを送信するために使用する電子メール・サーバーの構成設定について説明します。
表4-11 Cloudera Managerの電子メール・アラート
スプレッドシートのフィールド | 説明 |
---|---|
企業がその内部ネットワークで使用する既存のSMTPサーバーの完全修飾名 |
|
Email Server (SMTP) Port |
電子メール・サーバーで使用されるポート番号 |
電子メールで認証を使用しますか。 |
「Yes」または「No」を選択します。 |
Email Server (SMTP) User Name |
Cloudera ManagerがSMTPサーバーでの認証のために使用するユーザー名。認証が「No」に設定されている場合、このフィールドは表示されません。 |
Email Server (SMTP) Password |
ユーザー名のパスワード。認証が「No」に設定されている場合、このフィールドは表示されません。 |
Email Server uses SSL? |
「Yes」または「No」を選択します。 |
Email Alert Recipients |
最大4つの電子メール・アドレス。これらのユーザーは、Cloudera Managerからアラートを受信します。 |
表4-12では、Oracle Big Data Appliance用Oracle Enterprise Managerシステム監視プラグインに対する構成設定について説明します。
表4-12 Oracle Enterprise Manager Cloud Control
スプレッドシートのフィールド | 説明 |
---|---|
Enable Enterprise Manager? |
Oracle Enterprise Managerシステム監視プラグインを使用する場合、「Yes」を選択します。 |
Cloud Control host |
Oracle Big Data Appliance用のプラグインを含むOracle Enterprise Managerがインストールされているサーバーの完全修飾名。 |
Cloud Control user name |
スーパー管理権限を持ち、管理 |
Cloud Control password |
Cloud Controlユーザー名のパスワード。 |
Cloud Control registration password |
Oracle Big Data Appliance上のOracle Management Agentを検証するためのEnterprise Managerエージェント登録パスワード。 |
Cloud Control DBA SYS password |
Cloud Controlリポジトリのための |
OMS port |
Oracle Enterprise Manager Cloud Control Webインタフェースのポート番号。 |
OMS upload port |
Oracle Enterprise Manager Cloud Control WebインタフェースのHTTPアップロード・ポート番号。 |