Coherence for Javaを使用すると、データ、データ・イベント、データ処理などのCoherenceクラスタ・サービスに、Coherenceクラスタ外部からJavaアプリケーションを使用してアクセスできます。Java Extendクライアントは通常、Coherenceキャッシュへのアクセスを必要とするデスクトップ・アプリケーションやWebアプリケーションで使用されます。
Coherence for Javaライブラリは、Coherenceクラスタ内で稼働する Coherence*Extend のクラスタ・サービス・インスタンスに、高性能なTCP/IPベースの通信レイヤーを使用して接続します。このライブラリからCoherence*Extendクラスタ・サービスにすべてのクライアント・リクエストが送信され、このサービスは実際のCoherenceクラスタ・サービス(パーティション・キャッシュ・サービス、レプリケーション・キャッシュ・サービスなど)に委任することで、クライアント・リクエストに応答します。
クラスタのメンバーであるキャッシュ・クライアントと同様に、Java Extendクライアントでは、CacheFactory.getCache()
APIコールを使用してNamedCache
インスタンスを取得します。これが取得されると、クライアントはCoherenceクラスタに組み込まれている場合と同じようにNamedCache
にアクセスします。NamedCache
の操作はリモートのクラスタ・ノードに(TCP/IPを介して)送信されますが、この処理はクライアント・アプリケーションに対して完全に透過的に行われます。
C++や.NETのディストリビューションとは異なり、Javaには個別のクライアント・ディストリビューションはありません。Coherence for Javaで提供されるAPIは、Extendクライアントの作成に使用するAPIと同じです。APIは、『Oracle Coherenceでのアプリケーションの開発』で詳しく説明されているため、このガイドでは同様の説明は行いません。Java Extendクライアントを構築する場合は、このガイドの「第I部 スタート・ガイド」(基本的な設定用)と、『Oracle Coherenceでのアプリケーションの開発』の第IV部のプログラミングAPIの使用に関する項を参照してください。