この章では、Coherence RESTを埋込みHTTPサーバー、WebLogicサーバーおよびGlassFishサーバーにデプロイする方法について説明します。一般的なサーブレット・コンテナの使用方法についても説明します。Coherence RESTの保護の詳細は、『Oracle Coherenceの保護』を参照してください。
この章には次の項が含まれます:
Coherenceでは、REST Webサービスをホストするために使用できる2つの埋込みHTTPサーバーを提供しています。com.tangosol.coherence.rest.server.DefaultHttpServer(Oracleの軽量HTTPサーバーでバッキング)とcom.tangosol.coherence.rest.server.GrizzlyHttpServer(Grizzlyでバッキング)です。デフォルトのHTTPサーバーの変更の詳細は、「埋込みHTTPサーバーの変更」を参照してください。
HTTPサーバーは、Coherenceプロキシ・サーバー上で有効である必要があります。HTTPサーバーを有効にするには、プロキシのキャッシュ構成ファイルを編集して、<http-acceptor>要素を<proxy-scheme>要素の中に追加し、HTTPサーバーのホストおよびポートを指定します。
次の例では、ローカルホスト127.0.0.1およびポート8080でリクエストを受け入れるようにHTTPサーバーを構成します。例では、HTTPサーバー・クラスおよびJerseyリソース構成クラスを明示的に定義し、Coherence RESTアプリケーションのコンテキスト・パスとして/を使用しています。ただし、デフォルト値があるので含める必要はありません。コンテキスト・パスは必要に応じて変更でき、別のコンテキス・パスとともに追加のCoherence RESTアプリケーションを定義できます。すべての<http-acceptorサブ要素の詳細なリファレンスは、『Oracle Coherenceでのアプリケーションの開発』を参照してください。
<proxy-scheme>
<service-name>ExtendHttpProxyService</service-name>
<acceptor-config>
<http-acceptor>
<class-name>
com.tangosol.coherence.rest.server.DefaultHttpServer</class-name>
<local-address>
<address>127.0.0.1</address>
<port>8080</port>
</local-address>
<resource-config>
<context-path>/</context-path>
<instance>
<class-name>
com.tangosol.coherence.rest.server.DefaultResourceConfig
</class-name>
</instance>
</resource-config>
</http-acceptor>
</acceptor-config>
<autostart>true</autostart>
</proxy-scheme>
WebLogic Serverには、WebLogicサーバー・ドメイン内にCoherenceアプリケーションをパッケージ化、デプロイおよび管理する方法を標準化するCoherence統合機能が含まれています。Coherence RESTは統合標準に準拠する必要があります。WebLogicサーバー・ドメインのクラスタの構成に関する詳細は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』を参照してください。さらに、Coherenceアプリケーションは、グリッド・アーカイブ(GAR)としてパッケージ化する必要があります。GARの作成に関する詳細は、『Oracle WebLogic ServerのためのOracle Coherenceアプリケーションの開発』を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
Coherence RESTのドメインの構成:
Coherence RESTをホストするWebLogicサーバー・ドメインに、管理Coherenceサーバーを作成します。サーバーは、Coherenceクラスタのストレージが無効なメンバーとして構成する必要があります。Coherence RESTソリューションに複数の管理Coherenceサーバーが必要な場合、サーバーはWebLogicサーバー・クラスタの層として管理される必要があります。管理Coherenceサーバーに関する詳細は『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』を参照してください。
COHERENCE_HOME/lib/coherence-rest.jarを管理Coherenceサーバーを対象とする共有ライブラリとしてデプロイします。
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注意:
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Coherence RESTは、GlassFish参照実装からのJAXBプロバイダを要求します。WebLogicサーバーはデフォルトでEclipse MOXy JAXBプロバイダを使用します。GlassFish JAXBプロバイダを使用するようにWebLogicサーバーを構成するには、WebLogicサーバーの起動時に、次のシステム・プロパティを設定します。
-Dcom.sun.xml.ws.spi.db.BindingContextFactory=com.sun.xml.ws.db. glassfish.JAXBRIContextFactory -Djavax.xml.bind.JAXBContext=com.sun.xml.bind.v2.ContextFactory
WebLogic Server用のGlassFish JAXBプロバイダの構成の詳細は、『Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービス・スタート・ガイド』を参照してください。
Coherence REST Webアプリケーションをパッケージ化するには:
次のようにWebアプリケーション・ディレクトリ構造を作成します。
/ /WEB-INF/ /WEB-INF/classes/ /WEB-INF/lib/
次のJARファイルをORACLE_HOME/oracle_common/modules/ディレクトリから/WEB-INF/libディレクトリにコピーします。
jackson-core-asl-1.9.2.jar
jackson-jaxrs-1.9.2.jar
jackson-mapper-asl-1.9.2.jar
jackson-xc-1.9.2.jar
jersey-core-1.17.1.jar
jersey-json-1.17.1.jar
jersey-multipart-1.17.1.jar
jersey-server-1.17.1.jar
jersey-servlet-1.17.1.jar
Webアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタ(web.xml)を作成し、次のようにRESTアプリケーションのサーブレットの定義を含めます。
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注意: デフォルトのサーブレット・コンテキスト・リスナーは、RESTアプリケーションのシャットダウン中にクラスタ・メンバーをシャットダウンする |
<web-app>
...
<listener>
<listener-class>
com.tangosol.coherence.rest.servlet.DefaultServletContextListener
</listener-class>
</listener>
<servlet>
<servlet-name>Coherence REST</servlet-name>
<servlet-class>com.sun.jersey.spi.container.servlet.ServletContainer
</servlet-class>
<init-param>
<param-name>com.sun.jersey.config.property.resourceConfigClass
</param-name>
<param-value>
com.tangosol.coherence.rest.server.ContainerResourceConfig
</param-value>
</init-param>
<load-on-startup>1</load-on-startup>
</servlet>
<servlet-mapping>
<servlet-name>Coherence REST</servlet-name>
<url-pattern>/rest/*</url-pattern>
</servlet-mapping>
...
</web-app>
web.xmlファイルを/WEB-INF/ディレクトリに保存します。
jarユーティリティを使用して、WARファイルを作成します。たとえば、Webアプリケーション・ディレクトリのルートでコマンド・プロンプトから次のコマンドを発行します。
jar -cvf coherence_rest.war *
Coherenceアプリケーションをパッケージ化するには:
coherence-rest-config.xmlファイルをCoherenceアプリケーションのルートにコピーします。構造は次のとおりにする必要があります。
/ /com/myco/MyClass.class /lib/ /META-INF/ /META-INF/coherence-application.xml /META-INF/coherence-cache-config.xml /META-INF/pof-config.xml coherence-rest-config.xml
pof-config.xmlファイルを編集し、Coherence RESTデフォルト・ユーザー・タイプを含むcoherence-rest-pof-config.xml POF構成ファイルをインクルードします。例:
<pof-config>
<user-type-list>
<include>coherence-pof-config.xml</include>
<include>coherence-rest-pof-config.xml</include>
...
</user-type-list>
</pof-config>
coherence-rest-pof-config.xmlファイルがcoherence-rest.jarライブラリに配置され、実行時に自動的にロードされます。
jarユーティリティを使用して、GARファイルを作成します。たとえば、コマンド・プロンプトからGARディレクトリのルートで次のコマンドを発行します。
jar -cvf MyCohApp.gar *
エンタープライズ・アプリケーションをパッケージ化するには
エンタープライズ・アプリケーション・ディレクトリ構造を作成し、Coherence REST WARファイルおよびCoherenceアプリケーションGARファイルをEARのルートにコピーします。例:
/ /META-INF/ /META-INF/application.xml /META-INF/weblogic-application.xml /coherence_rest.war /MyCohApp.gar
application.xmlファイルを編集し、Coherence REST Webアプリケーションのモジュール定義を追加します。例:
<application>
<module>
<web>
<web-uri>coherence_rest.war</web-uri>
<context-root>/</context-root>
</web>
</module>
</application>
weblogic-application.xmlファイルを編集し、coherence-rest.jar共有ライブラリのライブラリ参照およびCoherenceアプリケーションGARファイルのモジュール参照を追加します。例:
<weblogic-application>
<module>
<name>person</name>
<type>GAR</type>
<path>MyCohApp.gar</path>
</module>
<library-ref>
<library-name>coherence-rest</library-name>
</library-ref>
</weblogic-application>
jarユーティリティを使用して、EARファイルを作成します。たとえば、コマンド・プロンプトでEARディレクトリのルートから次のコマンドを発行します。
jar -cvf MyCohRestApp.ear *
エンタープライズ・アプリケーションをデプロイするには
WebLogicサーバー・管理コンソールまたはWLSTツールを使用して、タスク1で作成した管理CoherenceサーバーにEARをデプロイします、
ブラウザから、管理Coherenceサーバーのリスニング・ポートに移動しURLの一部にキャッシュ名を含めることにより、デプロイメントを検証します。例: http://host:port/rest/{cacheName}
この項では、Coherence RestをJava EE環境にデプロイする方法について説明します。
この項には、次のトピックが含まれます:
Coherence RESTアプリケーションをパッケージ化するには:
次のように基本のWebアプリケーション・ディレクトリ構造を作成します。
/ /WEB-INF /WEB-INF/classes /WEB-INF/lib
次のJARファイルをCOHERENCE_HOME/libディレクトリおよびORACLE_HOME/oracle_common/modules/ディレクトリから/WEB-INF/libディレクトリへコピーします:
coherence.jar
coherence-rest.jar
jackson-core-asl-1.9.2.jar
jackson-jaxrs-1.9.2.jar
jackson-mapper-asl-1.9.2.jar
jackson-xc-1.9.2.jar
jersey-core-1.17.1.jar
jersey-json-1.17.1.jar
jersey-multipart-1.17.1.jar
jersey-server-1.17.1.jar
jersey-servlet-1.17.1.jar
Webアプリケーション・デプロイメント・ディスクリプタ(web.xml)を作成し、次のようにRESTアプリケーションのサーブレットの定義を含めます。
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注意: デフォルトのサーブレット・コンテキスト・リスナーは、RESTアプリケーションのシャットダウン中にクラスタ・メンバーをシャットダウンする |
<web-app>
...
<listener>
<listener-class>
com.tangosol.coherence.rest.servlet.DefaultServletContextListener
</listener-class>
</listener>
<servlet>
<servlet-name>Coherence REST</servlet-name>
<servlet-class>com.sun.jersey.spi.container.servlet.ServletContainer
</servlet-class>
<init-param>
<param-name>com.sun.jersey.config.property.resourceConfigClass
</param-name>
<param-value>
com.tangosol.coherence.rest.server.ContainerResourceConfig
</param-value>
</init-param>
<load-on-startup>1</load-on-startup>
</servlet>
<servlet-mapping>
<servlet-name>Coherence REST</servlet-name>
<url-pattern>/*</url-pattern>
</servlet-mapping>
...
</web-app>
web.xmlファイルを/WEB-INF/ディレクトリに保存します。
coherence-rest-config.xmlファイルを/WEB-INF/classesディレクトリにコピーします。
coherence-cache-config.xmlファイルおよびtangosol-coherence-override.xmlファイルをWEB-INF/classesディレクトリにコピーします。
jarユーティリティを使用して、Web ARchive (WAR)ファイルを作成します。たとえば、Webアプリケーション・ディレクトリのルートでコマンド・プロンプトから次のコマンドを発行します。
jar -cvf coherence_rest.war *
アーカイブには次のファイルが含まれます。
/WEB-INF/web.xml /WEB-INF/classes/coherence-rest-config.xml /WEB-INF/classes/tangosol-coherence-override.xml /WEB-INF/classes/coherence-cache-config.xml /WEB-INF/lib/coherence.jar /WEB-INF/lib/coherence-rest.jar /WEB-INF/lib/jersey-server-1.17.1.jar /WEB-INF/lib/jersey-servlet-1.17.1.jar /WEB-INF/lib/jersey-core-1.17.1.jar /WEB-INF/lib/jersey-json-1.17.1.jar /WEB-INF/lib/jersey-multipart-1.17.1.jar /WEB-INF/lib/jersey-grizzly2-1.12.jar /WEB-INF/lib/jackson-core-asl-1.9.2.jar /WEB-INF/lib/jackson-jaxrs-1.9.2.jar /WEB-INF/lib/jackson-mapper-asl-1.9.2.jar /WEB-INF/lib/jackson-xc-1.9.2.jar
Coherence RESTをGlassFishサーバーにデプロイするには:
GlassFish管理コンソール(http://localhost:4848/)から「構成」→JVM設定とクリックします。
「JVMオプション」オプション・タブをクリックして、次のオプションを追加します。
-Dcom.sun.enterprise.overrideablejavaxpackages=javax.ws.rs,javax.ws.rs.core,javax.ws.rs.ext
「デプロイメント用のCoherence RESTのパッケージ化」で説明されているように、Coherence RESTをWARファイルとしてパッケージ化します。また、WEB-INF/sun-web.xmlまたはWEB-INF/glassfish-web.xmlでクラス・ローダー委任をfalseに設定することで、GlassFishで配信されるJerseyのバージョンをCoherence RESTで配信されるJerseyのバージョンにオーバーライドします。例:
<sun-web-app error-url=""> <class-loader delegate="false"/> </sun-web-app>
GlassFish管理コンソールを使用してWARをデプロイします。
ブラウザから、http://localhost:8080/coherence_rest/{cacheName}に移動して、デプロイメントを検証します。
Coherence RESTをWARファイルとしてパッケージ化することで、Coherence RESTを任意のサーブレット・コンテナにデプロイできます。詳細は、「デプロイ用のCoherence RESTのパッケージ化」を参照してください。WARファイルのデプロイの詳細は、ベンダーのドキュメントを参照してください。また、追加のサーブレット・コンテナ・デプロイメントのオプションについては、Jerseyユーザー・ガイドを参照してください。
http://jersey.java.net/nonav/documentation/latest/user-guide.html#d4e194