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Oracle® Fusion Middleware Oracle Coherenceの統合
12c (12.1.2)
B70740-02
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8 CoherenceとWebLogic Portalの統合

この章では、Oracle CoherenceをOracle WebLogic Portalと統合する方法について説明します。具体的には、Coherenceには次の統合点があります。HTTPセッション状態管理のためのCoherence*Web、Personalization (P13N) CacheProvider SPIの実装、およびCoherenceを使用するWeb Services for Remote Portlets (WSRP)フェデレーテッド・ポータルとWebLogicポータルのカスタム・データ転送メカニズムとの間の効率的なデータ共有のためのブループリントです。

この章では、次の内容を説明します。

8.1 P13N CacheProvider SPIの実装

WebLogic Portalでは、内部的に独自のキャッシュ・サービスを使用して、ポータル、パーソナライズおよびコマースの各データをキャッシュ処理します。その説明は次のURLを参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/E15919_01/wlp.1032/e14255/com/bea/p13n/cache/package-summary.html

WebLogic Portal 8.1.6以降には、サード・パーティ・キャッシュ・ベンダーで実装できるP13Nキャッシュ・サービス用のSPIが付属しています。Coherenceには、P13Nキャッシュ・プロバイダSPIの実装(com.tangosol.coherence.weblogic.PortalCacheProvider)が組み込まれており、WebLogic Portalアプリケーションにインストールすると、コードを変更することなく、キャッシュしたP13Nデータを透過的に管理できます。CoherenceとWebLogic Portalを組み合せることによって、キャッシュ・トポロジを柔軟に選択できるようになります。

たとえば、ポータル・サーバーが4GBのヒープ制限(32ビットJVMの場合)を超えていることやポータル・サーバーのガベージ・コレクション(GC)時間が長くなっていることが判明した場合は、クライアントとサーバーで構成するキャッシュ・トポロジを利用して、シリアライズ可能なP13N状態をポータルJVMから1台以上の専用Coherenceキャッシュ・サーバーに移動できます。これによって、ポータルJVMのヒープ・サイズとGC時間が低減されます。また、Coherence管理フレームワークを使用して統計を詳しく監視することで、P13Nキャッシュ設定をより適切な状態に調整できます。さらに、Coherenceキャッシュ・プロバイダによって、標準のP13NキャッシュAPIを使用して、ポートレットでCoherenceキャッシュ・サービスを利用できるようになります。

Coherence P13Nキャッシュ・プロバイダインストールする手順は次のとおりです。

  1. Coherenceインストールのlibディレクトリから、付属のcoherence-wlp.jarライブラリとcoherence.jarライブラリをWebLogic PortalアプリケーションのAPP-INF/libディレクトリにコピーします。

  2. 各WebLogic PortalアプリケーションのMETA-INFディレクトリにあるp13n-cache-config.xmlファイルで、Coherence P13Nキャッシュ・プロバイダPortalCacheProviderをデフォルトのプロバイダとして構成します。具体的には、最初の<cache>要素の直前に次の行を追加します。

    <default-provider-id>com.tangosol.coherence.weblogic</default-provider-id>
    

プロバイダで使用するCoherence CacheProviderとCoherenceキャッシュの構成の詳細は、PortalCacheProviderクラスのJavadocを参照してください。

WebLogic Portalで使用するキャッシュのリストについては、次のドキュメントを参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/E15919_01/wlp.1032/e14227/toc.htm

8.2 Coherenceを使用したWSRPフェデレーテッド・ポータル間でのデータ共有

WSRPプロトコルは、任意のポータル・サーバーとサーバー・クラスタでホストされたポータルのフェデレーションをサポートするように設計されています。WSRPを使用して、他のリモート・ポータルでホストされている様々なポートレットにあるコンテンツとユーザー・インタフェース(UI)を集約できます。WSRPのみでは、スケーラブルで高信頼性、高性能なフェデレーテッド・ポータルを実装して、分散ポートレットで共有するデータを作成、アクセス、およびそのライフ・サイクルを管理するという課題に対処できません。ただし、WebLogic PortalにはWSRP仕様の拡張機能が用意されています。この拡張機能をOracle Coherenceと組み合せることによって、WSRPのコンシューマとプロデューサでは、スケーラブルで高い信頼性と高パフォーマンスを備えた方法で、スコープを設定した共有データの作成、表示および変更のほか、これらのデータへの同時アクセスの制御が可能になります。

詳細は、次のURLを参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/E15919_01/wlp.1032/e14235/toc.htm