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Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理
12c (12.1.2)
E47968-02
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5 ポートの管理

この章では、Oracle WebLogic ServerまたはOracle HTTP Serverによって使用されるポート番号などの、Oracle Fusion Middlewareポート番号の確認および変更方法について説明します。

内容は次のとおりです。

5.1 ポートの管理について

Oracle Fusion Middlewareの多くのコンポーネントやサービスはポートを使用します。ほとんどのポート番号はドメインの作成時に割り当てられます。それらのサービスで使用されるポート番号を認識し、同じポート番号をホスト上の2つのサービスで使用されないようにすることは、管理者として重要です。

一部のポートは、ドメインの作成時にポート番号割当てを指定できます。


関連項目:

ポート番号のリストは、付録Dを参照してください。インストール時のポートの割当てを無効にする方法の詳細は、インストレーション・ガイドを参照してください。


5.2 ポート番号の表示

次の項で説明されているように、コマンドラインまたはFusion Middleware Controlを使用して、現在使用中のポート番号を表示できます。

5.2.1 コマンドラインを使用したポート番号の表示

Oracle WebLogic Serverのポート番号を表示するには、属性を指定してWLSTのgetコマンドを使用します。たとえば、管理ポートを取得するには、次のコマンドを使用します。

wls:/WLS_domain/serverConfig> get('AdministrationPort')
9002

5.2.2 Fusion Middleware Controlを使用したポート番号の表示

Fusion Middleware Controlを使用して、ドメイン、管理サーバー、管理対象サーバー、またはOracle HTTP Serverなどのコンポーネントのポート番号を表示できます。

たとえば、ドメインのポートを表示するには、次の手順を実行します。

  1. ナビゲーション・ペインからドメインを選択します。

  2. 「WebLogicドメイン」メニューで「監視」、「ポートの使用状況」を選択します。

    次の図に示すように、「ポートの使用状況」ページが表示されます。

    ports.gifの説明が続きます
    図ports.gifの説明

    オプションで、「表示」から管理対象サーバーを選択することで、表示するポートをフィルタできます。

「ポートの使用状況の詳細」表に、使用されているポート、IPアドレス、コンポーネント、チャネルおよびプロトコルが表示されます。

ターゲットに移動し、ターゲットのメニューから「ポートの使用状況」を選択することで、管理サーバー、管理対象サーバーおよびOracle HTTP Serverなどのコンポーネントについて同様のページを表示できます。

5.3 Oracle Fusion Middlewareで使用するポート番号の変更

Fusion Middleware Control、Oracle WebLogic Server管理コンソールまたはコマンドラインを使用して、一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネントのポート番号を変更できます。


注意:

ポート番号は、未使用であるポートの任意のポート番号に変更できます。コンポーネントに割り当てられているポート範囲内のポート番号を使用する必要はありません。割当て済のポート範囲の詳細は、付録Dを参照してください。


この項の内容は次のとおりです。

その他のポートの変更の詳細は、次を参照してください。

5.3.1 Oracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

次の項で説明するように、Oracle WebLogic Server管理コンソールまたはWLSTを使用して、WebLogic Server管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更できます。

Oracle WebLogic Serverポートの変更の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』を参照してください。

5.3.1.1 管理コンソールを使用したOracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、WebLogic Server管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更する手順は次のとおりです。

  1. サーバーにナビゲートします。

    server_nameの設定」ページが表示されます。

  2. 「構成」タブを選択します。「一般」タブで、「リスニング・ポート」または「SSLリスニング・ポート」の数値を変更します。

  3. サーバーが稼働中であれば、サーバーを再起動します。

  4. 別のコンポーネントがOracle WebLogic Serverリスニング・ポートに依存している場合、これらのコンポーネントを再構成する必要があります。

5.3.1.2 WLSTを使用したOracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

WLSTコマンドラインを使用して、WebLogic Server管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更する手順は次のとおりです。コマンドはオフライン・モードで(サーバーに接続せずに)実行する必要があります。

たとえば、管理サーバーのHTTPリスニング・ポートをポート8001に変更するには、次のWLSTコマンドを使用します。

readDomain("oracle/config/domains/domain_name")
cd("servers/AdminServer")
cmo.setListenPort(8001)
updateDomain()

5.3.2 Oracle HTTP Serverリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP Serverリスニング・ポート(非SSLまたはSSL)を変更する場合、通常、設定する必要がある依存関係が存在します。

次の各項では、Oracle HTTP ServerのHTTPまたはHTTPSリスニング・ポートを変更する方法について説明します。

5.3.2.1 1024未満に設定されたポート使用時のOracle HTTP Serverのroot実行の有効化(UNIXのみ)

UNIXシステムでリスニング・ポートを1024未満の番号に変更する場合は、Oracle HTTP Serverのリスニング・ポート番号を変更する前に、次の手順を実行します。

デフォルトでは、Oracle HTTP Serverは非rootユーザー(Oracle Fusion Middlewareをインストールしたユーザー)として実行されます。UNIXシステムでは、Oracle HTTP Serverのリスニング・ポート番号を1024未満の値に変更する場合は、次のようにrootとして実行するようにOracle HTTP Serverを有効にする必要があります。

  1. rootとしてログインします。

  2. Oracleホームで次のコマンドを実行します。

    cd ORACLE_HOME/ohs/bin
    chown root .apachectl
    chmod 6750 .apachectl
    

5.3.2.2 WebLogic ServerドメインでのOracle HTTP Serverの非SSLリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP Serverの非SSL (HTTP)リスニング・ポートを変更するには、次の作業を実行します。UNIXシステムでリスニング・ポートを1024未満の番号に変更する場合は、最初に第5.3.2.1項の手順を実行する必要があります。

Fusion Middleware Controlを使用してOracle HTTP Serverリスニング・ポートを変更するには:

  1. ナビゲーション・ペインで「Web層」を開いてから、Oracle HTTP Serverインスタンスを選択します。

  2. 「Oracle HTTP Server」メニューで、「管理」→「ポート構成」を選択します。

  3. HTTPプロトコルを使用するリスニング・ポートを選択して、「編集」をクリックします。

  4. ポート番号を変更して、「OK」をクリックします。

  5. Oracle HTTP Serverを再起動します。「Oracle HTTP Server」メニューで、「コントロール」→「再起動」を選択します。

5.3.2.3 WebLogic ServerドメインでのOracle HTTP ServerのSSLリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP ServerのSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更するには、次の作業を実行します。UNIXシステムでリスニング・ポートを1024未満の番号に変更する場合は、第5.3.2.1項の手順を実行する必要があります。

Fusion Middleware Controlを使用してOracle HTTP Server SSLリスニング・ポートを変更するには:

  1. ナビゲーション・ペインで「Web層」を開いてから、Oracle HTTP Serverインスタンスを選択します。

  2. 「Oracle HTTP Server」メニューで、「管理」→「ポート構成」を選択します。

  3. HTTPSプロトコルを使用するリスニング・ポートを選択して、「編集」をクリックします。

  4. ポート番号を変更して、「OK」をクリックします。

  5. Oracle HTTP Serverを再起動します。「Oracle HTTP Server」メニューで、「コントロール」→「再起動」を選択します。

5.3.2.4 スタンドアロン・ドメインでのOracle HTTP Serverリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP Serverの非SSLおよびSSLリスニング・ポートを変更するには、次のファイルを変更します。

DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/instances/component_name/httpd.conf
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/instances/component_name/admin.conf
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/instances/component_name/ssl.conf

5.3.3 Oracle Database Netリスナー・ポートの変更

環境にメタデータ・リポジトリとして機能するOracle Databaseが含まれるときに、そのデータベースのリスナー・ポート番号を変更する場合は、この項で説明する手順を実行します。

最初に、リスナー・ポート番号の変更が必要かどうかを判断します。ホスト上に同じポートを使用する別のデータベースがある場合でも、両方のデータベースで同じポートを使用できます。

複数のOracle Database 10gおよびOracle Database 11gデータベースで、同じOracle Netリスナー・ポートを共有できます。メタデータ・リポジトリとしてOracle Databaseを使用しているホストに別のOracle Database 10gまたはOracle Database 11gデータベースが含まれる場合、それらはすべてポート1521を使用できます。リスナー・ポート番号を変更する必要はありません。


注意:

ホスト上で同じキー値を使用する2つのリスナーを実行する場合は、第5.3.3.1項「IPCリスナーのKEY値の変更」を参照してください。


この手順は、次のタスクで構成されます。

作業1:   コンポーネントの停止

Metadata Repositoryを使用するすべてのコンポーネントを停止します。手順は、第4章を参照してください。

作業2:   メタデータ・リポジトリのOracle Netリスナー・ポートの変更

メタデータ・リポジトリ・ホストで、次の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数が設定されていることを確認します。

  2. メタデータ・リポジトリ・リスナーを停止します。

    lsnrctl stop
    
  3. 次の場所にあるlistener.oraファイルを編集します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/network/admin/listener.ora
    (Windows) ORACLE_HOME\network\admin\listener.ora
    

    LISTENERエントリの下にあるPORTの値を更新します。ファイルを保存します。

  4. tnsnames.oraファイルを編集します。デフォルトの場所は次のとおりです。

    (UNIX) ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.ora
    (Windows) ORACLE_HOME\network\admin\tnsnames.ora
    

    ファイルに次の変更を加えます。

    1. MDSリポジトリに適用する各エントリでPORT値を更新します。

    2. 次のようなエントリを追加します。

      newnetport =
        (DESCRIPTION =
          (ADDRESS = (PROTOCOL = tcp) (HOST = hostname) (PORT = port)))
      

      この例で、hostnameは完全修飾のホスト名、portは新しいポート番号です。

  5. メタデータ・リポジトリ・リスナーを起動します。

    lsnrctl start
    
  6. SQL*Plusを使用して、SYSDBA権限を持つSYSTEMユーザーとしてメタデータ・リポジトリにログインし、次のコマンドを実行します。

    SQL> ALTER SYSTEM SET local_listener='newnetport' scope=spfile;
    
  7. SQL*Plusを使用して、メタデータ・リポジトリを再起動します。

    SQL> SHUTDOWN
    SQL> STARTUP
    
    (UNIX) DOMAIN_HOME/bin/startComponent.sh OID1
    (Windows) DOMAIN_HOME\bin\startComponent.cmd OID1
    
作業3:   システム・データ・ソースの変更

メタデータ・リポジトリに新しいポート番号を使用するようにシステム・データ・ソースを変更します。これを行うには、Fusion Middleware Controlを使用できます。

  1. チェンジ・センターで、「ロックして編集」をクリックします。

  2. ナビゲーション・ペインで、ドメインを展開します。

    「WebLogicドメイン」ページが表示されます。

  3. 「WebLogicドメイン」メニューから「JDBCデータ・ソース」を選択します。

    「JDBCデータ・ソースのサマリー」ページが表示されます。

  4. 変更するデータ・ソースを選択します。

    「JDBCデータ・ソース」ページが表示されます。

  5. 「接続プール」タブを選択します。

  6. データベース・ポートを変更するには、「データベースURL」フィールドを変更します。次に例を示します。

    jdbc:oracle:thin:@hostname.domainname.com:1522/orcl
    
  7. 「保存」をクリックします。

  8. このデータ・ソースを使用するサーバーを再起動します。(「ターゲット」タブをクリックし、このデータ・ソースを使用するサーバーを表示します)。

5.3.3.1 IPCリスナーのKEY値の変更

2つのリスナーのIPCプロトコル・アドレスに同じKEY値の使用が構成されている場合は、それらを同時に実行できません。デフォルトでは、メタデータ・リポジトリ・リスナーのIPC KEY値はEXTPROCに設定されます。したがって、EXTPROCキーを使用するIPCリスナーが他にもある場合は、EXTPROC1などの別のキー値を使用するようにメタデータ・リポジトリ・リスナーを構成する必要があります。

IPCリスナーのKEY値を変更する手順は次のとおりです。

  1. リスナーを停止します(ORACLE_HOME環境変数が最初に設定されていることを確認します)。

    lsnrctl stop
    
  2. listener.oraおよびtnsnames.oraファイルを編集します。各ファイルで、次の行を探します。

    (ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROC))
    

    この行を次のように変更します。

    (ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROC1))
    
  3. リスナーを再起動します。

    lsnrctl start