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Oracle® Fusion Middlewareパフォーマンスのチューニング・ガイド
12c (12.1.2)
E47969-01
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4 Oracle Fusion Middlewareの監視

Oracle Fusion Middlewareには、サーバーとアプリケーションのパフォーマンスの監視に使用できる各種テクノロジおよびツールが用意されています。監視はパフォーマンス・チューニングにおける重要なステップです。監視を行うことで、サーバー・アクティビティの評価、傾向の観察、システムのボトルネックの診断、パフォーマンスに問題のあるアプリケーションのデバッグ、およびシステムのチューニングに役立つデータの収集が可能になります。

この章の内容は次のとおりです。


注意:

このガイドの製品固有の章には、ほとんどの製品を対象とした追加の監視情報が含まれます。


4.1 Oracle Fusion Middlewareの管理ツールについて

Oracle Fusion Middlewareをインストールして構成した後、グラフィカル・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・ツールを使用して環境を管理できます。

各ツールは『Oracle Fusion Middlewareの管理』の「Oracle Fusion Middleware管理ツールの概要」に説明されています。


注意:

Oracle Process ManagerおよびNotification Server (OPMN)はOracle Fusion Middlewareで使用されなくなりました。かわりに、システム・コンポーネントはWLST、ノード・マネージャおよび圧縮と圧縮解除などのWebLogic管理フレームワークにより管理されます。『Oracle Fusion Middlewareコンセプトの理解』の「WebLogic管理フレームワークとは」を参照してください。


4.1.1 パフォーマンス・メトリックの測定

メトリックは、シナリオをパフォーマンス目標と比較評価するための基準です。パフォーマンス・メトリックを使用すると、ボトルネックの特定やリソースの可用性に関する問題の検出が可能になります。また、コンポーネントをチューニングしてスループットおよびレスポンス時間を改善することもできます。パフォーマンス基準を決定したら、パフォーマンス目標を定量化するためのメトリックを測定します。

たとえば、レスポンス時間、スループットおよびリソース使用率をメトリックとして使用するとします。各メトリックのパフォーマンス目標となるのは、許容される値です。メトリックの実際の値を目標と照合し、パフォーマンス目標に達しているのか、あるいはパフォーマンス目標を上回っているのか、下回っているのかを確認します。

Oracle Fusion MiddlewareのコンポーネントやアプリケーションをFusion Middleware Controlで管理または監視する場合は、そのコンポーネントまたはアプリケーションの現在のパフォーマンスを詳しく分析するパフォーマンス・メトリックが使用されます。多くの場合、これらのメトリックは対話型グラフの形式で表示されますが、表形式で表示されることもあります。パフォーマンス・メトリックの使用や対比は、監視対象となるコンポーネントまたはアプリケーションの「パフォーマンス・サマリー」ページから行うことをお薦めします。

この後の項では、サーバーおよびアプリケーションのパフォーマンスの監視に使用できるOracle Fusion Middlewareのテクノロジおよびツールについて概説します。

Oracle Fusion Middlewareを初めて使用する場合や、「パフォーマンス・サマリー」ページを使用した環境の監視について詳しい情報が必要な場合は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareのパフォーマンスの表示に関する項を参照してください。また、Fusion Middleware Controlオンライン・ヘルプには、管理および監視のページで使用できる個々のパフォーマンス・メトリックの定義とその他の情報が記載されています。

4.2 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control

Fusion Middleware Controlは、ドメインの監視および管理に使用できるWebブラウザベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。これは、1つのOracle WebLogic Serverドメインとその管理サーバー、1つ以上の管理対象サーバーの他に、クラスタ、ドメインにインストールされ、構成および実行されている複数のOracleミドルウェア・コンポーネント、およびデプロイするアプリケーションを管理します。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control使用の概要を参照してください。

4.3 Oracle WebLogic Server管理コンソール

Oracle WebLogic Server管理コンソールは、Oracle WebLogic Serverドメインの管理に使用する、Webブラウザ・ベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。これは、管理サーバーへのネットワーク・アクセスでサポートされるWebブラウザからアクセスできます。

WebLogic Serverコンソールの使用法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle WebLogic Server管理コンソール使用の概要に関する項を参照してください。

WebLogic Serverコンソールに関するその他のリソースを次に示します。

各サマリー表の内容の詳細は、WebLogic管理コンソール・オンライン・ヘルプの「サーバーの監視」を参照してください。

WebLogic Serverを使用したドメインの監視の詳細は、『Oracle WebLogic Serverのパフォーマンスのチューニング』を参照してください。

4.4 WebLogic診断フレームワーク(WLDF)

WebLogic診断フレームワーク(WLDF)は、サーバーやアプリケーションで生成された診断データの収集が可能な監視および診断用のフレームワークです。WLDFは、データを収集して、ログ・レコード、データ・イベント、取得したメトリックなどの各種ソースに格納するように構成できます。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』の診断フレームワークの理解に関する項を参照してください。


注意:

WebLogic診断フレームワーク、およびOracle Fusion Middlewareコンポーネントの監視におけるWebLogic診断フレームワークの利用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』を参照してください。


4.5 WebLogic Scripting Tool (WLST)

Oracle WebLogic Scripting Tool (WLST)は、Oracle WebLogic Serverドメインの作成、管理および監視に使用するコマンドライン・スクリプト環境です。これは、Javaのスクリプト・インタープリタであるJythonがベースとなっています。ローカル変数、条件変数、フロー制御文などのJythonの標準機能のサポートのほかに、WLSTには、Oracle WebLogic Serverに固有のスクリプト関数(コマンド)セットが用意されています。Jythonの言語構文に従うことで、必要に応じてWebLogicのスクリプト言語を拡張できます。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle WebLogic Scripting Tool (WLST)使用の概要に関する項を参照してください。

4.6 DMSスパイ・サーブレット

DMSスパイ・サーブレットを使用すると、WebブラウザからDMSメトリック・データにアクセスできます。DMS対応のアプリケーションやコンポーネントで作成および更新されるデータは、DMSスパイ・サーブレットを通じてアクセス可能です。

4.6.1 スパイ・サーブレットを使用したパフォーマンス・メトリックの表示

DMSスパイ・サーブレットはDMS Webアプリケーションの一部です。DMS WebアプリケーションのWebアーカイブ・ファイルはdms.warで、dms.jarと同じディレクトリ/modules/oracle.dms_12.1.2/dms.warにあります。

デフォルトでは、DMS WebアプリケーションはJRF対応のサーバー・インスタンスの一部としてデプロイされます。URLはhttp://host:port/dms/Spyです。

管理者ロールのアクセス権限を持つユーザーのみがこのURLを表示できます。これは、web.xmlの標準的なJava EE要素によってアクセスが制限されているためです。

4.6.2 DMSスパイ・サーブレットの使用

図4-1に、スパイ・サーブレットの初期ページを示します。両側に同じメトリック表のリストが表示されています。

図4-1 スパイ・サーブレット・ページ - メトリック表

図4-1の説明が続きます
「図4-1 スパイ・サーブレット・ページ - メトリック表」の説明

スパイ・サーブレットには、WebLogic Serverのメトリック表に加えて、デプロイされる非Java EEコンポーネントのメトリック表も表示されます。

メトリック表がスパイ・サーブレットに表示されるためには、その表の作成および更新を行うコンポーネントがインストールされ、稼働していることが必要です。稼働していないコンポーネントのメトリック表は表示されません。名前に:を含むメトリック表(weblogic_j2eeserver:app_overviewなど)は、メトリック・ルールによって生成された集計メトリック表です。

メトリック表の内容を表示するには、表の名前をクリックします。たとえば、図4-2はMDS_Partition表を示しています。

図4-2 MDS_Partition表

図4-2の説明が続きます
「図4-2 MDS_Partition表」の説明

メトリック表のフィールドの説明を参照するには、表の下の「メトリック定義」リンクをクリックします。

4.7 オペレーティング・システムのネイティブ・パフォーマンス・コマンド

各オペレーティング・システムには、監視用の便利なネイティブ・ツールおよびユーティリティが用意されています。オペレーティング・システムのネイティブ・コマンドを使用すれば、CPU使用率、ページング・アクティビティ、スワッピング、その他のシステム・アクティビティ情報などを収集して監視することができます。

オペレーティング・システム・コマンドの詳細は、オペレーティング・システム・ベンダー提供のドキュメントを参照してください。

4.8 ネットワーク・パフォーマンス・モニタリング・ツール

オペレーティング・システムのネットワーク・モニタリング・ツールを使用すると、使用率の監視、ネットワークがボトルネックになっていないかどうかの確認、またはパケット損失やその他のネットワーク・パフォーマンスの問題の検出を行うことができます。ネットワーク・パフォーマンス監視の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。