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Oracle® Fusion Middlewareインフラストラクチャ・コンポーネントのためのWLSTコマンド・リファレンス
12c (12.1.2)
E48021-01
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8 診断フレームワークのカスタムWLSTコマンド

診断フレームワークでは、クリティカル・エラーについて関連する診断を適時に捕捉するのに役立ちます。診断は、詳細に分析するためにOracleサポートに送信できます。診断フレームワークのコマンドを使用して、インシデントを生成し、既存のインシデントを問い合せ、個別の診断ダンプを実行して特定の診断データを収集します。この章では、コマンド構文、引数、コマンド例などの診断フレームワークのWLSTコマンドについて詳細に説明します。

診断フレームワークの使用に関する詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』の「問題の診断」を参照してください。


注意:

診断フレームワークのカスタムWLSTコマンドを使用するには、Oracle共通ホームからWLSTスクリプトを起動する必要があります。『Oracle Fusion Middlewareの管理』のカスタムWLSTコマンドの使用に関する項を参照してください。


表8-1に、診断フレームワーク・コマンドの各種カテゴリをリストします。

表8-1 診断コマンド・カテゴリ

コマンド・カテゴリ 説明

インシデント・コマンド


問題およびインシデントを表示し、インシデントを作成します。

診断ダンプ・コマンド


ダンプに関する情報を表示し、ダンプを実行します。

ダンプ・サンプリング・コマンド


指定した間隔で診断ダンプのサンプルを取得します。


インシデント・コマンド

表8-2のコマンドを使用して、問題およびインシデントを表示し、インシデントを作成します。

表8-2 インシデント・コマンド

使用するコマンド 目的 WLST使用

createAggregatedIncident


指定した基準に一致するインシデントのコピーを含むzipファイルが含まれている集計インシデントを作成します。

オンライン

createIncident


診断インシデントを作成します。

オンライン

getIncidentFile


指定したインシデント・ファイルの内容を取得します。

オンライン

listADRHomes


一連のADRホーム・パスをリストします。

オンライン

listIncidents


一連の診断インシデントをリストします。

オンライン

listProblems


一連の診断問題をリストします。

オンライン

queryIncidents


指定した基準に一致するインシデントをリストします。

オンライン

reloadCustomRules


すべてのカスタム診断ルールまたは指定したルールをリロードします。

オンライン、オフライン

showIncident


指定したインシデントの詳細を表示します。

オンライン


createAggregatedIncident

WLST使用: オンライン

説明

指定した基準に一致するインシデントのコピーを含むzipファイルが含まれている集計インシデントを作成します。

構文

createAggregatedIncident(query [, servers])
引数 定義
query

単純式で構成された式で、ブール演算子で連結できます。式には、インシデント属性、演算子および文字列が次の書式で含まれます。

attribute operator "string"

単純式はカッコ()でグループ化されたブール演算子ANDまたはORで連結できます。

次のインシデント属性がサポートされています。

  • TIMESTAMP: インシデント作成時間。fromおよびto演算子を使用して時間範囲を指定できます。日付書式はYYYY-MM-DD HH:MMです。

  • ECID: 実行コンテキストID

  • PROBLEM_KEY: 問題キー

  • MSG_FACILITY: エラー・メッセージ機能(ORA、OHSなど)

  • MSG_NUMBER: エラー・メッセージID (600など)

カスタム・インシデント属性もサポートされています。たとえば、TRACEID、APP、URI、AND DSIDがサポートされています。

サポートされている演算子は次のとおりです。

  • equals

  • notEqual

  • startsWith

  • endsWith

  • contains

  • isNull

  • notNull

servers

問い合せる1つ以上のサーバーの名前。この引数はオプションです。指定しない場合、ドメイン内のすべてのサーバーに対してコマンドが実行されます。

このオプションは、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、サーバーwls_server1でODL_TRACE_IDに123456を含むすべてのインシデントに対する集計インシデントを作成します。

createAggregatedIncident(query="ORDL_TRACE_ID equals 123456", servers="wls_server1")
Incident 55 created, containing the following incidents:
Server wls_server1
Incident Id    Problem Key                                     Incident Time
15                 TRACE [123456] [MANUAL]          Mon Apr 15 11:22:12 EDT 2013

次の例では、ドメイン内のすべてのサーバーでODL_TRACE_IDに123456を含むすべてのインシデントに対する集計インシデントを作成します。

createAggregatedIncident(query="ORDL_TRACE_ID equals 123456", servers="wls_server1")
Incident 55 created, containing the following incidents:
Server wls_server1, wls_server2
Incident Id    Problem Key                                     Incident Time
15                 TRACE [123456] [MANUAL]          Mon Apr 15 11:22:12 EDT 2013

createIncident

WLST使用: オンライン

説明

指定した情報を使用して実行する一連の診断ルールおよびアクションを決定して、診断インシデントを作成します。

構文

createIncident([adrHome] [,incidentTime] [,messageId] [,ecid] [,appName]
  [,description] [,server])
引数 定義
adrHome

インシデントを作成するADRホームのパス。ADRホームが存在している必要があります。この引数が指定されない場合、デフォルトのADRホームが使用されます。

デフォルトのADRホームの場所は、次のとおりです。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
incidentTime

インシデントが発生した時点のタイムスタンプ。これが指定されない場合、現在の日時が使用されます。次の内容を指定できます。

  • HH:MMの形式の現在の日の時刻。たとえば、19:45です。

  • MM/DD/YYYY HH:MMの形式の日付および時刻

messageId

エラー・メッセージのID。たとえば、MDS-50400です。

ecid

エラー・メッセージの実行コンテキストID。

appNname

診断を収集する対象となるデプロイ済アプリケーションの名前。

たとえば、複数のADFアプリケーションをデプロイした場合、それぞれがadf.dumpというダンプを登録することがあります。このコマンドを特定のアプリケーションに対して実行するには、そのアプリケーション名を指定する必要があります。

description

インシデントに関連付ける説明テキスト。これは、後でインシデントを確認する場合に便利です。

server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、IDがMDS-50400のメッセージに関連するインシデントを作成します。

createIncident(messageId="MDS-50400", description="sample incident")
Incident Id: 3
Problem Id: 2
Problem Key: MDS-50400 [MANUAL]
Incident Time:Tue May 28 11:52:45 PDT 2013
Error Message Id: MDS-50400
Execution Context:null
Flood Controlled: false
Dump Files :
   jvm_threads25_i3.txt
   dms_metrics26_i3.txt
   dfw_samplingArchive28_i3.readme.txt
   odl_logs29_i3.txt

getIncidentFile

WLST使用: オンライン

説明

指定したインシデント・ファイルの内容を取得します。

構文

getIncidentFile(id, name [,outputFile] [,adrHome] [,server])
引数 定義
id

取得するインシデントのID。

name

取得するファイルの名前。ファイルの名前を確認するには、showIncidentコマンドを使用します。

outputFile

出力を書き込むファイルの名前。

adrHome

情報を取得するADRホームのパス。この引数が指定されない場合、デフォルトのADRホームが問い合せされます。

デフォルトのADRホームの場所は、次のとおりです。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、インシデントdms_metrics3_i1.dmpの内容を指定した出力ファイルに書き込みます。

getIncidentFile(id='1', name='dms_metrics3_i1.dmp', outputFile='/tmp/incident1_dms.txt')
The content of 'dms_metrics3_i1.dmp'is written to /tmp/incident1_dms.txt

listADRHomes

WLST使用: オンライン

説明

サーバーのすべてのADRホームのパスをリストします。

構文

listADRHomes([server])
引数 定義
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、ADRホームのパスをリストします。

listADRHomes()
diag/ofm/base_domain/AdminServer
diag/ofm/EMGC_DOMAIN/EMOMS

listIncidents

WLST使用: オンライン

説明

指定した問題ID (指定されている場合)または使用可能なすべてのインシデントの一連の診断インシデントをリストします。

構文

listIncidents([id] [, adrHome] [,server])
引数 定義
id

一連の診断インシデントをリストする問題のID。

adrHome

インシデントを問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されない場合、デフォルトのADRホームが問い合せされます。

デフォルトのADRホームの場所は、次のとおりです。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、ID 1の問題に関連付けられているインシデントをリストします。

listIncidents(id="1")
Incident Id     Incident Time                   Problem Key
        2       Tue May 28 11:05:59 PDT 2013    MDS-50500 [MANUAL]
        1       Tue May 28 11:02:22 PDT 2013    MDS-50500 [MANUAL]

listProblems

WLST使用: オンライン

説明

指定したADRホームに関連付けられている一連の診断問題リストします。

構文

listProblems([adrHome][,server])
引数 定義
adrHome

問題を問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されない場合、デフォルトのADRホームが問い合せされます。

デフォルトのADRホームの場所は、次のとおりです。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、デフォルトADRホームの診断問題をリストします。

listProblems()
Problem Id        Problem Key
         1        MDS-50500 [MANUAL]
         2        JOC-38922 [AdminServer] [oracle.cache.network]

queryIncidents

WLST使用: オンライン

説明

指定した基準に一致するインシデントをリストします。1つ以上のサーバー間、またはドメイン内のすべてのサーバーに対して特定の属性の値を問い合わせできます。

構文

queryIncidents(query [,servers])
引数 定義
query

単純式で構成された式で、ブール演算子で連結できます。式には、インシデント属性、演算子および文字列が次の書式で含まれます。

attribute operator "string"

単純式はカッコ()でグループ化されたブール演算子ANDまたはORで連結できます。

次のインシデント属性がサポートされています。

  • TIMESTAMP: インシデント作成時間。fromおよびto演算子を使用して時間範囲を指定できます。日付書式はYYYY-MM-DD HH:MMです。

  • ECID: 実行コンテキストID

  • PROBLEM_KEY: 問題キー

  • MSG_FACILITY: エラー・メッセージ機能(ORA、OHSなど)

  • MSG_NUMBER: エラー・メッセージID (600など)

カスタム・インシデント属性もサポートされています。たとえば、TRACEID、APP、URI、AND DSIDがサポートされています。さらに、インシデントreadme.txtファイルに示すとおり、コンテキスト値がサポートされます。たとえば、DFW_APP_NAMEおよびDFW_USER_NAMEがサポートされています。

サポートされている演算子は次のとおりです。

  • equals

  • notEqual

  • startsWith

  • endsWith

  • contains

  • isNull

  • notNull

servers

問い合せる1つ以上のサーバーの名前。この引数はオプションです。指定しない場合、ドメイン内のすべてのサーバーに対してコマンドが実行されます。

このオプションは、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、ドメイン内のすべてのインシデントに対してECID f19wAgN000001を問い合せます。

queryIncidents(query="ECID equals f19wAgN000001")

次の例では、2013年4月1日から2013年4月15日の間に発生したすべてのインシデントをサーバーwls_server1に問い合せます。

 queryIncidents(query="TIMESTAMP from '2013-04-01 00:00'AND TIMESTAMP to '2013-04-15 00:00'", servers=["wls_server1"])

reloadCustomRules

WLST使用: オンライン、オフライン

説明

すべてのカスタム診断ルールまたは指定したカスタム診断ルールをリロードします。

構文

reloadCustomRules([name] [, server])
引数 定義
name

カスタム診断ルールの名前。この引数はオプションです。指定した場合、指定したルールのみがリロードされます。この引数を指定しない場合、すべてのカスタム診断ルールがリロードされます。

カスタム診断ルールが含まれているファイルは、次のいずれかのディレクトリにある必要があります。

DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/dfw
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/dfw
server

ルールのリロード先サーバーの名前。この引数はオプションです。指定しない場合、すべてのサーバーにルールがリロードされます。

このオプションは、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、カスタム診断ルールmyCustomRules.xmlをリロードします。

reloadCustomRules(name='myCustomRules.xml')

showIncident

WLST使用: オンライン

説明

指定したインシデントの詳細を表示します。

構文

showIncident(id, [adrHome][, server])
引数 定義
id

表示するインシデントのID。

adrHome

インシデントを問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されない場合、デフォルトのADRホームが問い合せされます。

デフォルトのADRホームの場所は、次のとおりです。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、IDが10のインシデントに関する情報を表示します。

showIncident(id="10")
Incident Id: 10
Problem Id: 10
Problem Key: MDS-50500 [MANUAL]
Incident Time:Tue May 28 11:02:22 PDT 2013
Error Message Id: MDS-50500
Execution Context:
Flood Controlled: false
Dump Files :
   readme.txt
   jvm_threads10_i1.txt
   dms_metrics11_i1.txt
   dfw_samplingArchive13_i1.JVMThreadDump.txt
   dfw_samplingArchive13_i1.readme.txt
   odl_logs14_i1.txt
   dms_metrics20_i1.txt

診断ダンプ・コマンド

表8-3のコマンドを使用して、ダンプに関する情報を表示し、ダンプを実行します。

表8-3 診断ダンプ・コマンド

使用するコマンド 目的 WLST使用

describeDump


指定した診断ダンプの説明を表示します。

オンライン

executeDump


指定した診断ダンプを実行します。

オンライン

listDumps


実行可能な一連の診断ダンプを表示します。

オンライン


describeDump

WLST使用: オンライン

説明

指定した診断ダンプの説明を表示します。

構文

describeDump(name [,appName] [.server])
引数 定義
name

情報を表示するダンプの名前。

appName

情報を収集するデプロイ済アプリケーションの名前。

たとえば、複数のADFアプリケーションをデプロイした場合、それぞれがadf.dumpというダンプを登録することがあります。このコマンドを特定のアプリケーションに対して実行するには、そのアプリケーション名を指定する必要があります。

server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、odl.logsという名前のダンプに関する情報を表示します。listDumpsコマンドを使用して、使用可能なダンプのリストを取得します。

describeDump(name="odl.logs")
Name: odl.logs
Description: Dump contents of diagnostic logs
Run Mode: asynchronous
Mandatory Arguments: 
Optional Arguments:
    Name        Type     Description
    match_all   BOOLEAN  Whether to match both ECID and time range or any one of them.
    timestamp   LONG     Log message timestamp in milliseconds
    ecid        STRING   Log message execution context ID (ecid)
    exclude_access_logs BOOLEAN  Excludes access logs from dump.
    timerange   LONG     Time range in minutes

executeDump

WLST使用: オンライン

説明

指定した診断ダンプを実行します。

構文

executeDump(name [,args] [,outputFile] [,id] [,adrHome] [,server])
引数 定義
name

実行する診断ダンプの名前。

args

ダンプに渡す必須またはオプションの引数。

outputFile

ダンプを書き込むファイルの名前。この引数を指定しない場合、出力はコンソールに書き込まれます。

id

ダンプを関連付けるインシデントのID。デフォルトでは、指定したダンプはインシデントと関連付けられません。

adrHome

インシデントが含まれているADRホーム。この引数を指定しない場合、デフォルトのADRホームが使用されます。

デフォルトのADRホームの場所は、次のとおりです。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


必須またはオプションの引数は、argsキーワードを使用して指定できます。次に例を示します。

executeDump("java.sysprops",args={"prop" : "os.name"})

次の例では、jvm.threadsという名前のダンプを実行し、それをファイルdumpout.txtに書き込みます。

executeDump(name="jvm.threads", outputFile="/tmp/dumpout.txt")
Diagnostic dump jvm.threads output written to /tmp/dumpoutput.txt

次の例では、jvm.threadsという名前でインシデントIDが33のダンプを実行し、それをファイルdumpout.txtに書き込みます。

executeDump(name="jvm.threads", outputFile="/tmp/dumpout.txt", id="33")
Diagnostic dump jvm.threads output associated with incident 33 in ADR Home diag/ofm/base_domain/AdminServer

次の例では、引数propを値os.nameに設定して、ダンプを実行します。

executeDump(name="java.sysprops",args={"prop" : "os.name"})

listDumps

WLST使用: オンライン

説明

実行可能な一連の診断ダンプを表示します。

構文

listDumps([appName] [,server])
引数 定義
appName

診断を収集する対象となるデプロイ済アプリケーションの名前。

たとえば、複数のADFアプリケーションをデプロイした場合、それぞれがadf.dumpというダンプを登録することがあります。このコマンドを特定のアプリケーションに対して実行するには、そのアプリケーション名を指定する必要があります。

この引数を指定した場合、指定したアプリケーションのダンプがコマンドによって返されます。この引数を指定しない場合、システム・ダンプがコマンドによって返されます。

server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、使用可能なすべてのダンプをリストします。

listDumps()
adf.DiagnosticsJarsVersionDump
dfw.samplingArchive
dms.configuration
dms.ecidctx
dms.metrics
http.requests
jvm.classhistogram
jvm.threads
mds.MDSInstancesDump
odl.activeLogConfig
odl.logs
odl.quicktrace
opss.diagTest
opss.identityStoreUserRoleApiConfig
opss.securityContext
wls.image
 
Use the command describeDump(name=<dumpName>) for help on a specific dump.

ダンプ・サンプリング・コマンド

表8-4のコマンドを使用して、指定した間隔で診断ダンプのサンプルを取得します。

表8-4 ダンプ・サンプリング・コマンド

使用するコマンド 目的 WLST使用

addDumpSample


診断フレームワーク・ダンプのサンプリングを作成します。

オンライン

enableDumpSampling


すべてのダンプ・サンプリングを有効化または無効化します。

オンライン

getSamplingArchives


すべてのダンプ・サンプルを、個々のサンプリング・ファイルとREADMEファイルを含むzipファイルに収集します。

オンライン

isDumpSamplingEnabled


ダンプ・サンプリングが有効か無効かをリストします。

オンライン

listDumpSamples


すべてのダンプ・サンプリング、指定したダンプ・サンプリングまたは指定したサーバーに関連付けられているすべてのダンプ・サンプリングをリストします。

オンライン

removeDumpSample


指定したダンプ・サンプリングを削除します。

オンライン

updateDumpSample


指定したダンプ・サンプリングを更新し、サンプリングの設定を変更します。

オンライン


addDumpSample

WLST使用: オンライン

説明

診断フレームワーク・ダンプのダンプ・サンプリングを作成します。

構文

addDumpSample(sampleName, diagnosticDumpName [, appName], samplingInterval,
 rotationCount [, dumpedImplicitly] [, toAppend] [, args] [, server])
引数 定義
sampleName

サンプリングの名前。

diagnosticDumpName

サンプリング対象の診断ダンプの名前。

appName

オプション。指定された診断ダンプに関連付けられたアプリケーションの名前。appNameが指定されていない場合、診断ダンプはシステム・スコープを使用します。

samplingInterval

サンプリング間隔(秒)。ゼロまたは負数を指定した場合、サンプリングは一時停止します。

rotationCount

ローテーション・リストに保存される診断ダンプ・サンプルの最大数。この上限に達すると、最も古いサンプルが削除されます。

dumpedImplicitly

オプション。診断ダンプのアーカイブをdfw.samplingArchiveに含むかどうかを指定するブール値。有効な値はtrueおよびfalseです。デフォルトは、trueです。

値がfalseで、ダンプ・アーカイブをdfw.samplingArchiveに含む場合、argsパラメータを使用してサンプリング名をexecuteDumpコマンドに渡す必要があります。

toAppend

オプション。dfw.samplingArchiveの実行時に診断ダンプ・サンプルが前のサンプルに追加され、単一アーカイブとなるようにするどうかを指定するブール値。有効な値はtrueおよびfalseです。デフォルトは、trueです。値がtrueの場合、サンプルが前のサンプルに追加されます。値がfalseの場合、dfw.sampleArchiveによって個々のサンプル・ファイルが含まれるzipファイルが返されます。ダンプ・サンプルにバイナリ・データが含まれている場合はfalseを指定します。

args

オプション。毎回のサンプリング時に診断ダンプで使用される診断ダンプ引数。引数は、名前と値のペアとして表示されます。

server

オプション。情報の収集元となるサーバーの名前。このパラメータを指定しない場合、このコマンドによってダンプ・サンプリングが管理サーバーに関連付けられます。


次の例では、ダンプdms.metricsにサンプリングを追加します。

addDumpSample(sampleName='dms_metrics', diagnosticDumpName='dms.metrics',
               samplingInterval=300, rotationCount=10)
 
dms_metrics is added

enableDumpSampling

WLST使用: オンライン

説明

すべてのダンプ・サンプリングを有効化または無効化します。このコマンドは、構成済のすべてのダンプ・サンプリングに影響します。

構文

enableDumpSampling(enable [,server])
引数 定義
enable

ダンプ・サンプリングを有効化または無効化するかを指定するブール値。有効な値はtrueおよびfalseです。

server

オプション。ダンプ・サンプリングを有効化または無効化するサーバーの名前。このパラメータを指定しない場合、このコマンドによって管理サーバーに対するダンプ・サンプリングが有効化または無効化されます。


次の例では、すべてのダンプ・サンプリングを無効化します。

enableDumpSampling(enable=false)

Dump sampling disabled

getSamplingArchives

WLST使用: オンライン

説明

すべてのダンプ・サンプルを、個々のサンプリング・ファイルとREADMEファイルを含むzipファイルに収集します。この方法は、バイナリ形式のダンプを扱う場合に特に有用です。

構文

getSamplingArchives([sampleName,] outputFile [,server])
引数 定義
name

オプション。取得する特定のダンプ・サンプリングの名前。この引数を指定しない場合、すべてのダンプ・サンプリングがコマンドによって返されます。

outputFile

ダンプ・サンプリングを書き込むファイルの絶対パス。

server

オプション。情報の収集元となるサーバーの名前。このパラメータを指定しない場合、このコマンドによって管理サーバーに対するダンプ・サンプルが収集されます。


次の例では、ダンプJVMThreadDumpに対するダンプ・サンプリングを取得します。

getSamplingArchives(sampleName="JVMThreadDump", outputFile="/tmp/jvm_dump.zip")
wrote 63518 bytes to /tmp/jvm_dump.zip

次の例は、zipファイルの内容を示しています。

 unzip -l jvm_dump.zip
Archive:  jvm_dump.zip
  Length     Date   Time    Name
 --------    ----   ----    ----
   508780  05-21-13 07:25   dfw_samplingArchive1065570966467923683.JVMThreadDump.dmp
      840  05-21-13 07:25   dfw_samplingArchive7749640004639161119.readme.txt
 --------                   -------
   509620                   2 files

isDumpSamplingEnabled

WLST使用: オンライン

説明

ダンプ・サンプリングが有効か無効かをリストします。

構文

isDumpSamplingEnabled([server])
引数 定義
server

オプション。ダンプ・サンプリングが有効化または無効化されているかどうかを判断するためのサーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、サーバーwls_server_1に対するダンプ・サンプリングが有効化されているか無効化されているかをリストします。

isDumpSamplingEnabled(server="wls_server_1")

true

listDumpSamples

WLST使用: オンライン

説明

すべてのダンプ・サンプリング、指定したダンプ・サンプリングまたは指定したサーバーに関連付けられているすべてのダンプ・サンプリングをリストします。

構文

listDumpSamples([sampleName] [, server])
引数 定義
sampleName

オプション。サンプリングの名前。

server

オプション。ダンプ・サンプリングをリストするサーバーの名前。このパラメータを指定しない場合、このコマンドによって管理サーバーに対するダンプ・サンプリングがリストされます。


次の例では、サーバーwls_server_1に関連付けられているすべてのダンプ・サンプリングをリストします。

listDumpSamples(server="wls_server_1")
Name              : JVMThreadDump
Dump Name         : jvm.threads
Application Name  : 
Sampling Interval : 30
Rotation Count    : 20
Dump Implicitly   : true
Append Samples    : true
Dump Arguments    : context=true, timing=true, progressive=true, depth=20, threshold=30000
 
Name              : JavaClassHistogram
Dump Name         : jvm.classhistogram
Application Name  : 
Sampling Interval : 1800
Rotation Count    : 5
Dump Implicitly   : false
Append Samples    : true
Dump Arguments    : 

removeDumpSample

WLST使用: オンライン

説明

ダンプ・サンプリングを削除します。

構文

removeDumpSample(sampleName [,server])
引数 定義
sampleName

削除するダンプ・サンプリングの名前。

server

オプション。サンプリングの削除元となるサーバーの名前。このパラメータを指定しない場合、管理サーバーからダンプ・サンプリングが削除されます。


次の例では、サーバーwls_server_1に関連付けられているHTTPSamplingという名前のダンプ・サンプリングを削除します。

removeDumpSample(sampleName="HTTPSampling", server="wls_server_1")

Removed HTTPSampling

updateDumpSample

WLST使用: オンライン

説明

指定したダンプ・サンプリングを更新し、サンプリングの設定を変更します。サンプリングの名前は変更できません。変更内容は次回のサンプリング間隔において有効となります。

構文

updateDumpSample(sampleName [, appName], samplingInterval, 
    rotationCount [,dumpedImplicitly] [, toAppend] [, arg,] 
    [, server])
引数 定義
sampleName

ダンプ・サンプリングの名前。

appName

オプション。指定された診断ダンプに関連付けられたアプリケーションの名前。appNameが指定されていない場合、診断ダンプはシステム・スコープを使用します。

samplingInterval

オプション。サンプリング間隔(秒)。ゼロまたは負数を指定した場合、サンプリングは一時停止します。

rotationCount

オプション。ローテーション・リストに保存される診断ダンプ・サンプリングの最大数。この上限に達すると、最も古いサンプリングが削除されます。

dumpedImplicitly

オプション。診断ダンプのアーカイブをdfw.samplingArchiveに含むかどうかを指定するブール値。有効な値はtrueおよびfalseです。デフォルトは、trueです。

値がfalseで、ダンプ・アーカイブをdfw.samplingArchiveに含む場合、argsパラメータを使用してサンプリング名をexecuteDumpコマンドに渡す必要があります。

toAppend

オプション。dfw.samplingArchiveの実行時に診断ダンプ・サンプルが前のサンプルに追加され、単一アーカイブとなるようにするどうかを指定するブール値。有効な値はtrueおよびfalseです。デフォルトは、trueです。値がtrueの場合、サンプルが前のサンプルに追加されます。値がfalseの場合、dfw.sampleArchiveによって個々のサンプリング・ファイルが含まれるzipファイルが返されます。ダンプ・サンプリングにバイナリ・データが含まれている場合はfalseを指定します。

args

オプション。毎回のサンプリング時に診断ダンプで使用される診断ダンプ引数。引数は、名前と値のペアとして表示されます。

server

オプション。情報の収集元となるサーバーの名前。このパラメータを指定しない場合、管理サーバーに対するダンプ・サンプリングが更新されます。


次の例では、ダンプ・サンプリングHTTPSamplingを更新し、サンプリング間隔、ローテーション・カウントおよびサーバーを変更します。

updateDumpSample(sampleName="HTTPSampling", samplingInterval=200,
                   rotationCount=5, server="wls_server1")
 
HTTPSampling is updated