WebLogic ServerドメインでOracle HTTP Serverを管理するための5つのOHS固有のWLSTコマンドが提供されています。ほとんどがオンライン・コマンドであり、WLSTとそのドメインの管理サーバー間の接続が必要です。
表10-1にリストしたコマンドを使用して、WebLogic ServerドメインのOracle HTTP Serverコンポーネントを作成、開始、停止および削除します。
表10-1 Oracle HTTP Serverのコマンド
使用するコマンド | 目的 | WLST使用 |
---|---|---|
|
Oracle HTTP Serverの新しいインスタンスを作成します。 |
オンライン |
|
指定したOracle HTTP Serverインスタンスを削除します。 |
オンライン |
|
Oracle HTTP Serverの管理サーバーのプロパティ・ファイルにLogLevelプロパティを追加します。 |
オンライン |
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Oracle HTTP Serverのノード・マネージャのプラグイン・プロパティ・ファイルにプロパティを追加します。 |
オンライン |
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テスト用またはOracle HTTP Serverのその他の非本番使用のためのコンパクト・ドメインを作成します。 |
オフライン |
構成ウィザードまたはオフラインWLSTを使用するのではなく、createOHSInstance()およびdeleteOHSInstance()コマンドを使用して、Oracle HTTP Serverインスタンスを作成および削除します(これらのカスタム・コマンドは、追加のエラー・チェックと、インスタンス作成時に自動ポート割当てを実行するため)。Oracle HTTP Server用に記述されたWLSTコマンドは、$ORACLE_HOME/ohs/common/bin/でWLST実装を実行する場合にのみ動作します。
WLST使用: オンライン
createOHSInstance()では、Oracle HTTP Serverの新しいインスタンスを作成し、明示的に指定されるか自動的に割り当てられるリスニング・ポートなどの重要な構成が可能です。
createOHSInstance(instanceName='xxx', machine='yyy', serverName='zzz', ...)
引数 | 定義 |
---|---|
instanceName |
作成する管理対象インスタンスの名前。 |
machine |
インスタンスの既存マシンのエントリ。この名前は、WebLogic Serverドメインの作成時に設定されます。名前を忘れた場合は、$ORACLE_INSTANCE/config/config.xmlを確認して<machine>ブロックを検索します。または、WLSTで、次を実行することでマシン名を見つけることができます。 serverConfig() cd('Machines') ls() |
listenPort |
(オプション) 非SSLサーバーのポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。リスニング・ポートは通常7777から始まり、ここから順次増加します。 |
sslPort |
(オプション) SSL仮想ホストのポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。SSLポートは通常4443から始まり、ここから順次増加します。 |
adminPort |
(オプション) ノード・マネージャとの通信に使用するポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。管理ポートは通常9999から始まり、ここから順次増加します。 |
serverName |
(オプション) 非SSLサーバーのServerNameディレクティブの値。この値が指定されない場合、マシンのホスト名およびリスニング・ポートを使用してこの値が作成されます。 |
WLST使用: オンライン
deleteOHSInstance()は、指定したOracle HTTP Serverインスタンスを削除します。インスタンスは削除する前に停止しておく必要があります。インスタンスがUNKNOWNまたはRUNNING状態の場合、このコマンドによってエラーが返されます。
WLST使用: オンライン
addOHSAdminProperties()は、LogLevelプロパティをOracle HTTP Server管理サーバーのプロパティ・ファイル(ohs_admin.properties)に追加します(addOHSAdminProperties()が現在サポートするのはLogLevelのみ)。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。
addOHSAdminProperties(logLevel = 'value')
引数 | 説明 |
---|---|
LogLevel |
ログに書き込む情報の粒度。デフォルトは
|
WLST使用: オンライン
addOHSNMProperties()は、Oracle HTTP Serverのノード・マネージャのプラグイン・プロパティ・ファイル(ohs_nm.properties)にプロパティを追加します。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。
addOHSNMProperties(logLevel = 'value', machine='node-manager-machine-name')
引数 | 説明 |
---|---|
LogLevel |
ログに書き込む情報の粒度。デフォルトは
|
machine |
ノード・マネージャを実行するマシンの名前。 |
WLST使用: オフライン
createOHSTestDomain()は、テスト用またはOracle HTTP Serverのその他の非本番使用のためのコンパクト・ドメインを作成します。ドメインには、管理対象のOracle HTTP Serverインスタンスのテンプレートが含まれます。連結されたインスタンスのみがサポートされています。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続していない場合は、オフラインで発行する必要があります。
createOHSTestDomain(domainName = 'domain-name', adminAccountPass = 'password', adminServerPort = nnnn, nmAccountName = 'nm-account', nmAccountPass = 'password', nmPort = nnnn)
引数 | 説明 |
---|---|
domainName |
(オプション) これは作成するコンパクト・ドメインの名前です。これが指定されない場合、base_domainが使用されます。 |
adminAccountPass |
これは管理サーバー・アカウントのパスワードです。 |
adminServerPort |
(オプション) これは管理サーバーのHTTPおよびT3ポートです。これが指定されない場合、7001が使用されます。 |
nmAccountName |
これはノード・マネージャ・アカウントの名前です。 |
nmAccountPass |
これはノード・マネージャ・アカウントのパスワードです。 |
nmPort |
(オプション) これはノード・マネージャのポート番号です。これが指定されない場合、5556が使用されます。 |