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Oracle® Fusion Middleware継続的インテグレーションによるアプリケーションの開発
12c (12.1.2)
E48004-02
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10 Mavenを使用したOracle Coherenceプロジェクトのビルド

この章では、Oracle Coherence原型を使用して、Oracle Coherenceプロジェクトを作成、ビルドおよびデプロイする方法について説明します。

次のトピックが含まれます:

10.1 Mavenを使用したOracle Coherenceプロジェクトのビルドの概要

Mavenプラグインおよび原型がOracle Coherenceグリッド・アーカイブ(GAR)プロジェクト用に提供されています。表10-1に、Maven座標を示します。

表10-1 CoherenceのMaven座標

アーティファクト groupId artifactId version

Coherenceプラグイン

com.oracle.coherence

maven-gar-plugin

12.1.2-0-0

Coherence原型

com.oracle.coherence

maven-gar-archetype

12.1.2-0-0


表10-2に、Oracle Coherenceプラグインでサポートされているゴールを示します。

表10-2 Oracle Coherenceのゴール

ゴール 目的

generate-descriptor

プロジェクトのPOF構成ファイルを生成します。

package

ライブラリ依存性を含む基本的なGARアセットをJARアーカイブにパッケージ化します。

repackage

パッケージ化されたJARアーカイブをオプションのメタデータおよびGAR拡張を使用して再パッケージ化します。


10.2 Maven原型からのプロジェクトの作成

Coherence Maven原型を使用して新規Coherenceプロジェクトを作成するには、次のようなコマンドを発行する必要があります。

mvn archetype:generate
    -DarchetypeGroupId=com.oracle.coherence
    -DarchetypeArtifactId=maven-gar-archetype
    -DarchetypeVersion=12.1.2-0-0
    -DgroupId=org.mycompany
    -DartifactId=my-gar-project
    -Dversion=1.0-SNAPSHOT

これにより、Mavenのarchetype:generateゴールが実行され、原型から新規プロジェクトを作成できます。表10-3に、パラメータを示します。

表10-3 Coherenceプロジェクトのパラメータ

パラメータ 目的

archetypeGroupId

新規プロジェクトの作成に使用する原型のgroup IDを識別します。これは、com.oracle.coherenceである必要があります。

archetypeArtifactId

新規プロジェクトの作成に使用する原型のartifact IDを識別します。これは、maven-gar-archetypeである必要があります。

archetypeVersion

新規プロジェクトの作成に使用する原型のバージョンを識別します。これは、12.1.2-0-0である必要があります。

groupId

新規プロジェクトのgroup IDを識別します。通常、これは組織のドメイン名を逆にした形式で始まります。

artifactId

新規プロジェクトのartifact IDを識別します。通常、これはプロジェクトの識別子です。

version

新規プロジェクトのversionを識別します。新規プロジェクトの場合、これは通常1.0-SNAPSHOTです。


また、次の例に示すように、引数なしでコマンドを実行することもできます。この場合、Mavenでは、使用可能な原型のリストが表示され、必要な情報の入力を求められます。

mvn archetype:generate

プロジェクトの作成後、プロジェクトには次のファイルが含まれます。

my-gar-project/
|-- pom.xml
    `-- src
    `-- main
        |-- java
        `-- resources
            `-- META-INF
                |-- cache-config.xml
                |-- coherence-application.xml
                `-- pof-config.xml

表10-4で説明されているように、プロジェクトには複数のファイルが含まれています。

表10-4 Coherenceプロジェクトのファイル

ファイル 目的

pom.xml

新規プロジェクトについて説明するMavenプロジェクト・オブジェクト・モデル(POM)ファイルであり、プロジェクトに指定したMaven座標が含まれ、Coherence Mavenプラグインを使用してプロジェクトをgarファイルにビルドするための適切なプラグイン定義も含まれています。

cache-config.xml

初期Coherenceキャッシュ構成ファイルです。

coherence-application.xml

GARファイルの初期Coherence GARデプロイメント・ディスクリプタです。

pof-config.xml

初期Coherence Portable Object Format (POF)構成ファイルです。プラグイン・オプションgeneratePofが「true」に設定されている場合、POF構成ファイルは処理され、最終GARファイルに挿入されます。デフォルトでは、POF構成メタデータは生成されません。


プロジェクトでPOFを使用する場合は、次のパラメータをプロジェクトのPOMファイルに追加する必要があります。

パラメータ 目的

generatePof

このプラグイン・オプションがtrueである場合は、POF構成ファイルが生成され、最終GARファイルに挿入されます。構成ファイルは、GARのクラスパスでクラスcom.tangosol.io.pof.annotation.Portableが注釈付けされたすべてのクラスをスキャンして生成されます。デフォルトでは、POF構成メタデータは生成されません。


適切に生成されたpof-config.xmlを使用してGARを生成するには、POMのGARプラグイン構成ファイルに次を追加します。

<build>
<plugins>
…
    <plugin>
      <groupId>com.oracle.coherence</groupId>
      <artifactId>maven-gar-plugin</artifactId>
      <version>12.1.2-0-0</version>
      <extensions>true</extensions>
      <configuration>
         <generatePof>true</generatePof>
      </configuration>
    </plugin>
…
  </plugins>
</build>

10.3 Mavenを使用したプロジェクトのビルド

プロジェクト・コードを記述した後に、Mavenを使用してプロジェクトをビルドできます。

プロジェクトのソース・コードをコンパイルするには、次のコマンドを実行します。

mvn compile

コンパイル済のソースをGARにパッケージ化するには、次のコマンドを入力します。これにより、パッケージ化までのすべてのステップ(コンパイルを含む)が実行されることに注意してください。

mvn package

10.4 Mavenを使用したWebLogic Server Coherence Containerへのプロジェクトのデプロイ

GARをWebLogic Server環境のCoherence Containerにデプロイするには、いくつかの追加構成をプロジェクトのPOMファイルに追加してGARをデプロイする必要があります。これは、次の例に示すように、Oracle WebLogic Mavenプラグインを使用してGARをデプロイする命令を追加することで行います。

          <plugin>
            <groupId>com.oracle.weblogic</groupId>
            <artifactId>weblogic-maven-plugin</artifactId>
            <version>12.1.2-0-0</version>
            <executions>
              <!--Deploy the application to the server-->
              <execution>
                <phase>pre-integration-test</phase>
                <goals>
                  <goal>deploy</goal>
                </goals>
                <configuration>
                  <adminurl>t3://localhost:7001</adminurl>
                  <user>weblogic</user>
                  <password>welcome1</password>
                  <!--The location of the file or directory to be deployed-->
                  <source>${project.build.directory}/${project.build.finalName}.${project.packaging}</source>
                  <!--The target servers where the application is deployed-->
                  <targets>AdminServer</targets>
                  <verbose>true</verbose>
                  <name>${project.build.finalName}</name>
                </configuration>
              </execution>
            </executions>
          </plugin>

このセクションをPOMに追加した後、次のコマンドを使用してGARをコンパイルおよびパッケージ化し、WebLogic Serverにデプロイする必要があります。

mvn verify

10.5 さらに詳細な例のビルド

実際のアプリケーションでは、GARプロジェクトだけでなく、GARで確立されたCoherenceキャッシュを操作するなんらかのクライアント・プロジェクトも存在する場合があります。Coherence GARおよびCoherence GARと相互作用するWebアプリケーション(WAR)が含まれた例については、第11章「Mavenを使用した実際のアプリケーションのビルド」を参照してください。