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Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integratorアプリケーション・アダプタ・ガイド
12c (12.1.2)
E49822-03
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B SAP ABAP ERPアダプタの追加情報

この付録では、SAPシステムへの接続に必要な権限、スタンドアロンのJavaユーティリティを使用したODI外部での接続テストの方法、およびSAPコンポーネントのアンインストール方法について説明します。

この付録の構成は、次のとおりです。

SAP ERP KMの詳細は、『Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド』を参照してください。

B.1 SAP ABAP ERPで必要な権限

SAPシステムへの接続、RKMのインストール、および開発時のLKMの実行には、SAPダイアログ・ユーザーであることが必要です。SAP RFCユーザーでは不十分です。

開発の際、このユーザーには開発者ライセンス・キーが必要です。ライセンス・キーは、http://service.sap.comから取得できます。この開発者ライセンス・キーがないと、実行しようとしても失敗し、クリーン・アップ操作が必要になる場合があります。

本番でRKMおよびLKMを実行する場合は、SAP RFCユーザーで十分です。

これらのSAPユーザー・タイプは次の操作で使用できます。

表B-1 必要なSAPユーザー・タイプ

操作 必要なSAPユーザー・タイプ

RKM: 設定

SAPダイアログ・ユーザー

RKM: リバース・エンジニアリング

SAPダイアログ・ユーザーまたはSAP RFCユーザー

LKM: 開発

SAPダイアログ・ユーザーまたはSAP RFCユーザー

LKM: 本番

SAPダイアログ・ユーザーまたはSAP RFCユーザー


以降の表では、SAP ABAPナレッジ・モジュールを使用するために必要な権限をリストしています。

B.1.1 重要な考慮事項

SAP権限を構成する際は、次の点を考慮してください。

  • S_DATASETは物理ファイルへのアクセスを制御する認可オブジェクトであるため、SAPディレクトリおよびフォルダがマウントされたパスへのアクセス権を提供する必要があります。ここに示す値はサンプル・パスであり、該当するランドスケープ・ディレクトリ・パスか、または*(all)を指定する必要があります。

  • NRまたは(NR)は、NOT REQUIREDを意味します。

B.1.2 RKM SAP ERPのアップロードに必要な認可

RKM SAP ERPの初回インストールでは、次のSAP認可が必要です。


注意:

この認可には開発者キーが必要です。


オブジェクト フィールド名 値(4.6c) 値(4.7) 値(ECC 5) 値(ECC 6)

S_RFC

ACTVT

16





RFC_NAME

RFC1, SDIFRUNTIME, SUTL,SYST, ZODI_FGR





RFC_TYPE

FUGR




S_TCODE

TCD

SU53,SE38




S_ADMI_FCD

S_ADMI_FCD

MEMO,SM02


SM02 (NR)

NR

S_CTS_ADMI

CTS_ADMFCT

TABL




S_DATASET

ACTVT

34





FILENAME

\\HYPTEST01\sapmnt*





PROGRAM

SAPLSLOG, SAPLSTRF




S_TABU_DIS

ACTVT

03



NR


DICBERCLS

MA



NR

S_DEVELOP

ACTVT

01,02,03



16


DEVCLAS

$TMP, ZODI_LKM_PCKG, ZODI_RKM_PCKG





OBJNAME

Z$$$XRFC, ZODI_FGR, ZODI_FGR_PROD, ZODI_LKM_PCKG, ZODI_RKM_PCKG





OBJTYPE

DEVC,FUGR,PROG





P_GROUP





S_TRANSPRT

ACTVT

01,03

03 (NR)




TTYPE

DTRA,TASK





B.1.3 RKM SAP ERPの実行に必要な認可

RKM SAP ERPを使用してSAPモデルのリバース・エンジニアリングを実行するには、次のSAP認可が必要です。

オブジェクト フィールド名 値(4.6c) 値(4.7) 値(ECC 5) 値(ECC 6)

S_RFC

ACTVT

16





RFC_NAME

RFC1,SDIF,SYST,ZODI_FGR

SDIFRUNTIME, SDIF(NR)

SDIFRUNTIME, SDIF(NR)

SDIFRUNTIME, SDIF(NR)


RFC_TYPE

FUGR




S_TCODE

TCD

SU53




S_TABU_DIS

ACTVT

03





DICBERCLS

MA


CA,SC



B.1.4 LKM SAP ERPのアップロード(バックグラウンド・モード)に必要な認可

LKMオプションのBACKGROUND_PROCESSINGtrue (推奨デフォルト)に設定されている場合、SAP開発環境でSAP ERP LKMを使用してマッピングを実行するには、次のSAP認可が必要です。


注意:

この認可には開発者キーが必要です。


オブジェクト フィールド名 値(4.6c) 値(4.7) 値(ECC 5) 値(ECC 6)

S_RFC

ACTVT

16





RFC_NAME

RFC1, SDIF, SLST, SYST, ZODI*, ZODI_FGR, ZODI_FGR_PROD*

SDIFRUNTIME, SDIF (NR)

SDIFRUNTIME, SDIF (NR)

SDIFRUNTIME, SDIF (NR)


RFC_TYPE

FUGR




S_TCODE

TCD

SU53

SE38

SE38

NR

S_BTCH_ADM

BTCADMIN

Y




S_BTCH_JOB

JOBACTION

RELE





JOBGROUP

'




S_CTS_ADMI

CTS_ADMFCT

TABL




S_DATASET

ACTVT

06,33,34





FILENAME

\\HYPTEST01\sapmnt*





PROGRAM

SAPLSLOG, SAPLSTRF, SAPLZODI*, ZODI*




S_DEVELOP

ACTVT

01

02,03,06,16

02,03,06,16



DEVCLASS






OBJNAME

ZODI_FGR_PROD*

ZANU*

ZANU*



OBJTYPE

FUGR


PROG



P_GROUP





S_PROGRAM

P_ACTION

NR

EDIT, SUBMIT, VARIANT


NR


P_GROUP

NR



NR

S_TRANSPRT

ACTVT

01,02,03


03 (NR)

03 (NR)


TTYPE

DTRA,TASK





B.1.5 LKM SAP ERPの実行(バックグラウンド・モード)に必要な認可

LKMオプションのBACKGROUND_PROCESSINGtrue (推奨デフォルト)に設定されている場合、SAP本番環境でSAP ERP LKMを使用してマッピングを実行するには、次のSAP認可が必要です。

オブジェクト フィールド名 値(4.6c) 値(4.7) 値(ECC 5) 値(ECC 6)

S_RFC

ACTVT

16





RFC_NAME

RFC1, SDIFRUNTIME, SYST, ZODI_FGR_PROD*

SLST

SLST

SLST


RFC_TYPE

FUGR




S_TCODE

TCD

SU53




S_BTCH_ADM

BTCADMIN

Y




S_BTCH_JOB

JOBACTION

RELE





JOBGROUP

''




S_DATASET

ACTVT

06,33,34





FILENAME

\\HYPTEST01\sapmnt*





PROGRAM

SAPLSLOG, SAPLSTRF, SAPLZODI*, ZODI*

(SAPLSLOG, SAPLSTRF, SAPLZODI*) NR

(SAPLSLOG, SAPLSTRF, SAPLZODI*) NR

(SAPLSLOG, SAPLSTRF, SAPLZODI*) NR


B.1.6 LKM SAP ERPのアップロード(ダイアログ・モード)に必要な認可

LKMオプションのBACKGROUND_PROCESSINGfalse (非デフォルト)に設定されている場合、SAP開発環境でSAP ERP LKMを使用してマッピングを実行するには、次のSAP認可が必要です。


注意:

この認可には開発者キーが必要です。


オブジェクト フィールド名 値(4.6c) 値(4.7) 値(ECC 5) 値(ECC 6)

S_RFC

ACTVT

16





RFC_NAME

RFC1, SDIFRUNTIME, SYST, ZODI_FGR, ZODI_FGR_PROD*





RFC_TYPE

FUGR




S_TCODE

TCD

SU53,SE38




S_DATASET

ACTVT

06,33,34





FILENAME

\\HYPTEST01\sapmnt*





PROGRAM

SAPLSLOG, SAPLSTRF, SAPLZODI*, ZODI*




S_DEVELOP

ACTVT

01

02,03,06

02,03,06



DEVCLASS






OBJNAME

ZODI_FGR_PROD*





OBJTYPE

FUGR

PROG




P_GROUP





S_PROGRAM

P_ACTION

NR

EDIT, SUBMIT, VARIANT

EDIT, SUBMIT, VARIANT

NR


P_GROUP

NR




S_TRANSPRT

ACTVT

01





TTYPE

DTRA,TASK





B.1.7 LKM SAP ERPの実行(ダイアログ・モード)に必要な認可

LKMオプションのBACKGROUND_PROCESSINGfalse (非デフォルト)に設定されている場合、SAP本番環境でSAP ERP LKMを使用してマッピングを実行するには、次のSAP認可が必要です。

オブジェクト フィールド名 値(4.6c) 値(4.7) 値(ECC 5) 値(ECC 6)

S_RFC

ACTVT

16





RFC_NAME

RFC1,SDIF,SYST,ZODI*

SDIFRUNTIME, SDIF (NR)

SDIFRUNTIME, SDIF (NR)

SDIFRUNTIME, SDIF (NR)


RFC_TYPE

FUGR




S_TCODE

TCD

SU53




S_DATASET

ACTVT

06,33,34





FILENAME

*\\DEL-7TMK2BS\odiagentbox*, \\DEL-7TMK2BS\odiagentbox





PROGRAM

SAPLSLOG*, SAPLSTRF*, SAPLZODI*





B.2 SAP接続テスト

この接続テストは、トポロジでSAP ABAPデータ・サーバーを構成した後で実行する必要があります。

このテストでは、次の処理を実行します。

このテストは、RKM SAP ERP Connection TestというRKMを使用して実行されます。このKMではリバース処理は行われません。接続テストが実行されるのみです。

接続テストを実行する手順は次のとおりです。

  1. 『Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルの作成に関する項の説明に従って、標準の手順を使用してSAP ABAPテクノロジおよびSAP ABAP論理スキーマに基づくSAP ERPモデルを作成します。

  2. SAP ERPモデルの「リバース・エンジニアリング」タブでRKM SAP ERP Connect Testを選択します。

  3. モデルを保存します。

  4. 「リバースエンジニアリング」をクリックしてリバースを開始します。

数秒以内にSAP JCoの「About」ダイアログが表示されます。表示されない場合は、オペレータ・ナビゲータでセッション実行ログを確認してください。タスク「Test SAP Connection」の出力にSuccessfully connected to SAP Systemが含まれていることを確認してください。含まれていない場合、接続テストに失敗しており、接続の問題を分析する必要があります。

B.3 SAPスタンドアロン接続テスト

接続テストに加え、スタンドアロンJavaユーティリティを使用してODIの外部でテストを実行できます。このユーティリティは、スタンドアロン・エージェントとともに使用できます。

スタンドアロンJavaユーティリティを使用して接続をテストする手順は次のとおりです。

  1. コマンド・ウィンドウを開きます。

  2. <ODI_HOME>/odi/sdk/libディレクトリに移動します。

  3. JAVA_HOMEがサポートされているJVMを指していることを確認します。

  4. SAP Java Connectorがインストールされており、sapjco3.jarおよびsapjco3ライブラリが<ODI_HOME>/odi/sdk/libディレクトリにあることを確認します。

  5. 次のコマンドを使用してユーティリティを起動します。

    Windowsの場合:

    java -cp sapjco3.jar;odi-sap.jar oracle.odi.sap.km.test.JCoTest

    Linux/UNIXの場合:

    java -cp sapjco3.jar:odi-sap.jar oracle.odi.sap.km.test.JCoTest

    このコマンドにより、<ODI_HOME>/odi/sdk/libフォルダにODI_SAP_CON_POOL.jcoDestinationファイルが生成されます。

    詳細は、『Oracle Data IntegratorのためのSAP ABAP ERPアダプタ・スタート・ガイド』の付録C「SAPスタンドアロン接続テスト」を参照してください。

  6. テキスト・エディタでODI_SAP_CON_POOL.jcoDestinationファイルを開きます。このファイルは次のようになっています。

    #for tests only!
    jco.client.lang=EN
    jco.destination.peak_limit=10
    jco.client.client=800
    jco.client.passwd=<SAP Password>
    jco.client.user=<SAP User>
    jco.client.sysnr=00
    jco.destination.pool_capacity=5
    jco.client.ashost=<SAP Application Server>
    
  7. SAP管理者から取得したSAP接続情報を入力します。

  8. 同じコマンドを使用してユーティリティを起動します。ユーティリティは編集したファイルを使用し、テスト結果または考えられる問題を出力します。

    単なるSAP接続のテストに加え、ユーティリティでは、RKMで必要な特定のファンクション・モジュールが存在するかどうかの検証も行います。これらはRKMの初回実行時にインストールされます(UPLOAD_ABAP_BASEおよびUPLOAD_ABAP_CODEtrueに設定)。

  9. ODI_SAP_CON_POOL.jcoDestinationファイルは、SAPのログイン資格証明が含まれているため、実行が終わってから削除してください。

B.4 ODI SAPコンポーネントの更新

初回インストール時に、一部のODIオブジェクトがRKMによってSAPシステムにインストールされます。このインストールは、ベース・オブジェクトとRFCの2つの部分から構成されます。RKMオプションのUPLOAD_ABAP_BASEおよびUPLOAD_ABAP_CODEの両方がtrueに設定されている場合、ベース・オブジェクトとRFCがインストールされます。そのような完全インストールでは、SAPシステムにインストール済のODI SAPオブジェクトが存在しないことが必要です。

ODI SAPコンポーネントのアンインストール方法の詳細は、「ODI SAPコンポーネントのアンインストール」を必要に応じて参照してください。

SAPシステムにインストール済のODIオブジェクトが、RKM SAP ERPバージョン32以降またはRKM SAP BWバージョン23以降でインストールされたものである場合、ベース・オブジェクトを再インストールする必要はなく、RFCのみを更新すれば十分です。RFCの再インストールは、RKMオプションのUPLOAD_ABAP_BASEfalseに設定し、RKMオプションのUPLOAD_ABAP_CODEtrueに設定してリバース・エンジニアリングを実行すると実現されます。

B.5 ODI SAPコンポーネントのアンインストール

ODI接続をSAPシステムから削除する場合、この項で説明する手順に従ってください。

これによって、生成された抽出プログラムを含むすべてのコンポーネントが削除されることに注意してください。

より新しいODI SAP Connectorリリースにアップグレードする、またはODI接続を永久に削除する手順は次のとおりです。

  1. SAP GUIを起動します。

  2. アンインストールするSAPシステムに接続します。

  3. トランザクションSE80に進みます。

  4. ドロップダウン・ボックスからパッケージまたは開発クラスのオプションを選択します。

  5. そのパッケージまたは開発クラスのフィールドでZODI_RKM_PCKGと入力します。古いインストールの場合、パッケージ名がZODI_DEVCLASSであることに注意してください。

  6. オブジェクト名のタブの下にあるZODI_RKM_PCKGオブジェクトを右クリックします。

  7. ドロップダウン・メニューで「Delete」を選択し、その開発クラスを削除します。

    開発クラスを個別に削除できない場合は、すべてのオブジェクトを1つずつ削除してからその開発クラスを削除します。

  8. トランザクションSE10に進みます。「Modifiable」および「Workbench Requests」を選択します。「Display」をクリックします。

  9. ODIオブジェクトのあるトランスポート・リクエストを選択し、これらを解放します。

  10. 手順3から手順7までを繰り返し、開発クラスを削除します。

  11. トランザクションSE01に進みます。「Modifiable」および「Workbench Requests」を選択します。「Display」をクリックします。ZODI_DEVCLASSを持つトランスポート・リクエストを解放します。

  12. パッケージ名ZODI_LKM_PCKGに対して前述の手順を繰り返します。これは、RKM SAP ERPバージョン32以降で実行されたインストールに対してのみ適用されます。