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Oracle® Fusion Middleware Oracle Warehouse BuilderからOracle Data Integratorへの移行
12c (12.1.2)
E51455-02
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2 移行の準備

この章では移行の要件をリスト表示し、移行に使用する構成ファイルの作成方法を説明します。

内容は次のとおりです。

移行の要件

移行はLinuxおよびWindows (64-bit x86)システムでのみサポートされています。移行前に、次の要件を満たしていることを確認してください。

また、次の情報があるか確認してください。


注意:

必要なパッチはMy Oracle Support (https://support.oracle.com)からダウンロードします。パッチのREADMEファイルの指示に従ってパッチを適用します。


移行ユーティリティ構成ファイルの作成

移行前に、移行の実行に使用する構成ファイルをまず作成する必要があります。構成ファイルはテキストベースのプロパティ・ファイルで、接続情報とその他の詳細が含まれています。

内容は次のとおりです。

移行ユーティリティ構成ファイルの作成方法

移行ユーティリティ構成ファイルがより簡単に作成できるように、テンプレート・ファイルが提供されています。手始めにこのテンプレートを使用して、特定の環境および必要性にあわせて設定を編集します。

テンプレート・ファイルの名前はmigration.configで、OWB_HOME/bin/adminディレクトリにあります。OWB_HOMEはOWBのインストール・ディレクトリです。

移行ユーティリティ構成ファイルの作成方法は、次のとおりです。

  1. テキスト・エディタでmigration.configファイルを開きます。

  2. 特定の環境および必要性にあわせて設定を編集します。各パラメータの詳細は、「構成ファイルのパラメータ」を参照してください。

  3. ファイルを保存します。ファイルには好きな名前を付けることができ、好みの場所に保存できます。

    ファイル名とファイル・パスをメモします。この情報は移行ユーティリティを実行する際に必要です。

構成ファイルのパラメータ

表2-1に、移行ユーティリティ構成ファイルのパラメータをリストします。

表2-1 移行ユーティリティ構成ファイルのパラメータ

パラメータ Mandatory 説明

ODI_MASTER_USER=<user_name>

はい

ODIマスター・リポジトリ接続用のユーザー名。

ODI_MASTER_URL=<JDBC_URL>

はい

ODIマスター・リポジトリへの接続に使用するJDBC URL。このURLは、次のいずれかの文字を含む場合、引用符を付ける必要があります。

  • セミコロン(;)

  • バックスラッシュ(\)

  • 二重引用符(")

  • 逆引用符(`)

  • ドル記号($)

  • 小なり記号(<)

  • 大なり記号(>)

デフォルト値はjdbc:oracle:thin:@localhost:1521:mydbです。

ODI_MASTER_DRIVER=<JDBC_driver_name>

はい

ODIマスター・リポジトリへの接続に使用するJDBCドライバ。

デフォルト値はoracle.jdbc.OracleDriverです。

ODI_USERNAME=<user_name>

はい

ODIのスーパーバイザ・ユーザー名。

デフォルト値はSUPERVISORです。

ODI_WORK_REPOSITORY_NAME=<user_name>

はい

ODI作業リポジトリへの接続に使用するユーザー名。

デフォルト値はWORKREP1です。

OWB_WORKSPACE_OWNER=<workspace_owner>

はい

OWBワークスペース所有者。

OWB_URL=<URL>

はい

OWBワークスペースへの接続に使用するURL。

デフォルト値はlocalhost:1521:mydbです。

OWB_WORKSPACE_NAME=<workspace_name>

はい

接続先のOWBワークスペースの名前。次の形式の1つを使用して指定します。

  • ワークスペース所有者とワークスペースの名前をピリオドで区切った名前。たとえば、REP_1.WS1またはrep_1.ws1など。

  • ワークスペースの名前のみ。たとえば、WS1またはws1など。

移行ユーティリティを使用して一度に移行できるワークスペースは1つです。このパラメータ(および必要に応じて他のパラメータ)を編集して、移行する各ワークスペースに対して移行ユーティリティを実行します。

ワークスペース所有者が所有するワークスペースが1つのみの場合は、このパラメータを指定する必要はありません。

ワークスペース所有者が複数のワークスペースを所有しており、このパラメータに値が指定されていない場合は、エラーが返されます。ワークスペースにワークスペース所有者と同じ名前がある場合は、ワークスペースが移行されます。

指定したワークスペースが存在しない場合、接続に失敗します。

MIGRATION_LOG_FILE=<path_to_log_file>

いいえ

移行ユーティリティ・ログ・ファイルへのフルパスで、移行ユーティリティの実行時に生成されます。

ログ・ファイルと同じ接頭辞に.report拡張子が付いた移行ユーティリティ除外レポートも生成されます。

このパラメータは、ログ・ファイルとレポート・ファイルの両方の名前と場所を指定するために使用します。パスを指定しない場合は、ログ・ファイルとレポート・ファイルが同じディレクトリに生成され、そこから移行ユーティリティが実行されます。たとえば、OWB_HOME/owb/bin/unixなどです。デフォルトでは、ファイル名はmigration.logおよびmigration.reportです。

これらのファイルの詳細は、「ログ・ファイルおよびレポート・ファイルの確認」を参照してください。

MIGRATION_REPORT_INCLUDE=<PASSED|FAILED|ALL>

いいえ

移行ユーティリティ除外レポートに含まれるコンテンツ。次のオプションがあります。

  • PASSED: 成功したオブジェクトのみを含めます。

  • FAILED: 失敗したオブジェクトのみを含めます。

  • ALL: すべてのオブジェクトを含めます。

デフォルト値はALLです。

MIGRATION_MODE=<FAST_CHECK|DRY_RUN|RUN>

いいえ

移行モード。次のオプションがあります。

  • FAST_CHECK: 移行ユーティリティで選択したオブジェクトのクイック・チェックが実行され、ターゲットのODIリポジトリに移行可能なオブジェクトおよび移行できないオブジェクトのリストが提供されます。このモードを使用すると、移行できるオブジェクトとできないオブジェクトを迅速に判別できます。

  • DRY_RUN: 移行ユーティリティにより、指定したオブジェクトをターゲットのODIリポジトリに作成可能かどうかがチェックされ、オブジェクトをリポジトリにコミットせずに移行が実行されます。このモードでは、FAST_CHECKよりも多くの情報が提供されます。このモードを使用すると、移行できるオブジェクトとできないオブジェクトをより完全に判別できます。

  • RUN: 移行ユーティリティで移行が実行され、移行されたオブジェクトがターゲットのODIリポジトリにコミットされます。このモードを使用すると、OWBからODIへの移行を実行できます。

デフォルト値はRUNです。

テスト移行を実行するためのFAST_CHECKモードおよびDRY_RUNモードの使用に関する詳細は、「テスト移行の実行」を参照してください。

MIGRATE_DEPENDENCIES=<TRUE|FALSE>

いいえ

依存オブジェクトを移行対象として選択したオブジェクトとともに移行するかどうかを制御します。

デフォルト値はFALSEです(依存オブジェクトは移行されません)。

再帰的依存性は、MIGRATE_DEPENDENCIESTRUEに設定した場合にサポートされます。例:

マッピングMAP_1には表T_1にバインドされたマップ演算子があり、表T_1には表T_2との間にFK (外部キー)関係があります。T_1T_2の両方は依存関係であるとみなされ、マッピングMAP_1とともに移行されます。

STOP_ON_ERROR=<TRUE|FALSE>

いいえ

エラーの発生時に移行プロセスを続行するか、停止するかを示します。

TRUEに設定すると、移行プロセスを停止し、オブジェクトは移行されません。FALSEに設定すると、エラーが発生しても移行プロセスを続行し、成功したオブジェクトは移行されます。

デフォルト値はFALSEです。

SPLIT_JOIN_FOR_ANSI_SYNTAX=<TRUE|FALSE>

いいえ

OWBマッピングのプロパティUse ANSI SyntaxTRUEに設定した場合に、結合演算子をバイナリ結合に分割するかどうかを示します。

デフォルト値はTRUEです(結合演算子は分割されます)。

MIGRATE_UNBOUND_OPERATOR=<TRUE|FALSE>

いいえ

バインドされていない演算子(コード・テンプレート・マッピングを除く)を含むマッピングを移行するかどうかを決定します。バインドされていない演算子には、外部表、表、ビュー、マテリアライズド・ビュー、参照およびプラガブル・マッピングが含まれます。

TRUEに設定すると、バインドされていない演算子を含むマッピングが移行されます。バインドされていないエンティティ演算子の場合(外部表、表、ビュー、マテリアライズド・ビューおよび参照)、バインドされていない演算子に対応するODIデータストアが、OWBマッピングのあるOWBモジュールから移行されたODIモデルに作成されます。バインドされていない演算子は、新たに作成されたODIデータストアにバインドされているODIマッピング・コンポーネントに移行されます。

バインドされていないプラガブル・マッピング演算子の場合は、ODI再使用可能マッピングがSTAND_ALONEという名前のODIフォルダに作成されます。バインドされていないプラガブル・マッピング演算子は、新たに作成された再使用可能マッピングにバインドされたODI再使用可能マッピング・コンポーネントに移行されます。

デフォルト値はFALSEで、バインドされていない演算子を含むマッピングはすべて移行されないことを意味します。

MIGRATION_OBJECTS=<objects>

いいえ

移行するOWBオブジェクトを指定します。

デフォルト値はワイルド・カード・アスタリスク(*)で、指定されたOWBワークスペースのすべてのプロジェクトが移行されることを意味します。

特定のオブジェクトの移行に関する詳細は、「OWBワークスペースの特定のオブジェクトの移行」を参照してください。

FLUSH_BATCH_SIZE=<number_of_mappings>

いいえ

一度に処理または移行されるマッピングの数を示します。

OWBワークスペースにあるマッピングの数が非常に多い場合に、このパラメータを使用してメモリー不足の問題が発生しないようにします。

デフォルト値は50です。メモリー不足の問題が発生する場合は、この値を小さくしてください。


構成ファイルの例

サンプルの移行ユーティリティ構成ファイルの値の例を次に示します。

2-1 移行ユーティリティ構成ファイルのサンプル

ODI_MASTER_USER=ODIREP
ODI_MASTER_URL=jdbc:oracle:thin:@localhost:1521:machine
ODI_MASTER_DRIVER=oracle.jdbc.OracleDriver
ODI_USERNAME=SUPERVISOR
ODI_WORK_REPOSITORY_NAME=WORK0
OWB_WORKSPACE_OWNER=rep_0
OWB_URL=localhost:1521:machine.oracle.com
OWB_WORKSPACE_NAME=REP_0_WS_0
MIGRATION_LOG_FILE=/tmp/migration.log
MIGRATION_REPORT_INCLUDE=ALL
MIGRATION_MODE=RUN
MIGRATE_DEPENDENCIES=TRUE
STOP_ON_ERROR=FALSE
SPLIT_JOIN_FOR_ANSI_SYNTAX=TRUE
MIGRATE_UNBOUND_OPERATOR=TRUE
MIGRATION_OBJECTS=PROJECT.MY_PROJECT
FLUSH_BATCH_SIZE=50