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Oracle® Fusion Middleware Oracle Web Services Managerの理解
12c(12.1.2)
E47995-01
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1 Oracle Web Services Managerの概要

Oracle Web Services Manager (OWSM)には、組織全体でのWebサービスの一貫性のある管理と保護を実現するポリシー・フレームワークが備わっています。これは、セキュリティ、信頼できるメッセージング、MTOM、アドレス・ポリシーなどのWebサービス・ポリシーを構築、施行、実行および監視する機能を提供します。OWSMは、設計時に開発者が使用することも、本番環境で管理者が使用することもできます。

この章では、次の項目について説明します。

1.1 OWSMの概要

OWSMを使用すると、実行中のビジネス・プロセスを中断させることなく、ポリシーの変更をリアルタイムで施行できるため、ビジネスにおける俊敏性が確保され、セキュリティ上の問題やセキュリティ違反に即座に対応できます。

図1-1に示すように、OWSMは、クライアント・エージェントを介して最前線のセキュリティを確保することによってWebサービス・クライアントを保護するとともに、サーバー・エージェントを介して最後部のセキュリティを確保することによってWebサービスを保護します。Webサービスが企業イントラネットの内部からのみアクセス可能な場合でも、通常は認証と認可を必要とします。また、多くの場合、規制遵守に対処するための監査も必要です。

図1-1 OWSMエージェントによって確保されるセキュリティ

図1-1の説明が続きます。
「図1-1 OWSMエージェントによって確保されるセキュリティ」の説明

OWSMでは、Webサービスをポリシー駆動によって集中管理できるとともに、ローカルでポリシーを施行できます。OWSMには、組織全体でのWebサービスの一貫性のある管理と保護を実現するポリシー・フレームワークが備わっています。

このポリシー駆動アプローチの利点は次のとおりです。

OWSMによって、次のことが可能になります。

OWSMを使用して、次のカテゴリのOracle Webサービスを保護できます。

1.2 OWSMの機能

次に示すように、OWSMは様々なポリシーおよび管理機能を備えています。

OWSMでは、ポリシーのアタッチメントを設計時とデプロイ後の両方でサポートしているため、開発者とシステム管理者のどちらもポリシーをアタッチできます。

OWSMを使用して実行できる個別タスクの例を次に示します。

1.3 OWSMのアーキテクチャ

図1-2に、OWSMアーキテクチャの主なコンポーネントを示します。


注意:

OWSMポリシーのサブセットがRESTful Webサービスに対してサポートされています。詳細は、Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理のRESTful Webサービスに対してサポートされているOWSMポリシーに関する項を参照してください。図1-2に示すポリシー・インターセプタ・タイプの一部は、このサブセットには含まれません。


図1-2 OWSMアーキテクチャのコンポーネント

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 OWSMアーキテクチャのコンポーネント」の説明

表1-1に、図1-2内のOWSMコンポーネントについて説明し、図内でのその用途を示します。

表1-1 OWSMアーキテクチャのコンポーネント

OWSMコンポーネント 説明

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control


管理者がOWSMの機能にアクセスして、Webサービスを管理、保護および監視できるようにします。

Oracle JDeveloper

Webサービスのエンドツーエンド開発に使用できるフル機能のJava IDEを提供します。開発者は、ビジュアルな宣言型ツールを使用してADFおよびWebLogic Java EE Webサービスを構築し、それらをOracle WebLogic Serverのインスタンスに自動的にデプロイして、ただちにWebサービスの動作をテストできます。また、JDeveloperを使用して、WSDL記述からWebサービスの作成を行うこともできます。JDeveloperはAntに対応しています。このツールを使用して、クライアントのアセンブルおよびサービスのアセンブルとデプロイを行うAntスクリプトを作成し、実行できます。詳細は、Oracle JDeveloperのオンライン・ヘルプを参照してください。JDeveloperのインストールの詳細は、Oracle JDeveloperのインストールを参照してください。

WebLogic Scripting Tool (WSLT)

管理者がWebサービスを表示、構成し、コマンドラインからWebサービス・ポリシーを管理できるようにします。詳細は、WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンスを参照してください。

OWSMポリシー・マネージャ

OWSMリポジトリの事前定義済ポリシーやカスタム・ポリシーなど、ポリシーの読取り/書込みを行います。

OWSMエージェント

ポリシー・インターセプタ・パイプラインによるポリシーの強制を管理します。

ポリシー・インターセプタ

ポリシーを施行します。詳細は、「ポリシー実行の仕組み」を参照してください。

OWSMリポジトリ

ポリシー、ポリシー・セット、アサーション・テンプレート、ポリシーの使用状況データなどのOWSMメタデータを格納します。OWSMリポジトリは、データベースとして(本番用)またはファイル・システム内のファイルとして(JDeveloperでの開発用)利用できます。

Oracle Fusion Middlewareデータベース

OWSMリポジトリのデータベース・サポートを提供します。


このドキュメントの後続の章では、OWSMポリシー・フレームワークの概念に関する情報を提供するとともに、セキュリティの概念について説明します。また、このドキュメントには、Oracle Infrastructure Webサービスのセキュリティ標準に関する項も含まれます。

コンパニオン・ドキュメントであるOracle Web Services ManagerによるWebサービスと保護とポリシーの管理およびWebサービスの管理では、OWSMを使用したWebサービスの保護方法と管理方法についてそれぞれ説明しています。