エンティティは、軽量な永続性ドメイン・オブジェクトです。一般的に、エンティティはリレーショナル・データベースの表を表現し、各エンティティ・インスタンスはその表の行に相当します。エンティティの主なプログラミング・アーティファクトはエンティティ・クラスですが、各エンティティはヘルパー・クラスを使用できます。
エンティティの永続状態は、永続フィールドまたは永続プロパティを通じて表現されます。これらのフィールドまたはプロパティでは、オブジェクト/リレーショナル・マッピングの注釈を使用して、エンティティおよびエンティティ関係を、基礎となるデータ・ストアのリレーショナル・データにマップします。
エンティティのアイデンティティ、およびエンティティのロック技術や順序生成のオプションを構成できます。
この章の内容は次のとおりです。
@Entity
注釈を使用して、クラスがエンティティであることを指定します。
注意: エンティティ・クラスは、 |
詳細は、JPA仕様の第2章「Entities」を参照してください。
すべてのエンティティは、エンティティ状態を格納するデータベース表の主キーに相当する永続識別子を持つ必要があります。
デフォルトで、EclipseLinkの永続性プロバイダは、主キーとして機能する1つ以上のフィールドまたはプロパティが各エンティティに含まれるものと想定します。
次の注釈を使用して、エンティティの識別子を生成または構成できます。
@Id
@IdClass
@EmbeddedId
@GeneratedValue
@TableGenerator
@SequenceGenerator
@UuidGenerator
これらの注釈を使用して、エンティティの識別子をデータベースで管理する方法を調整することもできます。これらの注釈の詳細は、JPA仕様の「Metadata for Object/Relational Mapping」を参照してください。
すべてのエンティティ・クラスは、データベースの特定の表または表のセットにマップされます。デフォルトで、エンティティの表名は大文字でそのエンティティ名に設定されます(これは、デフォルトでエンティティの短縮クラス名に設定されます)。エンティティは、通常、単一の表にマップされますが、複数の表やビューにもマップできます。
エンティティの表は、次の注釈を使用してカスタマイズできます。
@Table
@SecondaryTable
JPAは、継承でオブジェクトを永続化するための様々な方法を定義しています。@Inheritance
注釈は、SINGLE_TABLE, JOINED
およびTABLE_PER_CLASS
の継承を定義するためにルート・クラスで使用します。一般的な状態または永続性の動作を定義するが、データベース上に関係が存在しない抽象クラスでは、@MappedSuperclass
注釈を使用できます。
@Inheritance
@MappedSuperclass
@Embeddable
注釈を使用して埋込みクラスをマップできます。埋込み可能クラスは、直接永続化されず、親エンティティでのみ永続化される特別なタイプのクラスです。埋込み可能クラスは、単一の参照の場合には@Embedded
注釈を、埋込みIDの場合には@EmbeddedId
を、Collection
またはMap
参照の場合には@ElementCollection
注釈を使用して、エンティティまたは別の埋込み可能クラスから参照できます。埋込み可能クラスは、@MapKeyClass
注釈を使用して任意のMap
キーで使用することもできます。
@Embeddable
@EmbeddedId
@Embedded
@ElementCollection
多くのデータベースでは、順序と呼ばれるID生成の内部メカニズムがサポートされます。基礎となるデータベースがサポートしている場合、データベースの順序を使用して識別子を生成できます。
@SequenceGenerator
: @GeneratedValue
注釈を使用してSEQUENCE
タイプの主キー・ジェネレータを指定する場合、@SequenceGenerator
注釈を使用してこの主キー・ジェネレータを調整し、次のことを実行できます。
アプリケーション要件またはデータベースのパフォーマンス・パラメータに一致するように、割当てサイズを変更できます。
既存のデータ・モデルに一致するように、初期値を変更できます(たとえば、主キーの値の範囲がすでに割当て済または予約済である既存のデータ・セットに基づいて作成する場合)。
既存のデータ・モデルで事前定義されている順序を使用できます。
@TableGenerator
: @GeneratedValue
注釈を使用してTABLE
タイプの主キー・ジェネレータを指定する場合、@TableGenerator
注釈を使用してこの主キー・ジェネレータを調整し、次のことを実行できます。
主キー・ジェネレータの表の名前が不適切な場合、予約語の場合、既存のデータ・モデルと互換性がない場合、またはデータベースの表名として無効な場合、その名前を変更できます。
アプリケーション要件またはデータベースのパフォーマンス・パラメータに一致するように、割当てサイズを変更できます。
既存のデータ・モデルに一致するように、初期値を変更できます(たとえば、主キーの値の範囲がすでに割当て済または予約済である既存のデータ・セットに基づいて作成する場合)。
特定のカタログまたはスキーマで主キー・ジェネレータの表を構成できます。
主キー・ジェネレータの表に含まれる1つ以上の列に対して一意制約を構成できます。
これらの注釈の詳細および例は、JPA仕様の「Metadata for Object/Relational Mapping」を参照してください。
オプティミスティック・ロックとペシミスティック・ロックを選択できます。オプティミスティック・ロックの使用をお薦めします。詳細は、6.2.4項「ディスクリプタとロック」を参照してください。
デフォルトで、EclipseLinkの永続性プロバイダでは、アプリケーションがデータ整合性を管理するものと想定されます。
@Version
注釈を使用して、オプティミスティック・ロックの値として機能するエンティティ・クラスのバージョン・フィールドまたはプロパティを指定することで、JPA管理のオプティミスティック・ロックを有効化できます(推奨)。
バージョン・フィールドまたはプロパティを選択する場合、次の条件を満たす必要があります。
1つのエンティティに対してただ1つのバージョン・フィールドまたはプロパティがあること
プライマリ表に永続化されているプロパティまたはフィールドを選択すること(JPA仕様の「Table Annotation」を参照)
アプリケーションでバージョン・プロパティまたはフィールドを変更しないこと
注意: フィールドまたはプロパティ・タイプは、数値型( |
@Version
注釈には属性はありません。
詳細は、次を参照してください。
JPA仕様(http://jcp.org/en/jsr/detail?id=317
)の「Optimistic Locking and Concurrency」
JPA仕様(http://jcp.org/en/jsr/detail?id=317
)の「Version Annotation」
『Oracle Fusion Middleware Oracle TopLink Java Persistence API (JPA)拡張機能リファレンス』のオプティミスティック・ロックのEclipseLink JPA拡張機能の説明
JPAメタデータによって構成されるEclipseLinkアーティファクトの詳細は、6.2.4項「ディスクリプタとロック」を参照してください。