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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ActiveCacheによるアプリケーションのデプロイ
12c (12.1.2)
E48068-01
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2 ActiveCacheについて

この章では、ActiveCacheと呼ばれるWebLogic Serverの一連の機能について説明します。ActiveCacheにより、デプロイされているアプリケーションでのCoherenceデータ・キャッシュの使用が容易になり、セッション管理用のCoherence*WebとTopLink Gridをオブジェクトとリレーショナル間の永続フレームワークとしてシームレスに取り込めるようになりました。

ActiveCacheは、WebLogic Server上で実行されるアプリケーションによって使用され、複製および分散キャッシュ・サービスを提供します。このサービスによって、アプリケーションのデータをCoherenceデータ・クラスタ内にあるすべてのサーバーで利用できるようになります。ActiveCacheを使用すると、リソース・インジェクションまたはコンポーネント・ベースのJNDI参照のいずれかを介して、データ・キャッシュへのアプリケーションによって直接アクセスできるようになると共に、WebLogic Server管理コンソールとWLSTを使用してCoherenceクラスタを表示、監視、作成、および構成できます。このリリースの新機能によって、Javaベースのノード・マネージャとともにWebLogic Server管理サーバーを使用し、管理コンソールまたはWLSTを介して、管理対象Coherenceサーバーを制御(起動、停止および再起動)、構成および監視できます。

ActiveCacheをWebLogic Serverインスタンスと共に使用すると、アプリケーション・データのキャッシュ処理と複製セッション状態の保存に特化したデータ層を作成できます。このデータ層は、アプリケーション層(アプリケーションの実行専用のWebLogic Serverインスタンス)とは分離されます。

この章の内容は次のとおりです:


注意:

WebLogic Server 12.1.2には、WebLogic Serverドメイン内でのCoherenceアプリケーションのデプロイおよび管理方法を標準化するCoherenceコンテナ統合が含まれています。このガイドでは、下位互換性を考慮してCoherenceの設定手順が示されています。新しい実装ではCoherenceコンテナ統合を使用する必要があります。Coherenceベースのアプリケーションのパッケージ化の詳細は、『Oracle WebLogic Server Oracle Coherenceアプリケーションの開発』を参照してください。WebLogic ServerドメインでのCoherenceクラスタの作成および構成の詳細は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』を参照してください。


セッション状態の永続性と管理の追加

Coherence*WebをActiveCacheと共に使用すると、CoherenceベースのHTTPセッション状態の永続性を、WebLogic Server上で実行されるアプリケーションに提供できます。Coherence*Webを使用すると、異なるWebアプリケーション、ドメイン、および異種接続アプリケーション・サーバー全体に渡りHTTPセッション共有と管理をできるようになります。セッション・データは、アプリケーション・サーバーの外部にあるデータ・キャッシュ内に保存できるため、アプリケーション・サーバー・ヒープ・スペースを解放し、セッション・データを失わずにサーバーを再起動できます。

WebLogic ServerアプリケーションでのCoherence*Webの使用については、『Oracle Coherence*WebでのHTTPセッション・マネージメントの管理』を参照してください。

データ・キャッシュ内のJava Persistence API (JPA)エンティティへのアクセス

TopLink Gridのオブジェクト関係マッピング機能を使用すると、ActiveCacheは関係データをキャッシュできます。データベース問合せのコピーと結果セットをCoherenceデータ・キャッシュに保存できます。この機能によって、必要なデータのキャッシュ・コピーが存在しないとき、またはデータベースまで持続する操作の作成、更新、または削除をアプリケーションが実行するときにのみ、データベース・アクセスが発生します。この最適化の追加によって、システムの拡張性が高まりパフォーマンスが向上します。

TopLink Gridを使用すると、JPAエンティティのキャッシュ処理が可能になります。これによって、クラスタ・ノードに広がるきわめて大きい共有グリッド・キャッシュをサポートできます。ActiveCache内にキャッシュされたJPAエンティティを呼び出すと、関連データ・キャッシュ上でget操作を実行できます。データ・キャッシュにオブジェクトが含まれない場合、データベースには問合せが送信されます。

TopLink Gridを使用すると、ActiveCacheに直接問合せを送信できます。目的の問合せ結果がキャッシュ内に見つからない場合、データベースから読み取られた後にキャッシュに配置されます。これによって、後続の問合せが使用できるようになります。ActiveCacheが大多数のオブジェクトを管理する機能によって、1つのクラスタ・メンバー内の読取り操作が他のメンバーに対してただちに使用可能状態になるため、キャッシュ内で検出される結果の可能性が高まります。

TopLink Gridによって、JPAエンティティをデータベースに書き込めるようにもなります。アプリケーションは、JPAエンティティをデータベースに直接書き込み、それを(データベースの状態に反映されるように)データ・キャッシュ内に挿入するか、またはJPAエンティティをデータ・キャッシュに挿入し、データ・キャッシュがエンティティをデータベースに書き込めるようにできます。

詳細は、「関係データのアクセスと取得」を参照してください。