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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理
12c (12.1.2)
E48083-03
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5 簡略化されたJMSクラスタ構成

この章では、新しいクラスタ・ターゲティング・オプションについて説明します。新しいオプションにより、構成プロセスが簡略化され、アプリケーションでは、JMSサーバーや永続ストアなどのWebLogicメッセージング・リソースの規模をより容易に変更できるようになります。

クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーと永続ストアを使用する場合、リソース・アーティファクトのターゲット指定が直接クラスタで行われることから、クラスタ内の各サーバーに多数のJMSリソース・アーティファクトを個別に構成する必要がなくなります。

JMSのWebLogicクラスタリング・オプションとは

WebLogicクラスタには、個別に構成されたサーバー、動的に生成されたサーバー、またはその両方が含まれます。WebLogic Serverには、次のクラスタ・タイプがあります。

動的サーバーの使用方法の詳細は、次を参照してください。

簡略化されたJMSクラスタ構成とは

クラスタ化されたJMSサーバーでは、JMSサーバーと必要に応じて関連付けられる永続ストアを同じクラスタにターゲット指定できます。クラスタでは、クラスタの起動時に、各クラスタ・メンバーでJMSサーバーの1つのインスタンス(および該当する場合は関連付けられたストア)が自動的に起動します。

動的クラスタまたは混在クラスタがターゲットに指定されている場合は、クラスタ構成の「クラスタ: 構成: サーバー」タブにある「サーバーの最大数」属性を調整することにより、動的クラスタ、または混在クラスタ内の動的サーバーのWebLogic JMSリソースの規模を動的に変更できます。

図5-1「動的なクラスタ化JMS」は、config.xmlファイルにおける、JMSと動的クラスタ構成との関係を示しています。

図5-1 動的なクラスタ化JMS

図5-1については周囲のテキストで説明しています。

クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーと永続ストアの併用

クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーに関連付けられた永続ストアは、同じクラスタにターゲット指定されたカスタム永続ストアである場合も、各クラスタ・メンバー上で使用可能なデフォルト・ストアである場合もあります。

JMSのモジュール・リソースのターゲット指定

JMSシステム・モジュールは、引き続き2タイプのターゲット指定をサポートし、どちらを使用しても簡略化されたクラスタ化構成を利用できます。

  • モジュール内でターゲットがデフォルト指定されるJMSリソース(サブデプロイメントに関連付けられていないJMSリソース)は、その親モジュールのターゲット指定を継承します。親モジュールは任意のタイプのクラスタにターゲット指定できます。

  • モジュールのサブデプロイメントのターゲットは、クラスタ化されたJMSサーバーを参照できます。サブデプロイメントでクラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーを使用すると、サブデプロイメント内の個々のJMSサーバーを個別に列挙する必要がなくなるため、共通分散宛先デプロイメントでは特に便利です。

「ターゲット指定のベスト・プラクティス」を参照してください。


注意:

モジュールまたはそのサブデプロイメントを直接動的クラスタ・メンバーにターゲット指定することはできません。


クラスタ化されたJMSの考慮事項と制限事項

次の項では、動的クラスタとクラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーを使用してアプリケーションを開発する前に考慮する必要のある制限事項、およびその他の動作に関する情報を提供します。

クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーの相互運用性とアップグレードに関する考慮事項

次の項では、クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーを使用する場合の相互運用性とアップグレードの考慮事項について説明します。

  • 以前のリリースのJMSクライアント、ブリッジ、MDB、SAFクライアント、およびSAFエージェントは、クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーと通信できます。

  • Exactly-Once(必ず1回)のQOSレベルを持つSAFエージェントによるインポート済宛先が、混在または動的クラスタでホストされる分散宛先にメッセージを転送する場合は、特別な考慮が必要です。「クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーへのストア・アンド・フォワード」を参照してください。

  • データ(メッセージ)を移動するための変換パスはなく、クラスタのターゲットとして指定されていないJMSサーバーからクラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーへの構成やその逆の構成もできません。

クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーおよびストア・インスタンスのサービスをWebLogic Server間で移行する操作は、再起動インプレースも含めて、サポートされていません。混在クラスタ内のシングルトンJMSサーバーまたはストアのインスタンスについても、同じ制限が適用されます。ただし、移行可能ターゲットにターゲット指定されたJMSサーバーおよびストアは、引き続き構成済クラスタでサポートされます。

たとえば、JMSサーバーと永続ストアのメッセージング構成では、1つの手動で構成されたWebLogic Serverまたは1つの移行可能なターゲットをターゲット指定できます。同様に、SAFエージェントは、1つの手動で構成されたWebLogic Server、移行可能なターゲット、またはクラスタをターゲット指定できます。

「JMSサービスの自動移行」を参照してください。

クラスタのターゲットとして指定されたJMSサーバーへのストア・アンド・フォワード

Exactly-Once(必ず1回)のQOSレベルを持つSAFエージェントとSAFクライアントは、次のいずれかでない場合、動的クラスタまたは混在クラスタでホストされているJMSサーバーに安全に転送を行うことができません。

  • 動的JMSサーバー数が永久的に縮小された状態にならない。

  • 動的JMSサーバー数が永久的に縮小される前に、すべてのメッセージがSAFから排出される。縮小するには:

    • 動的宛先に転送を行うExactly-Once(必ず1回)レベルのSAFエージェントとSAFクライアントは、リモートの動的クラスタを縮小する前に正しく停止する必要があります。

    • 動的クラスタの再起動後に、SAFエージェントまたはクライアントを再起動します。これを行わないと、縮小時に削除された宛先にSAFエージェントのメッセージを転送しようとして、メッセージがスタック状態になるおそれがあります。

これらの注意事項を守らないと、リモート・クラスタの縮小時に、メッセージがExactly-Once(必ず1回)レベルのSAFエージェントまたはSAFクライアント内に残る場合があります。「クラスタ化されたJMSサーバーを使用する場合のベスト・プラクティス」を参照してください。

クラスタ化されたJMSサーバーを使用する場合のベスト・プラクティス

次の項では、ベスト・プラクティスとデザイン・パターンに関する情報を提供します。