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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの新機能
12c (12.1.2)
E48077-02
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Oracle® Fusion Middleware

Oracle WebLogic Serverの新機能

12c (12.1.2)

E48077-02(原本部品番号:E28063-02)

2014年2月

このドキュメント(『Oracle WebLogic Serverの新機能』)では、WebLogic Serverの本リリースでの次の新機能と変更された機能について説明します。

インストール、パッチおよびアップグレード

次の各項で、WebLogic Serverの本リリースでの新しいインストール、パッチおよびアップグレードの機能について説明します。

新しいインストール機能

WebLogic Serverインストール・プログラムには、次の各項で説明する変更内容が含まれています。

WebLogic Serverのインストール・プロセスは、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』を参照してください。

提供の対象外となったJDK

WebLogic Serverのインストール・プログラムでは、JDKの提供がなくなりました。本リリースのWebLogic Serverをインストールする前に、次の手順を完了しておく必要があります。

  1. 必要なJDKをインストールします。

    ご使用のプラットフォームでサポートされているJDKの詳細は、Oracle Technology NetworkにあるOracle Fusion Middleware Supported System Configurationsページを参照してください。

  2. JAVA_HOME環境変数をJDKのパスに設定します。

  3. PATH環境変数を更新して、次の項目を追加します。

    • JAVA_HOME環境変数

    • JAVA_HOME/binディレクトリ。この場合、JAVA_HOMEはJDKへのパスを表しています。

JDKのインストールに関する詳細は、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』のインストール・プログラムの起動に関する項を参照してください。

使用可能なインストーラ

使用可能なWebLogic Serverインストーラは汎用であり、サポートされているすべてのプラットフォームで使用できます。プラットフォーム固有のWebLogic Serverインストーラは、現在は提供されていません。

次の自己解凍のインストーラJARが使用可能です。

  • wls_121200.jar: WebLogic ServerとCoherenceをインストールします。

  • fmw_infra_121200.jar: WebLogic Server、CoherenceおよびFusion Middleware製品のプラットフォームのインフラストラクチャ・コンポーネントをインストールします。

すべてのインストールは、次のようなjavaコマンドを使用したコマンドラインから開始する必要があります。

java -jar wls_121200.jar

WebLogic Server 12.1.2は、以前のリリースと同様、引き続きOracle Technology NetworkからZIP形式で使用できます。WebLogic Server ZIP配布は、開発環境での使用のみが対象であり、Windows、LinuxおよびMac OS Xの各システムでサポートされています。WebLogic Serverでのアプリケーションを開発してテストするために必要なアーティファクトが用意されています。その使用に関する詳細は、配布に含まれているREADMEファイルを参照してください。WebLogic Zip配布に基づいたインストールではパッチが適用できないことに注意してください。パッチが必要な場合、配布完全版を使用してWebLogicをインストールし、OPatchを使用して必要なパッチを適用する必要があります。


注意:

WebLogic Server 12.xリリースをWebLogic Server 12.xリリース以降にアップグレードするためのアップグレード・インストーラは提供されていません。WebLogic Server 12.xリリースをアップグレードする方法は、Oracle WebLogic Serverのアップグレードに関する項を参照してください。


新しいグラフィカル・ユーザー・インタフェース

WebLogic Serverインストーラのグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)に対する変更は次のとおりです。

  • インストーラGUIは、他のOracle製品のインストーラと一貫性があるOracle Universal Installer (OUI)のルック・アンド・フィールを使用するように更新されています。

  • 状況依存ヘルプは、各インストーラの画面で使用可能です。現在の画面のヘルプにアクセスするには、「ヘルプ」をクリックします。

  • 「製品インストール・ディレクトリの選択」画面および「製品インストール・ディレクトリの確認」画面は表示されなくなりました。かわりに、Oracleホーム・ディレクトリを指定するように要求されます。WebLogic ServerおよびCoherenceの製品インストール・ディレクトリは、ORACLE_HOME\wlserverおよびORACLE_HOME\coherenceに標準化されています。

  • インストール・タイプは次のように変更されています。

    • WebLogic Server: WebLogic ServerおよびOracle Coherenceをインストールしますが、WebLogic Serverコード・サンプルは除外されています。

    • Coherence Installation: 管理対象Coherenceサーバーのライフ・サイクルの管理に必要な、Oracle CoherenceコンポーネントとWebLogic Serverコンポーネントをインストールします。

    • Complete with Examples: WebLogic Server、Oracle CoherenceおよびWebLogic Serverコード・サンプルをインストールします。

      WebLogicサンプル・ドメインは、個別のインストール後のタスクとして構成されます。

    前述の各オプションでインストールされるコンポーネントの全リストは、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』を参照してください。

  • 「前提条件チェック」画面が追加されています。この時点で、インストールの前提条件が適合していることが自動的に検証され、問題があれば通知されます。

  • 「ソフトウェアの更新」画面が追加され、この画面でソフトウェアの更新を受信する方法を指定できます。

  • 使用可能なカスタム・インストール・オプションが変更されました。詳細は、『Oracle WebLogic ServerおよびCoherenceのインストールと構成』のWebLogic ServerおよびCoherence配布の理解に関する項を参照してください。

  • Windowsシステム上のサービスとしてノード・マネージャをインストールするオプションが表示された「Windowsサービスのインストール」画面はなくなりました。

  • 「ショートカットの場所の選択」画面は使用できなくなりました。

  • サイレント・インストールのレスポンス・ファイルを作成するオプションが、「インストールの概要」画面に追加されました。

  • 自動的にFusion Middlewareクイック・スタート構成ウィザードを起動して、インストーラを終了してサンプルを構成するオプションが、「インストール完了」画面に追加されました。このオプションを選択すると、WebLogicコード・サンプルとサンプル・ドメインを構成できます。

  • 「Quickstartの実行」オプションは、「インストール完了」画面から削除されました。

サンプルのインストールと構成

WebLogicコード・サンプル・コンポーネントをインストールすることを選択した場合(このオプションは、本リリースのインストーラでサンプルの完了を選択することで使用できます)、クイック・スタート構成ウィザードにより、インストール後の手順として、コード・サンプルのインストールとWebLogicサンプル・ドメインの構成がオプションで実行されます(「クイック・スタート構成ウィザード」を参照)。

WebLogic Serverの本リリースでは、WebLogicサンプル・ドメインにはデフォルトの管理者パスワードは設定されていません。管理者パスワードは、サンプル・ドメインを構成する際に設定します。この設定は、インストール直後、またはサンプル・ドメイン・テンプレートを使用してインストール後の任意のタイミングで実行できます。


注意:

構成ウィザード(またはWLST)をインストールとは別に実行してWebLogicサンプル・ドメインを構成する場合(つまり、インストーラからクイック・スタート構成ウィザードを起動しない場合)、手動で管理者のユーザー名とパスワードをEXAMPLES_HOME\wl_server\examples\src\examples.propertiesファイルで設定する必要があります。詳細は、サンプルWebアプリケーションを起動する際にブラウザから使用可能になる、サンプル・ガイドの管理者のユーザー名とパスワードの設定に関する項を参照してください。


新しいパッチ機能

本リリースのWebLogic Serverでは、Oracle OPatchの使用が導入されています。これは、WebLogic Serverなど既存のOracle Fusion Middlewareインストールにパッチを適用する際に使用するJavaベースのユーティリティです。OPatchは、サポートされているすべてのオペレーティング・システム上で実行されます。

Smart Updateは、WebLogic Serverで提供されなくなりました。

新しいアップグレード機能

WebLogic Serverアップグレード・プロセスに対する変更は次のとおりです。

再構成ウィザード

Fusion Middleware製品には再構成テンプレートが用意されており、WebLogic ServerおよびFusion Middlewareの製品インストールを以前のリリースから簡単にアップグレードできます。

再構成ウィザードが、WebLogic Server、およびWebLogic Serverインストールで検出されたすべてのFusion Middleware製品に該当する再構成テンプレートに自動的に適用されます。これらのテンプレートによりドメイン・バージョンが現在のリリースに更新され、WebLogic Serverで使用可能な新しい機能を活用することもできます。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』のWebLogicドメインの再構成に関する項および『ドメイン・テンプレート・リファレンス』のテンプレートの種類に関する項を参照してください。

その他の変更

WebLogic Serverアップグレード・プロセスに影響を与える変更は次のとおりです。

  • ドメイン・アップグレード・ウィザードは、WebLogic Serverで提供されなくなりました。かわりに再構成ウィザードを使用して、ドメインをアップグレードします。

  • ドメインは、アップグレード・プロセスが開始する前に手動でバックアップしておく必要があります。ドメイン・アップグレード・ウィザードの機能の自動バックアップは、使用できなくなりました。

  • リモート・マシン上のドメインは、WLST writeTemplateコマンドをWLSTオンライン・モードで使用することでアップグレードできます。詳細は、『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』のwriteTemplateに関する項を参照してください。

新しい構成機能

この項では、本リリースのWebLogic Serverで実装された構成の変更について説明します。

動的サーバーの構成の詳細は、「動的クラスタ」も参照してください。これは、本リリースのWebLogic Serverの新しい内容です。

Oracle Coherenceの構成

構成ウィザードまたはWLSTのいずれかの使用によって、Oracle Coherence構成サポートがWebLogicドメインの構成に追加されます。

構成ウィザードを使用すると、デフォルトCoherenceクラスタのCoherenceリスニング・ポートを変更できます。

既存のWLSTコマンドを使用してできることは、次のとおりです。

  • Coherenceクラスタの作成

  • 管理サーバーでのCoherenceの有効化

  • CoherenceクラスタへのWebLogicクラスタと管理対象サーバーの割当て

  • Coherenceクラスタ用パラメータ(マルチキャスト・リスニング・アドレス/ポート、クラスタリング・モード、転送、セキュリティ・フレームワークの設定など)の構成

  • Coherenceウェル・ノウン・アドレスの構成

  • Coherenceクラスタのロギング・パラメータの構成

詳細は、次を参照してください:

  • 構成ウィザードによるドメインの作成

  • 『Oracle Coherenceの管理』のCoherence用のWebLogic Serverドメイン・トポロジの設定に関する項

  • 管理対象Coherenceサーバー

構成ウィザード

本リリースでの構成ウィザードに対する変更は次のとおりです。

  • ロードマップ・パネルがGUIに追加され、ドメイン構成の際に表示される画面の順序を示します。

  • OHSおよびODIシステム・コンポーネントをWebLogicドメインで構成するためのサポートが追加されました。

  • 「テンプレート・カテゴリ」ドロップダウン・リストが「テンプレート」画面に追加されて、表示されるテンプレートのリストが、選択したカテゴリに制限されます。

  • ノード・マネージャ構成オプションが変更され、拡張されました。これには、ノード・マネージャのタイプおよびノード・マネージャのホームの選択、およびノード・マネージャのユーザー名とパスワードの指定などが含まれます。

  • 「構成ウィザード」を使用して、ドメインにテンプレートを追加せずにドメインを更新できます。

  • 「サーバー・グループ」列が「管理対象サーバー」画面に追加されました。使用可能な場合、オプションで、定義済のユーザーが展開可能なサーバー・グループに管理対象サーバーを割り当てることができます。

  • クローン機能が「管理対象サーバー」画面に追加され、既存のサーバーをクローニングすることで新規サーバーを作成できるようになりました。

  • 「クラスタのメッセージング・モード」列、「マルチキャスト・アドレス」列および「マルチキャスト・ポート」列が「クラスタ」画面から削除されました。

  • Windowsの「スタート」メニューのドメイン用エントリ作成の機能は削除されました。

詳細は、『構成ウィザードによるドメインの作成』を参照してください。

テンプレートの場所

WebLogic Serverのテンプレートの場所が変更されました。以前はWL_HOME/common/templates/applicationsおよびWL_HOME/common/templates/domainsに格納されていたすべてのテンプレートは、WL_HOME/common/templates/wlsへ移動されました。

これらのテンプレートを組み込んだWLSTスクリプトがある場合、それらを変更して新しいパスを使用する必要があります。

クイック・スタート構成ウィザード

本リリースのWebLogic Serverには、クイック・スタート構成ウィザードという名前の新しいユーティリティが備わっており、WebLogicサンプル・ドメインの構成が提供されます。「インストールを完了する」を選択してWebLogicサンプルをインストールし、次に「インストール完了」画面で「WebLogicサンプルの構成」を選択すると、クイック・スタート構成ウィザードが自動的に起動します。このユーティリティを使用して、管理者のユーザー名とパスワードの設定など、WebLogicサンプル・ドメインを構成できます。

詳細は、『構成ウィザードによるドメインの作成』のクイック・スタート構成ウィザードに関する項を参照してください。

管理対象サーバーのクローニング

構成ウィザードまたはWLSTのいずれかを使用して、既存の管理対象サーバーをクローニングして新規管理対象サーバーを作成できます。クローニングされたサーバーは、元のサーバーの属性を継承します。

移行可能なターゲットの構成

WebLogic Serverは、移行可能なターゲットとしてクラスタの一部であるサーバーを自動的に指定します。ベスト・プラクティスとして、すべてのJMSサービス(JMSサーバー、パス・サービス、カスタム・ストア、SAFエージェントなど)が、個々のサーバー・インスタンスやクラスタのかわりに、移行可能なターゲットとして指定される必要があります。デフォルトでは、WebLogic Serverは常に、JMSサービスを移行可能なターゲットとして指定します。

ノード・マネージャの構成

本リリースでは、ノード・マネージャのJavaバージョンには簡略化されたすぐに使用可能な構成が用意されています。作成したWebLogicドメインでは、ドメイン固有のノード・マネージャ構成がデフォルトで作成されます。これには、セキュリティ資格証明、プロパティ・ファイル、ドメイン登録、起動スクリプト(ノード・マネージャをWindowsサービスとしてインストールおよびアンインストールするための事前構成済スクリプトを含む)が備わっています。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のデフォルトのノード・マネージャの構成に関する項を参照してください。

ドメインの再構成

ドメイン・アップグレード・ウィザードはWebLogic Serverから削除され、かわりに再構成ウィザードが追加されました。再構成ウィザードは、既存のWebLogicドメインを現在のWebLogic Serverリリースに更新して、新機能を利用できるようにします。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』のWebLogicドメインの再構成に関する項を参照してください。

リモート・マシン上のドメインの更新

WLSTのwriteTemplateコマンドがオンライン・モードで機能するように変更され、パック/アンパック・コマンドのかわりにWLSTを使用してリモート・マシン上に常駐するドメインに対する更新を有効にします。

更新されたMavenサポート

本リリースのWebLogic Serverには、Apache Mavenを使用したOracle WebLogic Serverアプリケーションの作成と管理のための、次の新機能が備わっています。

更新されたMavenサポートに関する詳細は、次のドキュメントを参照してください。

WebLogic Serverアプリケーション用OSGiバンドル

本リリースのWebLogic Serverでは、OSGiをアプリケーションに使用する開発者はOSGiサービス・レジストリ、クラス・ローダー、その他のOSGiサービスなどのOSGi機能を簡単に共有できます。WebLogic Serverを使用すると、OSGiフレームワークのリストをサーバー構成に追加できます。OSGiフレームワークが起動した後、フレームワークのバンドル・オブジェクトがローカル・サーバーJNDIツリーに配置されます。アプリケーションは次にこのバンドルをJNDIから取得した後、このバンドルをOSGiシステムへのエントリ・ポイントとして使用します。アプリケーションが独自のOSGiバンドルをデプロイすることもできます。

OSGiについては、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic Serverアプリケーション用のOSGiバンドルの開発に関する項を参照してください。

WebSocket

本リリースのWebLogic Serverでは、WebSocket Protocol (RFC 6455)に対するサポートが追加されました。これにより、クライアントとサーバー間のシングルTCP接続を介して双方向の全二重通信が提供され、双方が独立してデータを送信することが可能になります。WebSocket通信モデルは、リアルタイムで実行され、ユーザーのやり取りを推進します。

WebLogic Serverでは、WebSocketプロトコル実装と付随するプログラミングAPIを使用して、クライアントと双方向で通信するアプリケーションを開発およびデプロイできます。

コード・サンプルなどの詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic ServerでのWebSocketの使用に関する項を参照してください。

Oracle TopLink 12.1.2

WebLogic Serverでは、Java EEアプリケーションを構築してデプロイする際に使用するOracle TopLinkマッピングおよび永続フレームワークが引き続き提供されています。Oracle TopLinkでは、Java永続性API (JPA) 2.0、XML Binding (JAXB) 2.0標準に対するJavaアーキテクチャなどの主要な標準、およびそれらの標準に対する拡張機能がサポートされています。TopLinkに関する詳細は、『Oracle TopLinkの理解』のOracle TopLinkの概要に関する項を参照してください。

本リリースのWebLogic ServerにはOracle TopLink 12.1.2が備わっており、これにはWebLogic Serverで使用可能な次の新機能と変更された機能が含まれています。

TopLinkの新機能と変更された機能に関する詳細は、『Oracle TopLinkソリューション・ガイド』の12c (12.1.2)の新機能と変更された機能に関する項を参照してください。

サーバー・テンプレート

本リリースのWebLogic Serverには、サーバー・テンプレートが導入されています。サーバー・テンプレートを使用すると、共通のデフォルト以外の属性を定義して、様々なサーバー・インスタンスに適用できます。共通属性がサーバー・テンプレート内に含まれるため、1箇所で変更すれば、そのサーバー・テンプレートを使用するすべてのサーバー・インスタンスでその変更が反映されます。サーバー・テンプレートの主要なユースケースは、動的クラスタの作成です。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』のサーバー・テンプレートに関する項を参照してください。

動的クラスタ

本リリースのWebLogic Serverには、動的クラスタが導入されています。動的クラスタとは、1つまたは複数の動的サーバーが備わったクラスタのことです。動的クラスタは、1つの共有サーバー・テンプレートに基づいています。サーバー・テンプレートを使用して動的クラスタのサーバーの構成を指定するため、クラスタを拡張する際に各サーバーを手動で構成する必要はありません。動的クラスタにより、ドメイン内のサーバー・インスタンスの数を容易に増加できます。動的クラスタの構成の際、ピーク負荷時に必要になると想定されるサーバー・インスタンスの数を指定できます。WebLogic Serverでは指定された数のサーバー・インスタンスが作成され、計算された属性値が各インスタンスに適用されます。サーバーの容量を追加する必要がある場合、最初に手動でサーバー・インスタンスを構成してそれをクラスタに追加しなくても、サーバー・インスタンスを起動できます。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』の動的クラスタの作成に関する項を参照してください。

JMSサーバーをターゲットにしたクラスタ

クラスタ化されたターゲットJMSサーバーを使用すると、JMSサーバーと永続性ストアをクラスタに直接ターゲット化して、クラスタ内のすべてのサーバーに多くのJMSリソース・アーティファクトを個別に構成する必要がなくなるため構成プロセスが簡略化されます。また、動的クラスタ内のJMSリソースと混合クラスタの動的メンバーの動的スケーリングも可能になります。

詳細は、『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』の簡略化JMSクラスタの構成に関する項を参照してください。

管理対象Coherenceサーバー

Coherenceは引き続きWebLogic ServerおよびWebLogic Server管理インフラストラクチャから独立して使用できますが、本リリースのWebLogic ServerはCoherenceクラスタ・メンバーを管理するための新機能をサポートしています。管理対象Coherenceサーバーは、WebLogic Server管理インフラストラクチャをCoherenceクラスタ・メンバーとして使用することで構成された管理対象サーバーです。サポートされている管理機能には、Coherenceライフ・サイクルの管理(サーバーとCoherenceクラスタ・メンバーの起動と停止)、Coherence構成の管理、Coherenceアプリケーションのデプロイ、Coherenceクラスタ・メンバーの監視などがあります。Coherenceアプリケーションと管理対象Coherenceサーバーは、Java EE仕様で規定されていませんが、WebLogic ServerおよびCoherenceに固有のものです。管理対象Coherenceサーバーは、WebLogic Server Java EEアプリケーションとともに使用することも、WebLogic Server Java EEアプリケーションとは別に使用することもできます。

Coherenceアプリケーションは、管理対象Coherenceサーバーへのデプロイ用の特定のディレクトリ構造を使用します。Coherenceアプリケーションは、このディレクトリ構造を使用するファイルのコレクション(展開されたディレクトリ形式)として、または.gar拡張子を持つGrid ARchive (GAR)と呼ばれるアーカイブされたファイルとしてデプロイできます。GARモジュールには、Coherenceアプリケーションを構築するアーティファクトが含まれており、またキャッシュ構成ファイル(coherence-cache-config.xml)およびPortable Object Format (POF)シリアライズ構成ファイル(pof-config.xml)が含まれている可能性もあります。


注意:

WebLogic ServerはOracle Coherenceで必須のプラットフォームではありません。Coherenceサーバーとクラスタの構成と管理、データ管理、Coherenceアプリケーションの構築とデプロイなどには、引き続きCoherenceをWebLogic Serverとは切り離して使用できます。


詳細は、Oracle WebLogic ServerのためのOracle Coherenceアプリケーションの開発を参照してください。

外部アプリケーション・サーバーとの統合用WebLogic JMSリソース・アダプタ

本リリースのWebLogic ServerにはJava EE Connector Architecture準拠リソース・アダプタが含まれており、WebLogic JMSクライアントと外部アプリケーション・サーバーとの統合で高パフォーマンスが提供されています。JMSリソース・アダプタは、JMS対象のJava EE Connector Architectureアウトバウンドおよびインバウンドの契約の実装であり、次の機能が含まれています。

本リリースのJMSリソース・アダプタでは、GlassFish version 3.1以上へのデプロイメントがサポートされています。

詳細は、『Oracle WebLogic Server JMSリソース・アダプタの管理』を参照してください。

Oracle Database 12c統合

本リリースのWebLogic ServerではOracle Database 12cのサポートが追加されており、次の機能が有効になります。

本リリースに含まれるその他のデータベース・サポート機能は、『JDBCデータ・ソースの管理』も参照してください。

JDK 7へのJDBC 4.1のサポート

WebLogic Serverは、JDK 7使用の環境の場合JDBC 4.1仕様をサポートしており、JDBCドライバはJDBC 4.1準拠です。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のJDK 7へのJDBC 4.1のサポートに関する項を参照してください。

Application Continuityのサポート

Application ContinuityはOracleデータベース機能で、動作のリカバリを有効化し、多くのシステム障害、通信障害およびハードウェア障害をマスキングする、汎用のアプリケーション独立型インフラストラクチャを提供します。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のApplication Continuityに関する項を参照してください。

データベース常駐接続プーリングのサポート

データベース常駐接続プーリング(DCRP)はOracleデータベース・サーバーの機能で、これにより中間層システムをまたぐ可能性のある複数の接続プール間の接続を共有できます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のデータベース常駐接続プーリングに関する項を参照してください。

プラガブル・データベースを備えたコンテナ・データベース

コンテナ・データベース(CDB)はOracle Databaseの機能で、1つのCDB内に複数のプラガブル・データベース(PDB)を持つ単一のデータベースに多数のデータベースを統合して、多数のデータベースによるオーバーヘッドを最小限に抑えます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のプラガブル・データベースを備えたコンテナ・データベースに関する項を参照してください。

グローバル・データベース・サービスのサポート

グローバル・データ・サービス(GDS)はOracleデータベース・サービスの機能で、これにより分散データベース環境でロード・バランシング、フォルト・トレランスおよびリソース使用率を自動化します。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のグローバル・データベース・サービスに関する項を参照してください。

自動ONSリスナー

Oracle 12cデータベースをWebLogic Serverリリース12.1.2以上とともに使用すれば、アクティブなGridLinkデータ・ソース構成の一部としてONSリスナーのリストを提供する必要がなくなります。ONSリストはデータベースからドライバに自動的に提供されます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のFANイベントの有効化に関する項を参照してください。

Exalogic Elastic Cloud Softwareの最適化

このリリースのWebLogic Serverには、次のようなExalogic Elastic Cloudソフトウェアの追加の最適化が含まれています。

詳細は、『ライセンス情報』のExalogic Elastic CloudソフトウェアのOracle WebLogic Serverの最適化に関する項を参照してください。

Fusion Middleware Control

WebLogic Serverは、Fusion Middleware Controlを介して管理できるようになりました。次の機能を使用できます。

詳細は、『Fusion Middleware ControlによるOracle WebLogic Serverの管理』を参照してください。

その他のコンポーネントレベルの機能と変更

この項では、次のWebLogic Serverコンポーネントについて、本リリースでの追加機能と変更を説明します。

デプロイメント

この項では、本リリースのWebLogic Serverの新しいデプロイメント機能について説明します。

デプロイメント・プランのステージング

アプリケーションのデプロイメント・プランはアプリケーション・アーカイブとは別にステージングでき、アプリケーションがステージングされていないときにデプロイメント・プランをステージングすることができます。ステージング・モードを指定しないと、アプリケーションのステージングに指定された値がデフォルトとしてデプロイメント・プランで使用されます。

weblogic.Deployerを使用したデプロイメント・プランのステージングについては、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のデプロイメント・プランのステージングに関する項を参照してください。

WebLogic Deployment APIを使用したデプロイメント・プランのステージングについては、『WebLogic Deployment APIによるアプリケーションのデプロイ』のデプロイメント・プランのステージング・モードに関する項を参照してください。

Oracle Virtual Assembly Builderのイントロスペクション・プラグイン

本リリースのWebLogic Serverでは、Oracle Virtual Assembly Builderのイントロスペクション・プラグインに次のノード・マネージャのサポート拡張が追加されました。

  • ノード・マネージャのユーザー名を指定できる新しいオプション。

  • ノード・マネージャを非ルート・ユーザーとして実行する機能。

  • SSLで構成されたノード・マネージャを使用する機能。

イントロスペクション・プラグインには、リハイドレーション・ユーザーをoracle以外のIDに設定する機能などの追加機能もあります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』でOracle Virtual Assembly Builderでのプラグインの使用に関する項を参照してください。

デプロイメント操作に対するJMX API

デプロイメント操作に対応したJava Management Extensions (JMX) APIは、Java EE Deployment API仕様(JSR-88)で使用できるすべての一般的な機能をサポートしています。JMX APIをJSR-88の代替として使用し、指定されたターゲット・サーバーでのデプロイメント・タスクを実行できます。

4つのランタイムMBeanがデプロイメント操作に対応したJMX APIをサポートします。デプロイメント用のこれらの新しいMBeanは、概念的にJSR-88に類似しており、ドメイン・ランタイムMBeanサーバーに配置されます。

詳細は、『WebLogic Deployment APIによるアプリケーションのデプロイ』のデプロイメント操作に対応したJMX APIに関する項を参照してください。

JDBCデータ・ソース

本リリースには、次の新機能または拡張機能があります。

PINGDATABASEを使用したOracleデータベース・テスト

データ・ソースの接続テストのパフォーマンスを改善するには、接続プールのTest Table Name属性をSQL PINGDATABASEに設定します。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のグローバル・データベース・サービスに関する項を参照してください。

GridLinkデータソース対応のPinned-to-threadのサポート

本リリースでは、Pinned-to-Thread機能がGridLinkデータ・ソースにまで拡張されています。Pinned-to-Threadを使用すると、アプリケーションがデータ・ソースからのデータベース接続を予約する際にかかる時間を最小限に抑え、データベース接続に対するスレッド間の競合を排除することにより、パフォーマンスを向上させることができます。 『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のPinned-To-Threadプロパティの使用によるパフォーマンスの向上に関する項を参照してください。

Fan通知のないGridLinkデータ・ソースの使用

本リリースでは、高速アプリケーション通知(FAN)を有効化せずに、アクティブなGridLinkデータ・ソースを構成および使用できます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のFAN通知を使用しないGridLinkデータ・ソースの使用に関する項を参照してください。

IDまたはクライアント識別子(あるいはその両方)のWebLogicユーザーとしての設定

大量のユーザーの構成を簡略化するために、WebLogic Serverにはデータソース構成オプションが用意されています。このオプションでは、IDベースのプーリング、または資格証明マッパーではなくWebLogic Serverユーザーを直接使用するクライアントID(あるいはその両方)に関してユーザーの設定を行います。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のデータ・ソースのセキュリティの理解に関する項を参照してください。

接続テストの改善

本リリースでは、2つの新しい接続プール・チューニング属性(CountOfTestFailuresTillFlushおよびCountOfRefreshFailuresTillDisable)が提供され、停止接続のテストにより発生した遅延を最小化することで、場合によってはパフォーマンスを改善できます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のデータベース接続が作成されたタイミングをテストする接続に関する項を参照してください。

JavaDBサポート

このドキュメントはDerbyデータベースを参照します。Derbyの使用に関する参照は、Java DBにも適用できます。Java DBは、Oracleが配布するオープン・ソースApache Derby Javaデータベースです。これはJava Development Kitの一部として配布されます。http://www.oracle.com/technetwork/java/javadb/overview/index.htmlJava DBを参照してください。

エディションベースの再定義

エディションベースの再定義を使用すると、使用中のアプリケーションのデータベース・コンポーネントをアップグレードできます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のエディションベースの再定義の有効化に関する項を参照してください。

メンテナンス・タイマーの改善

WebLogic JDBCでは複数の新しいタイマー・プロパティが提供され、それによりパフォーマンスやJDBCデータ・ソースを調整できます。

  • weblogic.jdbc.gravitationShrinkFrequencySeconds

  • weblogic.jdbc.harvestingFrequencySeconds

  • weblogic.jdbc.securityCacheTimeoutSeconds

『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のメンテナンス・タイマーのチューニングに関する項を参照してください。

Weblogicサーバー分散でのJDBC関連の変更

wlserver/server/libディレクトリに格納されていた多数のJDBCファイルは、次の場所へ移動しました。

ORACLE_HOME/oracle_common/modules/datadirectに移動したファイルは、次のとおりです。


64sqljdbc.dll
DDJDBC64Auth05.dll
DDJDBCAuth05.dll
DDJDBCx64Auth05.dll
fmwgenerictoken.jar
instjdbc.sql
sqljdbc.dll
wldb2.jar
wlinformix.jar
wlsybase.jar
wlsqlserver.jar
x64sqljdbc.dll

ORACLE_HOME/oracle_common/modules/oracle.jdbc_11.2.0に移動したファイルは、次のとおりです。


ojdbc5.jar
ojdbc6.jar
ojdbc6dms.jar
ojdbc5_g.jar
ojdbc6_g.jar

ORACLE_HOME/oracle_common/modules/oracle.nlsrtl_11.2.0に移動したファイルは、次のとおりです。


orai18n-mapping.jar
orai18n.jar

ORACLE_HOME/oracle_common/modules/oracle.ons_12.1.1に移動したファイルは、次のとおりです。


ons.jar

ORACLE_HOME/oracle_common/modulesに移動したファイルは、次のとおりです。


oracle.ucp_11.2.0.jar

データソース構成の変更

アイデンティティ・ベース・プーリングは前述したとおり、pinned-to-threadでサポートされていません。現在は、データ・ソースのデプロイ失敗の原因となる構成エラーとしてフラグが付けられるようになりました。 『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のPinned-To-Threadプロパティの使用によるパフォーマンスの向上に関する項を参照してください。

ローカル・トランザクションのコミット

WebLogic Server 12.1.2以降、アプリーションによってコミットまたはロールバックされなかった非XA接続のローカル・トランザクションは、その接続がプールに戻されるときにデフォルトで明示的にコミットされるようになりました。また、接続プールを閉じるときに非XA接続とXA接続のローカル・トランザクションをコミットするかどうかを設定するために、次の2つのパラメータが追加されました。

  • -Dweblogic.datasource.endLocalTxOnNonXAConWithCommit=falseを使用すると、アプリケーションでトランザクションの明示的な完了を保証できる際に、非XA接続でこれ以上のDBMSアクセスが不要になります。このパラメータをfalseに設定すると、setAutoCommit(true)の呼出し時に使用する特定のJDBCドライバの動作に応じて、接続プールを閉じるときに非XA接続のローカル・トランザクションが暗黙的にコミットまたはロールバックされます。JDBC仕様に準拠する場合、トランザクションがコミットされますが、ドライバごとに準拠の度合いは異なります。デフォルトでは、このプロパティをtrueに設定すると、これらのトランザクションはコミットされます。

  • -Dweblogic.datasource.endLocalTXOnXAConWithCommit=trueを使用すると、接続プールを閉じるときにXA接続のローカル・トランザクションをコミットできます。デフォルトでは、これらのトランザクションはロールバックされます。

JTA

本リリースでは、次の新しく変更されたJTA機能が追加されました。

  • JTAトランザクション・オプションをクラスタ・レベルで構成できます。『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』のJTAの構成に関する項を参照してください。

  • 配布されたトランザクションのクラスタ全体のトランザクション・リカバリを、クラスタのすべての介在トランザクション・マネージャにわたって構成できます。『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』のクラスタ全体のリカバリに関する項を参照してください。

  • トランザクション・マネージャ・システムをまたぐトランザクションをサポートします。『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』のトランザクション・マネージャ・システムをまたぐトランザクションに関する項を参照してください。

ロギング

本リリースのWebLogic Serverでは、production mode内のサーバー・インスタンスを起動すると、デフォルトで、ファイルのサイズが5000KBに達したときにサーバーは必ずサーバー・ログ・ファイルをローテーションさせます。さらに、本リリースのWebLogic Serverでは、ログ・ファイルの過剰な膨張を防ぐために強制的なローテーションが行われる前に、2,097,152KBというしきい値サイズの制限が設定されます。

圧縮および解凍ユーティリティ

packユーティリティおよびunpackユーティリティへの変更内容は、次のとおりです。

  • 永続ファイル・ストアは、ドメイン内に配置されていても、圧縮されたドメインには含まれません。ファイル・ストアがドメイン内に配置されている場合、空のファイル・ストア・ディレクトリがターゲット・システムに作成されます。

  • 外部ディレクトリに配置されたデプロイメント・プランは、packにより作成されたテンプレート内に追加されます。これらはunpackによってドメイン内の次の標準の場所にコピーされます。

    domain_home/config/deployments/deployment_name/plan

  • ノード・マネージャのタイプがDomainNodeManagerまたはCustomLocationNodeManagerのいずれかの場合、ノード・マネージャの構成はpackおよびunpackにより管理対象モードと管理対象でないモードの両方で保存されます。詳細は、『PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』のノード・マネージャの構成に関する項を参照してください。

リソース・アダプタ

WebLogic Serverの本リリースから、複数の接続プールで構成されたリソース・アダプタには、デプロイ中に障害のある接続プールを正常な接続プールから切り離す機能が追加されました。これにより、失敗した接続プールを特定、診断および修正して、リソース・アダプタを再デプロイせずにアダプタ・デプロイメントを動的に更新できます。

アウトバウンド接続プールの失敗を検出する機能は、リソース・アダプタに拡張された正常な監視機能を介して使用できます。WLSTまたはWebLogic Server管理コンソールを使用して、正常なリソース・アダプタ・デプロイメントにアクセスできます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverリソース・アダプタの開発』のリソース・アダプタの作成と構成に関する項およびリソース・アダプタの圧縮とデプロイに関する項を参照してください。

セキュリティ

この項では、WebLogic Server 12.1.2での次のセキュリティの変更を説明します。

Oracle OPSSキーストア・サービスのサポート

Oracleプラットフォーム・セキュリティ・サービス(OPSS)のキーストア・サービスでは、メッセージ・セキュリティを確保するためにキーおよび証明書を管理する代替の方式が提供されています。OPSSキーストア・サービスを使用すると、ドメイン内のすべてのサーバーのキーと証明書が中央で管理および保管されるため、証明書とキーの使用が簡単になります。OPSSキーストア・サービスを使用して、KSSタイプのキーストアを作成して管理します。

Oracle JRFテンプレートをWebLogic Serverシステムにインストールしてドメインを作成する際にこのテンプレートを使用する場合にのみ、WebLogic ServerのOPSSキーストア・サービスを使用できます。OPSSキーストア・サービスはJRFテンプレートでのみ使用でき、デフォルトのWebLogic Server構成では使用できません。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』のOracle OPSSキーストア・サービスの構成に関する項を参照してください。

デモンストレーションIDキーストアの場所の変更

本リリースのWebLogic ServerでWebLogicドメインを作成すると、デモンストレーションIDキーストアがDOMAIN_HOME/securityディレクトリに配置されます。(以前のリリースでは、このキーストアはWL_HOME/server/libディレクトリに配置されていました。)


注意:

デモ用のデジタル証明書、秘密鍵、および信頼性のあるCA証明書は、開発環境でのみ使用してください。


WebLogic Server環境におけるデモンストレーション・デジタル資格証明、秘密鍵、および信頼できるCA証明書の使用の詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』のIDおよび信頼の構成に関する項を参照してください。

response.sendErrorメソッドの動作の変更

response.sendError(int, String)メソッドを使用して、Stringにスクリプトを含めると、Stringはxssエンコードされ、<scriptname>のようになります。この動作の変更により、Stringに含められたスクリプトの実行が回避されます。

SNMP

WebLogic Server SNMPエージェントには、各監視通知の変数バインディングに新しい名前/値ペアのtrapConfigNameが含められます。この名前/値ペアを使用してより簡単に生成済TRAP通知を、SNMP監視MBean(基準に達するとTRAP通知の生成を発生させるための基準を定義する)に関係付けることができます。

trapConfigName名前/値ペアは、次のSNMP監視MBeansで定義された監視基準により生成されたTRAP通知に影響を与えます。

  • SNMPCounterMonitorMBean

  • SNMPGaugeMonitorMBean

  • SNMPStringMonitorMBean

trapConfigName名前/値ペアは、属性変更の通知の変数バインディングにも使用されます。これを使用すると、属性変更の通知をSNMPAttributeChangeMBean(どのような方法で変更されても通知の生成を発生させるMBean属性を定義する)に関係付けることができます。

詳細は、『SNMPによるOracle WebLogic Serverのモニタリング』の監視通知に関する項を参照してください。

スタンドアロン・クライアント

本リリースでは、スタンドアロン・クライアントに対する次の新機能が追加されました。

  • WebLogic Thin T3クライアントに対応したWebLogicストア・アンド・フォワード・サービスのサポート

  • WebLogic Thin T3クライアントに対応したHTTPS (SSL経由HTTPトンネリング)経由のRMIのサポート

  • WebLogic Thin T3クライアントに対応したネットワーク・クラスロードのサポート

『Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントの開発』のWebLogic Thin T3クライアントの開発に関する項を参照してください。

Webアプリケーション、サーブレットおよびJSP

この項では、次の変更事項と本リリースのWebLogic ServerのWebアプリケーション、サーブレット、およびJSPの新機能について説明します。

Coherenceアプリケーション

本リリースのWebLogic Serverでは、CoherenceアプリケーションをWebLogic Serverドメイン内でパッケージ化、デプロイ、管理する方法が標準化されています。Coherenceアプリケーションと管理対象CoherenceサーバーはJavaEE仕様で規定されていませんが、WebLogic Serverに固有のものです。

詳細は、Oracle WebLogic ServerのためのOracle Coherenceアプリケーションの開発を参照してください。

MaxRequestParamterCount属性名の変更

以前のWebLogic Serverリリースへの一部のパッチで導入されていたWebServer MBean MaxRequestParamterCount属性のスペルが、MaxRequestParameterCountに変更されました。これは、変更前のスペルを使用してこのパラメータを設定している既存のWLSTスクリプトに影響を与えません。ただし、新しいWLSTスクリプトを記述する際には訂正したスペルを使用する必要があります。

このパラメータは、WLSTオンラインを介してServers/server_name/WebServer/server_nameディレクトリから設定できます。

HTTPリクエスト・パラメータ

以前のWebLogic Serverリリースでは、HTTPリクエスト・パラメータはデフォルトでArrayMapに格納されていました。WebLogic Server 12.1.2では、HTTPリクエスト・パラメータはデフォルトでTreeMapに格納されています。

引き続きHTTPリクエスト・パラメータの保管にArrayMapを使用する場合には、次の新しい起動パラメータをサーバーの起動コマンドに追加します。

-Dweblogic.utils.http.requestparams.useArrayMap=true

WebLogic API Jar

Oracle WebLogic Server用Java APIリファレンスとともに、wls-api.jarファイルを使用して、WebLogic Server環境に対してJava EEアプリケーションを開発およびコンパイルすることをお薦めします。wls-api.jarファイルは、 WebLogic Server配布のwlserver/server/libディレクトリに格納されています。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のJava APIリファレンスとwls-api.jarファイルに関する項を参照してください。

WebLogic診断フレームワーク

次の各項では、本リリースのWebLogic ServerでのWebLogic診断フレームワーク(WLDF)の新機能と変更された機能について説明します。

組込みシステム診断モジュール

WLDFでは一連のシステム診断モジュールが追加され、簡単で使いやすいメカニズムによる基本的な状態の診断とWebLogic Serverインスタンスを監視するパフォーマンスが実行されます。WebLogic Serverインスタンスで構成されている場合、組込み診断モジュールはサーバーのパフォーマンスの負荷の低い履歴レコードの提供には特に便利です。サーバー・ワークロードが時間の経過とともに変化したり、サーバーの構成に対する更新の結果としてパフォーマンスの特性が変わったりしますが、組込みで収集されたデータを確認して、パフォーマンスの変化に関する詳細を取得できます。

本番モードで実行するように構成されたWebLogicドメインでは、組込み診断モジュールがデフォルトで各サーバー・インスタンスで有効になっています。(開発モードで実行するように構成されたドメインでは、組込みモジュールはデフォルトで無効になっています。)ただし、WebLogic Server管理コンソールまたはWLSTのいずれかを使用して、組込み診断モジュールをサーバー・インスタンスに対して簡単かつ動的に有効にも無効にもできます。

診断システム・モジュールの作成のプロセスを簡略化するには、必要に応じて、組込み診断モジュールのクローンを作成してカスタマイズできます。たとえば、組込み診断モジュールが収集する個々のメトリックを追加または削除できます。組込み診断モジュールには、構成済のアクティブ化されていない一連の監視や通知を追加することも可能です。それらの監視や通知を1つまたは複数選択してアクティブ化したり、必要に応じて作成する診断モジュールでカスタマイズできます。

詳細は、『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』の組込み診断モジュールの使用に関する項を参照してください。

複数の診断モジュールのサーバーまたはクラスタへのターゲット指定

以前のリリースのWebLogic Serverでは、常に1つの診断システム・モジュールを1つのサーバーまたはクラスにターゲット指定できるのみでした。2つのファイルを、アクティブなターゲットが同一のサーバーまたはクラスタであるDOMAIN_HOME/config/diagnosticsディレクトリには格納できませんでした。しかし、この制約は本リリースのWebLogic Serverで廃止されました。今では、複数の診断システム・モジュールをサーバーまたはクラスタのインスタンスにターゲット指定できます。

詳細は、『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』のWLDF構成の理解に関する項を参照してください。

診断システム・モジュールの動的なアクティブ化/非アクティブ化

本リリースのWebLogic Serverでは、WLDFには次の新機能が追加され、ターゲット指定されているサーバーやクラスタのインスタンスを再起動したり、ドメイン構成を変更したりせずに、診断システム・モジュールの稼働状態への制御ができるようになりました。

  • ドメイン構成で定義されている診断システム・モジュールを動的にアクティブ化および非アクティブ化する機能。

  • ドメイン構成で定義されていない診断システム・モジュールをその場で作成およびアクティブ化する機能。

これらの機能は次の事項でサポートされています。

  • 診断システム・モジュールをアクティブ化および非アクティブ化する新しいWLSTコマンド。これはWLDF構成の一部であり、診断システム・モジュールをその場で作成および破棄するコマンドでもあります。新しいDiagnostics WLSTコマンドを参照してください。

  • ドメイン構成を変更せずに診断システム・モジュールを動的に制御する新しい実行時APIは、次のとおりです。

    • weblogic.management.runtime.WLDFControlRuntimeMBean

    • weblogic.management.runtime.WLDFSystemResourceControlRuntimeMBean

詳細は、『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』のWLDF構成の理解に関する項を参照してください。

新しい診断WLSTコマンド

WLDFでは、本リリースで次の新しいWLSTコマンドが追加されました。

  • listSystemResourceControls(): すべての使用可能な診断システム・モジュールのリストを作成します。

  • enableSystemResource(): 診断システム・モジュールをアクティブ化します。

  • disableSystemResource(): 診断システム・モジュールを診断システム・モジュールを非アクティブ化します。

  • createSystemResourceControl(): 指定したディスクリプタ・ファイルを使用して、その場で診断システム・モジュールを作成します。

  • destroySystemResourceControl(): 以前にその場で作成した診断システム・モジュールを破棄します。

  • dumpDiagnosticData(): 診断データをハーベスタからローカル・ファイルへダンプします。

これらのコマンドの詳細は、『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』の診断コマンドに関する項を参照してください。

Oracle HotSpotによるJavaフライト・レコーダの使用

WebLogic Serverの本リリースでは、デフォルトで、Javaフライト・レコーダは無効化されています。Javaフライト・レコーダを有効にするには、次のJVMオプションを、JVMが実行されるWebLogic Serverインスタンスで指定する必要があります。

-XX:+UnlockCommercialFeatures -XX:+FlightRecorder

これらのJVMオプションを指定する方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』のOracle HotSpotでのJavaフライト・レコーダの使用に関する項を参照してください。

WLDFスキーマの変更

WLDFスキーマでは、THREADNAME列がwls_eventsテーブルでvarcat(128)からvarcat(250)へ変更され、WLDFMODULE列がwls_hvstテーブルに追加されました。JDBCベースのイベントとハーベスタのデータを使用する場合、手動でWLDFスキーマを更新する必要があります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』のWLDFスキーマのアップグレードに関する項を参照してください。

WebLogic RMI

本リリースのWebLogic Serverでは、WebLogic RMIのサポートの次の変更と新機能を導入しています。

  • シンプルなavaオブジェクトへのリモート・アクセスを提供する新しいWebLogic RMI注釈です。『Oracle WebLogic Server RMIアプリケーションの開発』のWebLogic RMI注釈の使用に関する項を参照してください。

  • 新しい接続属性のWLContext.CONNECT_TIMEOUT。これにより、サーバーへの接続をブートストラップまたは再確立するまでのクライアントの待機時間を定義します。WLContext.REQUEST_TIMEOUTは推奨されていません。『Oracle WebLogic Server RMIアプリケーションの開発』の接続タイムアウトの使用に関する項を参照してください。

  • 新しい接続属性のWLContext.RESPONSE_READ_TIMEOUT。これにより、サーバーからの応答を受信するまでのクライアントの待機時間を定義します。WLContext.RMI_TIMEOUTは推奨されていません。『Oracle WebLogic Server RMIアプリケーションの開発』の読取りタイムアウトの使用に関する項を参照してください。

WebLogic Tuxedo Connector

本リリースでは、次のWebLogic Tuxedo Connectorの新機能と変更された機能が追加されました。

  • readonlyトランザクションのサポート。『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』の読取り専用の1フェーズ・コミットの最適化に関する項を参照してください。

  • WebLogicとTuxedo間の密結合トランザクションのサポート。『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』のトランザクション・マネージャ・システムをまたぐトランザクションに関する項を参照してください。

  • ネストされたビューのサポート。『Oracle WebLogic Server Oracle WebLogic Tuxedo Connectorアプリケーションの開発』のネストされたビューの変換に関する項を参照してください。

Webサービス

この項では、本リリースのWebLogic ServerにWebLogic Web Servicesの新機能と変更された機能として追加された、次の機能について説明します。

RESTful Webサービスとクライアントに対応したOWSMポリシーのサポート

Oracle Web Services Manager (OWSM)ポリシーを使用するセキュアRESTful Webサービス。詳細は、『Oracle WebLogic Server RESTful Webサービスの開発と保護』のOWSMポリシーを使用したRESTful Webサービスとクライアントの保護に関する項を参照してください。

JMSトランスポートを経由したSOAP

Java Messaging Service (JMS)トランスポートを経由したSOAPは、Java API for XML Web Services (JAX-WS)を使用するWebLogic Webサービスに対応した接続プロトコルとしてサポートされています。この機能は、新しいW3C SOAP over Java Message Service 1.0標準(2012年2月)に対応しています。この標準は、http://www.w3.org/TR/soapjms/を参照してください。

詳細は、『Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発』のJMSトランスポートを経由したSOAPの使用に関する項を参照してください。

Fast Infoset

本リリースでサポートされているFast Infosetは、テキストベースのXML形式より効率的なシリアライゼーションを提供する圧縮されたバイナリ・エンコーディング形式です。Fast Infosetは、ドキュメントのサイズと処理パフォーマンスの両方を最適化します。『Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発』のFast Infosetを使用するXML伝送の最適化に関する項を参照してください。

強化されたWebサービス・テスト・クライアント

WebサービスをテストするためのWebサービス・テスト・クライアントが強化され、Webサービスの高度な機能をテストできるようになりました。『Webサービスの管理』のWebサービス・テスト・クライアントの使用に関する項を参照してください。

Java EE Webサービス・クライアントへのOWSMポリシー添付に対する注釈のサポート

本リリースから、Oracle Web Services Manager (OWSM)セキュリティ・ポリシーのWebサービス・クライアントへの添付に注釈がサポートされています。『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』の注釈を使用するJava EE Webサービスとクライアントへのポリシーの添付に関する項を参照してください。

SHA-256 Secure Hash Algorithm

SHA-1以外に、WebLogic Server Webサービス・セキュリティ・ポリシーはさらに強力なデジタル署名のハッシュ化に対するSHA-2 (SHA-256)セキュア・ハッシュ・アルゴリズムをサポートしています。詳細は、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの保護』のSHA-256セキュア・ハッシュ・アルゴリズムの使用に関する項を参照してください。

スタンドアロンWebサービスのクライアントJAR

このインストールには、一連のスタンドアロンWebサービス・クライアントJARファイルが用意されており、次の機能をサポートします。

  • Basic JAX-WSおよびOWSMセキュリティ・ポリシーのサポート。『Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発』のWebサービスのスタンドアロンJava SEクライアントからの起動に関する項を参照してください。

  • Basic JAX-RSおよびOWSMセキュリティ・ポリシーのサポート。『Oracle WebLogic Server RESTful Webサービスの開発と保護』のRESTful Webサービスのスタンドアロン・クライアントからの起動に関する項を参照してください。

  • Basic JAX-RPCのサポート。『Oracle WebLogic Server JAX-RPC Webサービスの開発』のWebサービスを起動する際のスタンドアロン・クライアントのJARファイルの使用に関する項を参照してください。

WebサービスのMavenゴール

WebLogic Serverでは、本リリースから次のWebサービスのMavenゴールがサポートされています。

  • ws-clientgen: クライアントWebサービス・アーティファクトをWSDLから生成します。

  • ws-wsdlc: 一連のアーティファクトとWebサービスの一部のJava実装をWSDLから生成します。

  • ws-jwsc: JAX-WS Webサービスを作成します。

完全なドキュメントは、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogicデプロイメントMavenプラグインの使用に関する項を参照してください。

WLST

この項では、既存のWLSTコマンドへの変更と新しいWLSTコマンドについて説明します。

変更された既存のWLSTコマンドは、次のとおりです。

  • writeTemplateはオンライン・モードで機能するように変更され、リモート管理対象サーバー・ドメインをより容易に作成または更新できるようになりました。

  • inheritance引数がlsコマンドに追加されました。

  • Oracle HTTPサーバーなどのシステム・コンポーネントに対するサポートが、stateコマンド、shutdownコマンドおよびstartコマンドに追加されました。これは、WebLogic ServerとともにインストールされたFusion Middlewareシステム・コンポーネントを含むインストールにのみ適用されます。

  • shutdownコマンドに対するblock引数のデフォルト値は、trueに変更されました。

  • pluginProps引数が、nmkillコマンドとnmStartコマンドに追加されました。この引数は、Oracle HTTPサーバーなどのプラグイン処理のシステム・コンポーネントにのみ使用されます。

  • jvmargs引数がstartNodeManagerコマンドに追加されました。

次のWLSTコマンドが追加されました。

  • readDomainForUpgradeは、再構成の既存ドメインを開きます。

  • getNodeManagerHomeは、ノード・マネージャのホーム・ディレクトリのパスを返します。

  • getNodeManagerTypeは、ノード・マネージャのタイプを返します。

  • cloneは、既存の管理対象サーバーのクローンを作成して、新規管理対象サーバーを作成します。

  • listSystemResourceControls()は、すべての使用可能な診断システム・モジュールのリストを作成します。

  • enableSystemResource()は、診断システム・モジュールをアクティブ化します。

  • disableSystemResource()は、診断システム・モジュールを非アクティブ化します。

  • createSystemResourceControl()は、指定したディスクリプタ・ファイルを使用して、その場で診断システム・モジュールを作成します。

  • destroySystemResourceControl()は、以前にその場で作成した診断システム・モジュールを破棄します。

  • dumpDiagnosticData()は、診断データをハーベスタからローカル・ファイルへダンプします。

次のWLSTコマンドが、Fusion Middleware製品に含まれるWebLogic Serverインストールをサポートするために追加されました。

  • listServerGroupsは、ユーザーが展開可能なconfig-groupsサーバー・グループのマップを取得します。

  • setServerGroupsは、指定したサーバーのサーバー・グループを設定します。

  • getServerGroupsは、指定したサーバーがメンバーのサーバー・グループのリストを取得します。

  • getStartupGroupは、サーバーのサーバー起動グループを取得します。

  • addStartupGroupは、新しいサーバー起動グループを追加します。

  • getDatabaseDefaultsは、データベースからスキーマ情報を取得します。

  • setStartupGroupは、サーバーに起動グループを設定します。

  • setSharedSecretStoreWithPasswordは、共有データベース・ストアに共有シークレット・ストアおよびパスワードを設定します。

  • softRestartは、システム・コンポーネント・サーバー・インスタンス(Oracle HTTPサーバー・インスタンス)を再起動します。

  • nmSoftRestartは、ノード・マネージャを使用して指定したシステム・コンポーネントのサーバー・インスタンスを再起動します。

非推奨となった機能(WebLogic Server 12c)

WebLogic Server 12cリリース2で非推奨となった機能の情報は、My Oracle Support(https://support.oracle.com/)を参照してください。「ナレッジ・ベースの検索」フィールドで「非推奨の機能」を検索します。

weblogic.management.usernameおよびweblogic.management.password

WebLogic Server 12.1.1では、起動ユーザー名およびパスワードのシステム・プロパティであるweblogic.management.usernameweblogic.management.passwordは非推奨となり、将来のリリースでは削除されます。本番モードでWebLogic Serverを起動するためのコマンドで、ユーザー名とパスワードを指定することはできなくなります。

かわりに、boot.propertiesファイルを使用してWebLogic Serverの起動ユーザー名とパスワードを指定することをお薦めします。boot.propertiesファイルに関する詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の起動IDファイルに関する項を参照してください。

ユーザーの資格証明を入力する際に使用できるその他の方法に関する詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーを起動および停止するためのユーザー資格証明の入力に関する項を参照してください。

Maven 11xプラグインの非推奨

WebLogic Server 11gリリース1で配布されたweblogic-maven-pluginプラグインは、本リリースでは推奨されていません。かわりにWLS 12.1.2 Mavenプラグインの使用をお薦めします。完全なドキュメントは、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic開発Mavenプラグインの使用に関する項を参照してください。

XML処理のJSPタグ

WebLogic Server 12.1.2では、XSLT JSPタグとWebLogic XSLT JSPタグ・ライブラリが非推奨となり、将来のリリースでは削除されます。XMLデータを変換するにはJAXPを使用します。詳細は、『Oracle WebLogic Server XMLアプリケーションの開発』のXMLドキュメントの変換に関する項を参照してください。

標準のサポート、サポートされる構成、およびWebLogic Serverの互換性

次の項では、WebLogic Server標準のサポート、サポート対象のシステム構成、およびWebLogic Serverの互換性について説明します。

標準のサポート

本リリースのWebLogic Serverでは、次の標準とバージョンをサポートしています。

Java標準

表1に現在サポートされているJava標準を示します。

表1 Java標準のサポート

標準 バージョン

Contexts and Dependency Injection for Java EE

1.0

Dependency Injection for Java EE

1.0

Expression Language (EL)

2.2, 2.1, 2.0

JSP 2.0以上のみExpression Language 2.x.をサポート

JAAS

1.0全体

JASPIC

1.0

Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS)

2.2, 2.1, 2.0

Java API for RESTful Web Services (JAX-RS)

1.1

Java Authorization Contract for Containers (JACC)

1.4

Java EE

6.0

Java EE Application Deployment

1.2

Java EE Bean Validation

1.1

Jave EE Common Annotations

1.0

Java EE Connector Architecture

1.6

Java EE EJB

3.1、3.0、2.1、2.0および1.1

Java EE Enterprise Web Services

1.3, 1.2, 1.1

Jave EE Interceptors

1.1

Java EE JDBC

4.0, 3.0

Java EE JMS

1.1、1.0.2b

Java EE JNDI

1.2

Java EE JSF

2.1, 2.0, 1.2, 1.1

Java EE JSP

2.2、2.1、2.0、1.2および1.1

JSP 1.2および1.1にはExpression Language (EL)が含まれますが、EL 2.x以上はサポートされません。

Java EEマネージドBean

1.0

Java EE Servlet

3.0, 2.5, 2.4, 2.3, and 2.2

Java RMI

1.0

JavaMail

1.4

JAX-B

2.2, 2.1, 2.0

JAX-P

1.3, 1.2, 1.1

JAX-R

1.0

JAX-RPC

1.1

JCE

1.4

JDKs

7.0 (6.0および7.0クライアントのみ)

JMX

1.4

JPA

2.0, 1.0

JSR 77: Java EE Management

1.1

JSTL

1.2

マネージドBean

1.0

OTS/JTA

OTS 1.2およびJTA 1.1

RMI/IIOP

1.0

SOAP Attachments for Java (SAAJ)

1.3, 1.2

Streaming API for XML (StAX)

1.0

Web Services Metadata for the Java Platform

2.0, 1.1


Web Services標準

WebLogic Webサービスでサポートされている現在の標準のリストは、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの理解』のWebLogic Webサービスでサポートされる機能と標準に関する項を参照してください。

その他の標準

表2は、本リリースのWebLogic Serverでサポートされているその他の標準のリストです。

表2 その他の標準

標準 バージョン

SSL

v3

X.509

v3

LDAP

v3

TLS

v1.1、v1.2

HTTP

1.1

SNMP

SNMPv1、SNMPv2、SNMPv3

xTensible Access Control Markup Language (XACML)

2.0

Partial implementation of Core and Hierarchical Role Based Access Control (RABC) Profile of XACML

2.0

Internet Protocol (IP)

バージョン:

  • v6

  • v4


Fusion Middlewareの全製品へのIPv6サポートに関する詳細は、Oracle Technology NetworkのOracle Fusion Middleware Supported System Configurationsページを参照してください。

サポートされる構成

サポート対象の構成に関する最新情報は、Oracle Technology NetworkのOracle Fusion Middleware Supported System Configurationsページを参照してください。

WebLogic Serverの互換性

WebLogic Serverの現在のバージョンと以前のリリース間の互換性に関する最新情報は、『Oracle WebLogic Serverの理解』のWebLogic Serverの互換性に関する項を参照してください。

ドキュメントのアクセシビリティについて

Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイト(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc)を参照してください。

Oracle Supportへのアクセス

Oracleサポート・サービスでは、My Oracle Supportを通して電子支援サービスを提供しています。詳細情報は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info)か、聴覚に障害のあるお客様は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs)を参照してください。


Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの新機能 12c (12.1.2)

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