Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントの開発 12c (12.1.2) E48086-02 |
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この章では、スタンドアロン・クライアントの内容、クライアントの種類、クライアントの機能、クライアントの配布方法について説明します。このドキュメントの文脈で使用する「スタンドアロン・クライアント」という言葉は、WebLogic Serverから独立した実行時環境を持つクライアントを指します。(Webサービスなどの管理対象クライアントは、サーバーへのアクセスに必要な実行時環境を提供するうえで、サーバー側のコンテナに依存します。)WebLogic Serverアプリケーションにアクセスするスタンドアロン・クライアントは、標準のI/Oを使用する単純なコマンド・ライン・ユーティリティから、Java Swing/AWTクラスを使用して構築された高度な対話型のGUIアプリケーションまで様々です。
Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントの作成に提供されているクライアントJarおよび他のリソースを使用する場合のライセンス要件の詳細は、『Oracle® Fusion Middlewareライセンス情報』のスタンドアロンWebLogicクライアントに関する項を参照してください。
WebLogic T3クライアントは、OracleのT3プロトコルを使用してWebLogic Serverと通信するJava RMIクライアントです。T3クライアントは、他の種類のクライアントよりもパフォーマンスに優れており、最も推奨されるクライアントです。
WebLogicシンT3 Javaクライアントは、WebLogicインストール・クライアント、フル・クライアント、およびシンIIOPクライアントにかわる軽量のクライアントです。このクライアントは、フル・クライアントを使用した場合と同じパフォーマンスを実現しますが、利用するJARファイルははるかに小さくなります。シンT3クライアントでは、フル・クライアントを使用できるユース・ケースのほとんどがサポートされています。
シンT3クライアントは、スタンドアロン・アプリケーションで使用でき、WebLogic以外の外部サーバーで実行するアプリケーションで使用できるように設計されています。一般的なユース・ケースの1つは、WebLogic JMS宛先との統合です。
『Oracle WebLogic Server RMIアプリケーションの開発』のT3プロトコルによるWebLogic RMIの使用に関する項
WebLogicフル・クライアントは、スタンドアロン・クライアントの中で最大サイズのJARファイル(wlfullclient.jar
)を必要としますが、最も多くの機能を備え、総合的なパフォーマンスに優れています。3種類のT3クライアントのパフォーマンスはすべて同じです。wlfullclient.jar
は、IIOPサポートも提供します。次を参照してください:
『Oracle WebLogic Server RMIアプリケーションの開発』のT3プロトコルによるWebLogic RMIの使用に関する項
注意: Antスクリプトで起動される |
インストール・クライアントはWebLogic Serverのフル・インストールで使用できます。WL_HOME/server/lib
にあるweblogic.jar
ファイルを使用し、すべてのWebLogic Server固有の拡張機能のクライアント側のサポートを提供します。次などのサーバー側の操作をサポートする唯一のクライアントです。
ejbcコンパイラなど、デプロイメント目的に必要な操作。
デプロイメントなどの管理操作。
サーバー側の操作を呼び出すWLSTおよびクライアント側のJSR 88アプリケーション。
IIOPは、Java RMIで記述されたインタフェースを持つ分散アプリケーション向けのトランスポート・プロトコルです。IIOPクライアントの使用が任意の場合には、IIOPクライアントではなくT3クライアントを使用することをお薦めします。詳細は、次を参照してください:
詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のIIOPを介したRMIの使用に関する項を参照してください。
Java単独の環境以外で作業している場合には、IIOPを使用してJavaプログラムをCORBA (Common Object Request Broker Architecture)クライアントに接続し、CORBAオブジェクトを実行できます。IIOPは、インタフェースがJava RMIまたはインタフェース定義言語(Interface Definition Language: IDL)で記述された分散アプリケーション用のトランスポート・プロトコルです。ただし、この2つのモデルは、異種システム間での相互運用可能な環境を作成する方法が明確に異なります。プログラムを作成する際は、IDLまたはRMIのどちらのインタフェースを使用するか決定する必要があります。両方を混在させることはできません。WebLogic Serverでは、以下のCORBAクライアント・モデルをサポートしています。
JMXクライアントを使用すると、WebLogic Server MBeanにアクセスできます。『Oracle WebLogic Server JMXによるカスタム管理ユーティリティの開発』のJMXを使用したWebLogic Server MBeanへのアクセスに関する項を参照してください。
WebLogic Serverには、Java EEおよびWebLogic JMSの機能を提供するJMSクライアントが数多く用意されています。
ヒント: T3プロトコル対応の効率的なJavaクライアント(インストール・クライアント、フル・クライアント、シンT3クライアントのいずれか)を使用してください。シンJavaクライアントは低速のIIOPプロトコルを使用するため、実際のユース・ケースでシンT3クライアントが大きすぎると思われる場合にしかお薦めできません。 |
WebLogicシンT3クライアント。「WebLogicシンT3クライアントの開発」を参照してください。
WebLogicフル・クライアント。「WebLogicフル・クライアントの開発」を参照してください。
WebLogicインストール・クライアント。「WebLogicインストール・クライアント」を参照してください。
JMSシン・クライアント。第6章「WebLogic JMSシン・クライアント」を参照してください。
JMS SAFクライアント。第7章「JMS SAFクライアントによる確実なメッセージ送信」を参照してください。
JMS Cクライアントは、Oracle WebLogic Server JMSアプリケーションの開発のWebLogic JMS C APIに関する項を参照してください。
JMS .NETクライアントは、『Oracle WebLogic Server JMS .NETクライアント・アプリケーションの開発』を参照してください。
WebLogic AQ JMSクライアントは、『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』のスタンドアロンのWebLogic AQ JMSクライアントに関する項を参照してください。WebLogic AQ JMSクライアントは、WebLogic Server JNDIを使用して宛先の情報を取得でき、組込みドライバを使用してOracleデータベースAQ JMSの宛先に直接アクセスをサポートしています。WebLogic Server JMS宛先にアクセスできません。
スタンドアロンのWebサービス・クライアント(wseeclient.jar)は、WebLogicクライアント・クラスを使用して、WebLogic Serverまたは他のアプリケーション・サーバー上でホストされているWebサービスを呼び出します。『Oracle WebLogic Server JAX-RPC Webサービスの開発』のWebサービス起動時のスタンドアロン・クライアントのJARファイルの使用に関する項を参照してください。
WebLogic Tuxedo Connectorでは、WebLogic ServerアプリケーションとTuxedoサービスとの相互運用が実現されます。次を参照してください:
『Oracle WebLogic Server Oracle WebLogic Tuxedo Connectorアプリケーションの開発』のOracle WebLogic Tuxedo ConnectorクライアントEJBの開発に関する項
『Oracle WebLogic Server Oracle WebLogic Tuxedo Connectorアプリケーションの開発』のWebLogic Tuxedo Connectorに対応したRMI/IIOPアプリケーションを開発する方法に関する項
『Oracle WebLogic Server Oracle WebLogic Tuxedo Connectorアプリケーションの開発』のCORBA Java APIを使用したOracle WebLogic Tuxedo Connector Client Beanを開発する方法に関する項
次の表に、WebLogic Server環境でサポートされるクライアントの種類と、それぞれの特徴、機能、および制約についてまとめます。
注意: 複数のクライアントを組み合せて拡張機能セットを作成することはサポートされていません。環境に最も適したクライアントを1つ選択し、その種類のクライアントに指定されているクライアント・クラスのみを使用してください。 |
表2-1 WebLogic Serverクライアントの種類と機能
クライアント | 種類 | 言語 | プロトコル | クライアント・クラス要件 | 主な機能 |
---|---|---|---|---|---|
WLフル・クライアント(T3) |
RMI |
Java |
T3 |
|
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WLシンT3クライアント |
RMI |
Java |
T3 |
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WLS-IIOP (WebLogic Server 7.0で導入) |
RMI |
Java |
IIOP |
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シン・クライアント |
RMI |
Java |
IIOP |
JDK 1.6以降 |
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CORBA/IDL |
CORBA |
OMG IDLからマップする言語(C++、C、Smalltalk、COBOLなど) |
IIOP |
WebLogicクラスは不要 |
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Java SE |
RMI |
Java |
IIOP |
WebLogicクラスは不要 |
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JMSシン・クライアント |
RMI |
Java |
IIOP |
JDK 1.6以降 |
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JMS SAFクライアント (WebLogic Server 9.2で導入) |
RMI |
Java |
IIOP |
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JMS Cクライアント (WebLogic Server 9.0で導入) |
JNI |
C |
任意 |
WebLogic JMS対応の任意のJavaクライアント( |
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JMS .NETクライアント (WebLogic Server 10.3で導入) |
T3 |
.NET |
T3 |
|
|
WebLogic AQ JMSクライアント (WebLogic Server 10.3.1で導入) |
JNDI/ |
Java |
IIOP/T3 + |
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『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』のスタンドアロンのWebLogic AQ JMSクライアントに関する項を参照してください。 |
JMX |
RMI |
Java |
IIOP |
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『Oracle WebLogic Server JMXによるカスタム管理ユーティリティの開発』のJMXを使用したWebLogic Server MBeanへのアクセスに関する項を参照してください。 |
Webサービス |
SOAP |
Java |
HTTP/S |
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『Oracle WebLogic Server JAX-WS Webサービスの開発』のスタンドアロン・クライアントからのWebサービスの起動に関する項を参照してください。 |
C++クライアント |
CORBA |
C++ |
IIOP |
Tuxedoライブラリ |
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TuxedoサーバーおよびネイティブCORBAクライアント |
CORBAまたはRMI |
C++ |
Tuxedo-General-Inter-Orb-Protocol (TGIOP) |
Tuxedoライブラリ |
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