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Oracle® Fusion Middleware PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成
12c (12.1.2)
E48074-01
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2 packおよびunpackコマンド・リファレンス

この章では、packおよびunpackコマンドの目的、構文およびパラメータを説明します。

節の内容は以下のとおりです。

これらのコマンドは、ORACLE_HOME/oracle_common/common/binディレクトリにあります。

2.1 packコマンド

packは、WebLogicドメイン全体またはWebLogicドメインのサブセットのスナップショットを含むテンプレート(.jarアーカイブ・ファイル)を作成するコマンドです。WebLogicドメインのサブセットを含むテンプレートを使用して、リモート・マシン上に管理対象サーバー・ドメインのディレクトリ階層を作成できます。

次の各項では、packコマンドを使用して作成するドメインおよび管理対象サーバーのテンプレートに組み込まれる、ファイルおよびディレクトリについて説明します。

2.1.1 ドメイン・テンプレートに組み込まれているファイルおよびディレクトリ

次の例外を除いて、ソースWebLogicドメインのすべてのファイルとディレクトリが組み込まれます。

  • サーバーの起動時に作成される一時ファイル

  • サーバー・ディレクトリ

  • WebLogicドメインの作成時に自動的に作成されるセキュリティ・ディレクトリ内のファイル。DefaultAuthenticatorInit.ldiftおよびXACMLRoleMapperInit.ldiftなど。

  • 永続ファイル・ストア(ドメインに配置されている場合も含む)。JMS用に定義されたか他のファイル・システム用に定義されたかにかかわらず、ファイル・ストアは除外されます。ファイル・ストアがドメイン内に配置されている場合は、ターゲット・システム上に空のファイル・ストア・ディレクトリが作成されます。

ドメイン・ディレクトリ内のファイルに加え、外部ディレクトリに配置されたデプロイメント・プランもpackで作成されたテンプレートに組み込まれます。これらはunpackによって、次のドメイン内の標準の場所にコピーされます。

domain_home/config/deployments/deployment_name/plan


注意:

ドメイン内にすでに存在するプランは再配置されません。


外部ディレクトリには、Oracleホーム・ディレクトリ、ドメイン・ホーム、およびORACLE_HOME/oracle_common/common/lib/internalpaths.txtファイルで定義されている場所以外のディレクトリが含まれます。

WebLogic Server管理コンソールまたはその他のオンライン・ツールを使用して、ユーザー、グループ、ロールなどの追加のセキュリティ・データを構成した場合、そのセキュリティ・データはLDAPサーバーに格納されており、テンプレートには組み込まれません。最初にデータをエクスポートしてからターゲットWebLogicドメインにインポートする必要があります。

2.1.2 管理対象サーバー・テンプレートに組み込まれているファイルおよびディレクトリ

次のファイルとディレクトリは、デフォルトで組み込まれます。

  • 次の拡張子を持つ、ルート・ディレクトリのすべてのファイル: .cmd.sh.xml.propertiesおよび.ini

  • WebLogicドメインのSSL構成に定義されている、拡張子.pemを持つファイル

  • config.xmlを除き、configディレクトリにあるすべてのファイルとサブディレクトリ

  • binディレクトリ

  • libディレクトリ

次のファイルとディレクトリは、デフォルトでは管理対象サーバー・テンプレートに組み込まれません

  • アプリケーションと特定のアプリケーション初期化ファイル

  • config.xml

  • サーバーの起動時に作成される一時ファイル

  • サーバー・ディレクトリ

  • WebLogicドメインの作成時に自動的に作成されるセキュリティ・ディレクトリ内のファイル。DefaultAuthenticatorInit.ldiftおよびXACMLRoleMapperInit.ldiftなど。

ドメイン内のサーバーの特定の名前やポートが指定されているかどうかにかかわらず、あらゆるドメインのパックが可能です。その後、任意のマシン上にドメインをアンパックできますが、config.xmlファイルで特定のマシンおよびポートを使用するように定義されているサーバーは、他のマシンでは動作しません。そのため、該当するノードおよびマシン上でサーバーを正常に起動するには、すべてのサーバーの各リモート・ノード上に同一のテンプレートをアンパックする必要があります。

2.1.3 ノード・マネージャの構成

ノード・マネージャの構成は、管理対象モードと非管理対象モードのどちらでも、packunpackで保持されません。アンパックされたドメインでは、ノード・マネージャ・タイプがデフォルトで常にPerDomainNodeManagerに設定されます。

元のドメインのノード・マネージャ・タイプがCustomLocationNodeManagerであった場合、ドメインをアンパックするときにunpackコマンドで-nodeManagerTypeおよび-nodeManagerHomeパラメータを使用して、構成を保持する必要があります。

元のドメインのノード・マネージャ・タイプがManualNodeManagerSetupであった場合は、各リモート・マシン上にドメインをアンパックした後に、ノード・マネージャを手動で再構成する必要があります。

元のドメインでManualNodeManagerSetup構成が使用されていた場合、ノード・マネージャの構成情報は、packで作成されたテンプレートから切り捨てられます。ドメインをアンパックするときには、-nodeManagerTypeパラメータを使用してManualNodeManagerSetupを指定します。ドメインのアンパック後は、ノード・マネージャを手動で構成する必要があります。

ノード・マネージャ・タイプについては、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のデフォルトのノード・マネージャの構成に関する項を参照してください。

ノード・マネージャ資格証明はconfig.xmlに格納されており、パックされたドメインからアンパックされたドメインへコピーされます。

2.1.4 packコマンドの構文

pack -domain=domain -template=template -template_name="template_name" [-template_author="author"][-template_desc="description"] [-managed=true|false] [-log=log_file] [-log_priority=log_priority]

2.1.5 packコマンドのパラメータ

表2-1は、packコマンドのパラメータ一覧です。

表2-1 packコマンドのパラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-domain=domain

必須

テンプレートの作成元WebLogicドメインの絶対または相対パス。

-template=template

必須

作成されるテンプレートのフル・パスまたは相対パス。テンプレート・ファイル名には、.jar拡張子を含める必要があります。

: packコマンドは既存のファイルを上書きしません。指定したファイル名が指定フォルダの既存ファイルと一致する場合、packコマンドは失敗します。

-template_name="template name"

必須

テンプレートを表す名前。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要があります。

-template_author="author"

オプション

テンプレートの作成者の名前。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要があります。

-template_desc="description"

オプション

テンプレートの説明。このパラメータの値にスペースが含まれている場合にのみ、引用符で囲む必要があります。

-managed=true|false

オプション

リモート・マシンに管理対象サーバーを作成するためにテンプレートを使用するかどうかを指定します。デフォルトはfalseです。このパラメータがtrueに設定されているときは、SerializedSystemIni.datおよびnm_password.propertiesなどの最小限のファイルを含む管理対象サーバー・テンプレートが作成されます。管理対象サーバー・テンプレートの一意のdomain.propertiesファイルも含みます。アプリケーションと特定のアプリケーション初期化ファイルを含みません。結果のテンプレートは、リモート・マシン上に管理対象サーバーを作成するために使用できます。

注意: WebLogic Server 12.1.2と同様、WLSTのwriteTemplateコマンドはオンライン・モードで使用できます。これにより、リモート管理対象サーバーのドメインの作成または更新が容易になります。詳細は、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のwriteTemplateに関する項を参照してください。

-log=log_file

オプション

ログ・ファイルの名前。

-log_priority=log_priority

オプション

ログ・ファイルの優先度の設定。log4j優先度文字列を使用します。

有効なlog4j優先度文字列は、debuginfowarnerrorfatalです。優先度文字列の値は、Levelクラスで定義されたレベルに対応します。詳細は、http://logging.apache.org/log4j/を参照してください。


2.1.6 packコマンドの例

C:\oracle\user_projects\domainsディレクトリに配置するmydomainという既存のWebLogicドメインを元にテンプレートJARファイルを作成するには、次のコマンドを実行します。

pack -domain=C:\oracle\user_projects\domains\mydomain -template=C:\oracle\user_templates\mydomain.jar -template_name="My WebLogic Domain"

mydomain.jarというテンプレートが、C:\oracle\user_templatesディレクトリに作成されます。テンプレートの名前は、My WebLogic Domainです。

2.2 unpackコマンド

unpackコマンドは、リモート・マシンの管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリに使用されるフルWebLogicドメインまたはドメインのサブセットを作成します。

unpackは、現在のインストール内容と互換性のあるテンプレートのみと併用してください。現在のインストール・バイナリが、unpackコマンドを実行するマシンに存在している必要があります。以下のものをテンプレートとして使用できます。

ドメイン・テンプレートでunpackコマンドを使用すると、テンプレートに定義されているアプリケーション・ファイルとリソース・ファイルすべてを含むWebLogicドメインが作成されます。また、起動スクリプトおよび特定のセキュリティ・ファイルと構成ファイルも作成されます。


注意:

ソース・ドメインは、ドメイン用に定義した管理者ユーザー名と管理者パスワードの両方を持つ必要があります。そうでない場合、unpackコマンドの実行時にはエラーが表示されます。


管理対象サーバー・テンプレートでunpackコマンドを使用すると、以下を含む管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリが作成されます。

管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリのエントリは、NM_HOME /nodemanager.domainsファイルにも作成されます。NM_HOMEは、リモート・マシン上の製品インストールのためのノード・マネージャのホーム・ディレクトリです。このディレクトリの場所は、ノード・マネージャ・タイプによって異なります。ノード・マネージャ・タイプおよびノード・マネージャ・ホームの詳細は、表2-2を参照してください。


注意:

デフォルトでは、アプリケーション・ファイルはpackコマンドを使用して作成された管理対象サーバー・テンプレートには含まれません。管理対象サーバー・テンプレートの作成元のWebLogicドメインにアプリケーションが、external_stageモードによりデプロイされた場合、unpackコマンドを使用して作成する管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリには、外部でステージングされたアプリケーションは一切含まれません。管理対象サーバーを起動する前に、外部でステージングされたアプリケーション・ファイルにアクセス可能であることを確認する必要があります。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のステージング・モードでのデプロイメント・ファイルのコピーの制御に関する項を参照してください。


2.2.1 unpackコマンドの構文

unpack -template=template -domain=domain [-user_name=username] [-password=password] [-app_dir=application_directory] [-nodemanager_type=type] [-nodemanager_home=nodemanager_home_directory] [-java_home=java_home_directory] [-server_start_mode=dev|prod] [-overwrite_domain] [-log=log_file] [-log_priority=log_priority]

2.2.2 unpackコマンドのパラメータ

表2-2は、unpackコマンドで使用可能なパラメータの一覧です。

表2-2 unpackコマンドのパラメータ

パラメータ 必須/オプション 説明

-template=template

必須

WebLogicドメインの作成元テンプレートのフル・パスまたは相対パスおよびファイル名。

-domain=domain

必須

作成するWebLogicドメインの絶対または相対パス。

-user_name=username -password=password

オプション

テンプレートに現在定義されているデフォルトの管理者のユーザー名とパスワード。このユーザー名とパスワードの組合せは、管理サーバーの起動および管理サーバーとの接続に使用されます。デフォルトの管理者に新しいパスワードを指定した場合、パスワードは指定した値にリセットされます。

: デフォルトの管理者のパスワードがテンプレートに定義されていない場合は、指定する必要があります。

管理ユーザーがテンプレートに定義されていない場合は、-user_name-passwordパラメータを指定して新しいデフォルトの管理者を作成できます。

デフォルトの管理者とパスワードが現在テンプレートに定義されている場合は、-user_name-passwordパラメータを指定して新しい管理ユーザーを追加できます。

値は、カンマ、タブまたは次のリストの文字を含んではなりません: < > # | & ? ( ) { }。ユーザー名では、大文字と小文字が区別されます。

有効なパスワードは8文字以上の文字列で、大文字と小文字が区別されます。unpackコマンドではパスワード値が暗号化されます。

注意: これらのパラメータは、管理対象サーバー・テンプレートを使用してWebLogicドメインを作成する場合には使用できません。

-app_dir=application_directory

オプション

テンプレートに定義されているアプリケーションを格納するために使用するディレクトリのフルパス。

このパラメータは、テンプレートが個別のアプリケーション・ディレクトリをサポートしている場合にのみ使用できます。

-nodemanager_type=type

オプション

作成中のドメインに、ノード・マネージャ・タイプを設定します。次のいずれかのタイプを指定します。

  • PerDomainNodeManager: このタイプを指定した場合、ドメイン内にノード・マネージャ・ホームが<domain_name>/nodemanagerとして定義されます。各ドメインのノード・マネージャは、このディレクトリ内のファイル構造に従って、別々の構成にできます。

  • CustomLocationNodeManager: 特定の場所にノード・マネージャの構成ファイルを作成する場合に、このタイプを指定します。このタイプを指定した場合、ノード・マネージャのホーム・ディレクトリの指定にnodemanager_home引数を追加する必要があります。指定されたディレクトリは空である必要があります。

  • ManualNodeManagerSetup: 既存のノード・マネージャの構成を使用する場合、このタイプを指定します。このタイプを指定すると、ドメインに対するノード・マネージャの構成は無視されるため、ノード・マネージャの構成を手動で構成する必要があります。

デフォルト値はPerDomainNodeManagerです。

-nodemanager_home=home

条件付き

指定したノード・マネージャ・タイプがCustomLocationNodeManagerの場合、この引数が必要です。使用するノード・マネージャの場所へのフルパスを入力します。

指定したノード・マネージャ・タイプがCustomLocationNodeManagerではない場合、この引数は不要です。追加された場合は、無視されます。

-java_home=java_home_directory

オプション

Javaホーム・ディレクトリのフルパス。設定した場合は、WebLogicドメインの管理サーバーによって使用されるデフォルトのJVMが識別されます。

このパラメータは、管理対象サーバー・テンプレートを基にWebLogicドメインを作成する場合には使用できません。

-server_start_mode=dev|prod

オプション

管理サーバーの起動モード(開発または本番)。デフォルト値はdevです。

注意: アンパックされたドメインを本番モードで動作させる場合、このパラメータをunpackコマンドに追加して、prodを指定する必要があります。そうしないと、unpackコマンドが開発モードで作成されます。

このパラメータは、管理対象サーバー・テンプレートを使用してWebLogicドメインを作成する場合には使用できません。

devモードを指定した場合、またはこのパラメータを省略した場合は、ドメイン用にboot.propertiesファイルが作成されます。prodモードを指定した場合、boot.propertiesファイルがドメインに対して作成されません

overwrite_domain

オプション

指定したドメイン・ディレクトリがすでに存在すると、空でないと、その影響の警告は表示されません、およびディレクトリにあるファイルが自動的に上書きされます。ローカル・カスタマイズのマージまたは保持は試行されません。

注意: ドメイン生成を開始した後システム・エラーが発生した場合に、ドメイン・ディレクトリは不明な状態にあります。

-log=log_file

オプション

ログ・ファイルの名前。

-log_priority=log_priority

オプション

ログ・ファイルの優先度の設定。log4j優先度文字列を使用します。

有効なlog4j優先度文字列は、debuginfowarnerrorfatalです。優先度文字列の値は、Levelクラスで定義されたレベルに対応します。詳細は、http://logging.apache.org/log4j/を参照してください。


2.2.3 unpackコマンドの例

C:\oracle\user_templatesディレクトリにあるmydomain.jarテンプレートを使用してC:\oracle\user_projects\domainsディレクトリにmynewdomainというWebLogicドメインを作成するには、次のコマンドを実行します。

unpack -template=C:\oracle\user_templates\mydomain.jar -domain=C:\oracle\user_projects\domains\mynewdomain