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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server RMIアプリケーションの開発
12c (12.1.2)
E48079-02
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2 WebLogic RMIの理解

この章では、WebLogic RMIの機能について説明します。

WebLogic RMIとは

RMI (Remote Method Invocation)は、Javaでの分散オブジェクト・コンピューティングの標準規格です。RMIを使用すると、アプリケーション側では、ネットワーク内の別の場所に存在するオブジェクトへの参照を取得した後、そのオブジェクトのメソッドを、そのオブジェクトがあたかもクライアントの仮想マシンにローカルに存在するかのように呼び出すことができます。RMIは、分散Javaアプリケーションが複数のJava仮想マシン上でどのように動作するかを規定するものです。

このドキュメントはWebLogic RMIの使い方について説明したものですが、リモート・オブジェクトや分散アプリケーションの記述方法についての初心者向けチュートリアルではありません。RMIの学習を開始する場合は、http://docs.oracle.com/javase/6/docs/technotes/guides/rmi/を参照し、RMIチュートリアルを確認します。

WebLogic RMIの機能

次の表に、RMIのWebLogic実装の重要な機能を示します。

表2-1 WebLogic RMIの機能

機能 WebLogic RMI

全体的なパフォーマンス

WebLogic Serverフレームワークとの統合により、WebLogic RMIのパフォーマンスが向上します。WebLogic Serverは、通信の基底のサポート、スケーラビリティ、スレッドとソケットの管理、効率的なガベージ・コレクション、およびサーバー関連サポートを提供します。

標準への準拠

Java Platform Standard Edition 6.0 API仕様に準拠しています。

アノテーション

リモートJavaオブジェクト内に組込み可能なアノテーションのサポートを提供します。

フェイルオーバーとロード・バランシング

WebLogic ServerはRMIオブジェクトのフェイルオーバーとロード・バランシングをサポートします。

リクエスト・タイムアウト

リモート・コールが完了するタイムアウト期間を指定できます。

WebLogic RMIコンパイラ

スタブとスケルトンは実行時にWebLogic RMIによって動的に生成されます。このため、クラスタ化可能クライアントやIIOP (Internet Inter-ORB Protocol)クライアント以外では、明示的にweblogic.rmicを実行する必要はありません。

動的プロキシ

リモート・オブジェクトのクライアントが使用するクラス。RMIの場合はスケルトン・クラスとスタブ・クラスが使用されます。スタブ・クラスは、クライアントのJava仮想マシン(JVM)で呼び出されるインスタンス。スケルトン・クラスはリモートJVMに存在し、リモートJVM上で呼び出されたメソッドと引数のマーシャリングを解除し、リモート・オブジェクトのインスタンスのメソッドを呼び出した後、結果をマーシャリングしてクライアントに返します。

セキュリティのサポート

セキュリティ・マネージャは不要。WebLogic Serverは認証、認可、およびJava EEのセキュリティ・サービスを実装しています。

トランザクションのサポート

WebLogic Serverでは、Java Platform, Enterprise Edition (Java EE)プログラミング・モデルのトランザクションがサポートされています。

Internet Protocol version 6 (IPv6)のサポート

128ビット・アドレッシング空間のサポート。