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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverのアップグレード
12c (12.1.2)
E48023-03
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1 概要

このドキュメントでは、WebLogic Server 12cリリース1 (12.1.2)にアップグレードして、既存のアプリケーションをWebLogic Server 12.1.2に移動するプロセスについて説明します。WebLogic Server 12.1.2へのアップグレード時にアプリケーションを変更すると判断する場合や、アプリケーションの変更が必須となる場合もありますが、このドキュメントでは、アプリケーションの変更を行わずにWebLogic Server 12.1.2へアプリケーションを移動する際に考慮が必要な問題について説明します。

このドキュメントの手順は、次のアップグレード・シナリオに対応します。


注意:

WebLogic Server 10.3.1より前のリリースからアップグレードする場合は、「WebLogic Server 10.3.1より前のWebLogicバージョンからのアップグレード」を参照してください。


また、このドキュメントでは、既存のWebLogic Server 10.3.xまたは12.1.1ドメインをWebLogic Server 12.1.2と互換性を持つように更新(再構成)する方法およびWebサービスをアップグレードする方法についても説明します。

WebLogic Serverは一般的に、WebLogic Serverのバージョン全体でハイレベルのアップグレード機能をサポートします。このドキュメントの目的は、WebLogic Serverアップグレード・サポートの提供と、アップグレード中に直面する可能性のある問題の特定によって迅速な解決を促すことです。


注意:

現在のJava EE環境およびデプロイされているアプリケーションを、Oracle Application Server 10gおよびOracle Containers for Java EE (OC4J)からWebLogic Server 12cリリース1 (12.1.2)にアップグレードする場合は、『Oracle Fusion Middleware Java EEアップグレード・ガイド』を参照してください。


WebLogic Server12.1.2には、Fusion Middleware再構成ウィザードが含まれていて、WebLogic Serverおよびご使用のアプリケーション環境のアップグレードを支援します。

ほとんどのWebLogic Serverアプリケーションは、修正を加えることなくWebLogic Server 12.1.2の新たなアプリケーション環境で動作します。

この章の内容は次のとおりです。

バージョンの互換性

アップグレード前に、WebLogic ServerとWebLogic Server 12.1.2のドメイン互換性要件を確認する必要があります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』のドメイン内の互換性に関する項を参照してください。

重要な用語

次のトピックに進む前に、次の用語の説明をお読みください。

WebLogic Server 10.3.1より前のWebLogicバージョンからのアップグレード

WebLogic Server 10.3.1より前のWebLogicバージョンを現在使用している場合、バージョン12.1.2へのアップグレードには2段階のプロセスがあります。

アップグレード・プロセスの概要

アプリケーション環境のアップグレードに必要なプロセスは、アプリケーション・スコープにより異なります。アプリケーション環境は、WebLogicドメインとそれに関連付けられているアプリケーションおよびアプリケーション・データで構成されます。また、アプリケーション環境には、ファイアウォール、ロード・バランサ、LDAPサーバーなどの外部リソースも含まれます。図1-1に、WebLogicのアプリケーション環境の例を示します。

図1-1 WebLogicのアプリケーション環境の例

図1-1の説明が続きます
「図1-1 WebLogicのアプリケーション環境の例」の説明

表1-1に、図1-1に示されているWebLogicアプリケーション環境のコンポーネントとそのアップグレード要件を示します。

表1-1 WebLogicのアプリケーション環境例のコンポーネントのアップグレード要件

コンポーネント 説明 アップグレード要件

WebLogicドメイン

管理サーバー(AS)と必要に応じて1台または複数の管理対象サーバー(MS1、MS2、MS3、MS4など)で構成されます。ドメイン内のサーバーは、複数のマシンにまがたる場合があります。さらに、重要なアプリケーションにロード・バランシングとフェイルオーバー保護を適用できるよう管理対象サーバーをクラスタとしてグループ化することができます。WebLogicドメインの詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』のOracle WebLogicドメインの理解に関する項を参照してください。

ドメイン内のすべてのコンピュータのドメイン・ディレクトリをアップグレードします。

アプリケーション

WebアプリケーションやEJBなどを含むすべてのJava EEアプリケーション。一般的に、アプリケーションはドメイン内の1つまたは複数の管理対象サーバーにデプロイされます。デプロイメント戦略に応じて、アプリケーションはコンピュータ上のローカルに配置したり、共有ディレクトリを使用してアクセスできます。さらに、外部クライアント・アプリケーションがファイアウォールの外側からアプリケーション環境にアクセスすることも可能です。

ほとんどのWebLogic Serverアプリケーションは、修正を加えることなくWebLogic Server 12.1.2の新たなアプリケーション環境で動作します。詳細については、「旧リリースとの相互運用性および互換性」を参照してください。

外部リソース

ドメインとアプリケーション・データを格納するためのデータベース、ロード・バランサ、ファイアウォールなどのソフトウェア・コンポーネント。

すべての外部リソースがWebLogic Server 12.1.2と互換性があることを確認します。詳細については、『Oracle Fusion Middleware Supported System Configurations』(http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html)を参照してください。


WebLogic Serverにデプロイされているビジネス・アプリケーションのアップグレードには、複数のWebLogic Serverアプリケーションのアップグレードが必要な場合があり、一部のケースでは次の目的のためにドメインも連動してアップグレードする場合があります。

たとえば、すべてのアプリケーションおよびドメインを同時にアップグレードする場合や、アップグレードを正確に定義された順序で行う場合、あるいは一部のアプリケーションおよびドメインをアップグレードする一方、その他のアプリケーションおよびドメインは旧バージョンのWebLogic Serverにそのまま残すような場合があります。

始める前に

アップグレード・プロセスを開始する前に、アップグレードする環境の範囲と、どのアプリケーションをどの順序でアップグレードするかについて検討してください。このドキュメントの範囲では、アップグレードのすべての組合せを網羅することはできません。したがって、アップグレードを計画する前に、次の内容を考慮する必要があります。この内容は、単一ドメインで実行中の単一アプリケーションが関連するアップグレードを対象にしています。

旧リリースとの相互運用性および互換性

ほとんどの既存のWebLogic Server 10.3.1以降のアプリケーションは、修正を加えることなくWebLogic Server 12.1.2の新たなアプリケーション環境で動作します。実際の環境においてアプリケーションが機能変更の影響を受けるかどうかについては、付録A「WebLogic Server 12.1.2の旧リリースとの互換性」で互換性情報を確認してください。アプリケーションで非推奨になったAPIまたは削除されたAPIが使用されている場合は、実行時に警告または例外が発生するおそれがあります。