Oracle® Real User Experience Insightインストレーション・ガイド 12c リリース3 (12.1.0.4) for Linux x86-64 E49734-01 |
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この付録では、エンリッチ・データ・エクスポート・ファシリティで使用する代替Oracleデータベース・インスタンスの設定方法を説明します。このファシリティの使用方法の詳細は、『Oracle Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド』を参照してください。
注意: 代替データベースの構成を進める前に、構成のバックアップを作成することをお薦めします。「構成」、「システム」、「メンテナンス」、「バックアップおよびリストア」の順に選択します。 |
デフォルトでは、エンリッチ・データ・エクスポート・ファシリティを使用する場合、レポータが使用するものと同じデータベース・インスタンスにデータがエクスポートされます。ただし、エンリッチ・データのエクスポートには、別のデータベース・インスタンスを構成することを強くお薦めします。この理由は、次のとおりです。
エクスポートしたデータにアクセスするためのSQLクエリーによって、データベースに多大なパフォーマンス・オーバーヘッドがかかってしまいます。大量のデータ処理や複雑なSQLクエリーの実行が必要な場合、またはエクスポートしたデータに対して特定の期間内に何度かクエリーを実行しなければならない場合は、別なデータベースを使用することで、パフォーマンスが大幅に向上します。
別なエクスポート・データベース・インスタンスを使用することで、RUEIデプロイメントへの影響を最小限に抑え、管理も簡単になります。特にデータベースのサイズ設定やバックアップが簡単になります。
代替エクスポート・データベースを使用する場合、これをOracleデータベース・バージョン11gR1または11gR2にする必要があり、この付録の残りの部分で説明する設定手順を開始する前にOracleデータベース・ソフトウェアのインストールを完了している必要があります。Oracleデータベース管理の高度な知識を想定していることに注意してください。
この付録で説明している設定手順は、いくかの設定を示しています(RUEI_DB_TNSNAME_BI
など)。これについては、表2-2で説明しています。
代替エンリッチ・データ・エクスポート・データベースへの移行
エンリッチ・データ・エクスポートを1つのデータベースから別なデータベースに移行する場合、前のデータベースに保存されている最新のエクスポート・データは新しいデータベースに自動的に移行されない点に注意してください。定義されているデータ保存ポリシーは前のデータベースでは有効ではなくなくなるため、履歴データは前のデータベースに残ります。適宜必要な表を前のデータベースから手動でパージする必要があります。
エクスポート・データへのアクセス
エクスポート・データベース内のデータへのアクセスは、SQLを使用して行うことができます。エクスポートしたデータにアクセスするためのSQLクエリーによって、エクスポート・データベースに多大なパフォーマンス・オーバーヘッドがかかることがあります。したがって、SQLクエリーの設計を慎重に確認して、オーバーヘッドを最小限にすることをお薦めします。特に、戻されたデータから、外部分析に不要な表の列を除外しておく必要があります。さらに、特定の期間に実行するSQLクエリー数を最小化する必要があります。特に、同じデータを複数回問い合わせないようにしてください。
この項では、別のデータベース・サーバーのデータベース・インスタンスを設定するために従う必要がある手順について説明します。
次の説明では、Oracleデータベース・インスタンスをコマンド行で作成することを想定しています。ただし、適切なユーティリティを使用して、必要なパラメータを指定できます。次を実行します。
oracle
ユーザーとして別のデータベース・システムにログオンして、次のコマンドを発行します。
dbca -silent -createDatabase -gdbNameEXPORT_DATABASE_NAME
\ -sidEXPORT_DATABASE_NAME
-characterSet AL32UTF8 \ -templateName Data_Warehouse.dbc -databaseType DATA_WAREHOUSING \ -redoLogFileSize 500 -initParams recyclebin=off -initParams audit_trail=none
ここで、
EXPORT_DATABASE_NAME
は、エクスポート・データベース・インスタンスのリテラル名です。
パフォーマンス上の理由から、recyclebin
およびaudit_trail
機能は無効にしておくことをお薦めします。
文字セット・インスタンスは、ALT32UTF8
として指定する必要があります。
パフォーマンス上の理由から、圧縮表領域を使用することを強くお薦めします。次を実行します。
別のデータベース・サーバーでシステム管理者として次のSQLコマンドを発行し、USERS
表領域の圧縮を有効にします。
alter tablespace USERS default compress;
デフォルトでは、USERS
表領域に1つの32GBデータファイルが作成されます。ほとんどのデプロイメントでは、次のSQLコマンドを使用して、追加の表領域を追加する必要があります。
alter tablespace USERS add datafile 'user02.dbf' size 5M autoextend on;
上記のコマンドでは、デフォルトのデータファイルの場所が指定されている点に注意してください。別な場所を任意に指定できます。
デフォルトでは、Oracleデータベースの保守タスクは22:00に実行するように設定されています。これはデータベース全体のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことがあります。したがって、監視する環境内でのトラフィック量と、エクスポート・データベース表の読取りスケジュールのプロセスによっては、トラフィック/ロード量の少ない時間帯(たとえば03:00)に、この種の保守タスクのスケジュールを変更する必要があるかもしれません。予定された保守タスクのスケジュール変更方法については、次の場所にある『Oracle Database管理者ガイド』をを参照してください。
http://docs.oracle.com/cd/E11882_01/server.112/e25494/tasks.htm#ADMIN0235
代替データベースにアクセスするには、正式な権限を持つユーザーを作成する必要があります。次を実行します。
別のデータベース・サーバーで次のコマンドを発行して、最小の必要な権限を持つRUEIデータベース・ユーザーを作成します。
create userRUEI_DB_USER_BI
identified by "password
" default tablespace USERS temporary tablespace TEMP profile DEFAULT quota 50G on USERS; alter profile DEFAULT limit PASSWORD_LIFE_TIME unlimited; grant create session, create table toRUEI_DB_USER_BI
;
ここで、
RUEI_DB_USER_BI
は、エクスポート・データベース・ユーザー名を示します。
password
は、必要なパスワード変数を示します。
この項では、レポータおよび処理エンジン・システムを別のデータベース・サーバーに接続するために従う必要がある手順について説明します。レポータおよび各処理エンジン・システムで、この手順に従う必要があります。
代替Oracleデータベースを定義したら、接続データの設定が必要です。これには、レポータおよび処理エンジン・システム上のRUEIデータ・ディレクトリ(RUEI_DATA
)内に、sqlnet.ora
およびtnsnames.ora
という2つのファイルが必要です。次を実行します。
sqlnet.ora
ファイルに次が含まれていることを確認します。
NAMES.DIRECTORY_PATH = (TNSNAMES)
SQLNET.WALLET_OVERRIDE = TRUE
WALLET_LOCATION = (SOURCE=(METHOD=FILE)(METHOD_DATA=(DIRECTORY=RUEI_DATA
)))
DIAG_SIGHANDLER_ENABLED = FALSE
DIRECTORY
設定が、/etc/ruei.conf
ファイルで指定されたRUEIデータ・ディレクトリ(RUEI_DATA
)を示していることを確認してください。
レポータおよび処理エンジン・システムのtnsnames.ora
ファイルを編集します。次を追加する必要があります。
RUEI_DB_TNSNAME_BI
=(DESCRIPTION= (ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=BI_database_server
) (PORT=1521))) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=RUEI_DB_INST_BI
)))
ここで、
BI_database_server
は、代替エンリッチ・データ・エクスポート・データベース・サーバーのネットワーク・アドレス(ホスト名またはIPアドレス)を指定します。
RUEI_DB_TNSNAME_BI
はエクスポート・データベース文字列を示します。
RUEI_DB_INST_BI
は、エクスポート・データベース・インスタンス名を示します。
HOST
設定がご使用のデータベースを示していることを確認します。ホスト名を使用する場合は、/etc/hosts
の設定でも指定されていることを確認してください。ただしIPアドレスも指定できます。
レポータおよび処理エンジンでは、代替エンリッチ・データ・エクスポート・データベースへの非対話式のアクセスが必要です。このために、Oracleオートログイン・ウォレットを使用してパスワードを安全に保存します。レポータ・データベースに接続するために、ウォレットが存在していなければなりません。次を実行します。
次のコマンドを使用して、新しい資格証明を既存のウォレット・ファイルewallet.p12
およびcwallet.sso
に追加します。
mkstore -wrlRUEI_DATA
-createCredentialRUEI_DB_TNSNAME_BI
RUEI_DB_USER_BI
ここで、
RUEI_DB_TNSNAME_BI
はエクスポート・データベース文字列を示します。
RUEI_DB_USER_BI
は、リモート・データベースのユーザーを示します。
ウォレット・パスワードと、RUEI_DB_USER_BI
のデータベース・パスワードの入力を求められます。
これらのファイルの権限が正しく設定されていることを確認します。両方のファイルがRUEI_USER
とRUEI_GROUP
の所有権を持っている必要があります。RUEI_USER
はewallet.p12
ファイルの読取りのみが可能で、RUEI_GROUP
は両方のファイルの読取りが可能でなければなりません。
データベース・インスタンスが正しく設定されると、パスワードを入力しなくてもエクスポート・データベースにアクセスできるようになるはずです。レポータ・システム上のRUEI_USER
は、次のようにデータベース・インスタンスにアクセスできます。
sqlplus /@RUEI_DB_TNSNAME_BI
この手順が失敗する場合は、ここまでで説明した手順を慎重に確認してから次に進んでください。
エンリッチ・データのエクスポートを行うレポータ・システムおよび各処理エンジン・システム上の/etc/ruei.conf
構成ファイルを編集します。RUEI_DB_TNSNAME_BI
設定を使用して、エクスポート・データベース接続文字列を指定します。詳細は、第2.4.1項「RUEI構成ファイル」を参照してください。
重要: 上記の変更以外は、ruei.conf ファイルは変更しないでください。 |
moniforce
ユーザーとして再度ログアウトおよびログオンします。
次のコマンドを発行して、レポータ・システム上の処理を再起動します。
project -restart