Oracle® Real User Experience Insightユーザーズ・ガイド 12c リリース3 (12.1.0.4) for Linux x86-64 E49732-01 |
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この章では、診断機能の使用方法について説明します。これには、アプリケーション・マネージャとIT技術スタッフが業務上の問題の根本原因分析を行うために使用できる強力な方法が備わっています。セッション・パフォーマンス・ブレークダウンがサポートされ、失敗したページやヒットがセッションに及ぼす影響、失敗した各ページの完全なコンテンツ、さらにオブジェクト、ページ・ビュー、セッションの関係などが表示されます。Webサービスを診断して関数コールの失敗を調査することも可能です。スイートURL診断を使用可能にするには、個別に有効にする必要があります。この詳細は、3.2.5項「問題分析のためのスイートURL診断」に記載されています。
診断機能では、問題が特定されると、ユーザーがRUEIの大規模なデータ構造をドリルダウンして、その問題がWebサイトのビジターおよびWebサービス・クライアントに及ぼす影響を評価するとともに、考えられる原因を直接見極める手段を得ることができます。
エラー記録機能
これまでに説明した情報に加えて、RUEIでは、監視対象Webサイトのビジターがどのようなエラー・メッセージをいつ受け取ったかを正確に追跡することができます。この機能を使用してアプリケーションの失敗を再現することで、Webページで不備や問題のある箇所を正確かつ早急に除去できます。
セッション・レポートの概要
ユーザー・セッションに関する情報は、診断機能においてはユーザー・レコードとしてレポートされます。情報は5分間隔でレポートされることを理解してください。IPアドレスやユーザーIDなどのセッション関連プロパティは、実質的には5分間隔の最後に取得されたスナップショットです。これらのプロパティの値はその5分間内では変動していた可能性がありますが、その期間の最後の値がレポートされることに注意してください。
診断機能の使用方法
必要な診断情報を検索する手順は、次のとおりです。
「データの参照」を選択し、開始するグループを選択します。診断情報は、表4-1に示すグループおよびスイート固有のグループ(Oracle E-Business SuiteおよびSiebelなど)に使用できます。必要な診断オプション(ページ診断など)をクリックします。選択したグループがオプションの名前に反映されることに注意してください。たとえば、「セッション診断」、「ページ診断」または「URL診断」となります。図4-1に示すような診断パネルが表示されます。
カレンダ・コントロール(2.6項「カレンダの使用方法」を参照)を使用して、目的の期間を選択します。表示範囲としては1日(または未満)を選択する必要があります。この制限外で検索しようとするとエラーが発生します。再生コンテンツの有無は、対応するコレクタの保存ポリシー(13.9項「コレクタのデータ保存ポリシーの定義」を参照)およびセッション診断保存設定(12.10.1項「レポータの保存ポリシーの定義」を参照)によって異なります。
検索機能を使用して、目的のユーザー・レコードを検索します。使用可能な基準は、選択したグループによって異なります。使用できる汎用的な検索基準を表4-1に示します。追加のディメンションは、スイート固有のデータ・グループにも使用できます。
最初の100個の項目のみがセッション・ウィンドウ内にリストされます。「次へ」および「前へ」コントロールを使用して、セッション・リストをスクロールできます。「診断の終了」アイコンを選択すると、診断機能を開始する直前のデータ・ブラウザに戻ります。1つ以上の検索フィルタが必要です。
表4-1 診断の検索基準
データ・ブラウザ・グループ | すべてのセッション | 失敗したページ | 失敗したURL | サービス・テスト | 遅いURL | 処理の遅い関数 | 失敗した関数 | ユーザー・フロー・アクティビティ | ユーザー・フロー完了 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アプリケーション名 |
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ビーコン名 |
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クライアントIPアドレス |
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クライアント・ネットワーク |
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ECID |
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オブジェクト配信 |
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オブジェクトURL |
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ページ配信 |
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サービス配信 |
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サービス名 |
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ユーザー・フロー名 |
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ユーザーID |
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オプションとして、「フィルタの追加」機能を使用して追加の検索基準を指定できます。最初の検索基準と同じく、追加の検索フィルタ・オプションも選択したグループによって異なります。すべての基準が一致しないと、一致したユーザー・レコードはレポートされないことに注意してください。すべてのフィールドでワイルドカードを使用できます。
様々な診断グループについて、一致したユーザー・レコードのレポート順序を「検索結果の順序」機能で指定することもできます。次に、「検索」をクリックします。検索結果がウィンドウの主要部に表示されます。例を図4-2に示します。
上部にあるツールバーのコントロールを使用して、結果ページ間で移動できます。1ページ当たり最大で100ユーザー・レコードがリストされます。表示リストの特定のユーザー・レコードをクリックして選択できます。
オプションで、「ディメンション・レベル」メニューおよび「値」メニューを使用すると、表示リストにさらにフィルタを適用できます。次に、「追加」をクリックします。「ディメンション・レベル」メニューのオプションは、選択したグループによって異なります。
図4-2に示すユーザー・レコード・コンテキスト・メニュー内の「セッションのエクスポート」オプションの使用方法の詳細は、4.4項「すべてのセッション情報のエクスポート」に記載されています。
URL診断の場合、失敗または遅いリクエストがセッションのかわりにリストされます。選択されると、関連付けられているセッションが表示されます。
ユーザー・レコードを選択した後、ウィンドウの左側のパネルにある「ビュー」の部分に、選択したユーザー・レコードの情報を表示できます。「セッション」の下の「ページ」、「オブジェクト」および「情報」項目を使用して、選択したユーザー・レコードに関する特定の情報を表示します。例を図4-3に示します。
セッション・ページはグループ分けされており、展開すると関連するオブジェクトが表示されます。選択したユーザー・レコード内に記録されたページおよびアクション(およびその時間)の概要が表示されます。アイコンによって、処理が遅いオブジェクトまたは失敗したオブジェクト、ページ・ロード満足度、キー・ページかどうか、再生コンテンツの有無が示されます。Replay Viewerの使用方法は、4.2項「ユーザー・セッションの再生」に記載されています。
ツールバーの擬似オブジェクトを含む/除外アイコンを使用すると、レポートされるページに直接関連していないヒットをオブジェクトの表示リストに含めるかどうかを制御できます。この機能は、ロード時間が非常に長くかかる問題のオブジェクトを特定するときに特に役立ちます。通常、このようなオブジェクトにはページが関連していないため、セッション・ページ・レポートには表示されません。
「エクスポート・セッション・ページ」コマンド・ボタンを使用すると、現在選択されているユーザー・レコードのサマリーをMicrosoft Excelにエクスポートできます。この機能の使用方法の詳細は、4.3項「Microsoft Excelへのセッション・ページのエクスポート」に記載されています。
パネルの「ビュー」の下にある「ページ」オプションまたは「オブジェクト」オプションをクリックすると、ビジターが表示したページのサマリー、またはそれらのページ内のオブジェクトを確認できます。表示されているリスト内の項目をクリックすると、詳細プロパティ情報とともにウィンドウが開きます。例を図4-4に示します。
表示されるページ履歴では、ページのすべてのコンテンツの他に、サーバーやクライアントで受信されたメッセージが基づくHTTPコードも表示されます。レポートされるコンテンツは、HTTPプロトコル項目に対して現在定義されているマスキング・オプションによって変化することに注意してください。使用可能な場合、ECID脚注1がオブジェクトに表示されます。関連する場合、Formsクライアントおよびサーバー情報とクライアントが送信したPOSTメッセージも表示されます。ページまたはURLのアプリケーション関連およびセッション関連の詳しい情報は、「情報」オプションで表示されます。例を図4-5に示します。
スイート関連情報(関連する場合)も表示されます。
次に、選択したユーザー・レコードの右にある「削除」アイコンをクリックします。図4-2に示す診断ウィンドウに戻ります。ここで、他のユーザー・レコードを選択してドリルダウンできます。
診断機能での機密情報のマスキング
前述のように、診断機能での情報(ヘッダーやURL情報など)の表示または非表示は、適切なHTTPプロトコル項目のマスキング機能によって制御できます。この詳細は、13.9項「コレクタのデータ保存ポリシーの定義」に記載されています。
セッション診断のWebサービス
アプリケーションと同じセッションで重複するWebサービスを定義した場合、セッション・ページ情報の一部としてレポートされます。例を図4-6に示します。
Webサービス・コールは、個々のページではなくページの一部としてのみレポートできます。
ユーザー・フロー診断内のユーザーID
ユーザー・フロー診断グループ内で、2つの追加のユーザーIDがレポートされます。これらは表4-2で説明しています。
表示しているページの横に「リプレイ」アイコンがある場合には、それをクリックすると完全なユーザー・セッションを再生できます。こうすることで、ビジターがセッション中に表示した各ページとレポートされたエラー・メッセージを確認できます。例を図4-7に示します。
再生の詳細は、メイン・ウィンドウと同じサイズの新しいウィンドウに表示されます。選択したユーザー・レコード内でページの「リプレイ」アイコンをクリックして選択した場合、表示されるページ履歴は選択したページから開始します。
ページ表示の下のコントロールを使用して、ページ履歴をナビゲートできます。「ページ情報」セクションには、現在表示されているページのロード満足度、キー・ページかどうか、およびエラーの有無が示されます。
ページ・イベントのレポート
表示されたページにHTTPフォーム要素が含まれる場合、フォーム要素とビジターの応答が「ページ・イベント」パネルにレポートされます。名前のない要素は"NO_NAME_number"としてレポートされます(numberは名前のない要素ごと1つずつ増えます)。非表示のフォーム要素もレポートされます。フォーム要素に対するビジターの応答は、セッション・ページ表示履歴の次のページのリクエスト本文から導出されることに注意してください。したがって、ビジターが、リクエスト・ページとレスポンス・ページの間で別のページにコンテキストを切り替えた場合、ユーザーの応答は抽出できずレポートされません。
図4-7の下部のステータス・バーには、セッション・ユーザーID、ページごとに記録されたタイムスタンプ、ロード時間、オブジェクト数に関する情報が表示されます。また、静的ページの場合には、レポートされたページがライブ・ソース(アプリケーション・サーバーなど)から取得されていることも示されます。
ページ・コンテンツの表示
ツールバーの「HTTPコンテンツ」コマンド・ボタンを使用すると、現在選択されているページの実際のリクエスト・コンテンツとレスポンス・コンテンツを表示できます。例を図4-8に示します。
ページ・コンテンツ内のリンクをクリックすると外部のJavaScriptファイルも表示できることに注意してください。このようなファイルのレポートされるコンテンツは、ライブ・ソース(たとえばアプリケーション・サーバー)から取得されます。
静的ページ・コンテンツの表示
表示される表示履歴でページの横に「リプレイ」アイコンがない場合は、ページのコンテンツがないことを意味します。これは、データ保存制限のために情報が期限切れになったため、または表示したページが静的ページだったためです。静的ページの場合は、静的ページのコンテンツを表示できます。表示履歴で静的ページの直前または直後のページをハイライト表示し、そのページから静的ページのコンテンツを表示します。
静的ページのオブジェクトについてレポートされるコンテンツは、ライブ・ソースから取得されることに注意してください。このため、なんらかの理由でライブ・ソースが使用できないと、ページのコンテンツが正しくレポートされないことがあります。また、データ・マスキングやJavaScript実行ルールは、ライブ・ソースから取得されるページ・コンテンツには適用されません。ページ・コンテンツは現状のままで表示されます。静的ページがクライアントでキャッシュされていると、以前の任意のセッションにおける完全なページ・フェッチがプレビューに使用されることに注意してください。したがって、監視対象Webサイトの構成によって異なりますが、ページはビジターが実際にページを見た後で変更されている可能性があります。たとえば、最新の株式相場をリストするページなどです。ライブ・ソースのデータがレポートされるときは、「リプレイ」ステータス・バーに示されます。
Replay ViewerでのJavaScriptの実行
ビジターが表示したページに、インラインJavaScriptコードが含まれることがあります。アプリケーション定義機能を使用して、このJavaScriptコードの実行を再生機能でどのように扱うかを指定できます。この詳細は、8.2.19項「JavaScript再生実行の制御」に記載されています。また、スイート(SiebelおよびPeopleSoftなど)では、Replay Viewerでのレポートを最適化するJavaScriptの実行ルールが事前構成されていることに注意してください。
RIAベース・アプリケーション
リッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)・フレームワーク(Ajaxなど)を使用するアプリケーションは、再生機能が低下する場合があります。
現在選択しているセッション内のページのサマリーをMicrosoft Excelにエクスポートできます。これを行う手順は、次のとおりです。
前に説明した手順を使用して目的のセッションを選択します。「エクスポート・セッション・ページ」コマンド・ボタンをクリックします。ブラウザの構成方法によって異なりますが、ファイルを直接開くツール(デフォルトはMicrosoft Excel)の指定を求められるか、定義済のデフォルトの場所にファイルがすぐに保存されます。
Microsoft Excelで、生成されたファイルを表示して編集できます。例を図4-9に示します。
エクスポートされたページ表示履歴とセッション・サマリーを使用して、一連のリアルユーザー・セッションをまとめることができます。たとえば、テストまたはパフォーマンス分析のベースとして使用できます。
行の作成および順序設定の制御
Microsoft Excelエクスポートで表示される行(および順序)は、現在選択されているセッション診断ディメンション・テンプレートに基づいていることに注意してください。この詳細は、4.5項「セッション診断におけるディメンション・リストの制御」に記載されています。
セッション情報の表示だけでなく、完全なセッション・コンテンツを外部ユーティリティにエクスポートして、詳しい分析や他のデータとの統合を行うことができます。たとえば、この方法を利用すると、完全なリアルユーザー・セッションに基づいてテスト・スクリプト生成を行うことができます。Oracle Application Testing Suite(ATS)などのテスト・プラットフォームを構成すると、アプリケーションで最もよく発生する使用シナリオに対して自動テスト・スクリプトを簡単に生成できます。
また、この機能を使用して高性能の根本原因分析をサポートすることもできます。アプリケーションまたは運用のスペシャリストに完全なユーザー・セッション情報を提供することができ、珍しい問題や切り分けにくい問題を特定するために役立ちます。エクスポートされたデータの機密情報は、HTTPプロトコル項目のマスキング機能で定義される動作に応じてマスキングされます。この詳細は、13.6項「ユーザー情報のマスキング」に記載されています。
セッション情報をエクスポートする手順は、次のとおりです。
目的のセッションを探して、コンテキスト・メニューで「セッションのエクスポート」オプションを選択します。図4-10にこれを示します。
または、セッション詳細ページ内で、「セッション・データのエクスポート」コマンド・ボタンをクリックします。いずれの場合も、選択したセッションのエクスポートの確認を求めるダイアログが表示されます。
エクスポートされるデータに機密情報が含まれる可能性があることを理解してください。セッションのコンテンツをよく確認して、機密情報が正確にマスキングされるようにすることをお薦めします。選択したセッションのエクスポートを確認するには、「はい」をクリックします。
ブラウザの構成方法によって異なりますが、zipファイルの保存場所の指定を求められるか、定義済のデフォルトの場所にファイルがすぐに保存されます。
重要:
セッション・エクスポート・ファイルを正しく作成するためには、次の点を確認する必要があります。
エクスポートされるセッションが、「フル・セッション・リプレイ」(FSR)設定よりも古くないこと(13.9項「コレクタのデータ保存ポリシーの定義」を参照)。
URL接頭辞マスキング設定は、「完全ロギング」として指定されます(13.10項「リプレイ・ポリシーの制御」を参照)。
また、エクスポートされたコンテンツ・ファイル(次の項を参照)が存在することを確認してから、エクスポートされたRUEIセッションを外部ユーティリティにインポートすることをお薦めします。
エクスポート・データの構造について
エクスポートされるセッションのzipファイルには次のファイルが含まれます。
data.tab
: コレクタのログ・ファイルから抽出された、選択したセッションの直接(RAW)ヒット情報が含まれます。
page.tab
: 選択したセッションの直接(RAW)ページ情報がコレクタのログ・ファイルから抽出されます。
content_
hitno
.tab
: 指定されたヒットの完全な(RAW)コンテンツ情報が含まれます。data.tab
ファイル内のコンテンツを含む各ヒットに対して1つのファイルがあります。たとえば、3番目のヒットと6番目のヒットにコンテンツがある場合には、2つのファイルcontent_3.tab
とcontent_6.tab
が作成されます。ヒット・ファイルの例を図4-11に示します。
ファイルの最初の行(ここでは589 68 313 221)には4つの整数が含まれ、それぞれがリクエスト・ヘッダー、リクエスト本文、レスポンス・ヘッダー、レスポンス・本文の長さ(バイト単位)を表します。また、このファイルでユーザーのパスワードがマスキングされている方法にも注意してください。
ヒット・ファイルで指定されたファイルの表示可能なバージョンは、content_viewer
ディレクトリでも使用できます。これは、チャンク化されたエンコーディングで転送されたデータをすぐに表示できることを意味します。data.tab
ファイルと同じhitno
がファイル・ネーミングに使用されます。
index.html
: 開発者およびRUEI外部のその他のユーザーが、診断機能内に表示されるセッション詳細を表示して分析でき、ソース、ページとオブジェクトの詳細、および要素識別にアクセスできます。
注意: エクスポート・セッション・ファイルを作成する基礎として使用されるログ・ファイルも、RUEIによって内部で使用されます。これらのファイルの形式と内容は予告なしに変更される場合があります。 |
注意: Internet Explorer内で、セキュリティ設定によっては、セッション・エクスポート・ファイルを開くと、ActiveXコントロールが無効であることを示す警告を受信する場合があります。 |
特定のページ、アクションおよびカスタム・ディメンションの値が、「セッション診断」ウィンドウの「セッション」アクティビティ・パートに表示されます。必要な場合には、レポートされる値ごとに、関連するディメンション・レベルが表示されるマウスオーバー・テキストを使用できます。例を図4-12に示します。
システム・テンプレートとユーザー・テンプレート
アプリケーションとスイートでレポートされる特定のディメンションとその順序は、テンプレートによって制御されます。テンプレートには、システムとユーザーの2種類があります。システム・テンプレートは製品インストールに含まれています。変更できるのは、リストされるディメンションの順序のみです。システム・テンプレートは管理者のみが変更でき、システム・テンプレートに対する変更はすべてのシステム・ユーザーに適用されます。ユーザー・テンプレートは、個々のユーザーがそれぞれの要件に応じて変更できます。ユーザーがテンプレートを変更するには、「セッション診断」機能へのアクセスを認可される必要があります。
ディメンション・テンプレートの変更
ディメンション・テンプレートを変更するには、次の手順を実行します。
「システム」メニューから、「プリファレンス」、「セッション表示」の順に選択します。図4-13に示すようなダイアログが表示されます。
「アクティブなテンプレート」メニューでは、システム・テンプレートとユーザー・テンプレートのどちらを使用するか指定します。
「アプリケーション・タイプ」メニューでは、汎用(つまりスイート・ベースではないアプリケーション)と特定スイート・タイプのどちらを変更するか選択します。後者の場合はスイート・タイプを指定する必要があります。
ユーザー・テンプレートの場合、「ディメンション・レベル」メニューを使用して、「セッション」アクティビティ・セクションでレポートする追加のディメンションを選択できます。次に、「追加」をクリックします。
システム・テンプレートとユーザー・テンプレートのどちらの場合も、「上に移動」と「下に移動」のコントロールを使用して、ディメンションのリスト順を変更できます。
テンプレートの適用方法の理解
「セッション診断」機能で報告される各ページ・ビューには、アプリケーション・タイプが関連付けられています。これを使用して、適切なディメンション・テンプレートが自動的にロードされます。ユーザー・テンプレートまたはシステム・テンプレートに対する変更がある場合には、開いている「セッション診断」ウィンドウに適用されます。
「URL診断」グループ(3.2.2項「問題分析グループ」を参照)、スイート診断グループ(3.2.5項「問題分析のためのスイートURL診断」を参照)およびセッション診断機能(4.1項「概要」を参照)は、選択した機能URLや特定のディメンションから外部診断ユーティリティへのクリックアウトをサポートしています。サポートされている外部ユーティリティを表4-3に示します。
表4-3 クリックアウト・オプション
ユーティリティ | 説明 |
---|---|
インストールされているOracle Enterprise Managerミドルウェアおよびアプリケーション管理パックによって異なりますが、次のオプションが使用できます。
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Oracle Business Transaction Management(BTM)は、ビジネス・トランザクションをリアルタイムに視覚化するユーティリティです。これにより、組織はトランザクション・エラー、障害およびボトルネックを特定して解決するか、または、迅速に対応して、隔離した問題が広範囲な機能停止に発展するのを回避できます。オプションは次のとおりです。
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EBS |
ユーザーがEBSプラグイン内のサーバーまたはユーザー・レポート機能を参照できるようにします。オプションは次のとおりです。
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Siebel |
ユーザーがSiebelプラグイン内のサーバー概要またはユーザー検索機能を参照できるようにします。オプションは次のとおりです。
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レポートされる特定のエラーについて、関連情報をOracleカスタマ・サービスのWebサイト(My Oracle Support)で検索します。たとえば、ORA-12154またはSBL-UIF-00271などについて検索します。オプション:
この機能を使用するには、My Oracle Supportに登録している必要があります。詳細は次のサイトを参照してください。
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脚注1 ECIDは、リクエストがOracle Application Serverアーキテクチャ内を移動するときに、その経由場所をトラッキングするために使用されるリクエスト・ヘッダーです。特に診断に役立ちます。
サポートされている旧バージョン
表4-4に、Oracle Enterprise Managerのサポートされている旧バージョンで使用できるクリックアウト・オプションを示します。
表4-4 サポートされている旧バージョンのクリックアウト・オプション
クリックアウト機能の構成
RUEIからこれらのユーティリティへのアクセスを構成する手順は、次のとおりです。
「構成」タブ→「一般」→「詳細設定」→「クリックアウト設定」の順に選択します。このオプションを使用できるのは管理者のみです。新規アイテムの追加または既存の外部ユーティリティ定義をクリックします。図4-14に示すようなダイアログが表示されます。
「クリックアウト・ツール」メニューを使用して、インタフェースを構成する外部ユーティリティを選択します。サポートされている外部ユーティリティは表4-3に示しています。このダイアログに表示される他のフィールドは、選択したユーティリティによって異なることに注意してください。
「ホスト」フィールドを使用して、選択した外部ユーティリティにアクセスする方法を指定します。プロトコル・スキーム(http://
など)は含めないでください。たとえば、ruei-camm.oracle.com
と指定します。
「ポート」フィールドを使用して、目的のポート番号を指定します。指定できるポート番号は1つのみです。ワイルドカード文字(*)は指定できません。
「拡張子」入力フィールドを使用して、クリックアウトを行えるオブジェクト・ファイルの拡張子を指定します。「追加」ボタンを使用して、追加の拡張子を指定します。「拡張子なしも許可」チェック・ボックスを使用すると、ファイル拡張子が関連しないヒットについてクリックアウトを可能にするかどうかも指定できます。
「拡張」タブをクリックし、「プロトコル」フィールドを使用して、選択したユーティリティとの接続にHTTPとHTTPSのどちらを使用するかを指定します。デフォルトでは、HTTPが使用されます。
「正規表現」フィールドと「置換」フィールドを使用して、置き換えられる外部アプリケーションに渡すURLの一部を指定します。正規表現の詳細は、My Oracle Support Webサイトにあるナレッジベースの記事を参照してください。これは次の場所から入手できます。
https://support.oracle.com/CSP/ui/flash.html
次に、「保存」をクリックします。これらの設定への変更は即座に適用されます。
アプリケーションおよびスイートの構成
目的のアプリケーションごとに、クリックアウトをサポートする機能URLを指定します。この詳細は、8.2.18項「問題分析グループ内のレポートの制御」に記載されています。
Oracle E-Business Suite(EBS)スイートおよびSiebelスイートの場合、クリックアウト機能を使用するためには、エンタープライズ名をスイートの構成に含めて指定する必要があります。この詳細は、10.1項「スイートの使用」に記載されています。
定義されたエンタープライズ名は、適切なスイートを選択し、「拡張」タブ、「Enterprise Manager」タブの順にクリックして特定できます。例を図4-15に示します。
クリックアウト機能へのアクセス
データ・ブラウザ項目のクリックアウト機能は、項目のコンテキスト・メニューから選択できます。使用できる正確なオプションは、データ・ブラウザ・グループ、選択したディメンション、および定義されたクリックアウト設定によって異なります。例を図4-16に示します。
Oracle Enterprise Manager内にビジネス・アプリケーション・ターゲットを作成して監視すると、アプリケーション・パフォーマンス管理(Application Performance Management: APM)機能を実現できるため、ビジネスで重要なアプリケーションのパフォーマンスと可用性を最大限に高めることができます。これらは、アプリケーションとビジネス・トランザクションの関係の直感的な表現と、基本のITインフラストラクチャを提供する管理対象ターゲットです。これらのビジネス・アプリケーションを構成する、RUEIで監視されるコンポーネントにより、エンタープライズ間で情報が提供され、そのアプリケーションの構造、ステータス、可用性、依存性およびパフォーマンスの集中監視が容易になります。
脚注
脚注1: ECIDは、リクエストがOracle Fusion Middlewareアーキテクチャ内を移動するときに、その経由場所をトラッキングするために使用されます。これは、特に診断に役立ちます。