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Oracle® Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B55919-05
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10 IPアドレスの管理

この章では、Oracle Internet DirectoryのIPアドレスの管理方法について説明します。内容は次のとおりです。

10.1 IPアドレスの管理の概要

デュアル・スタック(IPV4/IPV6)ホストにOracle Internet Directoryをインストールすると、Oracle Internet Directoryは両方のアドレスをリスニングします。Oracle Databaseへの接続にIPV4アドレスが必要であるため、Oracle Internet DirectoryをIPV6アドレスのみを使用するホストにインストールできません。

Oracle Internet DirectoryをIPV4ホストにインストールした後、ホストのアドレスをIPV6に変更する場合、インスタンス固有の構成エントリのorclhostname属性を変更して、Oracle Internet DirectoryのIPアドレスを別途IPV6アドレスについて構成する必要があります。

他の理由からOracle Internet Directoryが特定のアドレスでリスニングする必要がある場合も、インスタンス固有の構成エントリのorclhostname属性を変更して行います。

10.2 IP V6、コールド・フェイルオーバー・クラスタまたは仮想IP用のIPアドレスの構成

次の手順を実行し、Oracle Internet Directoryが特定のIPアドレスをリスニングするように構成します。

  1. 次のようなLDIFファイルを作成します。

    dn: cn=COMPONENT_NAME, cn=osdldapd, cn=subconfigsubentry
    changetype: modify
    replace: orclhostname
    orclhostname: IP_address
    
  2. 次のldapmodifyコマンドを実行します。

    ldapmodify -D cn=orcladmin -q -p portNum -h hostname -f ldifFile 
    
  3. 次のようにopmnctlを使用して、Oracle Internet Directoryを再起動します。

    opmnctl stopall
    opmnctl startall
    
  4. 第8.3.4項「opmnctlを使用したOracleインスタンスのコンポーネント登録の更新」に記載のとおり、Oracle Internet Directoryコンポーネントの登録を更新します。次に例を示します。

    $ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl updatecomponentregistration \
     -adminHost myhost \
     -adminPort 7001 \
     -adminUsername weblogic \
     -componentType OID  \
     -componentName oid2\
     -Port 3061
     -Sport 3131
    

    この処理を行わないと、Fusion Middleware Controlまたはwlstを使用してコンポーネントを管理できません。

インスタンス固有の構成エントリ内のorclhostname属性を変更するときは、ODSMも使用できます。第9.5項「ODSMデータ・ブラウザを使用したシステム構成属性の管理」を参照してください。

10.3 クラスタ内通知用のIPアドレスの構成

クラスタ環境では、キャッシュされたデータが変更されたときに、Oracle Internet Directoryサーバーが相互に通信する必要があります。これらのサーバーは、LDAPプロトコルを使用して通信します。したがってクラスタ環境では、この通信のために少なくとも1つの非SSLポートが使用可能であることが必要です。

パフォーマンスの向上のために、専用のIPアドレスおよびOracle Internet Directoryインスタンスを通知に使用します。次のように、新しいコンポーネントを作成した後、インスタンス構成を追加します。

ldapmodify -p oidPort -D cn=orcladmin -w adminPasswd -f ldiffile

この例では、ldiffileの内容は次のとおりです。

dn: cn=oid-instance,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
changetype: modify
add: orclcachenotifyip;port-number-to-use
orclcachenotifyip;port-number-to-use: IP-address-to-use

各項目の意味は次のとおりです。

たとえば、ノード1上に2つのIPアドレス10.10.10.1および10.10.10.2があり、10.10.10.2を通知に使用する場合は、次の構成を実行します。ここでoid1は、ノード1上のコンポーネント名です。

ldapmodify -p oidPort -D cn=orcladmin -w adminPasswd -f ldiffile

この例では、ldiffileの内容は次のとおりです。

dn: cn=oid1,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
changetype: modify
add: orclcachenotifyip
orclcachenotifyip: 10.10.10.2

同様に、ノード2上で2つのIPアドレス10.10.10.3および10.10.10.4があり、10.10.10.4を通知に使用する場合は、次の構成を実行します。ここでoid2は、ノード2上のコンポーネント名です。

ldapmodify -p oidPort -D cn=orcladmin -w adminPasswd -f ldiffile

この例では、ldiffileの内容は次のとおりです。

dn: cn=oid2,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
changetype: modify
add: orclcachenotifyip
orclcachenotifyip: 10.10.10.4

注意:

orclcachenotifyipをOracle Internet Directoryインスタンス用に構成する場合、そのインスタンスを実行しているノードにローカルなIPアドレスであることが必要です。

たとえば、ノード1上のOracle Internet Directoryがcn=oid1,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentryであり、ノード2上のOracle Internet Directoryがcn=oid2,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentryである場合、ノード1上のOracle Internet Directoryはノード2の構成情報(cn=oid2,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry)をチェックします。

ノード1上でOracle Internet Directoryサーバーを開始すると、この情報を使用してノード2(10.10.10.4)上のOracle Internet Directoryに接続します。


本番トラフィックに対する通知LDAPトラフィックの影響を避けたい場合は、各ノード上で新しいOIDインスタンスを作成します。たとえば、次のようにして、ノード1上でポート番号5678によりoid3を作成します。

ldapmodify -p oidPort -D cn=orcladmin -w adminPasswd -f ldiffile

この例では、ldiffileの内容は次のとおりです。

dn: cn=oid3,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
changetype: modify
add: orclcachenotifyip;5678
orclcachenotifyip;5678: 10.10.10.2

ノード2上でも同じ手順を繰り返し、次のようにしてポート番号5678によりoid4インスタンスを作成します。

ldapmodify -p oidPort -D cn=orcladmin -w adminPasswd -f ldiffile

この例では、ldiffileの内容は次のとおりです。

dn: cn=oid4,cn=osdldapd,cn=subconfigsubentry
changetype: modify
add: orclcachenotifyip;5678
orclcachenotifyip;5678: 10.10.10.4