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Oracle® Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
E67347-01
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13 ポリシー・セットの管理

この章では、Oracle Adaptive Access Managerでのポリシー・セットの管理および使用について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

13.1 概要と概念

この項では、ポリシー・セットの概念およびOracle Adaptive Access Managerでどのように使用されるかについて説明します。内容は次のとおりです。

13.1.1 ポリシー・セット

ポリシー・セットは、個々のポリシーの上位にある評価ロジックのレベルです。ポリシー・セット・ロジックは、チェックポイントに対してすべてのポリシーが実行された後に実行される機能の集合です。この機能には、最終的なリスク・スコアの計算およびオーバーライドが含まれます。

ポリシー・セットを使用して、アクションまたはスコア・ベースのオーバーライドを作成できます。オーバーライドを使用すると、管理者は、ポリシーによって生成されたアクションまたはスコアが望ましくない結果となる可能性がある特別な状況に対処できます。たとえば、ルールが非常に控えめに構成されている場合、コール・センターに電話が殺到することを回避するために、管理者は、短時間にきわめて多数のブロックがある場合にブロック・アクションを変換するためのアクション・オーバーライドを作成できます。

ポリシー・セットにはいくつかの主要な機能があります。

  • 個々のポリシーによって生成されたスコアを最終的なリスク・スコアに結合するために使用されるスコアリング・エンジンは、ここで構成します。

  • アクション・オーバーライドまたはスコア・オーバーライドを作成するために使用できます。

13.1.2 アクション・オーバーライドおよびスコア・オーバーライド

アクション・オーバーライドおよびスコア・オーバーライドを使用して、チェックポイントの結果を変更できます。

アクション・オーバーライドを作成する場合は、個々のルールによってトリガーされたアクションを置き換えるアクションを指定します。たとえば、時間およびアクションに基づくアクション・オーバーライドを使用して、指定した時間枠でブロックの数を制限したり、登録の数を制御できます。

スコア・オーバーライドを作成する場合は、チェックポイントの最終的なリスク・スコアが指定した範囲内にあるときにトリガーされるアクション・グループまたはアラート・グループ、あるいは両方を指定します。たとえば、スコア範囲を500から1000に設定し、アラート・グループを指定した場合、チェックポイントのリスク・スコアが500から1000の間になるとアラートが生成されます。

13.1.3 始める前に

Oracle Adaptive Access Managerは、アクション・オーバーライドが無効の状態(デフォルト)で出荷されます。この機能を有効にするには、次のプロパティを「true」に設定します。

vcrypt.tracker.rules.allowControlledActions

13.2 「ポリシー・セット詳細」ページへのナビゲート

1つのポリシー・セットのみを使用できます。

「ポリシー・セット詳細」ページにアクセスするには:

  1. ナビゲーション・ツリーを開きます。

  2. ナビゲーション・ツリーから、「ポリシー・セット」を選択します。

「ポリシー・セット詳細」が表示されます。

または、次の方法で「ポリシー・セット詳細」ページを開くこともできます。

13.3 ポリシー・セット詳細の表示

「ポリシー・セット詳細」ページでは、ポリシー・セット詳細を表示および編集できます。

次の4つのタブがあります。

13.4 スコア・オーバーライドの追加または編集

スコア・オーバーライドを追加または編集するには:

  1. 「ポリシー・セット詳細」ページにナビゲートします。

  2. 「スコア・オーバーライド」タブをクリックします。

    既存のスコア・オーバーライドのリストが表示されます。

  3. スコア・オーバーライドを追加するには、「追加」をクリックします。

    スコア・オーバーライドを編集するには、オーバーライドを選択し、「編集」をクリックします。

    「スコア・オーバーライドの追加」または「スコア・オーバーライドの編集」ダイアログが表示されます。

  4. このオーバーライドを適用するチェックポイントを選択します。

  5. 最小スコアと最大スコアを入力します。

    スコアが最小スコアと最大スコアの間にある場合、オーバーライドがトリガーされます。

  6. オーバーライドでトリガーされるアクションを選択します。

  7. オーバーライドでトリガーされるアラートを選択します。

  8. 「適用」をクリックします。

13.5 アクション・オーバーライドの追加または編集

アクション・オーバーライドを追加または編集するには:


注意:

特定期間中にユーザー/デバイス/IPにアクションがすでに提示されている場合、同じアクションが継続され、オーバーライドは提供されません。


  1. 「ポリシー・セット詳細」ページにナビゲートします。

  2. 「アクション・オーバーライド」タブをクリックします。

    既存のアクション・オーバーライドのリストが表示されます。

  3. アクション・オーバーライドを追加するには、「追加」をクリックします。

    アクション・オーバーライドを編集するには、オーバーライドを選択し、「編集」をクリックします。

    「アクション・オーバーライドの追加」または「アクション・オーバーライドの編集」ダイアログが表示されます。

  4. このオーバーライドを適用するチェックポイントを選択します。

  5. 「アクション(自)」フィールドで、置き換えるアクションを選択します。

    たとえば、ブロックをチャレンジ質問に変換できるように、「ブロック」を選択できます。

    「アクション(至)」の指定はオプションです。「アクション(自)」「アクション(至)」は同じ値にできます。

  6. 「アクション(至)」フィールドで、置換に使用するアクションを選択します。

    たとえば、「チャレンジ」を選択してブロックをチャレンジに変換できます。

  7. 「アラート・グループ」リストから、このイベントが発生したときに生成されるアラートを選択します。

    アラートは、個人(CSR、調査担当者など)に対するインジケータ(メッセージ)です。アラート・グループには、ルールによってトリガーできる等級付けされたメッセージが含まれます。

    アラート・グループはルール内の結果として使用され、ルールがトリガーされると、グループ内のすべてのアラートがアクティブ化されます。

  8. 「継続時間」に、「アクション(至)」がトリガーされる期間(分数)を入力します。

    たとえば、30分以内に100ブロック以上ある場合、システムがユーザーのブロックを停止し、ブロックされる予定だったユーザーのチャレンジを開始するように、数値「30」を入力できます。

  9. 「件数」に、「アクション(自)」によって生成されるイベントの数を入力します。

    たとえば、10ブロック以上を示すために「100」を入力できます。

    アクションの件数は、アクションが異なるユーザー、IPおよびデバイスからのものである場合にのみ増分されます。

    件数は、ユーザー、IPおよびデバイスがすべて一意である場合にのみ更新されます。たとえば、これらが一意ではなく、デバイスがブロックされる場合、ブロックはチャレンジされるのではなく、指定された期間継続してブロックされます。

  10. 「適用」をクリックします。

13.6 ポリシー・セットの編集

ポリシー・セットを編集するには:

  1. 「ポリシー・セット詳細」ページにナビゲートします。

  2. ポリシー・セットの一般情報を編集するには、「サマリー」タブで変更を加え、「適用」をクリックします。

    ポリシー・セットのスコアリング・エンジンと説明を変更できます。

    スコアリング・エンジンの詳細は、第14章「スコアリング・エンジンの使用」を参照してください。OAAM管理では、スコアリング・エンジンを使用して、リスク・レベルの計算時に適用される数値スコアを計算します。

    変更が成功すると、ポリシー・セット詳細が正常に更新されたことの確認が表示されます。

  3. スコア・オーバーライドを追加または編集するには、13.4項「スコア・オーバーライドの追加または編集」の手順を実行します。

  4. アクション・オーバーライドを編集するには、13.5項「アクション・オーバーライドの追加または編集」の手順を実行します。

13.7 ユース・ケース

この項では、ポリシー・セットを使用するサンプル・ユース・ケースについて説明します。

13.7.1 ユース・ケース: ポリシー・セット - オーバーライド

Williamはセキュリティ管理者であり、認証前のスコアが500から700の間の場合、不正調査担当者が即座に対応するために特別なアラートがトリガーされ、ユーザーがチャレンジされるのではなくブロックされるように、スコア・オーバーライドとアクション・オーバーライドを設定する必要があります。

  1. スコア・オーバーライドの編集

    スコア・オーバーライドを作成する場合は、スコアが特定の範囲内にあるときにトリガーされるアクション・グループまたはアラート・グループ、あるいはアクション・グループとアラート・グループの両方を指定します。たとえば、最小スコアを500に設定した場合、スコアが501に達したときにトリガーされるアクション・グループまたはアラート・グループを指定できます。

    1. 「チェックポイント」: 「認証前」

    2. 最小スコア: 500

      500は、スコア・オーバーライドがトリガーされるまでに許可される最小スコアです。

    3. 最大スコア: 700

      700は、スコア・オーバーライドがトリガーされるまでに許可される最大スコアです。

    4. アラート・グループ: 新規アラート

      アラートは、個人(CSR、調査担当者など)に対するインジケータ(メッセージ)です。アラート・グループには、ルールによってトリガーできる等級付けされたメッセージが含まれます。

      アラート・グループはルール内の結果として使用され、ルールがトリガーされると、グループ内のすべてのアラートがアクティブ化されます。

    5. アクション・グループ: Block

      Oracle Adaptive Access Managerは、ブロックされているユーザーがシステムにアクセスすることを許可しません。

  2. アクション・オーバーライドの編集

    アクション・オーバーライドを作成する場合は、個々のルールによってトリガーされたアクションを置き換えるアクションを指定します。たとえば、時間およびアクションに基づくアクション・オーバーライドを使用して、指定した時間枠でブロックの数を制限したり、登録の数を制御できます。

    1. 「チェックポイント」: 「認証前」

    2. アクション(自): チャレンジ

    3. アクション(至): ブロック

    4. アラート・グループ: 新規アラート

13.7.2 ポリシー・セット - オーバーライド(評価の順序)

Williamはセキュリティ管理者であり、認証前のスコアが500から700の間の場合、不正調査担当者が即座に対応するために特別なアラートがトリガーされ、ユーザーがチャレンジされるのではなくブロックされるように、スコア・オーバーライドとアクション・オーバーライドを設定する必要があります。ただし、約10名の研修生がおり、次の1週間、一時許可を付与されます。アクション・オーバーライドとスコア・オーバーライドはこれらのユーザーにどのように影響するでしょうか。

  1. スコア・オーバーライドの編集

    スコア・オーバーライドを作成する場合は、スコアが特定の範囲内にあるときにトリガーされるアクション・グループまたはアラート・グループ、あるいはアクション・グループとアラート・グループの両方を指定します。たとえば、最小スコアを500に設定した場合、スコアが501に達したときにトリガーされるアクション・グループまたはアラート・グループを指定できます。

    1. 「チェックポイント」: 「認証前」

    2. 最小スコア: 500

      500は、スコア・オーバーライドがトリガーされるまでに許可される最小スコアです。

    3. 最大スコア: 700

      700は、スコア・オーバーライドがトリガーされるまでに許可される最大スコアです。

    4. アラート・グループ: 新規アラート

      アラートは、個人(CSR、調査担当者など)に対するインジケータ(メッセージ)です。アラート・グループには、ルールによってトリガーできる等級付けされたメッセージが含まれます。

      アラート・グループはルール内の結果として使用され、ルールがトリガーされると、グループ内のすべてのアラートがアクティブ化されます。

    5. アクション・グループ: Block

      Oracle Adaptive Access Managerは、ブロックされているユーザーがシステムにアクセスすることを許可しません。

  2. アクション・オーバーライドの編集

    アクション・オーバーライドを作成する場合は、個々のルールによってトリガーされたアクションを置き換えるアクションを指定します。たとえば、時間およびアクションに基づくアクション・オーバーライドを使用して、指定した時間枠でブロックの数を制限したり、登録の数を制御できます。

    1. 「チェックポイント」: 「認証前」

    2. アクション(自): チャレンジ

    3. アクション(至): ブロック

    4. アラート・グループ: 新規アラート

  3. 研修生グループを作成します。

  4. すべての「チャレンジ」ルールの「事前条件」除外グループでグループを選択します。

13.8 ポリシー・セットのベスト・プラクティス

この項では、ポリシー・セットの使用に関するベスト・プラクティスについて概説します。