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Oracle® Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
E67347-01
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Oracle Adaptive Access Manager 11gリリース1 (11.1.1)の新機能

この章では、Oracle Adaptive Access Manager 11gリリース1 (11.1.1)の新規および変更された管理機能について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

Oracle Adaptive Access Manager 11gリリース1 (11.1.1)の新機能

Oracle Adaptive Access Manager 11gリリース1 (11.1.1)には、Oracle Adaptive Access Manager 10gでは使用できなかった重要な機能や拡張機能が多数追加されています。新機能および拡張機能のリストは次のとおりです。

領域 機能および拡張機能

インタフェース

Oracle Adaptive Access Managerのユーザー・インタフェースに追加された豊富な機能

  • ナビゲーションおよびポリシーのツリー。迅速かつ視覚的に各機能にアクセスできます。

  • タブとアコーディオン・パネルで、マルチタスク処理に必要な画面が節約されます。

  • 実行のユース・ケース・フローを取得するフローを整理しました。たとえば、ルールのフローは検索、作成、編集、ルールのコピーです。

  • 検索とフィルタリングを強化。検索とフィルタを列で直接保存できます。

  • Oracle Adaptive Access Managerの画面を追加、改善。Oracle Adaptive Access Managerでは、不正分析とフォレンジック処理の操作性が向上しています。

  • 高度な表には、列の追加と削除、列の位置およびサイズの変更、列の連結解除を行うコントロールが表示されます。

  • アラート・メッセージ、地理的なロケーションおよびIP範囲を対象とする検索フィルタを追加しました。

  • 検索結果をExcelファイル形式にエクスポートできるエクスポート機能。

  • エンティティをグループに簡単に追加できるようにする、セッションの検索および詳細ページでの新しい「グループに追加」機能。

  • Oracle Adaptive Access Managerからドキュメントに直接アクセスできます。

セキュリティ・ポリシー

新しく更新されたセキュリティ・ポリシーには、次の機能が導入されています。

  • 精度とリスク分析を改善するパターンとその他の技法。

  • Oracle Data Minerに加え、ルール条件を追加して学習パターンを改善。独自に最適化されたリアルタイムのリスク分析ソリューションを作成でき、動作のプロファイリング機能が前バージョンより向上しています。

ポリシーの作成

ポリシー作成時の新機能により、次の操作が可能になります。

  • ポリシーのチェックポイントへのコピー

    ポリシーを他のチェックポイントにコピーできます。ポリシーのコピー時には、ネストされたポリシー、トリガー組合せ、事前条件、グループ・リンクなどのすべての詳細がコピーされます。

  • トリガー組合せの構成がさらに容易に

    設計が新しくなってトリガーの組合せの定義と管理が容易になり、アクションおよびアラートの追加とオーバーライドが可能になります。

  • ネストされた条件の実行

    新しい条件では、ネストされたポリシーの実行がサポートされます。

  • ビュー・インジケータ

    インジケータが使用できるようになり、ポリシー、ルール、トリガーの組合せ、グループ・リンク、ポリシーでの条件などにリンクされているポリシーの数が表示されます。

ルールの作成

ルールの作成がさらに簡単になります。

  • 製品からルール・テンプレートが削除され、ルールの作成が簡略化されました。

  • 任意のチェックポイント下にある別のポリシーにルールをコピーできます。

OTP Anywhere

OTP Anywhereでは、リスク・ベースのセカンダリ・ユーザー・チャレンジに使用される自動生成のワンタイム・パスワードのためのユニバーサル配信オプションを作成できるため、基本的な認証フローに高度なセキュリティが追加されます。

調査

調査をより迅速で簡単にするために、新しい調査ツールが追加されました。

  • 「詳細」画面。調査者やセキュリティ管理者などのパワー・ユーザーがデータ・ポイントを相互参照して、迅速かつ簡単に関連データを検索できます。

  • 新しいエージェント・ケースによりフォレンジック調査をより速く、より簡単に、より正しく実行できます。イベントは、自動的にケースを作成するように構成できます。調査担当者は、OAAMにより取得された複雑なデータ関係を簡単に利用して、インシデントに関連するデータをすばやく表示したり、関連する状況をすぐに見つけることができます。

暗号化キー

Oracle Adaptive Access Managerで必要な暗号化キーは、Fusion Middleware Controlを使用して安全に管理できるため、キーストア・ファイルを作成する必要がありません。

Universal Risk Snapshot

スナップショットを作成できるため、セキュリティ管理者は異なる環境間でセキュリティ・データを簡単に移行したり、セキュリティ構成を既知の状態にリストアできます。

マルチテナント

OAAMの単一のインスタンスで複数のアプリケーション・テナントの保護を可能にする、カスタマ・サービス担当インタフェース用のマルチテナント・アクセス制御

OAAMバッチ・リスク分析

Oracle Adaptive Access Managerのバッチ・リスク分析ツールは、次の用途に使用できます。

  • 高リスク・トランザクションを分析、検出およびアラートするスタンドアロンのセキュリティ・ツール

  • リアルタイム環境のカスタマに影響を与えることなく、オフラインのカスタマ・データを使用して、新しいポリシーとルールを作成および検証する検索および開発ツール

  • リアルタイム環境のカスタマに影響を与えることなく、実際のカスタマおよびトランザクション・データに対して、ルールのチューニングとルール動作の検証を行う、補助的なバッチ分析ツール

監査

管理操作のほとんどが、Oracle Audit Serviceを使用して監査できるようになりました。監査イベントは、標準の監査レポートを使用して閲覧できます。

Webサービス

Oracle Adaptive Access ManagerのWebサービスは、Oracle Web Servicesを使用して実装されます。

アプリケーション・ログ

Oracle Adaptive Access Manager 11gでは、log4jではなくJavaのロギングを使用します。ロギングはFusion Middleware Controlを使用して構成できます。

Dynamic Monitoring Systemとの統合

パフォーマンス・メトリックの一部は、Dynamic Monitoring Systemと統合されています。これらのメトリックとその関連レポートは、Fusion Middleware Controlを使用して表示できます。


機能の比較表 - Oracle Adaptive Access Manager 11gとOracle Adaptive Access Manager 10g

機能 10.1.4.3 10.1.4.5 11g (11.1.1)

リアルタイムおよびオフライン・ルール・エンジン

X

X

X

仮想認証デバイス

X

X

X

ナレッジベース認証

X

X

X

適応デバイス識別*

X

X

X

基本セキュリティ・ポリシー(継続的な更新)

X

X

X

リアルタイム・ダッシュボード(改善)

X

X

X

カスタマ・サービス・モジュール

X

X

X

アクティビティ・データへのリアルタイム・アクセス

X

X

X

アクション、アラートおよびリスク・スコアリング

X

X

X

ルール条件


X

X

最適化されたログ・データ管理


X

X

ルール・データ・オブジェクトの拡張されたキャッシング


X

X

拡張された統合API


X

X

調査エージェント・ワークフロー


X


ルール作成ユーザー・インタフェース


X

X

トランザクション定義およびマッピング・ユーザー・インタフェース


X

X

データ・エンティティ定義およびマッピング・ユーザー・インタフェース


X

X

動作パターン構成インタフェース


X

X

構成可能なアクション


X

X

サーバー生成のワンタイム・パスワード


可(ネイティブのみ)

可(すべてのデプロイメント・タイプ)

カスタマイズ可能なレポートBI Publisher (付属)


X

X

ツリー・ベースのナビゲーションおよびポリシー参照



X

表形式のマルチタスク・ユーザー・インタフェース



X

カスタマイズ可能な検索画面



X

共通監査フレームワーク



X

Oracle Installerとリポジトリ作成ユーティリティ



X

Oracleパッチ



X

Oracle Adaptive Access Managerオフライン・ユーザー・インタフェース

X

X

X

モデルの記録

X

X


グローバリゼーション


X

X


統合 10.1.4.3 10.1.4.5 11g (11.1.1)

Oracle Access Managerの統合

X

X

X

Oracle Identity Manager統合



X


Oracle Adaptive Access Manager 11gの概念および用語の変更

Oracle Adaptive Access Manager 10gから11gに移行するカスタマは、いくつかの主要な概念および用語の変更に気付きます。これらの変更の目的は、アイデンティティ管理スイート製品全体で使用される用語に整合性を持たせて、管理を容易にすることです。これらの用語とその他の数多くの用語の完全な定義は、用語集にあります。

一般的な用語の変更点

10gの用語 11gの用語

ランタイム

チェックポイント

チェックポイントは、Adaptive Access Managerがルール・エンジンを使用してセキュリティ・データを収集および評価するときに、セッション内に指定されるポイントです。

モデル

ポリシー

ポリシーには、各チェックポイントでリスクのレベルを評価するために使用される、セキュリティ・ルールおよび構成が含まれます。

手動オーバーライド

トリガー組合せ

トリガー組合せは、一連の特定のルールがトリガーされた場合に生成される追加の結果およびポリシー評価です。

アプリケーションID

組織ID

管理の観点から、各アプリケーションまたはプライマリ・ユーザー・グループは組織IDに変換されます。アプリケーションIDという用語は組織IDという名前に変更されており、これは特定のユーザーのプライマリ・ユーザー・グループを表します。

OAAMサーバー側では、アプリケーションIDという用語は以前と同じです。プロキシと通信するときに、OAAMサーバーは、アプリケーションを一意に識別するアプリケーションIDを渡します。


概念の変更点

次の表では、概念の変更点について示します。

10gの概念 11gの概念

OAAM Adaptive Risk Manager

ルール・エンジンはOAAMサーバーの一部になりました。管理コンソールは、OAAM管理という名前の別のアプリケーションになりました。

OAAM Adaptive Strong Authenticator

仮想認証デバイス、ナレッジベース認証およびワンタイム・パスワード認証を含むエンド・ユーザー・フローは、OAAMサーバーに含まれるようになりました。

ルール・テンプレート

この概念は製品から削除されました。

ポリシー・タイプ

この概念は製品から削除されました。


Webアプリケーション

Oracle Adaptive Access Manager 11gでデプロイされるアプリケーションは、次のとおりです。

アーキテクチャおよびデプロイメントの変更点

アーキテクチャおよびデプロイメントの変更点を次に示します。