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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B63029-05
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5 デプロイメントのスケーリング

この章では、Oracle Business Intelligenceのデプロイメントの容量を管理する方法について説明します。エンタープライズ・インストール・タイプまたはソフトウェアのみのインストール・タイプでは、デフォルトで、スケーラブルなOracle Business Intelligenceコンポーネントがクラスタ構成でインストールされます(簡易インストール・タイプではスケーリングはサポートされません)。ユーザーのWebリクエストは、多数あるOracle Oracle BIプレゼンテーション・サービス・コンポーネントのいずれか1つに送信されます。リクエストを受けた各プレゼンテーション・サービス・コンポーネントは、複数のOracle BIサーバーの可用性を利用してリクエストを処理します。

システム容量を拡大または縮小するには、クラスタで使用できるプロセスの数を調整します。リソースの効率的な使用によるシステム容量の拡大または縮小はスケーラビリティと呼ばれています。スケーラブルなシステムは、レスポンス時間とスループットを低下させることなく、リクエストの増加に対処できます。

この章の内容は次のとおりです。


注意:

簡易インストール・タイプでは管理サーバーにOracle Business Intelligenceコンポーネントがデプロイされるため、簡易インストール・タイプに基づくデプロイメントはスケールアウトできません。本番用のデプロイメントには、エンタープライズ・インストール・タイプまたはソフトウェアのみのインストール・タイプをご使用ください。


5.1 Oracle Business Intelligenceのスケーリングについて

スケーリングとは、Oracle Business Intelligenceクライアントのリクエストを処理できるプロセス数を変更することによって、システムの容量を増大したり縮小したりするプロセスのことを指します。容量は、システムをスケールアウトすると増大され、スケールインすると縮小されます。スケーリングは、高可用性を目的としたデプロイメントの構成にも重要な部分となります。システム容量を拡大または縮小するには、クラスタで使用できるプロセスの数を調整します。クラスタは、同時に動作し、連携して高度なスケーラビリティと信頼性を実現する複数のサーバー・インスタンスで構成されます。

Oracle Business Intelligence環境のスケーリングは、主に、リソース集中型のシステム・プロセスおよびJavaコンポーネントに適用されます。さらに多くのプロセスをデプロイすることにより、Oracle Business Intelligenceではレスポンスを低下させることなく、より多くのリクエストを処理できるようになります。

垂直方向のスケーリングでは、同じコンピュータ上にOracle Business Intelligenceコンポーネントを追加して、そのコンピュータでのハードウェア・リソースの使用を増大します。たとえば、特定のコンピュータ上でリクエストを処理するシステム・コンポーネントの数を増やすことによって、Oracle Business Intelligenceが垂直方向にスケーリングされ、その結果、コンピュータでのハードウェア・リソースの使用が増大します。

水平方向のスケーリングでは、使用している環境にコンピュータを追加します。たとえば、複数のコンピュータにリクエストの処理を分散することで、Oracle Business Intelligenceが水平方向にスケーリングされます。

Oracle Business Intelligence Javaコンポーネントおよびシステム・コンポーネントの両方をスケーリングできます。これらのコンポーネントの詳細は、第1.3.3項「Oracle Business IntelligenceのJavaコンポーネントとシステム・コンポーネントについて」を参照してください。

水平方向および垂直方向の両方のスケールアウトをサポートしているのは、Oracle BIプレゼンテーション・サービス、Oracle BIサーバー、およびJavaHostの3つのシステム・コンポーネントです。

Oracle BIスケジューラは、プレゼンテーション・サービスおよびOracle BIサーバーのプロセスを利用してコンピュータを集中的に使用する作業を実行します。一方、クラスタ・コントローラは他のコンポーネントを管理するのみで、コンピュータを集中的に使用することはありません。そのため、Oracle BIスケジューラまたはクラスタ・コントローラをスケールアウトする必要はありません。これら2つのプロセスは高可用性デプロイメントの必要に応じて配信できますが、容量をスケーリングする必要はありません。

5.1.1 プロセスをスケールアウトするタイミング

システム・コンポーネントおよび管理対象サーバーは実際の負荷に基づいてスケールアウトします。Fusion Middleware Controlで提供されるパフォーマンス・メトリックを使用してプロセスの状態を監視し、パフォーマンス向上のために容量を増大するタイミングを判断できます。たとえば、CPU使用率が50%を超えたとき、またはメモリー使用量がシステムの上限に近いときは、デプロイメントへのコンピュータの追加が必要になります。システム・メトリックの表示の詳細は、第7.1項「サービス・レベルの監視」を参照してください。

可用性の高いOracle Business Intelligence環境を構成するには、プロセスをスケールアウトして冗長性を実現する必要もあります。詳細は、第6項「高可用性を実現するOracle Business Intelligenceのデプロイ」を参照してください。

5.1.2 スケーリング対象プロセス

Oracle Business Intelligenceでは、Oracle Business Intelligenceインストーラ(水平方向のスケールアウト)およびFusion Middleware Control(垂直方向および水平方向のシステム・コンポーネントのスケーリング)の組合せによるスケールアウトをサポートしています。

管理対象サーバーおよびシステム・コンポーネントをスケーリングする場合は、次のガイドラインに従ってください。

  • デプロイメント内の各コンピュータに対して管理対象サーバーが1つ実行されていることを確認します。Oracle Business Intelligenceインストーラによって、1つの管理対象サーバーが自動的にプロビジョニングされます。これは無効にしたり削除したりしないでください。

  • 特定のコンピュータに対して管理対象サーバーを複数実行する必要はありません。

  • 多くのJavaコンポーネントはシステムの重要な処理を実行しているため、それを個別に削除することはしないでください。各管理対象サーバーでJavaコンポーネントの完全なセットを保持してください。使用されないコンポーネントがパフォーマンスに重要な影響を与える可能性は低いです。

  • 各コンピュータで実行するシステム・コンポーネントは実際の負荷に基づいて決定できます。デプロイメント内の特定のコンピュータには、0個以上の各コンポーネント・タイプを配置できます。たとえば、Oracle BIサーバー・コンポーネントを3つ、JavaHostコンポーネントを2つ、プレゼンテーション・サービス・コンポーネントを4つ配置できます。

  • 管理対象サーバーまたはシステム・コンポーネントとともに構成済HTTPサーバーをスケーリングする必要はありません。HTTPサーバーの構成は、実行するプロセス数とは無関係です。

5.2 Oracle Business Intelligenceの垂直方向のスケーリング

デプロイメント内に特定のOracle Business Intelligenceコンポーネントのインスタンスが複数ある場合は、まず、クラスタ化されたコンポーネントで使用する共有ファイルおよびディレクトリを構成します。次に、Fusion Middleware Controlを使用して、既存のOracle Business Intelligenceホストで実行するシステム・コンポーネントの数を増やします。

特定のコンピュータに対して管理対象サーバーを複数実行する必要はありません。そのため、垂直方向のスケールアウトは、Oracle Business Intelligenceのシステム・コンポーネントにのみ適用されます。

表5-1は、Oracle Business Intelligenceを垂直方向にスケーリングするために必要なタスクを示しています。

表5-1 垂直方向のスケールアウトにおけるタスクの概要

タスク 詳細の参照先

Oracle BIリポジトリ、Oracle BIプレゼンテーション・カタログ、グローバル・キャッシュおよびOracle BIスケジューラ・スクリプトの共有ファイルとディレクトリの構成

第5.4項「共有ファイルとディレクトリの設定」


必要なOracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントのスケールアウト

第5.5項「システム・コンポーネントをスケーリングするためのFusion Middleware Controlの使用」



5.3 Oracle Business Intelligenceの水平方向のスケーリング

垂直方向のスケールアウトと同様、デプロイメント内に特定のOracle Business Intelligenceコンポーネントのインスタンスが複数ある場合は、まず、クラスタ化されたコンポーネントで使用する共有ファイルおよびディレクトリを構成します。

次に、Oracle Business Intelligence Javaコンポーネントおよびシステム・コンポーネントを水平方向にスケールアウトするために、新しいホストにOracle Business Intelligenceをインストールします。それには、Oracle Business Intelligenceインストーラを実行して「エンタープライズ・インストール」を選択します。次に、「BIシステムのスケールアウト」オプションを選択します。

インストールが完了すると、Oracle Business Intelligence Javaコンポーネントが新しい管理対象サーバーで使用できるようになります。Oracle Business Intelligence Javaコンポーネントの最初の管理対象サーバーはbi_server1と呼ばれます。エンタープライズ・インストールで「BIシステムのスケールアウト」オプションを選択してスケールアウトした場合、追加される管理対象サーバーはbi_server2、bi_server3のようになります。

エンタープライズ・インストールを完了したら、Fusion Middleware Controlを使用して、新しいホスト上でOracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントのスケールアウトをプロビジョニングする必要があります。また通常は、管理対象サーバー全体にリクエストを配信するためにHTTPサーバーおよびロード・バランサも構成します。

表5-2は、Oracle Business Intelligenceを水平方向にスケーリングするために必要なタスクを示しています。

表5-2 水平方向のスケールアウトにおけるタスクの概要

タスク 詳細の参照先

Oracle BIリポジトリ、Oracle BIプレゼンテーション・カタログ、グローバル・キャッシュおよびOracle BIスケジューラ・スクリプトの共有ファイルとディレクトリの構成

第5.4項「共有ファイルとディレクトリの設定」


新しいホストに対するOracle Business Intelligenceインストーラの実行とエンタープライズ・インストール・オプションの選択

Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド』の「既存のインストールをスケールアウトするためのエンタープライズ・インストール」

新しいホストでのOracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントのスケールアウト

第5.5項「システム・コンポーネントをスケーリングするためのFusion Middleware Controlの使用」


複数の管理対象サーバーにリクエストを配信するHTTPサーバーおよびロード・バランサの構成

Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic ServerにおけるWebサーバー・プラグインの使用

Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの使用』の「クラスタでのロード・バランシング」


5.4 共有ファイルとディレクトリの設定

Oracle Business Intelligenceコンポーネントのインスタンスが複数ある場合は、特定のファイルとディレクトリをNASまたはSANなどの共有ストレージ・デバイスで共有してシステムの管理を簡素化できます。Oracle Business Intelligenceコンポーネントは、Oracle BIリポジトリ(RPDファイル)、Oracle BIプレゼンテーション・カタログ、グローバル・キャッシュ、およびOracle BIスケジューラの共有スクリプトを共有ストレージ上でホストしてからスケールアウトすることをお薦めします。


注意:

SampleAppLite.rpdサンプル・リポジトリをスケールアウトされたシステムで使用する予定の場合、RPDファイルのBI_EE_HOMEリポジトリ変数を更新して、共有のOracle BIサーバー・ディレクトリ(マウント済ファイル・システムまたはUNCパス名)をポイントさせる必要があります。たとえば、Windowsの場合は次のようにします。

\\myhost\c$\MW_HOME\instances\instance1\bifoundation\
OracleBIServerComponent\coreapplication_obis1

この項には次のトピックが含まれます:

5.4.1 共有ネットワーク・ファイルがWindows環境でアクセス可能であることの確認

通常Windows環境では、共有記憶域は汎用命名規則(UNC)を使用して指定します。UNCは、Local Area Network(LAN)上のリソースの場所を指定するためのPCにおける形式です。UNCでは、次の形式を使用します。

\\server_name\shared_resource_path_name

また、共有ネットワーク・ファイルにアクセスできるように、Windows環境では名前付きユーザーを使用してOPMNプロセスを実行する必要があります。

名前付きユーザーを使用してOPMNプロセスを実行するには:

  1. 「サービス」ダイアログを開きます。たとえば、「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「サービス」の順に選択します。

  2. 「OracleProcessManager_instancen」を右クリックして、「プロパティ」を選択します。

  3. 「ログオン」タブを選択します。

  4. 「アカウント」を選択し、ユーザー名とパスワードを入力します。

  5. OK」をクリックします。

5.4.2 Oracle BIリポジトリのアップロードと共有

リポジトリ公開ディレクトリを構成して、クラスタに参加するすべてのOracle BIサーバーでリポジトリを共有することをお薦めします。このディレクトリには、オンライン・モードで編集されたリポジトリのマスター・コピーが保持されます。クラスタ化されたOracle BIサーバーは、起動時にこのディレクトリでリポジトリの変更について調べます。

Oracle BIリポジトリを共有するには:

  1. リポジトリ公開ディレクトリ用の共有ディレクトリを作成します。マスターのBIサーバーには、このディレクトリに対する読取りおよび書込みアクセスが必要です。その他のすべてのOracle BIサーバーには、読取りアクセスが必要です。

  2. Fusion Middleware Controlの「デプロイメント」ページの「リポジトリ」タブを使用して、Oracle BIリポジトリの共有の場所を指定します。詳細は、第10.2項「リポジトリをアップロードしOracle BIプレゼンテーション・カタログの場所を設定するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。

    共有リポジトリを構成すると、Fusion Middleware Controlでアップロードするリポジトリ・ファイルが、ここで指定した共有の場所と、Oracle BIサーバーごとのローカル・リポジトリ・ディレクトリの両方にコピーされることに注意してください。ローカル・リポジトリのコピーはシステムで使用されるため、削除したり読取り専用にしたりしないでください。

5.4.3 Oracle BIプレゼンテーション・カタログの共有

クラスタ内のすべてのプレゼンテーション・サービス・コンポーネントでOracle BIプレゼンテーション・カタログを共有するように、カタログの共有ディレクトリを構成します。

Oracle BIプレゼンテーション・カタログは頻繁にアクセスされる多数の小さなファイルで構成されているため、共有ファイル・システムに関して次の2つの重要な考慮事項があります。

  • ファイル制限: Oracle BIプレゼンテーション・カタログは、数千ものファイルで構成されていることがあります。多くの場合、これは共有ファイル・システムのファイル制限を上回ります。ストレージ・ベンダーのドキュメントで、ファイル制限を拡張する手順について確認してください。

  • スナップショット: スナップショットなどのバックアップ・アクティビティによって、小さな動的ファイルであるOracle BIプレゼンテーション・カタログ・ファイルのパフォーマンスが低下することがあります。スナップショット・アクティビティが、可用性に影響せずにパフォーマンスを最大化できる妥当なレベルであることを確認してください。

Oracle BIプレゼンテーション・カタログを共有するには:

  1. Oracle BIプレゼンテーション・カタログのネットワーク共有を作成します。クラスタ内のすべてのプレゼンテーション・サービス・コンポーネントには、この共有に対する読取りおよび書込みアクセスが必要です。

  2. ネットワーク共有にカタログを配置します。

  3. Fusion Middleware Controlの「デプロイメント」ページの「リポジトリ」タブを使用して、Oracle BIプレゼンテーション・カタログの場所を共有の場所に変更します。詳細は、第10.2項「リポジトリをアップロードしOracle BIプレゼンテーション・カタログの場所を設定するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。

5.4.4 グローバル・キャッシュの設定

グローバル・キャッシュとは、クラスタに参加しているすべてのOracle BIサーバーが共有する問合せキャッシュです。詳細は、第7.4.6項「グローバル・キャッシュについて」を参照してください。

クラスタに参加しているすべてのOracle BIサーバーでキャッシュのシーディング・イベントおよびパージ・イベントを共有するようにグローバル・キャッシュを構成することをお薦めします。

グローバル・キャッシュを設定するには:

  1. グローバル・キャッシュの共有ディレクトリを作成します。すべてのOracle BIサーバーには、このディレクトリに対する読取りおよび書込みアクセスが必要です。

  2. Fusion Middleware Controlの「容量管理」ページの「パフォーマンス」タブを使用して、「グローバル・キャッシュ・パス」および「グローバル・キャッシュ・サイズ」のオプションを設定します。詳細は、第7.5.4項「グローバル・キャッシュ・パラメータを設定するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。

5.4.5 Schedulerのスクリプト・パスとデフォルトのスクリプト・パスの設定

Oracle BIスケジューラでサーバー側スクリプトを使用する場合は、スクリプトの共有ディレクトリを構成して、クラスタ内のすべてのOracle BIスケジューラ・コンポーネントで共有することをお薦めします。

このリリースにはアクション・フレームワークが提供されており、エージェントでサーバー側スクリプトを使用する必要はなくなりました。アクションの使用に関する詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』の「アクションの使用」を参照してください。

次の手順は、旧リリースのサーバー側スクリプトを使用する場合にのみ実行してください。

Oracle BIスケジューラのスクリプトを共有する手順は次のとおりです。

  1. Oracle BIスケジューラ・スクリプトのネットワーク共有を作成します。Oracle BIスケジューラ・サーバーには、この共有に対する読取りおよび書込みアクセスが必要です。

  2. デフォルトおよびカスタムのOracle BIスケジューラ・スクリプトを、Oracle BIスケジューラ・スクリプト用に作成した対応するネットワーク共有にコピーします。

  3. Oracle BIスケジューラのinstanceconfig.xmlファイルのSchedulerScriptPath要素とDefaultScriptPath要素を更新します。

    このファイルは、デプロイメントの各Oracle BIスケジューラ・コンポーネントについて更新する必要があります。これらのパラメータの設定の詳細は、第20.3.3.1項「エージェントに影響するスケジューラの一般構成設定」を参照してください。

5.5 システム・コンポーネントをスケーリングするためのFusion Middleware Controlの使用

Fusion Middleware Controlの「容量管理」ページの「スケーラビリティ」タブを使用して、Oracle BIサーバー、プレゼンテーション・サービス、またはJavaHostのシステム・コンポーネントをスケールインまたはスケールアウトできます。

この項で説明する手順に従って、システム・コンポーネントを垂直方向(同一コンピュータ上)または水平方向(複数のコンピュータ上)にスケーリングできます。この手順を実行する場合、定義するサーバーおよびホストの数が、Oracle Business Intelligenceのインストールに必要なディスク容量に影響することに留意してください。環境をスケールアウトする際は、システムのディスク容量を必ず監視してください。環境をスケールアウトすると追加ログ・ファイルの操作も必要になります。

図5-1は、「容量管理」ページの「スケーラビリティ」タブを示しています。

図5-1 Fusion Middleware Controlの「容量管理」ページの「スケーラビリティ」タブ

図5-1の説明が続きます
「図5-1 Fusion Middleware Controlの「容量管理」ページの「スケーラビリティ」タブ」の説明

この手順を始める前に、第3.2項「Oracle Business Intelligenceの構成設定を更新するためのFusion Middleware Controlの使用」で説明している情報について確認しておいてください。

Oracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントをスケーリングするには:

  1. Business Intelligenceの「概要」ページに移動します。詳細は、第2.2.3項「Oracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントを管理するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。

  2. 「容量管理」ページの「スケーラビリティ」タブを表示します。

    この要素のページレベルのヘルプにアクセスするには、ページの「ヘルプ」ボタンをクリックします。

  3. 構成をロックして編集」をクリックして、変更を実行できるようにします。

  4. 矢印キーを使用して、「BIサーバー」、「Presentation Server」または「JavaHost」の数を変更します。

    エンタープライズ・インストール・オプションまたは構成アシスタントを使用してOracle BIシステムを新しいホストにスケールアウトしたばかりの場合、そのホストで初期構成されたシステム・コンポーネントの数はゼロです。水平方向のスケールアウト操作を完了するには、新しいホストにシステム・コンポーネントを追加します。

    システム・コンポーネントを垂直方向にスケーリングするには、特定のホストで各コンポーネントをゼロより大きな数に増やします。

  5. デフォルトのポート範囲が自動的に割り当てられ、Oracleインスタンス内のコンポーネントで使用できるようになります。BIサーバー、プレゼンテーション・サービスおよびJavaHostのコンポーネント・プロセスに加えて、このインスタンスのOracle BIスケジューラおよびクラスタ・コントローラのコンポーネント・プロセスにもこの範囲内のポートが割り当てられます。

    通常はデフォルトのポート範囲をそのまま使用できます。必要に応じて、「ポート範囲(開始)」および「ポート範囲(終了)」の矢印を使用するか値を直接入力することで、使用可能な別のポート範囲を指定できます。

  6. (オプション)「リスニング・アドレス」に特定のOracleインスタンスのコンポーネントのDNS名またはIPアドレスを入力して、受信接続のリスニングに使用できます。通常は、この要素を空白(デフォルト値)のままにして、コンポーネントですべての使用可能なローカル・インタフェースをリスニングすることを指定できます。

  7. 適用」をクリックしてから、「変更のアクティブ化」をクリックします。

  8. Business Intelligenceの「概要」ページに戻り、「再起動」をクリックします。

    変更内容は、自動的に対応する構成ファイルに書き込まれ、新しいプロセスがクラスタに追加されます。


注意:

Oracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントのスケール後に、instanceconfig.xmlファイルとNQSConfig.INIファイルを手動で編集したかどうかを確認します。Fusion Middleware Controlで集中管理されていないファイルの設定を手動で編集した場合は、各種インスタンスのそれらのファイルを手動で同期する必要があります。


コンポーネントをスケールアウトするためのOracle BI Systems Management APIの使用方法の詳細は、第23章「Oracle BI Systems Management APIの概要」を参照してください。

5.6 システムに対する適切なスケーリングの検証

Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、スケールアウトしたコンポーネントのステータスを検証できます。

この項には次のトピックが含まれます:

5.6.1 システム・コンポーネントの可用性を表示するためのFusion Middleware Controlの使用

Fusion Middleware Controlを使用して、デプロイメント内のすべてのシステム・コンポーネントのステータスを表示できます。

システム・コンポーネントのステータスを表示するには:

  1. Business Intelligenceの「概要」ページに移動します。詳細は、第2.2.3項「Oracle Business Intelligenceシステム・コンポーネントを管理するためのFusion Middleware Controlの使用」を参照してください。

  2. 「可用性」ページの「プロセス」タブを表示します。

    このページでは、次の操作が可能です。

    • すべての構成済システム・コンポーネントのステータスの表示

    • 各システム・コンポーネントが現在実行されているホスト、ポートおよびOracleインスタンスの表示

    • 個々のシステム・コンポーネントの起動、停止または再起動

    • 特定のタイプの全システム・コンポーネントの起動、停止または再起動

    • すべてのプロセスの起動、停止または再起動

    この要素のページレベルのヘルプにアクセスするには、ページの「ヘルプ」ボタンをクリックします。

図5-2は、「可用性」ページの「プロセス」タブを示しています。

図5-2 Fusion Middleware Controlの「可用性」ページの「プロセス」タブ

図5-2の説明が続きます
「図5-2 Fusion Middleware Controlの「可用性」ページの「プロセス」タブ」の説明

5.6.2 管理対象サーバーの可用性を表示するための管理コンソールの使用

管理コンソールを使用して、デプロイメント内のすべての管理対象サーバーのステータスを表示できます。

管理対象サーバーのステータスを表示するには:

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. 環境」、「サーバー」の順に選択し、「サーバーのサマリー」ページに移動します。このページでは、デプロイメント内の新しいホストに追加された任意の管理対象サーバーを確認できます。

図5-3は、「サーバーのサマリー」ページを示しています。

図5-3 Oracle WebLogic Server管理コンソールの「サーバーのサマリー」ページ

図5-3の説明が続きます
「図5-3 Oracle WebLogic Server管理コンソールの「サーバーのサマリー」ページ」の説明