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Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B63038-04
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E PDF/AおよびPDF/X出力の生成

この付録では、BI PublisherからPDF/AおよびPDF/X出力を生成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

E.1 PDF/A出力の生成

PDF/AはPDFファイル形式の一種で、電子ドキュメントの長期保存向けに設計されています。一部の政府機関や標準化組織では、文書を確実に保存するためにPDF/Aの使用が要求されます。PDF/Aファイルは、Adobe ReaderなどのPDFビューアで表示できるPDFファイルですが、ISO標準で指定されている追加要件に従う必要があります。これらの要件では、必須オブジェクトと、長期アーカイブではサポートされていない機能の両方が指定されます。BI Publisherは、PDF/A標準のバリエーション、PDF/A-1bを生成します。

E.1.1 要件および制限事項

次の一覧は、PDF/A出力の生成に関する制限および要件を示しています。

  • サポートされるテンプレート・タイプ: PDF/Aの生成は、RTF、FO、XPTおよびXSLのテンプレート・タイプでサポートされます。PDF/Aの生成時に、追加されるテンプレート要件はありません。

  • フォント要件: デフォルトでは、テンプレート内のすべてのフォントは出力時にAlbanyフォントに置換されます。出力で異なるフォントを使用するには、レポートの構成でフォント・マッピングを指定します。JVMフォント・ディレクトリでAlbanyフォントを使用できず、フォント・マッピングを指定していない場合、出力は有効なPDF/Aファイルになりません。この場合、Helveticaフォントが使用されます。

  • 次のPDF機能は、PDF/Aドキュメントではサポートされません。

    • オーディオおよびビデオ・コンテンツすべて(Flash埋込みコンテンツを含む)

    • 透過性(透明色は不透明なものとしてレンダリングされます)

    • 暗号化

  • BI Publisherユーティリティによる再処理はサポートされません。BI PublisherユーティリティPDFBookBinder、PDFDocMergerまたはPDFSignature (デジタル署名)を使用したPDF/Aファイルの再処理はサポートされません。再処理されたPDFファイルは、PDF/A標準への適合性が失われる可能性があります。

  • 必須レポート構成プロパティ: レポートの実行時プロパティは、表E-1に示すとおりに設定する必要があります。

    表E-1 PDF/Aの必須レポート・プロパティ設定

    プロパティ 必須設定

    pdf-version

    1.4以降である必要があります。

    PDFセキュリティ有効化

    (pdf-security)

    Falseに設定する必要があります。

    暗号化レベル

    (pdf-encryption-level)

    0に設定する必要があります。

    pdf-font-embedding

    Trueに設定する必要があります。


    PDF/A出力固有の書式設定プロパティは、「レポート・プロパティ」ダイアログで設定できます。詳細は次の項を参照してください。

E.1.2 追加リソース

PDF/A標準の詳細は、次のリソースを参照してください。

E.2 PDF/X出力の生成

PDF/Xは、PDFの使用によるデジタル・グラフィック・データの交換方法を定義したISO標準のコレクションで、プロフェッショナルな印刷環境において予測可能で安定した印刷を保証します。PDF/Xドキュメントは、Adobe ReaderなどのPDFリーダーで表示できるPDFファイルですが、ISO仕様で定義されている一連の追加ルールに従う必要があります。これらのルールでは、必須オブジェクトと、グラフィック交換ではサポートされていない機能の両方が指定されます。PDF/X標準は、色管理に関して厳密なルールに従っています。BI Publisherは、PDF/X標準のバリエーション、PDF/X-1a:2003をサポートします。

E.2.1 前提条件

PDF/X出力を生成するには、International Color Consortium (ICC)プロファイル・データファイルを取得し、このファイルを<bi publisher repository>/Admin/Configurationの下に置く必要があります。

ICCプロファイルは、想定される出力デバイスの色特性を記述したバイナリ・ファイルです。本番環境では、カラー・プロファイルは、生成されたPDF/Xファイルを印刷する印刷会社により提供されます。ICCプロファイル・データ・ファイルの例として、CoatedFOGRA27.iccなどがあります。

プロファイルはAdobe(http://www.adobe.com/support)またはcolormanagement.org (http://www.colormanagement.org/)から入手することもできます。

E.2.2 要件および制限事項

次の一覧は、PDF/X出力の生成に関する制限および要件を示しています。

  • サポートされるテンプレート・タイプ: PDF/Xの生成は、RTF、FO、XPTおよびXSLのテンプレート・タイプでサポートされます。PDF/Xの生成時に、追加されるテンプレート要件はありません。

  • 色要件: テンプレートの色データ(テキストの色、イメージおよびSVG)はRGBデータとして格納されますが、PDF/Xファイルの生成時に、色データは、ICCプロファイルを使用してCMYKに変換されます。ICCプロファイルはユーザーがBI Publisherに提供する必要があります。ICCプロファイルの指定には、「PDF/X ICCプロファイル・データ>」プロパティを使用します。表E-2を参照してください。

  • 次のPDF機能は、PDF/Xドキュメントではサポートされません。

    • 透過性(透明色は不透明なものとしてレンダリングされます)

    • 暗号化

  • フォント要件: デフォルトでは、すべてのフォントがAlbanyフォントに置き換えられます。出力で異なるフォントを使用するには、レポートの構成でフォント・マッピングを指定します。JVMフォント・ディレクトリにAlbanyフォントがなく、フォント・マッピングを指定していない(つまり、使用できる埋込みフォントがない)場合、出力は有効なPDF/Xファイルにはなりません。この場合、Helveticaフォントが使用されます。

  • BI Publisherユーティリティによる再処理はサポートされません。BI PublisherユーティリティPDFBookBinder、PDFDocMergerまたはPDFSignatureを使用したPDF/Xファイルの再処理はサポートされません。再処理後のファイルは通常のPDFファイルとなり、PDF/X標準への適合性が失われる可能性があります。

  • 必須レポート構成プロパティ: レポートの実行時プロパティは、表E-1に示すとおりに設定する必要があります。

    表E-2 PDF/Xの必須PDFレポート・プロパティ設定

    プロパティ 必須設定

    pdf-version

    1.4より前である必要があります。

    PDFセキュリティ有効化

    (pdf-security)

    Falseに設定する必要があります。

    暗号化レベル

    (pdf-encryption-level)

    0に設定する必要があります。

    pdf-font-embedding

    Trueに設定する必要があります。


    PDF/X出力固有の書式設定プロパティは、「レポート・プロパティ」ダイアログで設定できます。書式設定プロパティのうち、次の2つが必須です。

    表E-3 PDF/Xの必須書式設定プロパティ設定

    プロパティ 説明 有効な値 デフォルト値

    PDF/X ICCプロファイル・データ

    <BI Publisher repository>/Admin/Configurationの下に配置されたICCプロファイル・データ・ファイルの名前です。

    ICCプロファイル・データ・ファイル名(CoatedFOGRA27.iccなど)

    なし

    PDF/X出力条件識別子

    ICCに登録された標準印刷条件のいずれか1つの名前です。PDF/X-1aで使用する標準のCMYK印刷条件のリストは、次のICC Webサイトで提供されています: http://www.color.org/chardata/drsection1.xalter

    有効な参照名(FOGRA43など)

    なし


    詳細は次の項を参照してください。

E.2.3 追加リソース

PDF/X標準の詳細は、次のリソースを参照してください。