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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイド
リリース11g (11.1.1)
B66709-04
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E Oracle Reportの変換

Oracle BI Publisherでは、レポートをOracle ReportsフォーマットからOracle BI Publisherフォーマットに変換するツールとして、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントが用意されています。Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントは、BI Publisherのスタンド・アロン実装またはOracle Business Intelligence Enterprise Editionとの統合時に使用できます。

この付録では次の項について説明します。

E.1 概要

Oracle Reportsでは、データ・モデル(SQL問合せや抽出ロジック)とレポート・レイアウト仕様が単一のファイルに格納されています。BI Publisherでは、データ・モデルとレイアウトは別々のオブジェクトになっています。したがってOracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、単一のOracle Reportsファイルから、BI Publisherのレポートを構成するファイルが複数生成されます。

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、レポート定義ファイル、データ・モデル・ファイルおよびレイアウト・テンプレートファイルが生成されます。これらは、BI PublisherリポジトリにアップロードされるBI Publisherオブジェクトです。Oracle Reportにパッケージ機能へのコールが含まれる場合、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントにより、PL/SQLパッケージ仕様部ファイルとPL/SQLパッケージ本体ファイルも作成されます。

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントによるレポート変換が完了したら、データベース上の.plsファイルをコンパイルします。コンパイル後、レポートをテストして出力が意図したとおりであることを確認します。レポートで意図した結果が表示されない場合は、ログ・ファイル(変換ログ、アップロード・ログ、BI Publisherサーバー・ログ)を確認します。

場合によっては、レポート出力を改善するためにデータ・モデルとレイアウト・テンプレートを手動で調整する必要があります。

一部のレポートには、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントで変換できない構造が含まれます。これらの構造は、変換されたレポートにおいて手動で実装する必要があります。

図E-1は、変換プロセスを示しています。

図E-1 Oracle ReportからBI Publisherへのレポート変換プロセス

次のテキストで説明されるレポート変換プロセス

変換プロセスの手順の概要は次のとおりです。

  1. BI Publisherで、Oracle Reportと同じデータベースに接続するJDBCデータ・ソース接続またはJNDIデータ・ソース接続を作成します。

  2. Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントを実行します。

  3. (条件付き)Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントの自動アップロード・オプションを選択しなかった場合は、レポートをBI Publisherカタログにアップロードします。

  4. (条件付き)データベース上にPL/SQLパッケージをコンパイルします。

  5. レポートをテストして変換ログ・ファイルを確認し、手動の変更が必要になる箇所を調べて、変換作業を完了させます。

E.2 Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントの取得

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントを取得するには以下を実行します。

  1. Webサイトhttp://www.oracle.com/technetwork/middleware/bi-publisher/downloads/index.htmlに移動します。

  2. ご使用のWindowsまたはLinux環境用のOR2BIPConvAssist.zipをダウンロードし、インストールZIPファイルをマシンの任意のディレクトリに解凍します。そのディレクトリに、bin、configおよびlibの各フォルダが作成されます。

  3. binフォルダで、OR2BIPConvAssist.batまたはOR2BIPConvAssist.shを使用してOracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントを起動します。

E.3 Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントの前提条件および制限事項

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントを実行するための前提条件は次のとおりです。

E.3.1 Oracle ReportのXML形式への変換

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、Oracle Report XML(またはRDF XML)を使用してOracle ReportをBI Publisherのレポートに変換します。RDFバイナリからRDF XMLレポート・フォーマットへの変換は、Oracle Reports 9i 以降でサポートされます。

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、変換元のレポートはRDFバイナリおよびRDF XMLのいずれもサポートされます。

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでレポートを変換するためには、次の要件が必要です。

  • Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントと同じマシンにOracle Reports Designer 9i以降がインストールされていること。

  • rwconverter実行可能ファイルをコールしてレポートをOracle ReportsのXML形式に変換するためには、Oracle Reportsのホーム・パスをOracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントに入力する必要があります。

Oracle Reports Designerは、Oracle Developer Suite 10g (10.1.2.0.2)の一部であり、http://www.oracle.com/technology/software/products/ids/index.htmlから入手できます。

E.3.2 制約

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントには、次の制約があります。

  • フォーマット・トリガーは変換できませんが、手動実装のためにコードがログ・ファイルに書き込まれます。RTFレイアウト・テンプレート内のPL/SQLフォーマット・トリガーの詳細は、E.7.2項「PL/SQLフォーマット・トリガーのロジックがRTFレイアウト・テンプレートではサポートされない」を参照してください。

  • チャートは変換できません。RTFレイアウトを作成する場合は、Template Builderを使用してWordでチャートを作成しますBI Publisherレイアウト・テンプレートを作成する場合は、Layout Editorを使用してチャートを作成します。レイアウト設計ツールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』を参照してください。

  • マトリクス・レポートは変換できません。RTFレイアウトを作成する場合は、Template Builderを使用してWordのピボット・テーブル・ウィザードでグラフを作成します。BI Publisherレイアウト・テンプレートを作成する場合は、Layout Editorを使用してピボット・テーブルを作成しますレイアウト設計ツールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』を参照してください。

E.4 Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントの実行

この章では、変換アシスタントの実行方法と次の項について説明します。

E.4.1 変換元のレポートがOracle Reports RDFファイルの場合のアシスタントの実行

変換元のレポートがOracle Reports RDFファイルである場合は、次の手順を実行します。

  1. BI Publisherの「管理」ページでJDBC/JNDI接続データ・ソースを作成します。このデータ・ソースはOracle Reportと同じデータベースに接続します。このステップの実行には、管理者ロールが必要です。

  2. Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントを起動します。

  3. 次のフィールドを入力します。

    • ソース・パス - Oracle Reportsファイルの変換元ディレクトリです。

    • Oracle Reportsホーム・パス - Oracle Reportsディレクトリです。たとえば、c:\Oracle\Middleware\OracleFRHome1です。

      Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、レポートをRDFフォーマットからXML形式に変換するためにOracle Reportsのrwconverterが必要です。Oracle Report Designer(9i以降のバージョン)がインストールされているOracle Reportsホーム・パスを指定してください。Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、rwconverterが、指定されたOracle Reportsホーム・パスの下のbinディレクトリに含まれることを前提としています。

    • ターゲット・パス - 出力ファイルを置く場所。変換される各レポートについて、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントはターゲット・パスに、レポート定義(.xdo)およびレイアウト・テンプレート(.rtf)ファイルを含むOracle BI Publisher Reportフォルダ、データ・モデル・ファイル(.xdm)、圧縮されたレポート定義ファイル(.xdoz)と圧縮されたデータ・モデル・ファイル(.xdmz)、PL/SQLパッケージを含むplsql_pkgsフォルダおよびbipconvert.logファイルとbipupload.logファイルという、別々の出力オブジェクトを作成します。


      注意:

      圧縮されたレポート定義ファイル(.xdoz)および圧縮されたデータ・モデル・ファイル(xdmz)を使用して、レポートを手動でBI Publisherカタログにアップロードできます。


    • データ・ソース名 - 手順1で作成したデータソースを指定します。

    • デバッグ - Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントをデバッグ・モードで実行して、デバッグ情報をログ・ファイルに書き込むかどうかを指定します。

      変換プロセス詳細およびすべての情報レベルのエラー・メッセージを、ターゲット・ディレクトリのレポート・レベルのログ・ファイルに書き込むには、いいえを選択します。

      例外がある場合には完全なエラー・スタックを含む変換プロセス詳細を、ターゲット・ディレクトリのコンポーネント・レベルのログ・ファイルに書き込むには、はいを選択します。

    • カタログにアップロード - 変換されたレポートをBI Publisherカタログに自動的にロードするかどうかを指定します。

      変換されたレポートをターゲット・パスのみに作成する場合はいいえを選択します。これがデフォルトのオプションです。

      レポートを自動的にBI Publisher Serverにアップロードするにははいを選択します。このオプションを選択する場合は、BI Publisher ServerのURL (http://<server>:<port>/xmlpserver)、ユーザー名とパスワードおよび変換されたレポートを保存するBI Publisherカタログ・フォルダ(共有フォルダの下)を指定する必要があります。BI Publisherカタログ内にまだ存在していないフォルダを指定すると、変換プロセス中に自動的に作成されます。


      注意:

      変換されたレポートを自動的にBI Publisher Serverにアップロードする場合は、bipupload.logファイルにはターゲット・パスの詳細が移入されます。変換されたレポートを自動的にアップロードしない場合は、このログ・ファイルは空です。


  4. 実行」をクリックします。Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントにより、Oracle Reportsが変換され、各Oracle Reportsに対してターゲット・パスにフォルダが作成されます。「カタログにアップロード」を選択した場合は、各レポートに対して、共有フォルダの下の指定されたフォルダに、フォルダが作成されます。各レポート・フォルダにはデータ・モデルとレポートが含まれます。PL/SQLパッケージは、ターゲット・パスのみに作成されます。

  5. データベース上にPL/SQLパッケージをコンパイルします。PL/SQLパッケージは、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントのターゲット・パスに作成されます。詳細は、第E.5項「データベースへのPL/SQLパッケージのコンパイル」を参照してください。


    注意:

    Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントは、データ・モデルの「Oracle DBデフォルト・パッケージ」フィールドに、レポートで定義されているパッケージ名を移入します。


  6. (条件付き)「カタログにアップロード」を選択しなかった場合は、BI Publisherカタログの「リソースのアップロード」機能を使用して、圧縮された各データ・モデルとレポート・ファイル(.xdmzと.xdoz)をアップロードします。BI Publisherカタログ内の同じフォルダに両方のオブジェクトをアップロードするため、必ずBI Publisher UI (/xmlpserver)を使用してください。この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』カタログ・オブジェクトのダウンロードおよびアップロードに関する項を参照してください。

  7. 変換されたレポートをレポート・ビューアに表示します。

  8. レポートが意図したとおりに変換されない場合は、ログ・ファイルを確認します。詳細は、第E.8項「Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントのトラブルシューティング」を参照してください。

E.4.2 変換元レポートがOracle Reports XML形式の場合のアシスタントの実行

変換元レポートがOracle ReportsのXML形式の場合、次の手順に従います。

  1. BI Publisherの「管理」ページでJDBC/JNDI接続データ・ソースを作成します。このデータ・ソースはOracle Reportと同じデータベースに接続します。このステップの実行には、管理者ロールが必要です。

  2. Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントを起動します。

  3. 次のフィールドを入力します。

    • ソース・パス - XML形式のOracle Reportsファイルの変換元ディレクトリです。

    • Oracle Reportsホーム・パス - Oracle Reports XML形式のファイルにはこれは適用されません。

    • ターゲット・パス - 出力ファイルを置く場所。変換される各レポートについて、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントはターゲット・パスに、レポート定義(.xdo)およびレイアウト・テンプレート(.rtf)ファイルを含むOracle BI Publisher Reportフォルダ、データ・モデル・ファイル(.xdm)、圧縮されたレポート定義ファイル(.xdoz)と圧縮されたデータ・モデル・ファイル(.xdmz)、PL/SQLパッケージを含むplsql_pkgsフォルダおよびbipconvert.logファイルとbipupload.logファイルという、別々の出力オブジェクトを作成します。


      注意:

      圧縮されたレポート定義ファイル(.xdoz)および圧縮されたデータ・モデル・ファイル(xdmz)を使用して、レポートを手動でBI Publisherカタログにアップロードできます。


    • データ・ソース名 - 手順1で作成したデータソース。

    • デバッグ - Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントをデバッグ・モードで実行して、デバッグ情報をログ・ファイルに書き込むかどうかを指定します。

      変換プロセス詳細およびすべての情報レベルのエラー・メッセージを、ターゲット・ディレクトリのレポート・レベルのログ・ファイルに書き込むには、いいえを選択します。

      例外がある場合には完全なエラー・スタックを含む変換プロセス詳細を、ターゲット・ディレクトリのコンポーネント・レベルのログ・ファイルに書き込むには、はいを選択します。

    • カタログにアップロード - 変換されたレポートをBI Publisherカタログに自動的にロードするかどうかを指定します。

      変換されたレポートをターゲット・パスのみに作成する場合はいいえを選択します。これがデフォルトのオプションです。

      レポートを自動的にBI Publisher Serverにアップロードするにははいを選択します。このオプションを選択する場合は、BI Publisher ServerのURL (http://<server>:<port>/xmlpserver)、ユーザー名とパスワードおよび変換されたレポートを保存するBI Publisherカタログ・フォルダ(共有フォルダの下)を指定する必要があります。BI Publisherカタログ内にまだ存在していないフォルダを指定すると、変換プロセス中に自動的に作成されます。


      注意:

      変換されたレポートを自動的にBI Publisher Serverにアップロードする場合は、bipupload.logファイルにはターゲット・パスの詳細が移入されます。変換されたレポートを自動的にアップロードしない場合は、このログ・ファイルは空です。


  4. 実行」をクリックします。Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントにより、Oracle Reportsが変換され、各Oracle Reportsに対してターゲット・パスにフォルダが作成されます。「カタログにアップロード」を選択した場合は、各レポートに対して、共有フォルダの下の指定されたフォルダに、フォルダが作成されます。各レポート・フォルダにはデータ・モデルとレポートが含まれます。PL/SQLパッケージは、ターゲット・パスのみに作成されます。

  5. データベース上にPL/SQLパッケージをコンパイルします。PL/SQLパッケージは、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントのターゲット・パスに作成されます。詳細は、第E.5項「データベースへのPL/SQLパッケージのコンパイル」を参照してください。


    注意:

    Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントは、データ・モデルの「Oracle DBデフォルト・パッケージ」フィールドに、レポートで定義されているパッケージ名を移入します。


  6. (条件付き)「カタログにアップロード」を選択しなかった場合は、BI Publisherカタログの「リソースのアップロード」機能を使用して、圧縮された各データ・モデルとレポート・ファイル(.xdmzと.xdoz)をアップロードします。BI Publisherカタログ内の同じフォルダに両方のオブジェクトをアップロードするため、必ずBI Publisher UI (/xmlpserver)を使用してください。この機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド』カタログ・オブジェクトのダウンロードおよびアップロードに関する項を参照してください。

  7. 変換されたレポートをレポート・ビューアに表示します。

  8. レポートが意図したとおりに変換されない場合は、ログ・ファイルを確認します。詳細は、第E.8項「Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントのトラブルシューティング」を参照してください。

E.4.3 出力ファイル

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、変換される各レポートに対し、変換先ディレクトリに次の出力ファイルが生成されます。

  • レポート定義ファイル(形式: REPORT.xdo)。

  • 圧縮されたレポート定義ファイル(例: REPORT.xdoz)。

  • データ・モデルを定義するデータ・モデル・ファイル(形式: REPORT.xdm)。

  • 圧縮されたデータ・モデル・ファイル(例: REPORT.xdmz)。

  • RTFレイアウト・テンプレート(例: REPORT.rtf)。

  • デフォルトのPL/SQLパッケージ仕様部(形式: REPORTS.pls)。

  • デフォルトのPL/SQLパッケージ本体(形式: REPORTB.pls)。

  • ログ・ファイル(形式: REPORT.log)。

たとえば、変換元ディレクトリD:\reports\payにあるinvoice.rdfというレポートを変換し、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントを使用して変換先ディレクトリD:\BIPublisher_reports\invoiceを入力するとします。

次の出力ファイルが生成されます。

  • レポート定義: C:\BIPublisher_reports\ invoice\invoice.xdo\_report.xdo

  • 圧縮されたレポート定義: C:\BIPublisher_reports\ invoice\invoice.xdo\_report.xdoz

  • RTFレイアウト・テンプレート: C:\BIPublisher_reports\invoice\invoice.xdo\invoice.rtf

  • データ・モデル: C:\BIPublisher_reports\invoice\invoice_template.xdm\_datamodel.xdm

  • 圧縮されたデータ・モデル: C:\BIPublisher_reports\invoice\invoice_template.xdm\_datamodel.xdm

  • PL/SQLパッケージ仕様部: C:\BIPublisher_reports\plsql_packages\invoice\invoiceS.pls

  • PL/SQLパッケージ本体: C:\BIPublisher_reports\plsql_packages\invoice\invoiceB.pls

  • レポート変換ログ・ファイル: C:\BIPublisher_reports\bipconvert.log

  • レポート・アップロード・ログ・ファイル: C:\BIPublisher_reports\bipupload.log

E.5 データベースへのPL/SQLパッケージのコンパイル

変換された多くのOracle Reportsでは、次のようなPL/SQLパッケージ仕様部ファイルとPL/SQLパッケージ本体ファイルが生成されます。

次のコマンドを使用してPL/SQLパッケージ・ファイルをOracle Databaseに対して実行し、PL/SQLパッケージ仕様部および本体を作成します。

SQL> @C:\BIPublisher_reports\invoice\invoiceS.pls
SQL> @C:\BIPublisher_reports\invoice\invoiceB.pls

E.6 Oracle BI Publisherリポジトリへの変換済レポートの移動

この手順は、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントで、変換されたレポートをOracle BI Publisherカタログに自動的にアップロードすることを選択しなかった場合のみ必要です。次の手順のいずれか使用して、変換されたレポート・コンポーネントを手動でアップロードできます。

E.6.1 手順1: .xdoおよび.xdmの各フォルダ・ファイルを、ファイル・システムのBI Publisherリポジトリ・パスに移動する

この手順を使用するには、サーバー・ファイル・システムへのアクセス権限が必要です。この手順は、変換されたレポートが大量にある場合のみに使用することをお薦めします。

.xdoおよび.xdmの各フォルダ・ファイルをファイル・システムのBI Publisherリポジトリ・パスに移動した後、次の手順はご使用の実装に依存します。

BI Publisherが(Oracle BI Enterprise Editionの一部ではなく)スタンドアロンでデプロイされている場合、.xdoおよび.xdmの各フォルダ・ファイルをファイル・システムのBI Publisherリポジトリ・パスに移動します。各レポート定義(.xdo)とデータ・モデル(.xdm)のペアを、同じフォルダに置いていることを確認してください。BI Publisherサーバーを再起動する必要はありません。

BI PublisherがBI Presentation Servicesカタログと統合されている場合は、次の手順を実行します。

  1. .xdoおよび.xdmの各フォルダ・ファイルを、ファイル・システムのBI Publisherリポジトリ・パスに移動します。各レポート定義(.xdo)とデータ・モデル(.xdm)のペアを、同じフォルダに置いていることを確認してください。

  2. BI Publisherの「管理」ページに移動し、「サーバー構成」を選択します。「サーバー構成」ページの「カタログ」リージョンで「BIプレゼンテーション・カタログへのアップロード」をクリックします。BI Publisherサーバーを再起動する必要はありません。

E.6.2 手順2: .xdozおよび.xdmzの各圧縮ファイルをBI Publisher UIを使用してアップロードする

この方法を使用するためには、アップロード先のカタログ内のフォルダに書込み権限を持ち、BI Publisher管理者、BI Publisherテンプレート・デザイナ、BI PublisherデベロッパまたはBI Publisher作成者のいずれかのロールが付与されている必要があります。

  1. BI Publisherサーバー(例: http://www.<host>:<port>/xmlpserver)にログインします。

  2. レポートをアップロードするカタログ内のフォルダを選択します。

  3. 「タスク」リージョンで、「アップロード」をクリックします。「参照」をクリックして、アップロードするレポート・コンポーネント(.xdozまたはxdmz)を探します。各レポート定義(.xdoz)とデータ・モデル(.xdmz)のペアを同じフォルダに置いていることを確認しながら、各オブジェクトに対してこれを繰り返します。

E.7 変換済レポートのテストと編集

レポートを正常に変換して必要なPL/SQLパッケージを作成し、レポート定義ファイルとデータ・モデル・ファイルをOracle BI Publisherカタログに移動したら、レポートをテストします。ほとんどの変換されたレポートは、データ・モデルを変更することなく意図したとおりに実行できますが、意図する外観を実現するためにレイアウトに追加の変更が必要なことがよくあります。次の各項で、変換されたレポートに発生する可能性のある一般的な問題を示します。

E.7.1 集計列がSELECT句に移動する

時折、より複雑なOracle Reportsレポートを変換する際に、データ・モデルまたはPL/SQLにマイナー・エラーが含まれ、手動の修正が必要なことがあります。Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントにより、データ・モデル内のSQL問合せのすべての計算式列がSELECT句に移動されます。ほとんどの場合、これによって問題は発生しません。ただし、計算式の引数が集計列である場合、集計列の計算は問合せの実行と同じ時点では行われないためエラーが生じます。

この問題に対処するには、この計算式をSELECT句から削除し、計算式をデータ・モデルに実装します。計算式列の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイド』を参照してください。

E.7.2 PL/SQLフォーマット・トリガーのロジックがRTFレイアウト・テンプレートではサポートされない

多くのOracle Reportsでは、単純なif文フォーマット・ロジックが使用されます。Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、このロジックは自動的に同等のXSL-FOに変換され、RTFレイアウト・テンプレートのフォーム・フィールドに挿入されます。ただし、RTFレイアウト・テンプレートではPL/SQLはサポートされません。Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、レポート内にあるPL/SQLフォーマット・トリガー・ロジックは変換されません。。かわりに、Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントにより、すべてのフォーマット・トリガー・コードがログ・ファイルに書き込まれます。対応するPL/SQLロジックをXSLコードとして実装する必要があります。

この作業を容易にするために、コールされるフォーマット・トリガー名が格納されるフォーム・フィールドが、RTFテンプレートに格納されます。これらのフィールドは赤色で強調表示されます。これによってログを参照して、元のOracle Reportsで使用されている実際のPL/SQLコードを検索することができます。

PL/SQLトリガーを、BI Publisherコード構文またはRTFテンプレート・フォーム・フィールドのXSLを使用して書き換える必要があります。

E.8 Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントのトラブルシューティング

Oracle ReportsからBI Publisherへの変換アシスタントでは、レポート変換プロセスのトラブルシューティングを支援するために、2つのログ・ファイル(bipconvert.logおよびbipupload.log)が生成されます。これらのログファイルには、レポート変換時に選択したオプションによって、文レベルまたはデバッグ・モードで例外が取得されます。

レポートをBI Publisherカタログにアップロードすると、レポートをレポート・ビューアに表示できます。レポート・ビューアでレポートが意図したとおりに表示されない場合は、画面に取得されたエラーを確認するか、BI Publisherログ・ファイル(MWHOME\user_projects\domains\bifoundation_domain\servers\AdminServer\logs\bipublisher\bipublisher.log)を確認します。

また、変換されたレポートに問題が発生した場合は、次のようにデータ・モデルをテストします。