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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer Viewerユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
E51911-01
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1 Oracle Business Intelligence Discoverer Viewerの概要

この章では、Oracle Business Intelligence Discoverer Viewerについて説明します。次のトピックがあります。

1.1 Oracle Business Intelligence Discovererとは

Oracle Business Intelligence Discovererは、直観的で非定型のクエリー、レポート作成、分析およびWebパブリッシングのツールセットであり、これによってビジネス・ユーザーは、データベースの情報に即時にアクセスできます。

Oracle Business Intelligence Discovererを使用することによって、組織のすべてのレベルのビジネス・ユーザーが、業務での意思決定をより迅速に、また豊富な情報に基づいて行うことができます。標準のWebブラウザを使用し、リレーショナルとマルチディメンショナル両方のデータ・ソースにセキュアかつ即時にアクセスできます。Oracle Business Intelligence Discovererでは、基礎となるデータ構造の複雑さを表示しないビジネス・ビューが提供されるため、業務上の問題の解決にのみ集中できます。

Oracle Business Intelligence Discovererは、統合された複数のコンポーネントで構成されています。これらのコンポーネントがOracleデータベースと連携して機能することによって、完成された統合ビジネス・インテリジェンス・ソリューションが提供されます。

図1-1 Oracle BI Discovererのコンポーネント

図1-1の説明は次にあります
「図1-1 Oracle BI Discovererのコンポーネント」の説明

使用するOracle Business Intelligence Discovererコンポーネントは、実行するタスクによって異なります。

Oracle Business Intelligence Discovererコンポーネントでは、Discoverer End User LayerまたはDiscovererカタログに格納されたDiscovererオブジェクトの定義を使用します。

1.2 Discoverer Viewerを使用する理由

今日の意思決定担当者は、最新の企業情報と主要な達成標識を追跡するビジネス・インテリジェンス・ソリューションを必要としています。Oracle Business Intelligenceの一部であるOracle Business Intelligence Discoverer Viewerは、直観的で非定型のクエリー、レポート作成および分析のツールです。このツールによってビジネス・ユーザーが、データ・ウェアハウス、データマートおよびオンライン・トランザクション処理システムの情報に即時にアクセスできます。

Discoverer Viewerを使用することによって、ビジネス・ユーザーはデータを容易に情報に変え、使い慣れた直観的なユーザー・インタフェースであるWebブラウザを使用して社内全体にシームレスに公開できます。

Discoverer Viewerを使用する利点は次のとおりです。

1.2.1 使用しやすいインタフェース

Discoverer Viewerは容易に使用できます。馴染みのある用語とWebブラウザを使用してデータを直接操作できます。ブラウザをよく理解しているユーザーは、Discoverer Viewerを使用できます。

1.2.2 Discoverer PlusおよびDiscoverer Desktopとの一貫性

Discoverer Viewerのユーザーは、データベースの既存のビジネス・ビューをすぐに使用できます。Discoverer PlusまたはDiscoverer Desktopを使用して作成されたすべてのレポート(ワークブック)は、Discovererからただちに実行できます。

1.2.3 使い慣れたブラウザ機能とDiscoverer Viewer

次のようなWebブラウザの通常の機能はすべて使用できます。

  • お気に入りレポートのブックマークへの登録

  • 「戻る」ボタンと「進む」ボタンを使用したナビゲート

  • ブラウザの印刷機能を使用した印刷出力

  • 登録済アプリケーションの起動による、Discoverer Viewerを使用してエクスポートしたデータの処理

1.2.4 データベース・セキュリティ

Discoverer Viewerでは、既存のデータベース・セキュリティをDiscoverer Administratorでの定義として使用します。追加設定は不要です。どのユーザーも、表示権限のないデータは見ることができません。Discoverer ViewerをOracle Applicationsとともに使用すると、ロールと職責の使用も含めて、Oracle Applicationsのセキュリティ・モデルが使用されます。Discoverer Viewerは、Oracle Applicationsのセキュリティ・モデルと直接統合された唯一のビジネス・インテリジェンス製品です。

1.2.5 統合とカスタマイズ

Discoverer Viewerは、スタンドアロンのビジネス・インテリジェンス・ツールとして使用することも、Webサイトやポータルの中へデータベース出力を統合するために使用することもできます。これに加えて、Discoverer ViewerはWebサイトのルック・アンド・フィールにあわせて容易にカスタマイズできるため、会社のロゴなどの画像を取り込んだり、Web用のカスタムDiscovererアプリケーションを作成することができます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。

1.2.6 JavaScript拡張ユーザー・インタフェース

Discoverer Viewerでは、JavaScriptを使用してユーザー・インタフェースを拡張しています。この拡張ユーザー・インタフェースを利用するためには、ブラウザでJavaScriptとCookieのサポートを有効にする必要があります。JavaScriptとCookieのサポートの情報は、ブラウザのドキュメントを参照してください。

1.2.7 言語サポート

Discoverer Viewerでは多数の言語がサポートされています。「接続」ページまたは「オプション」ページのドロップダウン・リストから選択することによって、優先言語を指定できます。「接続」ページのドロップダウン・リストでは、ユーザーの優先言語(ブラウザで設定した言語)がデフォルトの言語になっています。優先言語の設定の詳細は、ブラウザのドキュメントを参照してください。

1.2.8 Oracle Portalへの公開

Oracle Portalを使用することによって、Discovererのワークブックおよびワークシートを企業情報ポータルに迅速かつ容易に公開できます。公開プロセスはOracle Portalの直観的なユーザー・インタフェースで順を追って説明されるため、専門知識が豊富でないユーザーも、強力なビジネス・インテリジェンス・ポータルを簡単に作成できます。

1.3 Oracle Business Intelligence Discoverer Viewer 11gリリース1 (11.1.1)の新機能

Oracle Business Intelligence Discoverer Viewer 11gリリース1 (11.1.1)で新たに追加および改良された機能は次のとおりです。

1.4 ワークブックの概要

ワークブックは、データベースから取得したデータを表示するワークシートが格納されたDiscovererファイルです。スプレッドシート・アプリケーション(Microsoft Excelなど)をよく理解している場合は、ワークブックをスプレッドシート・ファイルと考えてください。Discovererワークブックは、データベース(リレーショナル・データの場合)またはDiscovererカタログ(マルチディメンショナル・データの場合)に格納されます。

ワークブックには通常、なんらかの関連性を持ったデータが格納されますが、これらのデータは様々な観点を提供するように構成されています。

1.5 ワークシートの概要

ワークシートには、分析対象のデータが、データの分析に役立つ複数の機能とともに含まれます。たとえば、パラメータ、合計、パーセンテージ、例外およびユーザー定義アイテムをワークシートに含めることができます。

スプレッドシート・アプリケーション(Microsoft Excelなど)をよく理解している場合、そのスプレッドシート・ファイルの異なるシートのようなスプレッドシート・ファイルとワークシートとしてワークブックを考えてください。

1.6 Discovererワークシートの種類

Discovererでは、次の2通りの方法でデータを表示できます。

1.6.1 テーブル・ワークシートについて

テーブル・ワークシートでは、データが行と列にリストされます。次の図は、地域内の各都市の収益額を分析するテーブル・ワークシートの例です。

図1-2 テーブル・ワークシート

図1-2の説明は次にあります
「図 1-2 テーブル・ワークシート」の説明

注意: テーブル・ワークシート・スタイルは、リレーショナル・データの分析にのみ使用します。

1.6.2 クロス集計ワークシート

クロス集計ワークシート(複数の表の集計)は、2つのデータ・セットを関連付け、両者の相互関係を第3のデータ・セットの観点から要約します。次の図は、各地域の収益額を部署別に分析するテーブル・ワークシートの例です。

図1-3 クロス集計ワークシート

図1-3の説明は次にあります
「図1-3 クロス集計ワークシート」の説明


図の要点:
a. 列軸: 「Region」アイテムがあります。
b. 行軸: 「Department」アイテムがあります。
c. データ・ポイントには、各地域の部署ごとの収益総額が表示されます。

地域と部署のアイテムは、クロス集計の行と列に表示されます。行と列の交差箇所はそれぞれデータ・ポイントを示しています。この例の場合、データ・ポイントは特定地域の特定部署の収益総額です。

1.7 キューブのコンポーネントについて

マルチディメンショナル・データ・ソース中のキューブには、次のコンポーネントがあります。

キューブには、異なるディメンション間で可能な組合せごとにメジャー値が格納されます。したがって、Discoverer Plus OLAPなどのアプリケーションでは、特定の年の特定の都市における特定商品の売上額を、きわめて迅速に検索できます。

1.7.1 メジャーとは

OLAPメタデータでは、メジャーはクロス集計とグラフで調査および分析できるデータを表します。たとえば、売上、コスト、収益などです。

1.7.2 ディメンションとディメンション・メンバーとは

メジャーには、そのメジャー内のデータを分類するディメンションがあります。たとえば、売上メジャーのディメンションとしては、製品、時間および地理が考えられます。あるメジャーが特定のディメンションを持つ場合、そのメジャーはそのディメンションによって次元化されていることになります。たとえば、売上は製品によって次元化されます。あるメジャーのディメンションのグループは、そのメジャーのディメンショナリティを構成します。たとえば、売上のディメンショナリティは製品、時間および地理です。

ディメンション内の各要素は、ディメンション・メンバーです。たとえば、2001年1月、2001年2月、2001年3月、2001年第1四半期および2001年度は、時間ディメンションのメンバーといえます。

1.7.3 ディメンション階層とは

ディメンション階層は、2つ以上のディメンション・メンバー間の階層関係を記述します。

個々のディメンション・メンバー間には、階層関係が存在する可能性があります。たとえば、特定の日は特定の月に属し、その月は特定の年内にあります。このような関係を反映するために、ディメンション・メンバーはディメンション階層に組み込まれます。

ディメンション階層は論理構造であり、データを編成および集計するために順序付けレベルが使用されます。たとえば、時間ディメンションは、月レベルから四半期レベル、年度レベルへとデータを集計するための階層を持つ可能性があります。

1つのディメンションで複数の階層を持つことができます。たとえば、時間ディメンションは、月-四半期-年度のディメンション階層に加えて、日-月-年度のディメンション階層を持つことがあります。ただし、同じディメンションに複数の階層が存在する場合は、1つの階層をデフォルト階層として指定する必要があります。

1.7.4 ディメンション属性とは

ディメンション属性は、複数のディメンション・メンバーによって共有される特性を記述します。ディメンション属性を使用すると、類似した特定に基づいてデータを選択できます。たとえば、製品ディメンションに色属性がある場合は、色の赤い製品をすべて検索することが可能です。