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Oracle® Fusion Middlewareパフォーマンスおよびチューニング・ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B61006-10
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11 SOA Suiteコンポーネントの一般的なチューニング

この章では、複数のSOA Suiteアプリケーションに適用可能なチューニング構成について説明します。

SOA Suiteアプリケーションの詳細は、第10.4.1項「SOA Suiteコンポーネント」でアプリケーション別セクションのリストを参照してください。


注意:

その他のSOAのチューニング推奨事項は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』の「大規模ドキュメントおよび多数のインスタンスの管理」を参照してください。


11.1 SOA Suiteの構成プロパティについて

SOAアプリケーションの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』を参照してください。

11.2 SOAインフラストラクチャの構成

SOAインフラストラクチャの構成パラメータは、SOAインフラストラクチャ全体に影響を与えます。次の構成は、SOA-INFRAコンポーネントを通じて変更します。

SOA構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』のSOAインフラストラクチャ・プロパティの構成に関する項を参照してください。

11.2.1 監査レベル

「監査レベル」プロパティを使用すると、メッセージ・トラッキング・インフラストラクチャによって収集する情報のレベルを選択できます。この情報は、SOAインフラストラクチャに関連付けられたインスタンス・データ・ストア(データベース)に収集されます。この設定は、ログ・ファイルに書き込まれる内容には影響を与えません。

説明

オフ

コンポジット・インスタンスのトラッキングおよびペイロードのトラッキングに関する情報は収集されません。ロギングは実行されません。Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールでロギングもインスタンスの表示も行わなければ、インスタンス処理のパフォーマンスがわずかに向上することがあります。インスタンスは作成されますが、表示されません。

本番

コンポジット・インスタンスのトラッキングは収集されますが、Oracle Mediatorサービス・エンジンではペイロード詳細が収集されず、プロセス・サービス・エンジンではassignアクティビティのペイロード詳細が収集されません(その他のアクティビティのペイロード詳細は収集されます)。このレベルは、通常の本番操作に最適です。

開発

コンポジット・インスタンスのトラッキングとペイロード詳細のトラッキングの両方を有効にします。ただし、この設定はパフォーマンスに影響を与える可能性があります。このレベルは主に、テストおよびデバッグの際に便利です。


11.2.2 コンポジット・インスタンスの状態のキャプチャ

このオプションでは、実行中のインスタンスのトラッキングが別々に実行されます。すべてのインスタンスが実行中または停止中としてキャプチャされます。この情報は、後でSOAインフラストラクチャおよびSOAコンポジット・アプリケーションのコンポジット・インスタンス表の「状態」列に表示されます。

  • 合計インスタンス数に対する実行中のインスタンス数が表示されます。

  • 実行中のインスタンスのみを表示するように制限することもできます。

有効な状態は「実行中」、「完了」、「失敗」、「リカバリが必要」、「失効」、「終了」および状態使用不可です。「実行中」および「完了」状態は、このチェック・ボックスが選択されている場合のみキャプチャされます。そうでない場合、状態は「不明」に設定されます。これらの状態の条件付きキャプチャは、主にSOAインフラストラクチャ実行時のパフォーマンス・オーバーヘッドを軽減することを目的に実行されます。

このオプションを有効化すると、インスタンス処理中に追加の実行時オーバーヘッドが発生する場合があります。ただし、このプロパティを無効にし、SOAコンポジット・アプリケーションの新しいインスタンスを作成した場合は、新規のインスタンスが作成されることに注意してください。ただし、インスタンスは、コンポジット・アプリケーションの「ダッシュボード」ページ表に、実行中、フォルト、失効、終了、完了、リカバリが必要を表示しません。これは、インスタンスのコンポジット状態をキャプチャする処理がパフォーマンスに影響を与えるためです。

11.2.3 監査証跡しきい値のインスタンス追跡

このパラメータは、監査証跡の作成時にそのサイズを制限するのに使用します。デフォルト値は1MBです。監査証跡がinstanceTrackingAuditTrailThresholdサイズ(デフォルトでは1MB)を超えると、例外がスローされ、監査証跡は完全には作成されません。値はバイト単位であるため、デフォルト値は1024*1024です。このパラメータは、監査証跡が作成されるSOAサーバーで大量のまたはすべての使用可能なメモリーが膨大な監査証跡によって消費されないようにするため、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。そのため、様々な意味で安全な抑制手段として機能します。ただし、Enterprise Managerから監査証跡を取得しているときに、instanceTrackingAuditTrailThresholdを超えたことを示す例外を受けとった場合、デフォルト値の増加が必要になることがあります。

11.2.4 ロギング・レベル

アプリケーションのロギング・レベルを設定する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』のログ・ファイルの構成に関する項を参照してください。

11.3 SOA構成パラメータの変更

SOA soa-infraレベルの構成は、Oracle Enterprise Managerを使用して設定できます。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』にある、Oracle SOA SuiteおよびOracle BPM Suiteの管理のスタート・ガイドを参照してください。

11.4 JVMチューニング・パラメータ

JVMパラメータは、SOAのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。SOAコンポーネントのパフォーマンスに影響を与える主な要因は、ヒープ・サイズに関することです。JVMのパフォーマンス・チューニングの詳細は、第2.4項「Java仮想マシン(JVM)のチューニング」を参照してください。

11.5 データベースの設定

データベース構成をチューニングすると、SOA Suiteアプリケーションにも効果が現れることがあります。構成および個々の設定は、ユースケースによって異なります。データベース・プロパティのチューニングの詳細は、ご使用のデータベースの管理マニュアルを参照してください。

データベース・チューニングに関するその他の基本的なガイドラインは、第2.6項「データベース・パラメータのチューニング」を参照してください。

11.5.1 SOAのデータ・ソースの構成

SOAでは、アプリケーション・サーバーで管理されているデータ・ソースを使用して、データベース接続を取得します。SOAのデータ・ソースは、WebLogic Serverコンソールを使用して構成できます。WebLogic Serverコンソールの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』を参照してください。

パフォーマンスが問題になっている場合は、次のデータ・ソース構成を検討してください。

  • データ・ソースを構成する際には、接続プールに十分な数の使用可能な接続があることを確認します。

  • 文キャッシュを使用すると、カーソル作成の繰返しと文の解析および作成の繰返しがパフォーマンスに与える影響を解消できます。文キャッシュを使用することで、アプリケーション・サーバーとデータベース・サーバーの間の通信がパフォーマンスに与える影響も軽減できます。

  • 不要な接続テストおよびプロファイリングは無効にします。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverパフォーマンスおよびチューニング』のJDBCストアのチューニングに関する項を参照してください。

11.5.2 表および索引の管理

データがレンジ・パーティション化に適しておらず、パフォーマンスおよび管理の容易性を目的にパーティション化を行う場合に、表および索引でハッシュ・パーティション化を使用することを検討してください。ハッシュ・パーティション化では、指定された数のパーティションにデータを均等に分配する方法が提供されます。パーティション・キーのハッシュ値に基づいて、行がパーティションにマッピングされます。ハッシュ・パーティションを作成および使用すると、データ配置が非常にチューニングしやすくなります。これは、これらの均等なサイズのパーティションをI/Oデバイス間で分散(ストライプ化)することにより、可用性およびパフォーマンスに影響を与える可能性があるためです。


注意:

Enterprise ManagerまたはSOAにより範囲の問合せに使用される可能性のある日付ベースの索引でパーティション化は使用しないでください。たとえば、STATE_TYPE_DATE、COMPOSITE_INSTANCE_CREATEDなどの日付ベースの索引のパーティション化は、パフォーマンスに重大な影響を与える可能性があります。


パフォーマンスを向上させるには、次の表および索引でハッシュ・パーティション化を使用することを検討してください。各パーティション化のパフォーマンスの向上は、コンポジットのタイプによって大きく変わることに注意してください。

パーティション化される表名 パーティション・タイプ 数値

AUDIT_COUNTER

AC_PK索引のハッシュ・パーティション化

なし

CUBE_INSTANCE

パーティション化および逆引きキー索引CI_CREATION_DATE

なし

CUBE_SCOPE

ハッシュによるパーティション(CIKEY)

パーティション数 = 200

MEDIATOR_CASE_INSTANCE

ハッシュによるパーティション("ID")

パーティション数 = 200

XML_DOCUMENT

ハッシュによるパーティション(document_id)

パーティション数 = 200


ハッシュ・パーティション化される索引

BRDECISIONINSTANCE_INDX3

MEDIATOR_INSTANCE_INDEX2

MEDIATOR_INSTANCE_INDEX5

MEDIATOR_INSTANCE_INDEX6

MEDIATOR_INSTANCE_INDEX1

MEDIATOR_INSTANCE_INDEX3

MEDIATOR_CASE_INSTANCE_INDEX2

MEDIATOR_CASE_DETAIL_INDEX1

REFERENCE_INSTANCE_CO_ID

CI_NAME_REV_STATE

DOC_DLV_MSG_GUID_INDEX

REFERENCE_INSTANCE_ECID

DMEDIATOR_CASE_INSTANCE_INDEX3

REFERENCE_INSTANCE_ID

MEDIATOR_CASE_DETAIL_INDEX1

CI_ECID

COMPOSITE_INSTANCE_ID

MEDIATOR_CASE_DETAIL_INDEX2


11.5.3 Weblogic Serverのパフォーマンス・チューニング

Weblogic Serverの完全なパフォーマンス・チューニングについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverパフォーマンスおよびチューニング』を参照してください。