14 Webサービスの統合

この章では、Oracle Event Processingアプリケーションからサービスを起動してOracle Event ProcessingアプリケーションをWebサービスとして公開する方法など、Oracle Event Processingで使用するためにWebサービスを構成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

14.1項「Oracle Event ProcessingとWebサービスについて」
14.2項「Oracle Event ProcessingアプリケーションからのWebサービスの起動方法」
14.3項「Oracle Event ProcessingアプリケーションをWebサービスとして公開する方法」

14.1 Oracle Event ProcessingとWebサービスについて

Webサービスを使用して、Oracle Event Processingアプリケーションと他のシステムを統合できます。

Oracle Event ProcessingはJAX-WS 2.0のGlassfish参照実装を使用して、JAX-WS API標準のバージョン2.0をサポートします。次のものが含まれます。

JAX-WS 2.0 (Java API for XML Web Services、JSR 224で定義)
WS-I Basic Profile 1.1
WS-I Attachments Profile 1.0 (SOAP Messages with Attachments)
WS-I Simple SOAP Binding Profile 1.0
SOAP 1.1および1.2 (Simple Object Access Protocol)
MTOM (Message Transmission Optimization Mechanism)
WSDL 1.1 (Web Services Definition Language)
JAXB 2.0 (Java API for XML Binding、個別のJAXBモジュールを介した参照)
SAAJ 1.3 (SOAP with Attachments API for Java)

14.2 Oracle Event ProcessingアプリケーションからのWebサービスの起動方法

このプロシージャがWebサービスを起動するOracle Event Processingアプリケーションの作成方法を説明します。このシナリオでは、Oracle Event ProcessingアプリケーションはWebサービス・クライアントです。

Oracle Event ProcessingアプリケーションからWebサービスを起動するには:

WebサービスのためにWSDLを作成または取得します。

この例ではEchoService.WSDLというWSDLの使用を想定します。
Webサービスの起動に使用するコンパイル済の.classファイルを生成します(実際のコマンドは1行になります)。
```
java -cp OCEP_HOME_DIR/modules/com.bea.core.ws.glassfish.jaxws.tools_9.0.0.0.jar 
    com.sun.tools.ws.WsImport EchoService.WSDL
```
ORACLE_CEP_HOMEは、Oracle Event Processingがインストールされているディレクトリ(/oracle_homeなど)です。
Oracle Event ProcessingアプリケーションのJARファイル内の生成された.classファイルをアーカイブします。

詳細は、5.7項「Oracle Event Processingプロジェクトにおけるライブラリと他の非クラス・ファイルの管理」を参照してください。
Export-Packageヘッダーを使用して、MANIFEST.MFファイルのクライアントコード用のWebサービスJavaパッケージをエクスポートします。
```
Export-Package: com.oracle.ocep.sample.echoService;
```
詳細は、5.7.4項「パッケージのエクスポート方法」を参照してください。

Import-Packageヘッダーを使用して、MANIFEST.MFファイルのOracle Event Processingアプリケーションに次のパッケージをインポートします。

Import-Package: com.ctc.wstx.stax,
   com.sun.xml.bind.v2, 
   com.sun.xml.messaging.saaj.soap,
   com.sun.xml.messaging.saaj.soap.ver1_1,
   com.sun.xml.ws,
   javax.jws,
   javax.xml.bind,
   javax.xml.bind.annotation,
   javax.xml.namespace,
   javax.xml.soap,
   javax.xml.transform,
   javax.xml.transform.stream,
   javax.xml.ws,
   javax.xml.ws.spi,
   org.xml.sax,
   weblogic.xml.stax;

詳細は、5.7項「Oracle Event Processingプロジェクトにおけるライブラリと他の非クラス・ファイルの管理」を参照してください。

他のJavaアップリケーションと同様に、クライアントコードを使用して、Webサービスを起動します。
```
EchoService service = new EchoService();
EchoPort port = service.getEchoServicePort();
String echo = port.echo("foo");
```

14.3 Oracle Event ProcessingアプリケーションをWebサービスとして公開する方法

このプロシージャは、Oracle Event ProcessingアプリケーションをWebサービスとして公開する方法を説明します。このシナリオでは、Oracle Event ProcessingアプリケーションはWebサービス・プロバイダです。

Oracle Event ProcessingアプリケーションをWebサービスとして公開するには:

WebサービスのためにWSDLを作成または取得します。

この例ではEchoService.WSDLというWSDLの使用を想定します。
サービスを実装します。

java.jws注釈の@WebServiceおよび@WebMethodの使用を考慮してください。

例14-1のように、アプリケーション・バンドルにbea-jaxws.xmlファイルを追加します。表14-1では、このファイル内の属性について説明します。

例14-1 bea-jaxws.xmlファイル

<endpoints>
  <endpoint>
    <name>EchoService</name>
    <implementation-class>
      com.bea.wlevs.test.echo.impl.EchoServiceImpl
    </implementation-class>
    <url-pattern>/echo</url-pattern>
    <wsdl-location>
      /META-INF/wsdl/echo.wsdl
    </wsdl-location>
    <service-name>
      {http://wsdl.oracle.com/examples/cep/echo}EchoService
    </service-name>
    <port-name>
      {http://wsdl.oracle.com/examples/cep/echo}EchoServicePort
    </port-name>
  </endpoint>
</endpoints>

表14-1 bea-jaxws.xmlファイルの属性

属性	説明
`name`	webサービスの名前
`implementation-class`	サービスを実行するクラス
`url-pattern`	WebサービスにアクセスするためのURLパターン
`wsdl-location`	バンドル内のwsdlへの相対パス
`service-name`	サービスのQName
`port-name`	ポートのQName

詳細は、5.7項「Oracle Event Processingプロジェクトにおけるライブラリと他の非クラス・ファイルの管理」を参照してください。

BEA-JAXWS-Descriptorヘッダーを使用して、MANIFEST.MFファイルにあるbea-jaxws.xmlファイルを参照します。
```
BEA-JAXWS-Descriptor: META-INF/bea-jaxws.xml;
```
詳細は、5.7項「Oracle Event Processingプロジェクトにおけるライブラリと他の非クラス・ファイルの管理」を参照してください。

Import-Packageヘッダーを使用して、MANIFEST.MFファイルのOracle Event Processingアプリケーションに次のパッケージをインポートします。

Import-Package: com.ctc.wstx.stax,
   com.sun.xml.bind.v2,
   com.sun.xml.messaging.saaj.soap,
   com.sun.xml.ws,
   javax.jws,
   javax.xml.bind,
   javax.xml.bind.annotation,
   javax.xml.namespace,
   javax.xml.soap,
   javax.xml.transform,
   javax.xml.transform.stream,
   javax.xml.ws,
   javax.xml.ws.spi,
   org.xml.sax,
   weblogic.xml.stax;

詳細は、5.7項「Oracle Event Processingプロジェクトにおけるライブラリと他の非クラス・ファイルの管理」を参照してください。

Oracle Event Processingドメインを示すOracle Event ProcessingサーバーのDOMAIN_DIR/config/config.xmlファイルにglassfish-ws要素を追加します。DOMAIN_DIRはドメイン・ディレクトリを示します。
```
<glassfish-ws>
    <name>JAXWS</name>
    <http-service-name>JettyServer</http-service-name>
</glassfish-ws>
```