以下の節では、Oracle WebLogic Communication Services (OWLCS) の概要と、Oracle WebLogic Communication Services のデプロイメントをコンフィグレーションおよび管理する方法の概要を示します。
Oracle WebLogic Communication Services 11g (OWLCS) は、エンタープライズ サービスおよびアプリケーションに通信サービスを統合するために設計された包括的なプラットフォームです。 主な通信チャネルでの対話をサポートする、簡単に使用できるサービスが含まれています。 OWLCS でサポートされるテクノロジは、以下のとおりです。
図 1-1 に Oracle WebLogic Communication Services の簡単な概要を示します。詳細については、以下の章で説明しています。
OWLCS では、User Messaging Service (UMS) を通じてマルチ チャネル メッセージングをアプリケーションに統合するための単純で信頼性のある方法がサポートされています。 UMS では、Java API と Web サービスの両方による統合がサポートされています。 サポートされているチャネルには、SMS、電子メール、インスタント メッセージング、音声メッセージがあります。 UMS では、最終的なメッセージの宛先がユーザの設定によって決定されるインテリジェント メッセージングもサポートされています。
UMS のインストールおよびコンフィグレーションの詳細については、第 11 章「Oracle User Messaging Service のコンフィグレーション」を参照してください。
メッセージ アプリケーション開発の詳細については、『Oracle WebLogic Communication Services 開発者ガイド』を参照してください。
OWLCS では、アプリケーションが 2 台の電話機またはソフト クライアント間で Voice over IP 通話を開始するための Third Party Call Control (TPCC) Web サービス API がサポートされています。 このサービスは、市場を牽引する IP ベースの PBX システム、および VoIP-PSTN ゲートウェイを使用する PSTN と直ちに統合されます。
TPCC のインストールとコンフィグレーション、および TPCC アプリケーションの作成の詳細については、『Oracle WebLogic Communication Services 開発者ガイド』の「Third Party Call サービス」を参照してください。
OWLCS には、プレゼンス情報の集約機能として動作し、アプリケーションおよびエンドユーザがプレゼンス情報を使用するためのサブスクライブ/通知パラダイムを提供する、プレゼンス サービスが含まれています。Web サービスを使用するか、準拠する SIP ベースのエンドユーザ クライアントを使用して、アプリケーションを統合できます。
プレゼンスのコンフィグレーションの詳細については、第 9 章「Presence および Presence Web Services のコンフィグレーション」を参照してください。 Presence アプリケーションの開発の詳細については、『Oracle WebLogic Communication Services 開発者ガイド』の「Parlay X Presence Web Services」を参照してください。
OWLCS では、JSR 289 準拠の SIP コンテナによって WebLogic Server プラットフォームが拡張されています。 これにより、進化した通信アプリケーションに対応した、HTTP および SIP を処理する J2EE アプリケーションを開発できます。 このプラットフォームでは、SIP ベースの IP-PBX、および標準 SIP クライアントなどの他の SIP 要素と統合される、補完的な通信サービスの開発が可能になります。
OWLCS では、SIP ベースのネットワーク構築用に直ちに使用できる主なインフラストラクチャ アプリケーションが提供されます。
SIP コンテナのインストールとコンフィグレーション、および SIP インフラストラクチャ アプリケーションの詳細については、第 I 部「一般的なコンフィグレーション」および「第 V 部「SIP インフラストラクチャ アプリケーションの信任」を参照してください。