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Oracle® Fusion Middleware Oracle Authentication Services for Operating Systems管理者ガイド
11g リリース(11.1.1)
B61411-01
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6 Oracle Authentication Services for Operating Systemsの管理

この章の内容は次のとおりです。

6.1 ホーム・ディレクトリの作成

Linuxシステムでは、ユーザーをOracle Internet Directoryに移行または追加する際に、各ユーザーのホーム・ディレクトリを作成する必要はありません。各クライアント・コンピュータ上で実行したクライアント構成スクリプトによって、最初のログイン時に、各ユーザーのホーム・ディレクトリの作成が有効化されています。ただし、Linux以外のオペレーティング・システムでは、ユーザーのホーム・ディレクトリを手動で作成する必要があります。

6.2 プラットフォーム固有のツールを使用したユーザーおよびグループの管理

Oracle Authentication Services for Operating Systemsの構成後、Oracle Internet DirectoryツールのODSM、LDAPコマンドおよびバルク・ツール以外にも、プラットフォーム固有のツールを使用してユーザーおよびグループを管理できます。

6.2.1 libuserツール

クライアントにlibuserライブラリが存在し、Oracle Internet Directoryを使用するようにそのライブラリを構成した場合、system-config-usersまたはluseraddを使用してユーザーを追加できます。libuserコマンドの1つを起動すると、Oracle Internet Directoryにログインするためのパスワードを入力するよう求められます。system-config-usersの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。


注意:

  • system-config-usersまたはlibuserパッケージ内のその他のツールを使用して、パスワードまたはパスワードを含むエントリを追加した場合、Oracle Internet Directoryはそれらのパスワードに対するパスワード・ポリシーを強制できません。これは、パスワードがOracle Internet Directoryに送信される前に、libuserツールによってハッシュ・パスワードが生成されるため、パスワードがポリシー基準を満たしているかどうかをOracle Internet Directoryが判断できないためです。

  • system-config-usersツールでは、クライアントおよびサーバーをSSL用に構成する必要があります。

  • system-config-usersを使用する前に、「NISからOracle Internet Directoryへの移行」に示されているすべての必須属性がユーザー・エントリに含まれていることを確認してください。このツールでは、欠落しているフィールドがあれば、エラーが報告されることがあります。

  • ユーザーまたはグループの管理タスクにlibuser以外のコマンド(useradduserdelgroupaddまたはgroupdel)を使用することはできません。


6.2.2 AIX固有のツール

AIXでは、Oracle Authentication Services for Operating Systemsを構成した後、次のツールを使用してユーザーを管理できます。

表6-1 AIXのユーザーおよびグループの管理ツール

操作 コマンド

ユーザーの追加

mkuser -R LDAP

グループの追加

mkgroup -R LDAP

ユーザーの削除

rmuser -R LDAP

グループの削除

rmgroup -R LDAP

パスワードの変更

passwd -R LDAP

ユーザーのリスト表示

luser -R LDAP


6.3 Oracle Directory Services Managerおよびコマンドライン・ユーティリティを使用したOracle Internet Directoryの管理

『Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド』には、Oracle Internet Directoryの管理に関する情報が記載されています。Oracle Directory Services Managerの詳細は、「ディレクトリ管理および監視のツール」の章を参照してください。Oracle Internet Directoryの起動および停止の詳細は、「プロセス管理」の章を参照してください。バルク・ツールの詳細は、「バルク・ツールの使用方法」の章を参照してください。

Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementリファレンスには、バルク・ツールおよびLDAPツールを含むOracle Internet Directoryコマンドライン・ツールの構文が記載されています。

ユーザーおよびグループの変更または削除の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。

6.3.1 ユーザーの追加を確認するテスト

次のコマンドを使用して、ユーザーが追加されているかどうかをテストできます。

ldapsearch -D cn=orcladmin -q -b 'searchbase' -s -sub '(uid=username)'

searchbaseは、dc=us,dc=example,dc=comなどのレルムです。そのユーザーとしてログインすると、アカウントもテストできます。たとえば、sshを使用して1つのクライアントから別のクライアントにログインできます。例:

ssh -l username hostname

ログインしたら、次のように入力します。

id

これで、正しいユーザーとしてログインしたことを確認できます。

6.3.2 ldapmodifyを使用したユーザーのパスワードの変更

ユーザーのパスワードを変更するには、次のコマンドを使用します。

ldapmodify -p port -h host -D binddn -q -v -f passwd_file

passwd_fileは次のようになります。

dn: userDN
changetype: modify
replace: userpassword
userpassword: new_password 

注意:

  • passwd_fileを使用した後は、これを削除するかクリアテキスト・パスワードを削除してください。

  • ユーザーは、passwdコマンドを使用して各自のパスワードを変更できます。


6.3.3 ldapaddを使用したユーザーの追加

コマンドラインからユーザーおよびグループを追加するには、次のようなコマンドラインを使用します。

ldapadd -p port -h host -D binddn -q -v -f ldif_file

ldif_fileには、追加するエントリの情報がLDIF形式で含まれます。

次のldif_fileの例では、juenoというユーザーを作成します。このユーザーは、レルムdc=us,dc=example,dc=comの下にあるユーザー・コンテナou=People,dc=us,dc=example,dc=comに作成されます。ユーザーを作成するには、属性uidhomedirectoryloginshelluidnumbergidnumbercnobjectclassおよびuserpassword(クリアテキスト)を指定する必要があります。様々なクライアントおよびsystem-config-users管理ツールとの互換性のために、次の例に示されているすべてのオブジェクト・クラスを使用してください。

dn: uid=jueno,ou=People,dc=us,dc=example,dc=com
uid: jueno
homedirectory: /home/jueno
loginshell: /bin/tcsh
uidnumber: 506
gidnumber: 506
cn: juri ueno
objectclass: posixAccount
objectclass: shadowAccount
objectclass: account
objectclass: top
userpassword: password
shadowwarning: -1
shadowmax: 99999
shadowlastchange: 13916
shadowexpire: -1
shadowmin: 0
shadowinactive: -1
gecos: jueno

LDIFファイルを使用した後は、これを削除するかクリアテキスト・パスワードを削除してください。

6.3.4 ldapaddを使用したグループの追加

コマンドラインからグループを追加するには、次のようにユーザーを追加したときと同じコマンドラインを使用します。

ldapadd -p port -h host -D binddn -q -v -f ldif_file

次の例では、グループID 505を使用してkobukuroというグループを作成します。このグループは、レルムdc=us,dc=example,dc=com内のグループ・コンテナou=Group,dc=us,dc=example,dc=comの中に作成されます。また、memberuidおよび値を指定することで、メンバーjueroも追加します。LDIFファイルは次のようになります。

dn: cn=kobukuro,ou=Group,dc=us,dc=example,dc=com 
cn: kobukuro 
gidnumber: 505 
objectclass: posixGroup 
objectclass: groupOfUniqueNames 
objectclass: top 
memberuid: jueno 

グループへのメンバーの同時追加はオプションです。

6.4 パスワード・ポリシーの管理

『Oracle Fusion Middleware Oracle Internet Directory管理者ガイド』の「パスワード・ポリシーの管理」の章を参照してください。


注意:

  • system-config-usersまたはlibuserパッケージ内のその他のツールを使用して、パスワードまたはパスワードを含むエントリを追加した場合、Oracle Internet Directoryはそれらのパスワードに対するパスワード・ポリシーを強制できません。これは、パスワードがOracle Internet Directoryに送信される前に、libuserツールによってハッシュ・パスワードが生成されるため、パスワードがポリシー基準を満たしているかどうかをOracle Internet Directoryが判断できないためです。

  • AIXの場合、passwdユーティリティによりパスワード・ポリシーのエラーは表示されず、次のように表示されます。

    3004-604 Your entry does not match the old password.