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Oracle® Fusion Middleware Oracle Enterprise Repositoryコンセプト・ガイド
11gリリース1 (11.1.1.7)
B72434-01
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6 アセット・ライフサイクル

この章では、アセット・ライフサイクルの各ステージ(サービス定義、実装と構成、テスト、ステージングと本番、監視と管理)について説明します。

この章は次の項で構成されています:

6.1 概要

アセットが取得され、ステークホルダに対して可視化されたら、次の手順はガバナンスをアセット・ライフサイクル・プロセスに挿入することです。図6-1は、アセット・ライフサイクル・プロセスを示しています。

  1. 最初に、複数のワーク・グループで必要な機能が定義されます。

  2. この機能に対する資金提供が行われ、それを実装するプロジェクトが開始されます。

  3. 実装が本番前環境(ステージングやテストなど)にプロモートされます。

  4. 最後に実装が本番環境にプロモートされ、ここでパフォーマンスを監視し、動作を強制できます。Oracle Enterprise Repositoryの自動ワークフローによって、このプロセスが容易になります。

図6-1 アセット・ライフサイクル・プロセス

この図については周囲のテキストで説明しています。
「図6-1 アセット・ライフサイクル・プロセス」の説明

6.2 アセット・ライフサイクル

この項では、ガバナンスの各アセット・ライフサイクル・フェーズについて説明します。この項の内容は次のとおりです。

6.2.1 サービス定義

必要な機能が認識されたら、エンタープライズ・リポジトリでそれを可視化できます。機能の作成者は、ターゲット・アーキテクチャを操作するアーキテクトの場合や、共通のビジネス要件を特定するビジネス・アナリストの場合もあります。エンタープライズ・リポジトリでこれらの機能が可視化されると、共通のビジネス・モデルまたはROIモデルに従ってそれらを評価し、優先順位付けできます。次に、これらの機能を、提案済(特定済および調査済)、計画済(アクティブ・プロジェクトで進行中)、リリース済(実装完了)などの各ステージにカテゴリ分けできます。

エンタープライズ・リポジトリで機能を可視化するには、次の方法があります。

  • クイック送信

  • 高度な送信

機能およびアセット投資の調整や優先順位付けに役立つ情報およびワークブックが使用可能です。

6.2.2 実装および構成

機能を計画する際は、プロジェクトによって機能を実装します。JDeveloperで作業するSOA Suite開発者は、プロジェクトを完了するためにエンタープライズ・リポジトリ・サービスを参照し、再利用できます。Eclipseで作業するService Bus開発者は、プロジェクトを完了するためにエンタープライズ・リポジトリ・サービスを参照し、再利用できます。開発者は、完了した実装を直接エンタープライズ・リポジトリに発行することもできます。エンタープライズ・リポジトリでは、VS .Net開発もサポートされています。

  • JDeveloper、EclipseおよびVS .Netを使用したアセットの再利用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository統合ガイド』のOracle Enterprise Repositoryとの統合をサポートするためのIDEの構成に関する項を参照してください。

  • JDeveloper、EclipseおよびVS .Netからのアセットの収集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository統合ガイド』を参照してください。

6.2.3 テスト、ステージングおよび本番

実装は、Oracle Enterprise Repositoryに収集された後、リポジトリのワークフローで確立済のガバナンス・ルールとプラクティスに従って処理されます。Oracle Enterprise Repositoryには、事前構成済のカスタマイズ可能なワークフローが複数用意されています。

Oracle Enterprise Repositoryのワークフローおよびそのカスタマイズ方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository構成ガイドのOracle Enterprise Repositoryワークフローの構成に関する項を参照してください。

実装がテストからステージング、本番へとライフサイクル内を移動すると、Oracle Enterprise Repositoryによって各環境に対するエンドポイントが収集され、可視化されます。ハーベスタは、AntまたはWLSTデプロイメント・スクリプトに組み込まれています。

デプロイメント・スクリプトを使用してランタイム環境からエンドポイントを収集する方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository構成ガイドの設計時環境およびランタイム環境での自動収集の構成と使用に関する項を参照してください。

Exchange Utilityを使用すると、Oracle Enterprise Repositoryは、オプションで各ライフサイクル環境においてサービスおよび収集済エンドポイントをサービス・レジストリにプロモートできます。OSBやSOA Suiteなどのランタイム・ツールを使用すると、レジストリ内のサービスに対する変更を動的に検出できます。OSBはサービス・レジストリのパブリッシュ/サブスクライブAPIにサブスクライブし、これによって変更の発生時にOSBは自動的に通知を受けます。あるいは、SOA Suiteによって、設計時にWSDLとエンドポイントの場所およびUDDIサービス・キーがキャッシュされます。WSDLまたはエンドポイントが無効になると、SOA Suiteはサービス・キーを使用してそれらを動的に検出して更新します。OERとOSRは両方とも、各サービスの一意のキーを優先します。アプリケーションは、ライフサイクルを通じて変更される可能性のあるエンドポイントではなく、キーによってサービスにアクセスできます。

  • アセットをOracle Enterprise RepositoryからOracle Service RegistryにプロモートするためのExchange Utilityの構成の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository構成ガイドのOracle Registry Repository Exchange Utilityの構成に関する項を参照してください。

  • Oracle Service Busの動的検出機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus管理者ガイド』のUDDIに関する項を参照してください。

  • Oracle SOA Suiteの動的検出機能の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite開発者ガイド』(http://download.oracle.com/docs/cd/E15523_01/integration.1111/b56238.pdf)を参照してください。

6.2.4 コンシューマ・プロビジョニングおよび契約管理

組織によっては、本番サービス・エンドポイントをすべてのコンシューマに自動的に公開しないようにすることもあります。コンシューマは最初に、サービス・プロバイダとのサービス・レベル契約をネゴシエートする必要がある場合があります。Oracle Enterprise Repositoryによってこのネゴシエーション・プロセスを容易にできます。

6.2.5 監視および管理

サービス・プロバイダとサービス・コンシューマの両方が、ランタイム環境でサービスがどのように実行されるかを理解する必要があります。Oracle Enterprise Repository 11gは、Enterprise Manager SOA Management Pack Plusからランタイム・サービス・パフォーマンス・メトリックのサマリーをインポートできます。

Oracle Enterprise RepositoryとOracle Enterprise Manager SOA Management Pack Enterprise Editionの相互運用性の構成の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository構成ガイドを参照してください。

一部のサード・パーティ・ツールでは、ランタイム・メトリックをOracle Service Registryに公開できます。Oracle Enterprise RepositoryとOracle Service Registryの間の双方向同期によって、ランタイム・メトリックがレジストリからリポジトリに移動されます。

Oracle Enterprise Manager SOA Management Pack Enterprise Editionではランタイム・メトリックがEnterprise Repositoryに直接提供されることに注意してください。

Oracle Service RegistryからOracle Enterprise Repositoryへのメトリックのプロモートの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Enterprise Repository統合ガイド』のメトリックの公開に関する項を参照してください。