Oracle WebCenter ContentのためのXDSコネクタの構成
11g リリース1 (11.1.1)
E49676-01(原本部品番号:E35898-01)
2013年7月
このドキュメントでは、Cross Enterprise Document Sharing (XDS)を構成および有効化して、WebCenter ContentをXDSリポジトリとして使用する方法について説明します。
次の内容について説明します。
Cross Enterprise Document Sharing (XDS)は、Integrating The Healthcare Enterprise (IHD)イニシアティブで使用されている標準で、ドキュメントを作成する医療機器(MRI装置など)とコンテンツ・リポジトリとの通信の強化に役立ちます。XDS仕様の詳細を含む、イニシアティブの詳細は、http://wiki.ihe.net
を参照してください。
XDSは、次の要素から構成されるデータ交換仕様で、標準的なSOAPベースのWebサービスを使用して相互に通信します。
患者アイデンティティ・ソース: ユーザー識別に使用されるアイデンティティ管理。
ドキュメント・レジストリ: 医療ドキュメントのメタデータの格納および検索に使用されます。このレジストリの場所は、WebCenter Content XDSコネクタの構成時に設定されます。
ドキュメント・コンシューマ: 医療コンテンツの表示に使用されるWebインタフェース、または他のタイプのビューア。
ドキュメント・ソース: 医療コンテンツの作成元。一般的には、医療イメージを作成するX線装置またはMRI装置です。ドキュメントの一意IDは、ドキュメント・ソースによって提供されます。WebCenter Contentでは生成されません。
ドキュメント・リポジトリ: 医療コンテンツの格納に使用されるコンテンツ・リポジトリ。
コンプライアンスのため、Audit Trail and Node Authentication (ATNA)に準拠するサーバーにアクティビティを記録する必要があります。
WebCenter Content XDSコネクタを使用すると、XDS交換において、Oracle WebCenter Contentとコンテンツ・サーバーをリポジトリとして使用できるようになります。
WebCenter Content XDSコネクタが使用可能な場合、WebCenter Contentのリポジトリにドキュメントがダウンロードされます。このダウンロードは、ドキュメント・ソースによって提供される一意なXDS固有のドキュメントIDに基づいて実行されます。
WebCenter Content XDSコネクタは、別のXDSレジストリとの統合が必要なXDSリポジトリです。レジストリのみを対象とするコールは実装されません。Provide and Register Document Set-bなど、レジストリとリポジトリの両方を必要とするコールでは、WebCenter ContentをXDSリポジトリとして使用します。また、メタデータ用にリモートXDSレジストリを使用します。
WebCenter Content XDSコネクタは、ドキュメント・ソースからのリクエストをリスニングし、次の2つのアクションのいずれかを実行します。
メタデータと一緒にドキュメントを格納: ドキュメントが格納され、そのメタデータが中央ドキュメント・レジストリに転送されます。
ドキュメントを格納: ドキュメントとその一意IDが格納されます。
次の図に、XDSデータ交換システムにおける一般的な情報の流れを示します。
XDSリポジトリは、次の2つのWeb Service Description Language (WSDL)ドキュメントで指定されています。
XDS.b_DocumentRepository.wsdl
XDS-I.b_ImagingDocumentSource.wsdl
これらのWSDLには、次のXDS互換のWebサービス用の実装要件が記載されています。
XDS.b Provide and Register Document Set-b [ITI-41]
XDS.b Retrieve Document Set [ITI-43]
XDS-I.b Provide and Register Image Document Set [RAD-68]
XDS-I.b Retrieve Imaging Document Set [RAD-69]
XDS.b Register Document Set-b [ITI-42]レジストリ・サービスは同梱されていますが、実装されません。この実装はXDSレジストリのサービス・コールをサポートしていませんが、XMLファイルにメタデータをバンドルしてから、イメージ・ドキュメントと一緒にWebCenter Contentにチェックインすることで、Provide and Registerリクエストからのメタデータを格納します。つまり、XDSレジストリの内容を損失した場合は、WebCenter ContentのXDSリポジトリを使用して全履歴をリストアできます。
Imaging Document Source [RAD-68]によって送信されたProvide and Registerトランザクション用のWSDL定義は、[ITI-41]のXDS.b Document Sourceによって送信されたトランザクションと変わらないことに注意してください。
次の図に、WebCenter Content XDSコネクタがWebCenter Contentリポジトリとどのように連携して情報を格納するかを示します。
WebCenter Content XDSコネクタをWebCenter Contentと一緒に使用するには、次の手順に従ってプロファイルとローカル・ユーザーを作成する必要があります。次のテキストでは、サンプル名が使用されています。必要に応じて他の名前を使用できます。
プロファイルを作成する前に、カスタム・メタデータ・フィールドxXdsDocUid
を作成しておく必要があります。このメタデータ・フィールドは、XDSドキュメントの一意IDの格納に使用されます。
カスタム・メタデータ・フィールドとプロファイルの作成の詳細は、『Oracle WebCenter Contentのマネージング』を参照してください。ユーザーの追加の詳細は、『Oracle WebCenter Contentの管理』を参照してください。
WebCenter Contentで次のメタデータ・フィールドを作成してから、これらのフィールドのデフォルトの導出値を設定します。
xXdsDocUid
メモ・フィールド。これは、ProvideAndRegisterサービス・リクエストで渡される、XDSソースからの一意IDです。
xXdsDocGuid
メモ・フィールド。これは、このドキュメント用に自動生成されたグローバル一意IDです。
xXdsDocMimeType
ロング・テキスト・メタデータ・フィールド。これは、ドキュメントのMIMEタイプです。
xXdsDocHash
ロング・テキスト・メタデータ・フィールド。これは、ドキュメントのハッシュであり、ファイルの16進数エンコード形式のSHA1ダイジェストです。
xIdcProfileTrigger
トリガー・リストに、xdsDocument
という名前のトリガーを作成します。
xdsDefaults
という名前のプロファイル・ルールを作成します。
xdsDocument
という名前のコンテンツ・プロファイルを作成します。そのプロファイルにxdsDefaults
ルールを追加します。このルールでは、システムにチェックインされるすべてのXDSドキュメントに対してデフォルト・メタデータ値を設定します。たとえば、セキュリティ・グループ(public
など)、コンテンツ・タイプ(document
など)に対して導出値を設定する必要があります。
xdsUser
という名前の新しいローカル・ユーザーを作成します。
XDSドキュメントへのコントリビューションおよびXDSドキュメントのダウンロードに十分な権限をxdsUserに付与します。たとえば、ユーザーに、Publicセキュリティ・グループへの読取り/書込みのアクセス権を付与します。
WebCenter Content Serverのconfig.cfgファイルのIntradocServerPort
変数を設定して、管理サーバーを介した直接アクセスを使用可能にします。
IntradocServerPort=4444
config.cfgファイルは一般的に、次のような場所にあります。
FMW_HOME\user_projects\domains\base_domain\ucm\cs\config
WebCenter Contentへの接続方法に関する情報は、web.xmlファイルのこのWARファイルにバンドルされています。
本番デプロイメントでは、デプロイメント・プランを使用してWARファイルを変更してください。開発インストールでは、これらの変更を手動で行えます。
ucm/Distribution/XDSディレクトリでWeb Application Archive (WAR)ファイルを検索します。
これらの手順に従って、ファイルを構成します。
ucmxds.warファイルを解凍します。
WEB-INFディレクトリに移動し、編集するweb.xmlファイルを開きます。次の情報を編集します。
UcmUrl
値を、WebCenter ContentへのRIDC接続文字列に変更します。これは、RIDCがサーバーへの接続情報を特定する際に使用する、IdcURLである必要があります。次の形式で指定します。
idc://servername:port
グローバル一意XDS IDを使用していることを確認します。XdsRepositoryUid
値を、このXDSリポジトリの一意IDに変更します。次に例を示します。
1.3.6.1.4.1.21367.13.40.92
XdsRegistryEndpoint
値を、ご使用のXDSレジストリのWebサービス・エンドポイントをポイントするように変更します。XDSレジストリが設定されていない場合、次のパブリック・レジストリをテストに使用します。
http://ihexds.nist.gov:12080/tf6/services/xdsregistryb
ATNAロガーへのURLを設定します。AtnaRepositoryURI
を、ATNAロギング・エンドポイントをポイントするように変更します。次に例を示します。
syslog://localhost:514
問題が発生した場合のログの出力先であるATNAサーバーのユーザーを設定します。AtnaSystemUserId
を、ロギングの実行システムのIDに変更します。次に例を示します。
ucmxds@example.com
「WebCenter Contentの構成」で説明されているように、WebCenter Contentで別の名前のXDSユーザー、XDSプロファイルまたはプロファイル・トリガーを構成した場合は、web.xmlファイルで次の変数を変更する必要があります。
UcmUser
: XDSによるコンテンツ・サーバーへの接続に使用されるユーザーID。前の項では、これはxdsUser
として指定されました。
UcmXdsProfileValue
: XDSコンテンツをコンテンツ・サーバーにチェックインするときに使用されるプロファイル値。たとえば、xdsDoc
です。
UcmXdsProfileField
: プロファイル・トリガーの格納に使用されるコア・メタデータ・フィールド。たとえば、xIdcProfile
またはxProfileTrigger
です。
UcmCgiURL
: UCMサーバーのHttpCgiURLパラメータ。たとえば、http://my.server.name:16200/cs/example
です。
TracingEnabled
: UCMに詳細トレースを送信する場合はTrueに設定します。この変数はデプロイメントのテスト時には有用ですが、本番ではFalseに設定する必要があります。詳細は、「コンポーネントの監視」を参照してください。
WARファイルを構成した後に、アプリケーションをデプロイします。このドキュメントは、読者がOracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ・プロセスに精通していることを前提としています。アプリケーション・デプロイメントの完全なドキュメントについては、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』を参照してください。
管理者としてログインし、WebLogic管理サーバーを起動します。
左側のナビゲーション領域で「デプロイメント」をクリックします。
ucmxdsがすでにインストールされている場合は、それを選択して「削除」をクリックします。
「インストール」をクリックします。
ファイルのアップロードをクリックします。
デプロイメント・アーカイブが要求されたら、ucmxds.warファイルを参照して「次へ」をクリックします。
「次へ」を再度クリックします。
「このデプロイメントをアプリケーションとしてインストールする」をクリックし、「次へ」をクリックします。
アプリケーションをデプロイするWebCenter Content Serverを選択し、「次へ」をクリックします。
デフォルトを受け入れ、「終了」をクリックします。
アプリケーションが、ご使用のサイトの検証メソッドを使用して実行されていることを確認します。
WebCenter Content XDSコネクタ自体にはユーザー・インタフェースはありません。これは、使用されるサービス用のSOAP Webサービス・エンドポイントで、WSDLへのURLを提供するJava Server Page (JSP)です。最初の概要Webページには、現在の構成に関する情報と設定手順のサマリーが表示されます。
WebCenter Content XDSコネクタと統合するには、XDS互換のエージェントが必要です。このエージェントは、WebCenter Content XDSコネクタのSOAPエンドポイントにポイントする必要があります。次の例のように、XDS.bと互換性のあるリポジトリ用およびXDS-I.bと互換性のあるリポジトリ用に、1つずつエンドポイントが存在します。
http://example.com:13200/ucmxds/DocumentRepositoryB http://example.com:13200/ucmxds/ImagingDocumentSource
これらの場所は、WARファイルのデプロイ方法に応じて変わります。デプロイメント後は、ルート・ホーム・ページにこれらのエンドポイントへのリンクが表示されます。
コンポーネントの監視
トレースを有効化する手順は次のとおりです。
コンテンツ・サーバーに管理者としてログインします。
「管理」、「システム監査情報」の順に選択します。
「xds」を選択し、標準または詳細のいずれかのトレース・タイプを選択します。
トレースは、UCMXDSアプリケーションのデプロイ時にTracingEnabledフラグをTrueに設定したときにのみ行われます。詳細は、「WebCenter Content XDSコネクタのWARファイルの構成」を参照してください。
Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイト(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=docacc
)を参照してください。
Oracle Supportへのアクセス
Oracleサポート・サービスでは、My Oracle Supportを通して電子支援サービスを提供しています。詳細情報は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info
)か、聴覚に障害のあるお客様は(http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs
)を参照してください。
Oracle WebCenter ContentのためのXDSコネクタの構成, 11g リリース1 (11.1.1)
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