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Oracle® Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.8.0)
B55906-09
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3 一般的なインストレーション・プランニング・タスク

この章では、任意のOracle Fusion Middlewareのインストールを開始する前に実行しておくべき一般的なタスクについて説明します。

次のトピックを取り扱います:

3.1 始める前に

この項では、システムのインストールまたはアップグレードを開始する前に目を通しておくべき重要な情報について説明します。

3.1.1 Oracle Fusion Middlewareの概念の確認と理解

Oracle Fusion Middlewareを初めて利用する場合、インストールまたはアップグレードを開始する前に、Oracle Fusion Middlewareの概念に関するドキュメントを参照してください。第2章「Oracle Fusion Middlewareの概念とディレクトリ構造の理解」には、製品をインストールする前に理解しておく必要があるOracle Fusion Middlewareのインストールのディレクトリ構造に関する重要な情報が含まれています。

3.1.2 アーキテクチャの計画および適切なドキュメントの参照

Oracle Fusion Middlewareドキュメントを使用して作成しようとする環境によって、アクセスするドキュメントは異なります。

単一ホスト上に単純な単一インスタンスのトポロジでインストールを計画している場合は、表3-1にリストされている製品ドキュメントを参照してください。

表3-1 Oracle Fusion Middleware製品と対応するインストール・ガイド

製品 インストール・ガイド

Oracle Identity Management

Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド


Oracle Web Tier

Oracle Fusion Middleware Oracle Web Tierインストレーション・ガイド


Oracle SOA Suite

Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteインストレーション・ガイド


Oracle WebCenter Portal

Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド


Oracle Application Developer

Oracle Fusion Middleware Application Developerインストレーション・ガイド


Oracle WebCenter Content

Oracle WebCenter Contentインストレーション・ガイド


Oracle Service Bus

Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busのインストレーション・ガイド


Oracle Business Intelligence

Oracle Fusion Middlewareインストレーション・ガイド for Oracle Business Intelligence


Oracle Data Integrator

Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorインストレーション・ガイド



複雑なエンタープライズ・デプロイメントや高可用性の環境の作成を計画している場合は、表3-2にリストされている製品ドキュメントを参照してください。

表3-2 Oracle Fusion Middlewareの高可用性およびエンタープライズ・デプロイメント・ガイド

製品 インストール・ガイド

すべて

Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド


Oracle SOA Suite

Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド


Oracle WebCenter Portal

Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド


Oracle WebCenter Content

Oracle Fusion MiddlewareのOracle Enterprise Content Management Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド


Oracle Business Intelligence

Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメント・ガイド



これらのすべてのドキュメントは、ご使用のリリースのOracle Fusion Middlewareドキュメント・ライブラリにあります。詳細は、Oracle Technology Networkの11gリリースのドキュメント・ライブラリのページを参照してください。

3.1.3 システム要件と仕様の確認

インストールまたはアップグレードを実行する前に、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントを参照し、インストールする製品の最小インストール要件をご使用の環境が満たしていることを確認してください。

このドキュメントには、ハードウェアとソフトウェアの要件、ディスク領域とメモリーの最小要件、データベース・スキーマの要件、および必要なシステム・ライブラリ、パッケージまたはパッチに関する情報が記載されています。

DHCPサーバー、ネットワーク化されていないコンピュータまたはマルチホスト化されたコンピュータにインストールする場合は、追加の構成手順が必要です。これらの手順は、システム要件に関するドキュメントにおける、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についての項でも参照できます。

Windowsオペレーティング・システムにインストールする場合で、第508条のアクセシビリティに対応するJava Access Bridgeをインストールおよび構成する場合は、このドキュメント内のJava Access Bridgeのインストールおよび構成に関する説明を参照してください。

UNIXオペレーティング・システム上にインストールする場合は、システムの設定時にUnicodeサポートを有効にすることをお薦めします。詳細は、このドキュメントのUnicodeサポートの有効化に関する説明を参照してください。

3.1.4 動作保証情報の確認

インストールまたはアップグレードを行う前に、Oracle Fusion Middleware 11gR1のシステム要件およびサポートされるプラットフォームに関するドキュメントを参照してください。このドキュメントでは、サポートされる32ビットおよび64ビット・オペレーティング・システム、データベース、Webサーバー、LDAPサーバー、アダプタ、IPv6、JDKおよびサード・パーティ製品の動作保証に関する情報が記載されています。これは、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成に関するページにあります。

3.1.5 相互運用性と互換性の確認

インストールまたはアップグレードを行う前に、『Oracle Fusion Middleware相互運用および互換性ガイド』を参照してください。Oracle Fusion Middleware製品が旧バージョンの他のOracle Fusion Middleware、Oracleまたはサード・パーティ製品と機能するために重要な情報がこのドキュメントに記載されています。この情報は、既存の環境をアップグレードする既存ユーザーと新しいOracle Fusion Middlewareユーザーの両方に適用されます。

3.1.6 Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの入手

具体的なニーズに応じて、Oracle Fusion Middlewareソフトウェアを入手できる場所は複数あります。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのダウンロード、インストールおよび構成のREADMEファイルのページを参照してください(ご使用の特定のリリースに関するREADMEファイルを参照できます)。

3.1.7 アプリケーション・サーバーのインストール

すべてのOracle Fusion Middleware製品(Oracle Web TierおよびOracle Identity Management (Oracle Internet Directoryを含む)を除く)は、ご使用のシステム上でアプリケーション・サーバーを必要とします。Oracle Application DeveloperやOracle SOA SuiteおよびBusiness Process Management Suiteの場合、Oracle WebLogic ServerやIBM WebSphereをアプリケーション・サーバーとしてインストールできます。Oracle Fusion Middleware 11gR1のシステム要件およびサポートされるプラットフォームのドキュメントを参照して、システムのインストールに対して動作が確認されたアプリケーション・サーバーのバージョンを調べてください。このドキュメントは、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成に関するページにあります。

すべてのOracle Fusion Middleware製品は、Oracle Middlewareホーム・ディレクトリにインストールされる必要があります。Oracle WebLogic Serverをアプリケーション・サーバーとしてシステムにインストールする際に、このディレクトリを作成できます。IBM WebSphereをアプリケーション・サーバーとして使用する場合、Oracle Fusion Middleware製品をインストールできるように、手動でMiddlewareホーム・ディレクトリを作成する必要があります。

インストール・ディレクトリ構造の詳細は、第2.2項「Oracle Fusion Middlewareインストールのディレクトリ構造」を参照してください。

Oracle WebLogic Serverをインストールする方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』のインストール・プログラムのグラフィック・モードでの実行に関する項を参照してください。

IBM WebSphereをインストールする方法の詳細は、Oracle Fusion Middlewareサード・パーティ・アプリケーション・サーバー・ガイドを参照してください。

3.1.8 データベースおよびスキーマのインストールと構成

ほとんどのOracle Fusion Middleware製品では、インストール時にデータベースを使用する必要があります(データベースが不要なのは、Oracle Web TierとOracle Forms and Reports (Oracle Identity Managementによる保護なし)のみです)。データベースが稼働している必要がありますが、コンポーネントのインストール先と同じシステムにある必要はありません。Oracle Fusion Middlewareコンポーネントに必要なスキーマを作成する際にリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用するため、データベースにはこのRCUとの互換性も必要です。


注意:

ネットワーク待機時間の問題を最小限にとどめるには、すべてのメタデータ・リポジトリを製品と同じサイトのデータベースに置くことをお薦めします。


Oracle Fusion MiddlewareとRCUで使用できるように動作保証されているデータベースと重要なデータベース構成情報の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』のRCUシステムとデータベースの要件に関する項を参照してください。

データベースのインストールと構成が終了したら、最新バージョンのRCUを実行してスキーマを作成します。手順については、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』のスキーマの作成に関する説明を参照してください。

メタデータ・リポジトリの管理の詳細は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様についてのドキュメントのOracle Metadata Repositoryの管理に関する説明を参照してください。

3.1.9 IBM DB2データベース用のオペレーティング・システム・ユーザーの作成

IBM DB2データベースを使用していない場合、この項はスキップできます。

IBM DB2データベースでは、対応するオペレーティング・システム・ユーザーを使用してデータベース・ユーザーを認証します。そのため、RCUを実行する前に、各スキーマのデータベース・ホストでオペレーティング・システム・ユーザーが1人作成されている必要があります。オペレーティング・システム・ユーザー名はスキーマ所有者名と一致し、小文字のみで構成されている必要があります。大文字のみの名前や大文字と小文字が混在する名前は使用できません。たとえば、RCUを使用してDEV_MDSという名前のスキーマを作成した場合は、オペレーティング・システム・ユーザー名はdev_mds(すべて小文字)にする必要があります。

オペレーティング・システム・ユーザーは、次のコマンドで作成できます(この例では、dev_mdsというオペレーティング・システム・ユーザーを作成し、welcome1というパスワードを割り当てます)。

/usr/sbin/useradd dev_mds -p welcome1 -d /scratch/dev_mds

詳細は、使用しているシステムのドキュメントを参照してください。

3.2 Oracle Configuration Managerのインストール

セキュリティ・アップデート(セキュリティ・アップデートの指定画面)およびソフトウェア更新(「ソフトウェア更新のインストール」画面)の有無を自動的にチェックするようにシステムを構成するかどうかをインストール時にたずねられます。処理を選択すると、Oracle Configuration Managerがシステムにインストールされます。

Oracle Configuration Managerは、主要なOracleとシステムの詳細情報を継続的に追跡管理しており、これによって構成の管理と提供に役立つ重要なデータが用意されます。収集データはHTTPSでOracle Supportに送信され、各構成のセキュアなビューが保持されます。My Oracle Supportには、システム・ヘルスのチェック、パッチに関するアドバイス、Oracle製品に関するそれ以外の重要情報が用意されています。Configuration Managerでは、ユーザー・パスワードなどのアプリケーション・データは収集されません。

詳細は、https://support.oracle.com/でMy Oracle Supportアカウントを作成するかログインしてから、「コレクタ」タブをクリックします。

3.3 インストールと構成の権限とユーザーの理解

この項の内容は、次のとおりです。

3.3.1 インストールと構成の権限

Oracleホームにインストールされたバイナリ・ファイルの所有権は、Fusion Middleware製品をインストールするユーザーに属し、そのユーザーはバイナリ・ファイルに対する読取り、書込みおよび実行の権限が付与されています。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーには、読取りと実行の権限のみあり、書込み権限はありません。これは、ファイルに書き込むことはできないが、インストールされているバイナリをOracleホームで使用して、Fusion Middleware製品のセットやドメインを構成できることを意味します。

構成中に構成処理で生成されたファイルの所有権は、構成ウィザードを実行するユーザーに属します。構成ウィザードを実行するユーザーには、それらのファイルに対する読取り、書込みおよび実行の権限が付与されています。オペレーティング・システム・グループにおける他のユーザーは、ファイルの読取りや実行は可能ですが、書込み権限はありません。

すべてのファイルに対する適切な権限を確認するために、同一の所有者が両方のタスク(Oracle Fusion Middleware製品のインストールおよび構成ウィザードを使用したWebLogic Serverドメインの構成)を実行する必要があります。

3.3.2 UNIXオペレーティング・システムでの非デフォルト・ユーザーとしてのインストール

UNIXオペレーティング・システムでは、インストールされたFusion Middleware製品の所有権は既知のユーザー(たとえば、oracle)に属して管理されます。このインストールに関連付けられているファイル関連権限は、可能な最高のレベルのセキュリティが確保されるように構成されます。デフォルトでは700 (すべてのファイルには所有者があり、所有者のみアクセス可能)になります。

デフォルトの権限設定を変更すると、インストールとシステムのセキュリティが脆弱になります。そのため、そのような変更はお薦めしません。特定のファイルや実行可能ファイルへのアクセス権が他のユーザーで必要な場合、ファイル関連権限を変更するかわりに、UNIXのsudoコマンド(または類似のコマンド)を検討してください。

さらにサポートが必要な場合は、ご使用のUNIXオペレーティング・システムに付属している管理者ガイドを参照するか、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

3.4 部分的または中断されたインストールや構成からのリカバリ

Oracle Fusion Middleware 11g製品のインストールは、次の2つのフェーズで構成されています。

  1. インストール・フェーズ

    このフェーズでは、インストーラはOracleホーム・ディレクトリにバイナリを配置します。Oracleホーム・ディレクトリはMiddlewareホーム・ディレクトリ内に存在する必要があり(第2.2.1項「MiddlewareホームとWebLogic Serverホーム・ディレクトリ」を参照)、このディレクトリにランタイム・プロセスを書き込むことはできません。

  2. 構成フェーズ

    このフェーズでは、システム・コンポーネントのインスタンスの構成またはJavaコンポーネントに関するWebLogic Serverドメインの構成(あるいはその両方)が行われます(Javaコンポーネントおよびシステム・コンポーネントの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドのOracle Fusion Middlewareの主要概念に関する項を参照してください)。

    Oracleインスタンス・ホーム(Oracleインスタンスの場合)およびWebLogic Serverドメイン(Javaコンポーネントをホストする管理対象サーバーの場合)は、バイナリを含まず、更新される可能性がある構成ファイル、ログ・ファイル、一時ファイルなどのファイルを保持します。

Oracle SOA Suite、Oracle Business Process Management Suite、Oracle WebCenter Portal、Oracle WebCenter Content、Oracle Application DeveloperおよびOracle Service Busのインストーラは、WebLogic ServerドメインにJavaコンポーネントを作成するだけです。これらの製品の場合、インストールおよび構成フェーズはまったく別のものであるため、ソフトウェアのインストール後に、構成ウィザードを別途実行してJavaコンポーネントを構成する必要があります。

Oracle Identity Management、Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererのインストーラは、WebLogic Serverドメインにシステム・コンポーネントおよびJavaコンポーネントの両方を作成します。Oracle Web Tierのインストーラはシステム・コンポーネントのみを作成し、オプションで、これらのコンポーネントを既存のWebLogic Serverドメインと関連付けることができます。これらの製品のインストーラには「インストールと構成」のためのオプションがあり、このオプションを選択すると、インストーラはインストールおよび構成フェーズの両方を実行します。「インストールと構成」を選択しない場合は、最初にバイナリをインストールした後に構成ツールを個別に実行して、コンポーネントを構成することができます。

部分的なインストールまたは構成からのリカバリに必要なアクションについては、次の項で説明します。

追加情報は、各製品のインストレーション・ガイドにおけるトラブルシューティングに関する付録を参照してください。

3.4.1 インストール・フェーズの失敗または中断からのリカバリ

インストール・フェーズにおいて製品のインストールが中断された場合、製品をアンインストールしてOracleホームを削除し、再度インストールを開始することをお薦めします。

製品固有のアンインストールについては、ご使用の製品のインストレーション・ガイドにおけるアンインストールに関する章を参照してください。

3.4.2 構成フェーズの失敗または中断からのリカバリ

インストール・フェーズが正常に完了しても、構成フェーズが中断して再起動されない場合は、次の方法をお薦めします。

  1. 失敗または中断の原因に対応し、修正を行います。

  2. グラフィカル・ユーザー・インタフェースの「再試行」ボタンを選択して、構成を再試行します。

  3. それでも構成を続行できない場合は、インストーラ(システム・コンポーネントの場合)または構成ウィザード(Javaコンポーネントの場合)のセッションを終了し、失敗したインスタンスまたはドメインを削除してから、構成ツールを再起動する必要があります。

    次のものは手動で削除する必要があります(これらのディレクトリすべてが使用している環境に含まれているとは限りません。これは、構成フェーズが失敗した、または中断が発生したタイミングにより異なります)。

    • インスタンス・ホーム・ディレクトリ

    • ドメイン・ホーム・ディレクトリ

    • アプリケーション・ホーム・ディレクトリ

    • MW_HOME/domain_registry.xmlファイルからドメイン・エントリを削除します。

    • WL_HOME/common/nodemanager/nodemanager.domainsファイルからドメイン・エントリを削除します。

    • Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合、失敗した構成で、OPMNに対してOracle Process Manager (instance_name)というラベルのWindowsサービスが作成されたかどうかを確認します。これが存在する場合は、次のコマンドを使用して手動で削除します。

      sc delete "service_name"
      

3.5 リモート・マシンでの管理対象サーバーの作成と起動

リモート・マシンのWebLogicドメインに管理対象サーバーを作成して起動するには、次の手順を実行します。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』の、リモート・マシンでの管理対象サーバーの作成および起動に関する項を参照してください。