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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalインストレーション・ガイド
11gリリース1 (11.1.1.8.3)
B55910-08
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1 インストールの概要

この章では、Oracle WebCenter Portalの概要と、単純な非クラスタ・トポロジにソフトウェアをインストールおよび構成するタスクの概要を説明します。

この章には次のトピックが含まれます:

1.1 Oracle WebCenter Portalの概要

Oracle WebCenter Portal (Oracle Fusion Middlewareの1製品)は、ポータル、Webサイトおよびコンポジット・アプリケーションの作成用に設計されたコンポーネントの統合スイートです。Oracle WebCenter Portalは、Java Server Faces (JSF)の標準ベースの宣言型開発、ポータルの柔軟性とパワー、および統合された一連のツールとサービスを組み合せて、エンドユーザーの生産性を高めます。

WebCenter Portalでは、オープンで拡張性のあるソリューションにより、ユーザーがポータルまたはアプリケーションのコンテキスト内で、インスタント・メッセージ、ドキュメント、コンテンツ管理、ディスカッション・フォーラム、Wiki、ブログ、タグ付けなどのツールおよびサービスと直接やり取りができます。このツールおよびサービスによって、ユーザーおよびITが、次世代のコラボレーションが可能なアプリケーションおよびポータルを構築およびデプロイするのが可能になります。

1.2 Oracle WebCenter Portalのインストールの開始ポイント

このガイドでは、単純な非クラスタ・トポロジに、Oracle WebCenter Portalをインストールおよび構成する方法について説明します。

現在の環境に最適な開始ポイントから、Oracle WebCenter Portalをインストール、アップグレードおよびパッチ適用する手順の詳細は、『Oracle WebCenter Portalインストレーションおよび構成ロードマップ』を参照してください。

Oracle WebCenter Portalを他のFusion Middlewareまたはサード・パーティ製品を含む環境にインストールし、Oracle WebCenter Portalコンポーネントをこれらの他の製品と連携させて使用するように構成する場合は、『Oracle Fusion Middleware相互運用および互換性ガイド』を参照して、互換性と相互運用性を確認してください。

1.3 Oracle WebCenter Portalのコンポーネント

Oracle WebCenter Portalでは、個人およびグループがより効率的に作業し協力できる構成可能な作業環境とともに、エンタープライズ対応のカスタマイズが可能なWebCenter Portalというアプリケーションがデフォルトで用意されています。また、Oracle WebCenter Portalでは、アプリケーション開発者がOracle JDeveloperなどのIDEを使用して、Portal Frameworkアプリケーションおよびポートレット・プロデューサ・アプリケーションを開発できます。WebCenter PortalをJDeveloperとともに使用すると、複雑なポータルを一から構築できます。

Oracle WebCenter Portalのすべてのコンポーネントはデフォルトでシステムにインストールされています。ポータルおよびPortal Frameworkアプリケーションに必要とされる機能に応じて、ドメインへの構成が必要なコンポーネントを選択できます。詳細は、第3.2.2.1項「構成するOracle WebCenter Portal製品の選択」を参照してください。

Oracle WebCenter Portalは次のコンポーネントで構成されています。

1.4 Oracle WebCenter Portalの管理対象サーバー

Oracle WebCenter Portalをインストールした後は、WebLogic Serverドメインを作成または拡張し、構成する必要があります。基本的なドメイン・インフラストラクチャは、1つの管理サーバーと様々なオプションの管理対象サーバーで構成されます。Oracle WebCenter Portalのドメインを構成するときは、新規ドメインの場合、WebLogic管理サーバーが作成されます。インストールするOracle WebCenter Portalコンポーネントに応じて、様々なWebLogicサーバー・インスタンスが作成され、各コンポーネントが適切な管理対象サーバーにデプロイされます。管理対象サーバーは、Oracleシステム・ライブラリ(JRFライブラリ)およびOracle ADFライブラリでプロビジョニングされます。

表1-1は、Oracle WebCenter Portalのドメイン構成時に作成される可能性があるサーバーをリストしています。

表1-1 Oracle WebCenter Portalのドメイン構成時に作成されるサーバー

WebLogicサーバー・インスタンス コンポーネント/ホストされるアプリケーション 説明

AdminServer


これがWebLogic管理サーバーです。管理サーバーはWebLogic Serverドメインを管理するための中枢になります。

管理サーバーは、管理コンソールとOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlコンソールをホストします。

WC_Spaces

WebCenter Portal

この管理対象サーバーは、Oracle WebCenter Portalドメインの作成時または拡張時に、デフォルトのポータル・アプリケーションであるWebCenter Portalのインストールを選択すると作成されます。

WC_Portlet

ポートレット・プロデューサ

ページレット・プロデューサ

サービス・ポートレット

この管理対象サーバーは、ドメインの作成時または拡張時に、Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサ、Oracle WebCenter Portalのポートレット・プロデューサまたはOracle WebCenter Portalのサービス・ポートレットのインストールを選択すると作成されます。

WC_Collaboration

ディスカッション・サーバー

この管理対象サーバーは、ドメインの作成時または拡張時に、Oracle WebCenter Portalのディスカッション・サーバーのインストールを選択すると作成されます。

WC_Utilities

Analyticsコレクタ

アクティビティ・グラフ・エンジン

パーソナライズ・サーバー

この管理対象サーバーは、ドメインの作成時または拡張時に、Oracle WebCenter PortalのAnalyticsコレクタ、アクティビティ・グラフ・エンジンまたはパーソナライズ・サーバーのインストールを選択すると作成されます。


Portal Frameworkアプリケーションおよびポートレット・プロデューサ・アプリケーションは、表1-1にリストしたどのデフォルト・サーバーにもデプロイできません。これらのアプリケーションをデプロイするには、次のカスタム管理対象サーバーを作成する必要があります。

詳細は、第3.2.3.2項「カスタム管理対象サーバーを作成するためのドメインの拡張」を参照してください。

図1-1は、Oracle WebCenter Portalドメインの例を示しています。この図では、管理サーバーとそのホスト対象のアプリケーションをピンクで示します。Oracle WebCenter Portalのコンポーネント/アプリケーションは黄色で、それらをホストする管理対象サーバーは茶色で示されます。

図1-1 Oracle WebCenter Portalドメインの構造

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle WebCenter Portalドメインの構造」の説明

1.5 Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造

図1-2は、単一ホストにおけるOracle WebCenter Portalインストールのディレクトリ構造を示しています。

WebLogic Serverをインストールすると、インストーラによってMiddlewareホーム・ディレクトリが作成され、その下にWebLogic Serverホーム・ディレクトリが作成されます。図1-2のピンクのボックスは、作成されたディレクトリを示します。インストールしたノード・マネージャは、WebLogic Serverホーム・ディレクトリの下にインストールされます。

Oracle WebCenter Portalをインストールすると、同じMiddlewareホーム・ディレクトリの下に次のディレクトリが作成されます(図1-2の緑色のボックス)。

Oracle WebCenter Portal OracleホームとOracle共通ホーム・ディレクトリは、両方とも既存のMiddlewareホーム・ディレクトリ内に存在する必要があります。

Oracle WebCenter Portalのインストール後は、構成ウィザードを使用してWebLogic Serverドメインを構成します。図1-2に、ドメイン・ホームの場所にデフォルト値を使用し新しいドメインを構成すると作成される典型的なディレクトリ構造を示します。

ただし、WebCenter Portalドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームのディレクトリはシステムの任意の場所に作成できます。これらのディレクトリをMiddlewareホーム・ディレクトリおよびOracle WebCenter Portal Oracleホーム・ディレクトリの外に作成することをお薦めします。これによって、MiddlewareホームまたはOracle WebCenter Portal Oracleホームにパッチを当てる必要がある場合、ドメインおよびアプリケーションのデータは変更されません。

図1-2 Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造

図1-2の説明が続きます
「図1-2 Oracle WebCenter Portalのインストールのディレクトリ構造」の説明

表1-2は、WebLogic ServerおよびOracle WebCenter Portalドメインの管理で特に重要なスクリプトについて説明しています。

表1-2 WebLogic ServerおよびOracle WebCenter Portalドメインの管理用のスクリプト

スクリプト 説明

startNodeManager.sh

ノード・マネージャを起動します。

ノード・マネージャでは、管理コンソールまたはコマンド・ラインを使用して管理対象サーバーをリモートで起動または停止できます。

stopNodeManager.sh

ノード・マネージャを停止します。

setDomainEnv.sh

ドメインのWebLogic Serverを起動するよう環境を設定します。デフォルトでは、このスクリプトはstartWebLogic.shスクリプトによって起動されます。

startWebLogic.sh

ドメインのWebLogic Serverを起動します。

stopWebLogic.sh

ドメインのWebLogic Serverを停止します。

startManagedWebLogic.sh

ドメインの管理対象サーバーを起動します。

stopManagedWebLogic.sh

ドメインの管理対象サーバーを停止します。

wlst.sh

コマンド・ラインでOracle Fusion Middlewareコンポーネントを管理できるようになります。


1.6 Oracle WebCenter Portalのインストールのロードマップ

図1-3には、Oracle WebCenter Portalをインストールおよび構成するための高レベルなタスクが示されています。表1-3は、それらのタスクをそれぞれ説明し、タスクが必須なのかオプションであるのかを示すほか、各タスクの詳細を知るためにアクセス可能なドキュメント・リンクをリストしています。表内で必要なリンクをクリックすると、それぞれのタスクの情報に移動します。

図1-3 単純なトポロジへのOracle WebCenter Portalのインストール

図1-3の説明が続きます
「図1-3 単純なトポロジへのOracle WebCenter Portalのインストール」の説明

表1-3 単純なトポロジへのOracle WebCenter Portalのインストール

タスク 説明 必須/オプション ドキュメント

インストール前のタスク

システム要件の確認

環境がOracle WebCenter Portalの最小インストール要件を満たしていることを確認します。

必須

次のリンクを参照してください。

  • ハードウェアとソフトウェア、データベース・スキーマ、最小ディスク領域およびシステム・ライブラリなどのシステム要件の詳細は、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様のページを参照してください。

  • 動作保証情報は、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページにある、Oracle Fusion Middleware 11gR1のシステム要件およびサポートされるプラットフォームのリンクを参照してください。

  • 相互運用性および互換性の詳細は、『Oracle Fusion Middleware相互運用性および互換性ガイド』を参照してください。

データベースのインストールおよび構成

サポートされているデータベースが起動され、動作中であることを確認します。Oracle WebCenter Portalは、Oracle Database、Microsoft SQL ServerおよびIBM DB2のサポート対象バージョンのデータベースにインストールできます。

必須

次のリンクを参照してください。

スキーマの作成

RCUを使用してOracle WebCenter PortalスキーマであるMDSWEBCENTERPORTLETACTIVITIESおよびDISCUSSIONSを作成します。作成する必要のあるスキーマは、インストールする予定のOracle WebCenter Portalコンポーネントにより異なります。WebCenter Portalおよび各Portal Frameworkアプリケーションの場合、個別のWebCenterスキーマを作成する必要があります。

注意: IBM DB2データベースを使用している場合、RCUを実行する前にオペレーティング・システム・ユーザーを各スキーマに1人作成していることを確認してください。

必須

次のタスクの詳細は、リンクを参照してください。

  • 作成する必要のあるスキーマの決定

  • RCUの入手

  • RCUの開始

  • スキーマの作成

Oracle WebLogic Serverのインストール

Oracle WebCenter PortalにはOracle WebLogic Serverが必要です。WebLogic Serverをインストールすると、Middlewareホームも作成されます。このMiddlewareホームは、Oracle WebCenter Portalのインストール時に使用します。

注意: WebLogic Serverを64ビットのJDKを使用し、64ビットのプラットフォームにインストールする場合、WebLogic Serverのインストール前に64ビットのJDKをインストールする必要があります。

必須

次のタスクの詳細は、リンクを参照してください。

インストール・タスク

Oracle WebCenter Portalのインストール

Oracle WebCenter Portalのインストーラをダウンロードします。

インストーラを実行すると、すべてのOracle WebCenter Portal製品のバイナリが配置されます。

必須

Oracle WebCenter Portalをインストールします

必要に応じたその他のFusion Middleware製品のインストール

要件に応じ、次などのその他のOracle Fusion Middleware製品をインストールします。

  • Oracle WebCenter Content Server - コンテンツ・プレゼンタでは必須、ドキュメントでは推奨。

  • Oracle SOA Suite - ワークリストおよびWebCenter Portalワークフローでは必須。

  • Oracle Web Tier (Oracle HTTP Server) - Content Serverの統合およびSSO (SSOは複数のログイン・プロンプトを停止するために必要) では推奨、RESTおよびSOAでは必須。

オプション

次のタスクの詳細は、リンクを参照してください。

  • Oracle WebCenter Content Serverのインストール

  • Oracle SOA Suiteのインストール

  • Oracle Web Tier (Oracle HTTP Server)

Oracle WebCenter Portalのドメインの構成

Oracle WebCenter Portalのドメインを作成し、インストールするコンポーネントを選択します。

必須

Oracle WebCenter Portalの構成

Oracle WebCenter Portalドメインの拡張

Oracle WebCenter Portalドメインの作成時に、1つまたは複数のOracle WebCenter Portalコンポーネントを構成しなかった場合は、後でドメインを拡張することよって追加できます。

組織でPortal Frameworkアプリケーションおよびポートレット・プロデューサ・アプリケーションを使用する予定の場合は、それらのアプリケーションをデプロイするために、ドメインを拡張してカスタム管理対象サーバーを作成する必要があります。

ドメインはいつでも拡張が可能で、Oracle WebCenter Portalの初回構成の直後に必ずしも拡張する必要はありません。

オプション

次のためにドメインを拡張します。

  • WebCenter製品の追加インストール

  • Portal Frameworkアプリケーションのカスタム管理対象サーバーの作成

  • ポートレット・プロデューサ・アプリケーションのためのカスタム管理対象サーバーの作成

  • Oracle BPM Process Spacesの有効化

インストール後のタスク

サーバーの起動

Oracle WebCenter Portalを起動するには、最初に管理サーバーを起動する必要があります。管理対象サーバーの共通の操作を実行するため、ノード・マネージャを構成した場合、ノード・マネージャを起動します。

Oracle WebCenter Portalコンポーネントの使用を開始するには、そのコンポーネントがデプロイされている管理対象サーバーをまず起動する必要があります。その後は、そのコンポーネントのURLにアクセスし、要件に従ってコンポーネントを構成することができます。

必須

次のタスクの詳細は、リンクを参照してください。

  • 管理サーバーの起動

  • ノード・マネージャの起動

  • 管理対象サーバーの起動

  • インストールの確認

セキュリティ・コンポーネントのインストールと構成

外部のLDAPベースの認証プロバイダをインストールし、Oracle WebCenter Portalで使用するように構成します。Oracle WebCenter Portalは、Oracle WebLogic Serverの組込みLDAPアイデンティティ・ストアをデフォルトで使用します。これは、本番環境でお薦めされません。

Oracle WebCenter Content Serverおよびディスカッションには、外部のLDAPベースのIDストアが必須です。Oracle WebCenter Content Serverとの統合には、シングル・サインオン(SSO)を構成することをお薦めします。

本番環境では必須

次のリンクを参照してください。

  • 外部LDAPベースのIDストアのインストール

  • Oracle WebCenter Portalによる外部のLDAPベースIDストアの使用の構成

  • ポリシーおよび資格証明ストアの構成

  • SSOの構成

Oracle WebCenter Content Serverのドメインの構成

Oracle WebCenter Content ServerをOracle WebCenter Portalのコンテンツ・リポジトリとして構成します。

また、Oracle Portal、Microsoft SharePointなどの他のコンテンツ・リポジトリを構成することもできます。

注意: Oracle WebCenter Contentは、コンテンツ・プレゼンタでは必須、ドキュメントおよびデフォルトのアプリケーションであるWebCenter Portalでは推奨です。

注意: このリリースにおいて、Oracle WebCenter Portalの新規インストールはFrameworkFoldersと統合できます。FrameworkFoldersのサポートを構成するには、Oracle WebCenter Content 11.1.1.8.0およびOracle WebCenter Portal 11.1.1.8.0の新規インストールに各種パッチを適用する必要があります。

必須

FrameworkFoldersのサポートを有効化する必要がある場合は、必要なパッチをインストールしてください。

コンテンツ・リポジトリの構成の詳細は、次のリンクを参照してください。

  • Oracle WebCenter Contentサーバー

  • Oracle Portal

  • Microsoft SharePoint

Oracle WebCenter Portalのツールおよびサービスに対するその他のバックエンド・コンポーネントのインストール、構成および接続

開発者およびアプリケーション・ユーザーは、Oracle WebCenter PortalのツールおよびサービスをPortal FrameworkアプリケーションおよびWebCenter Portalに統合できます。メールがMicrosoft Exchange Serverなどのメール・サーバーに依存するように、一部のツールおよびサービスはバックエンド・コンポーネントに依存します。ツールおよびサービスをポータルやアプリケーションに統合できるようにするには、必要なバックエンド・コンポーネントをインストールおよび構成する必要があります。

WebCenter Portalには、ポータル・メンバーシップ通知、ポータル・サブスクリプション・リクエストなど、事前作成されたワークフローがいくつか用意されています。これらを有効にするには、Business Process Execution Language (BPEL)サーバーをインストールして構成する必要があります。

オプション

Oracle WebCenter Portalのツールおよびサービスに対するバックエンド・コンポーネントのインストールおよび構成

  • Analyticsコレクタへの接続

  • BPELサーバーへの接続

  • ディスカッション・サーバーへの接続

  • WebCenter Portalワークフローを構成します。

  • ポートレット・プロデューサの登録

  • ページレット・プロデューサの登録

  • プレゼンス・サーバーへの接続

  • SES検索の構成

  • パーソナライズの構成

  • メール・サーバーへの接続

  • イベント・サーバーへの接続