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Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integratorインストレーション・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B62263-04
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E Oracle Data Integrator Studioを使用したリポジトリの作成

この付録では、Oracle Data Integratorリポジトリの作成および管理方法について説明します。Oracle Data Integratorで使用されるリポジトリの概要を示します。

この付録は次の項で構成されています:

E.1 Oracle Data Integratorのリポジトリの概要

Oracle Data Integratorのリポジトリには、次の2つのタイプがあります:

通常、リポジトリを作成するには、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用します。RCUによって、記憶領域の管理とリポジトリの作成が自動的に実行されます。ただし、リポジトリを手動で作成する必要がある場合は、手動によるリポジトリの作成と構成が可能です。

リポジトリの作成と構成に必要な手順については、次の各項で詳細に説明します:


注意:

作業リポジトリのサイズ削減を目的とする実行ログのパージと、データベース上のリポジトリのバックアップをメンテナンス作業として定期的に実行することをお薦めします。


リポジトリ管理用の拡張アクションの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の「リポジトリ管理用の拡張アクション」を参照してください。

E.2 リポジトリの記憶領域の作成

Oracle Data Integratorのリポジトリは、Oracle Fusion Middleware 11gでサポートされているデータベース・エンジンにインストールできます。サポートされているデータベースのバージョンと各データベース要件の最新リストは、次を参照してください:

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html

リポジトリを格納するデータベースごとに、記憶領域を作成する必要があります。


注意:

リポジトリはアプリケーション・データの保存場所とは異なる領域に格納することをお薦めします(たとえば、Oracleデータベースの異なるスキーマに格納するか、SybaseやMicrosoft SQL Serverなどの異なるデータベースに格納します)。


マスター・リポジトリは、作業リポジトリの1つとして同じスキーマに格納できます。スキーマは1つのマスター・リポジトリしか持つことができず、同じスキーマに異なる2つの作業リポジトリを作成することはできません。

次の表に、リポジトリの作成手順の例をガイドとして示します:

テクノロジ 手順

Oracle

マスター・リポジトリをホストするスキーマと、作業リポジトリをホストするスキーマを作成します。

これらのスキーマは、odimスキーマおよびodiwスキーマのそれぞれに対して次のSQLコマンドを実行することで作成されます。

マスター・リポジトリ:

SQL> create user MY_SCHEMA identified by MY_PASS
       default tablespace MY_TBS 
       temporary tablespace MY_TEMP; 
SQL> grant connect, resource to MY_SCHEMA;

作業リポジトリ:

SQL> create user MY_SCHEMA identified by MY_PASS
       default tablespace MY_TBS 
       temporary tablespace MY_TEMP; 
SQL> grant connect, resource to MY_SCHEMA;
SQL> grant execute on dbms_lock to MY_SCHEMA;

説明:

MY_SCHEMAは、作成するスキーマの名前(たとえばマスター・リポジトリのodimや作業リポジトリのodiw)に対応します。

MY_PASSは、デフォルト表領域MY_TBSに指定したパスワードに対応します。これは、データが格納されるOracle表領域です。

MY_TEMP: デフォルトの一時表領域です。

注意: 作業リポジトリのデータベース・ユーザーには、作業リポジトリ・スキーマのdbms_lockに対するgrant execute権限が必要です。

Oracle Database 12cにリポジトリを作成している場合、ユーザーがオブジェクトを作成できる割当て制限を割り当てる必要があります。予想されるサイズのリポジトリを収容できる割当て制限を選択します。リポジトリのサイズがわからない場合は、無制限の表領域を付与できます。例:

GRANT UNLIMITED TABLESPACE TO odi_DB_repos_user

Microsoft SQL ServerまたはSybase ASE

マスター・リポジトリをホストするデータベースdb_odimと、作業リポジトリをホストするデータベースdb_odiwを作成します。これらのデータベースをデフォルトで保持する2つのログインodimおよびodiwを作成します。

Enterprise Managerを使用して、2つのデータベース db_odimdb_odiwを作成します。

注意: 大/小文字を照合してリポジトリ情報を格納するMicrosoft SQL Serverデータベースを構成することをお薦めします。これにより、名前が同じで大/小文字が異なる複数のオブジェクトをリバース・エンジニアリングおよび作成できます(例: tablenameとTableNAme)。

クエリー・アナライザまたはI-SQLを使用して、次のコマンドを実行します。

CREATE LOGIN mylogin
     WITH PASSWORD = 'mypass',
     DEFAULT_DATABASE = defaultbase,
     DEFAULT_LANGUAGE = us_english;
USE defaultbase;
CREATE USER dbo FOR LOGIN mylogin;
GO

説明:

mylogin: odimまたはodiwに対応します。

mypass: これらのログインのパスワードに対応します。

defaultbase: それぞれdb_odimおよびdb_odiwに対応します。

DB2/400

マスター・リポジトリをホストするライブラリodimと、作業リポジトリをホストするライブラリodiwを作成します。これらのライブラリをデフォルトで保持する2つのユーザーodimおよびodiwを作成します。

マスター・リポジトリおよび作業リポジトリのユーザーには、16KB以上のページ・サイズの表領域へのアクセス権を付与する必要があります。データベースには16KB以上の一時表領域が必要です。

次のコマンドを使用して、ページ・サイズを設定します。

CREATE  LARGE  TABLESPACE ODI16 PAGESIZE 16 K  MANAGED BY AUTOMATIC STORAGE ;
 
GRANT USE OF TABLESPACE ODI16 TO USER ODIREPOS; 

注意: 各ライブラリは、SQLコレクションの形式で作成する必要があります。

MySQL

MySQL (リリース5.5.14以上)を使用してリポジトリを設定し、データベースのキャラクタ・セットがUTF8に設定されている場合は、非ASCIIデータをOracle Data Integrator Studioで正しく操作するために次のパラメータをリポジトリのJDBC URLに追加する必要があります。

useUnicode=yes&characterEncoding=UTF-8 

E.3 マスター・リポジトリの作成

マスター・リポジトリを作成する作業は、空のリポジトリ構造を作成し、そのリポジトリ構造にメタデータ(テクノロジの定義や組込みのセキュリティ・プロファイル)をシードする作業です。

マスター・リポジトリを作成するには:

  1. 「ファイル」「新規」を選択して新規ギャラリを開きます。

  2. 新規ギャラリの「カテゴリ」ツリーで、「ODI」を選択します。

  3. 「項目」リストから「マスター・リポジトリ作成ウィザード」を選択します。

  4. 「OK」をクリックします。

    マスター・リポジトリ作成ウィザードが開きます。

  5. 「データベース接続」で、次のようにパラメータを指定します。

    • テクノロジ: リストから、マスター・リポジトリをホストするテクノロジを選択します。デフォルトは「Oracle」です。

    • JDBCドライバ: リポジトリをホストするテクノロジへのアクセスに使用するドライバ。

    • JDBC URL: データベースへのJDBC接続の確立に使用するURL。

      「JDBCドライバ」パラメータと「URL」パラメータは同期化され、デフォルト値はテクノロジによって異なります。

    • ユーザー: 表の所有者のユーザーIDまたはログイン(例: odim)。

    • パスワード: このユーザーのパスワード。

    • DBAユーザー: データベース管理者ユーザーIDを入力します。

    • パスワード: DBAのパスワードを入力します。

  6. 「リポジトリ構成」で、次のようにパラメータを指定します。

    • ID: デフォルトの0とは異なる新規リポジトリに固有のIDを入力します。


      注意:

      このIDは、リポジトリ間のインポートおよびエクスポートに影響するため、固有で他のマスター・リポジトリに使用されていないものにすることをお薦めします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のエクスポート/インポートに関する項を参照してください。


  7. 「テスト」をクリックして、マスター・リポジトリへの接続をテストします。

    「情報」ダイアログが開き、接続が確立されたかどうかが通知されます。接続に失敗した場合は、マスター・リポジトリへの接続を修正してから次の手順に進んでください。

  8. 「次へ」をクリックします。

  9. 次のいずれかの操作を行います。

    • ODIの内部セキュリティ・システムを使用してユーザーを管理する場合は、「ODI認証の使用」を選択し、次のスーパーバイザ・ログイン情報を入力します。

      プロパティ 説明

      スーパーバイザ・ユーザー

      ODIスーパーバイザのユーザー名。

      スーパーバイザ・パスワード

      このユーザーのパスワード

      パスワードの確認

      このユーザーのパスワード


    • Oracle Internet Directoryなどの外部エンタープライズ・アイデンティティ・ストアを使用してユーザー認証を管理する場合は、「外部認証の使用」を選択し、次のスーパーバイザ・ログイン情報を入力します。

      プロパティ 説明

      スーパーバイザ・ユーザー

      ODIスーパーバイザのユーザー名

      スーパーバイザ・パスワード

      このユーザーのパスワード



      注意:

      外部認証オプションを使用する場合は、ODI Studioを外部認証に対応するように構成する必要があります。『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の外部認証の設定に関する項を参照し、ODI Studioを再起動します。


  10. 「次へ」をクリックします。

  11. パスワード記憶域の詳細を指定します。

    • Oracle Data Integratorのマスター・リポジトリにパスワードを保存する場合は、「内部パスワード記憶域」を選択します。

    • JPS資格証明ストア・フレームワーク(CSF)を使用してデータ・サーバーおよびコンテキスト・パスワードをリモートの資格証明ストアに保存する場合は、「外部パスワード記憶域」を選択します。資格証明ストアにアクセスするために「MBeanサーバー・パラメータ」を指定します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のOracle Data Integratorでのセキュリティの管理に関する項を参照してください。

  12. マスター・リポジトリ作成ウィザードで「終了」をクリックして、入力内容を確認します。

マスター・リポジトリの作成が開始されます。表示されるメッセージとログで進行状況を確認できます。作成されたマスター・リポジトリをテストするには、第E.4項「マスター・リポジトリへの接続」を参照してください。

E.4 マスター・リポジトリへの接続

マスター・リポジトリに接続するには:

  1. 「ファイル」「新規」を選択して新規ギャラリを開きます。

  2. 新規ギャラリの「カテゴリ」ツリーで、「ODI」を選択します。

  3. 「項目」リストから「新規ODIリポジトリ・ログインの作成」を選択します。

  4. 「OK」をクリックします。

    「リポジトリ接続情報」ダイアログが表示されます。

  5. Oracle Data Integrator接続の詳細を次のように指定します:

    • ログイン名: 接続の別名(例: Repository)。

      接続の別名は、マスター・リポジトリに接続し、第E.5項の説明に従って作業リポジトリを作成するために使用します。

    • ユーザー: マスター・リポジトリの作成時に定義したODIスーパーバイザ・ユーザー名、またはマスター・リポジトリの作成後にセキュリティ・ナビゲータで定義したODIユーザー名。

    • パスワード: マスター・リポジトリの作成時に定義したODIスーパーバイザ・パスワード、またはマスター・リポジトリの作成後にセキュリティ・ナビゲータで定義したODIユーザー・パスワード。

  6. データベース接続(マスター・リポジトリ)の詳細を次のように指定します:

    • ユーザー: ODIマスター・リポジトリを保持するスキーマ(データベース、ライブラリ)のデータベース・ユーザーIDまたはログイン。

    • パスワード: このユーザーのパスワード。

    • ドライバ・リスト: 作成したマスター・リポジトリをサポートするDBMSへの接続に必要なドライバをドロップダウン・リストから選択します。

    • ドライバ名: ドライバの完全な名前。

    • URL: リポジトリをホストするデータベースへのJDBC接続の確立に使用するURL。

  7. 「テスト」をクリックして、接続が有効であることを確認します。

  8. 「OK」をクリックして、入力内容を検証します。

E.5 作業リポジトリの作成

必要に応じて、複数のマスター・リポジトリに対して複数の作業リポジトリを指定できます。ただし、バージョン管理上の目的のため、1つの作業リポジトリは1つのマスター・リポジトリにのみリンクできます。

作業リポジトリの作成を開始するには:

  1. トポロジ・ナビゲータで、「リポジトリ」パネルに移動します。

  2. 「作業リポジトリ」ノードを右クリックして「新規作業リポジトリ」を選択します。

    作業リポジトリの作成ウィザードが開きます。

  3. Oracle Data Integrator作業リポジトリ接続の詳細を次のように指定します。

    • テクノロジ: 作業リポジトリをホストするサーバーのテクノロジを選択します。デフォルトは「Oracle」です。

    • JDBCドライバ: リポジトリをホストするテクノロジへのアクセスに使用するドライバ。

    • JDBC URL: 作業リポジトリをホストするデータ・サーバーの完全なパス。

      「JDBCドライバ」パラメータと「URL」パラメータは同期化され、デフォルト値はテクノロジによって異なります。

    • ユーザー: 作業リポジトリに対して作成およびホストする表の所有者のユーザーIDまたはログイン。

    • パスワード: このユーザーのパスワード。

  4. 「テスト」をクリックして、接続が有効であることを確認します。

  5. 「次へ」をクリックします。

    ステップ3で指定した接続に対する作業リポジトリがすでに存在しているかどうかが検証されます。

    • この接続に対する既存の作業リポジトリが検出された場合は、次の段階として、その作業リポジトリをマスター・リポジトリに連結します。手順の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の作業リポジトリの連結および削除に関する項を参照してください。

    • この接続に対する作業リポジトリが検出されなかった場合は、新規の作業リポジトリが作成されます。新規作業リポジトリの作成を続行し、次のステップにある作業リポジトリの詳細を指定してください。

  6. Oracle Data Integrator作業リポジトリのプロパティを指定します:

    • ID: デフォルトの0とは異なる新規リポジトリに固有のID。


      注意:

      このIDは、リポジトリ間のインポートおよびエクスポートに影響するため、固有で他のマスター・リポジトリに使用されていないものにすることをお薦めします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のエクスポート/インポートに関する項を参照してください。


    • 名前: 作業リポジトリに一意の名前を指定します(例: DEVWORKREP1)。

    • パスワード: 作業リポジトリのパスワードを入力します。

    • タイプ: 作業リポジトリのタイプを選択します。

      • 開発: このタイプのリポジトリでは、データ・モデルやプロジェクトなど(インタフェース、プロシージャなども含む)の設計時オブジェクトを管理できます。開発リポジトリには、ランタイム・オブジェクト(シナリオおよびセッション)も含まれます。このタイプのリポジトリは開発環境に適しています。

      • 実行: このタイプのリポジトリには、ランタイム・オブジェクト(シナリオ、スケジュールおよびセッション)のみが含まれます。オペレータ・ナビゲータで、データ統合ジョブを起動および監視できます。これにより、「オペレータ・ナビゲータ」で、データ統合ジョブを起動および監視できます。このタイプのリポジトリには設計時のオブジェクトを含めることができず、これを「デザイナ・ナビゲータ」で使用することはできません。実行リポジトリは本番環境に適しています。

  7. 「終了」をクリックします。

  8. 「作業リポジトリ・ログインの作成」ダイアログが開きます。作業リポジトリのログインを作成する場合は、「はい」をクリックします。新しいダイアログが開き、ログイン名を入力するように求められます。作業リポジトリのログインを作成しない場合は、「いいえ」をクリックします。

  9. ツールバーにある「保存」をクリックします。

詳細は、第E.6項「作業リポジトリへの接続」を参照してください。

E.6 作業リポジトリへの接続

既存の作業リポジトリに接続してデザイナ・ナビゲータを起動するには:

  1. 「ファイル」「新規」を選択して新規ギャラリを開きます。

  2. 新規ギャラリの「カテゴリ」ツリーで、「ODI」を選択します。

  3. 「項目」リストから「新規ODIリポジトリ・ログインの作成」を選択します。

  4. 「OK」をクリックします。

    「リポジトリ接続情報」ダイアログが開きます。

  5. Oracle Data Integrator接続の詳細を次のように指定します:

    • ログイン名: 接続の別名(例: Repository)。

      接続の別名は、作業リポジトリに接続し、第E.4項の説明に従ってマスター・リポジトリを作成するために使用します。

    • ユーザー: マスター・リポジトリの作成時に定義したODIスーパーバイザ・ユーザー名、またはマスター・リポジトリの作成後にセキュリティ・ナビゲータで定義したODIユーザー名。

    • パスワード: マスター・リポジトリの作成時に定義したODIスーパーバイザ・パスワード、またはマスター・リポジトリの作成後にセキュリティ・ナビゲータで定義したODIユーザー・パスワード。

  6. データベース接続(マスター・リポジトリ)の詳細を次のように指定します:

    • ユーザー: ODIマスター・リポジトリを保持するスキーマ(データベース、ライブラリ)のデータベース・ユーザーIDまたはログイン。

    • パスワード: このユーザーのパスワード。

    • ドライバ・リスト: 作成したマスター・リポジトリをサポートするDBMSへの接続に必要なドライバをドロップダウン・リストから選択します。

    • ドライバ名: ドライバの完全な名前。

    • URL: リポジトリをホストするデータベースへのJDBC接続の確立に使用するURL。

  7. 「テスト」をクリックして、接続が有効であることを確認します。

  8. 「作業リポジトリ」を選択し、作業リポジトリの詳細を次のように指定します。

    • 作業リポジトリ名: 前のステップで作業リポジトリに指定した名前(例ではWorkRep1)。このフィールドの右側にあるボタンをクリックすると、マスター・リポジトリで使用可能な作業リポジトリのリストを表示できます。

  9. 「OK」をクリックして、入力内容を検証します。