このドキュメントでは、Oracle Data Integrator 11g リリース1(11.1.1)で導入された新機能および拡張機能について説明します。
この章では、次の項目について説明します。
Oracle Data Integrator 11gR1 (11.1.1.7)では、次の機能が強化されています。
ODI WebSphereのサポート(ホットプラガブル性)
Oracle Fusion Middlewareの中核的な戦略と主要機能は、そのホットプラガブル性です。異機種が混在する企業向けに構築されたOracle Fusion Middlewareは、モジュール形式のコンポーネント・ソフトウェアで構成されており、それらのソフトウェアは、一般的な各種プラットフォーム上で稼働し、IBM、Microsoft、SAPなど、他のソフトウェア・ベンダーのミドルウェア・テクノロジやビジネス・アプリケーションと相互運用されます。ホットプラガブル性によって、Oracle以外の環境でも、また複数のアプリケーション・サーバー上でもコンポーネントのデプロイと運用を可能にすることを目指しています。
このリリースのODIでは、IBM WebSphere Application Server (WAS)がサポートされるようになりました。ODIエージェントとデータソースは、Oracle WebLogic Server (WLS)とIBM WebSphere Application Server (WAS)にデプロイできるようになります。
XMLドライバの機能強化
標準のOracleパーサーを使用して、XMLスキーマ構造を完全サポートします。
JDBCドライバの新しいパラメータ、compat_mode。XDK XSDパーサーなどのマッピング・モードとの互換性を指定します。
JDBCの新しいドライバ・コマンド、WRITEMAPPINGFILE。XSD/DTDファイルに作成されたリレーショナル構造を把握しやすくなります。マッピング・ファイルには、要素/属性ごとに、要素/属性名から表/table.column名のマッピングが含まれます。
JDBCコマンドCREATE SCHEMAに、compat_modeパラメータが追加されます。
スタンドアロン・エージェントに対するSSLサポート
スタンドアロン・エージェントは、セキュアな接続のためのSSLプロトコルをサポートするようになります。スタンドアロン・エージェントのサーバー側トランスポート・プロトコルを指定し、SSLトラストストアおよびキーストアを構成するために、新しいパラメータが追加されました。
agent.sh/agent.batスクリプトに新しい環境変数を追加
odiparams.sh/odiparams.batスクリプトに新しい構成変数を追加
odiparam.sh/odiparams.batスクリプトにJavaシステム・プロパティを追加
ODI CoreにおけるEDQオープン・ツールの追加
ODI 11gR1 PS2 ( 11.1.1.6)で導入された、Oracle Enterprise Data Quality (Datanomic)ジョブを呼び出すEDQオープン・ツールが、標準のODIツールとして使用できるようになります。OdiEnterpriseDataQualityツールには、MBeanドメインを接続する新しいオプションのパラメータが追加されます。
Oracle Data Integrator 11gR1 (11.1.1.6)では、次の機能が強化されています。
ショートカット
このODIリリースでは、ショートカットという新しいオブジェクトが導入されます。ショートカットを使用すると、同じ表と列、同じ制約、同じ変換など、同じソース・アプリケーションの異なる2つのバージョン間によくある大きな共通性を示すことができるため、生産性が著しく向上します。
ショートカットは、別の場所に格納されている共通のOracle Data Integratorオブジェクトへのリンクであり、データストア、統合インタフェース、パッケージ、プロシージャに対して作成できます。また、特定のタグに基づいてショートカットのマテリアライズを管理するために、リリース・タグが導入されました。
変数と順序の追跡
変数や順序は通常、Oracle Data Integratorプロセスで使用されます。Oracle Data Integrator 11.1.1.6では、実行済のセッション中に使用された変数や順序の実際の値を判断するための新機能が導入されます。変数と順序の追跡は、デバッグ目的に特に役立ちます。
また、変数の追跡機能では、変数がマッピングで使用されたのか、または変数評価ステップなどの内部操作で使用されたのかも判断できます。
グローバル・ナレッジ・モジュール
ODI 11.1.1.6では、複数のプロジェクトで特定のKMを共有するための、グローバル・ナレッジ・モジュール(KM)が導入されます。前のバージョンのODIでは、ナレッジ・モジュールは常にプロジェクトに固有で、そのナレッジ・モジュールをインポートしたプロジェクトでのみ使用可能でした。グローバルKMは、「グローバル・オブジェクト」アコーディオンのデザイナ・ナビゲータにリストされます。
拡張されたセッション・ロギング
このリリースでは、ナレッジ・モジュール・コマンドおよびプロシージャ・コマンドの実行ログの判読性が向上しました。オペレータ・ナビゲータでソースおよびターゲット・コマンドの最終コードが使用可能になったため、複数のランタイム・パラメータを含む実行を容易に確認できるようになりました。
失敗したロード計画の処理の拡張
失敗したロード計画ステップの実行ステータスを、ロード計画実行エディタの「ステップ」タブで、「エラー」から「完了」に変更できるようになりました。これにより、ロード計画実行を次に再開するときに、この特定のロード計画ステップを無視できます。これは、このロード計画ステップの失敗の原因になったエラーを現時点で修正できない場合などに便利です。ただし、このロード計画ステップのステータスに関係なく、残りのロード計画を実行できます。ステータスを「完了」に変更すると、次の実行でステップは無視されます。
ロード計画での変数処理の拡張
ロード計画の見やすさを向上するため、ロード計画変数が2つの表にグループ化されて、シナリオ変数とその他の変数が区別されるようになりました。
スマート・エクスポートおよびスマート・インポート
開発、品質保証、本番など複数の環境で作業する場合、リポジトリ間でのOracle Data Integratorオブジェクトのエクスポートおよびインポートは一般的な作業です。この作業を、新しいスマート・エクスポートおよびスマート・インポート機能の手順に従って実行できるようになりました。この機能により、高度なコード管理機能も提供されます。
スマート・エクスポートは、オブジェクトとそのオブジェクト依存関係すべてを自動的にエクスポートします。これは、一貫した軽量のオブジェクト・セットを、変更されたオブジェクト・セットのみを含めて、リポジトリ間で移動する場合に特に便利です。
スマート・エクスポートおよびスマート・インポート機能は、軽量で一貫したエクスポートおよびインポートのメカニズムで、次のような主要機能を提供します。
インポート対象オブジェクトとリポジトリ内にすでにあるオブジェクト間の自動化されたカスタマイズ可能なオブジェクト照合ルール
一致するオブジェクトがリポジトリにあった場合にインポート対象オブジェクトに適用する一連のアクション
スマート・インポート時に検出された壊れているリンクや競合ごとにデフォルトで使用するソリューションを提示する、プロアクティブな問題検出と解決策
Enterprise Data Quality統合
EnterpriseDataQualityオープン・ツールを使用して、Oracle Enterprise Data Quality (Datanomic)のジョブをパッケージで呼び出すことができます。開発者はOracle Enterprise Data Qualityでデータ品質プロセスを設計して、ODIでETLステップとともにパッケージで呼び出すことができます。
EnterpriseDataQualityオープン・ツールはオープン・ツールの標準手順を使用してインストールされ、Oracle Data Integratorに即時利用可能な状態で提供されているツールと同様に、パッケージまたはプロシージャで使用できます。
Groovyエディタ
このリリースでは、Groovyエディタが導入されました。Groovyエディタは、ODI Studioのコンテキスト内でGroovyスクリプトを作成、編集および実行するための単一の環境を提供します。Groovyエディタでは、構文の強調表示や共通のコード・エディタ・コマンドなど、コード・エディタのすべての標準的な機能が提供されます。
取消およびやり直し操作のサポート
キーボード・ショートカットCTRL+ZおよびCTRL+Yを使用して、エディタ、ダイアログ、ウィザード、プロパティ・インスペクタで、変更内容の取消およびやり直しができるようになりました。
テキスト・フィールドおよびリストのオートコンプリート
ODI Studioの一部のテキスト・コンポーネントおよびドロップダウン・リストでオートコンプリートがサポートされるため、ユーザーの生産性が向上します。
ナレッジ・モジュールのバージョン番号
ナレッジ・モジュールのバージョン番号により、使用された環境を識別するために提供される情報が改善されます。
KMがいつ変更されたか、いつOracleからリリースされた元のナレッジ・モジュールでなくなったか、を特定できるようになりました。
KMの変更は、バージョン番号によって追跡できます。
KMがいつjarファイルやdllファイルなどの外部コンポーネントとともにリリースされたか、確認をできるようになりました(SAPおよびHyperion KMの例の場合)。
特定のODIバージョンがKMバージョンと互換性があるかどうか、を示すことができます。
Oracle Data Integrator 11gR1 (11.1.1.5)では、次の機能が強化されています。
ロード・プランはこのリリースで導入された新しいオブジェクトで、パッケージおよびシナリオの実行を高レベルで編成します。ロード・プランには、パラレル、順次および条件付きのシナリオ実行、再開可能および例外処理の機能が用意されています。ロード・プランは本番環境で作成および変更できます。
Oracle Business Intelligence Enterprise Edition (OBIEE)ユーザーは、レポートに表示されるデータの起点を把握する必要があります。Oracle Data Integratorを使用してソース・システムからデータ・ウェアハウスにこのデータがロードされると、Oracle Data Integrator Lineage for Oracle Business Intelligence機能を使用して、ODIメタデータをOBIEEと統合し、レポートからソースのデータ系統ダッシュボードのこのメタデータをOBIEEに公開できます。
ODIコンポーネントまたはセッションによってこのデータ・サーバーへの接続が作成またはクローズされたときに自動的に実行されるデータ・サーバー・コマンドに対して定義できます。
新しい複合ファイル・テクノロジを使用して、複合ファイル形式(複数のレコード・ファイル)を統合できるようになりました。このテクノロジは、Native Schema (nXSD)記述ファイルを使用して複合ファイル形式をリレーショナル構造に変換する新しい組込みのドライバを利用します。
Groovyは、ナレッジ・モジュールおよびプロシージャで使用できるように、Oracle Data Integratorでサポートされるスクリプト・エンジンのリストに追加されます。
Oracle Data IntegratorのWebサービス・サポートは、次の機能によって強化されています。
コンテナ・ベース認証のサポート: Oracle Platform Security Services (OPSS)を使用して外部認証およびコンテナ・ベース認証が構成されている場合、SOAPリクエストではなく、HTTP基本認証、WS-Securityヘッダー、SAMLトークンなどを使用して、認証をODIランタイムWebサービスに渡すことができます。
非同期コールおよびコールバックのサポート: シナリオまたはセッションは、一方向操作のランタイムWebサービスを使用して開始できます。セッションが完了すると、実行の結果によってコールバック・アドレスで操作がトリガーされます。このパターンは、Oracle BPELなどから開始された長時間のセッションの処理に使用できます。
アウトバウンドWebサービス・コールの完全なSOAPエディション: OdiInvokeWebServiceツールは、SOAPヘッダーおよび本文を含む完全なSOAPメッセージをサポートするようになりました。
Oracle Data Integratorで使用される次のテクノロジが追加および更新されました。
埋込みHSQLエンジンがバージョン2.0にアップグレードされました。この埋込みエンジンは、メモリー・エンジンおよびXMLドライバとLDAPドライバの組込み記憶域に使用されます
Jython BSFエンジンがバージョン2.1に更新されました
Webサービス・コールおよび処理の標準スタックとしてJAX-WS/JRFが使用されるようになりました。Axisは使用されなくなりました
テクノロジは、結合の順序付き構文と非順序付き(データベース固有)構文の両方をサポートできるようになりました。Oracle DBテクノロジは、両方の結合構文をサポートするように変更されました。
実行時にタスクの名前を更新するための新しいsetTaskNameメソッドが使用できるようになりました。
Oracle Data Integrator - エージェント・ライブラリと呼ばれる新しいテンプレートには、ドメイン内のすべてのデプロイ済JEEエージェントで共有されるライブラリが含まれており、Oracle Data Integrator - エージェント・デフォルト・テンプレートまたは生成テンプレートの前にデプロイする必要があります。
設計時コンポーネントおよび実行時コンポーネントのパフォーマンスを向上するために、次の最適化が行われました。
ロング・テキスト記憶域がCLOBを使用するように変更されました
実行時のエージェントとリポジトリ間のネットワーク通信が削減されました
エージェントJDBCからJDBCへのロード・メカニズムが確認および最適化されました
このOracle Data Integratorの最初のリリースでは、多数の新機能が導入されています。この項では、リリース・テーマごとにグループ化して説明します。
この項の内容は次のとおりです。
このリリースのOracle Data Integratorの新機能は数多くの様々な領域をカバーしていますが、新規および既存の顧客にとって最も重要な変更点は、次のとおりです。
エンタープライズスケールのデプロイメント・オプションでサポートされる新規アーキテクチャ
Oracle Data Integratorでは、軽量スタンドアロン・デプロイメントに関する複数のデプロイメント・オプションと、クラスタ化が可能でありフォルト・トレラントなアプリケーション・サーバー・フレームワークに基づくデプロイメントの強化アーキテクチャを提供するようになりました。この領域の機能は次のとおりです。
データベース・ソフトウェアが動作するハードウェア上でエージェントをデプロイする必要がある場合のスタンドアロン・エージェント・デプロイメント
クラスタ化されたJava EE構成でエージェントが使用される場合のJava EEエージェント
セキュリティ強化および集中管理認証をサポートするための外部パスワード記憶域および外部認証とSSO
高可用性を実現するためのリポジトリ接続再試行、OPMN統合およびWLSクラスタ化のサポート
Java EEエージェント・テンプレート生成、Java EEコンポーネントの事前パッケージ済WebLogic ServerテンプレートおよびWebLogic Serverの自動データソース作成
生産性およびパフォーマンスを強化するためのコア・デザインタイム機能
Oracle Data Integratorでは、統合フローの開発生産性およびパフォーマンスを向上させるためのコア機能セットが提供されるようになりました。この領域の機能は次のとおりです。
標準JDeveloperベースIDE: Oracle Data Integrator Studio
Oracle Data Integratorユーザー・インタフェースは、JDeveloperベースの統合開発環境(IDE)を使用するようになり、名前がOracle Data Integrator Studioに変更されました。このリリースでは、開発者の生産性を向上させ、拡張機能をより利用しやすいものにするために、ユーザー・インタフェースが完全に再設計されています。この新規IDEでは次の主要機能が提供されます。
開発者にとっての有用性および生産性の強化
開発インタフェースの完全な再設計に加えて、Oracle Data Integratorでの作業中における開発者の操作性および生産性を向上させるための機能が追加されました。この領域の機能は次のとおりです。
表形式でインタフェースを編集するクイック編集
インタフェース・エディタのエラーの自動修正
デザインタイムおよびランタイム操作をプログラムで管理するためのOracle Data Integrator Java API
管理の新機能
Oracle Data Integratorコンポーネントおよびセッションの管理性を向上させる機能が追加されました。この領域の機能は次のとおりです。
高度な診断機能
Oracle Data Integratorは、問題のトラブルシューティングおよび修正を容易にする機能によって改善されています。この領域の機能は次のとおりです。
テクノロジとナレッジ・モジュールの強化
このリリースで計画された新規テクノロジおよびナレッジ・モジュールは、10gライフサイクル・パッチ・セットで継続的に提供されてきました。さらに、既存のナレッジ・モジュールおよびテクノロジが新規コア製品機能および診断をサポートするよう拡張されました。
10gリリース3パッチ・セットで追加された機能は、次のとおりです。
このリリースで追加された機能は次のとおりです。
リリース11.1.1には多くの新機能が組み込まれています。これらの機能は下にリストしており、次のコンポーネントおよび機能領域にグループ化されます。
Oracle Data Integratorランタイム・エージェントは、この項にリストした機能によって強化されています。
Java EEエージェント
ランタイム・エージェントは、アプリケーション・サーバー内にJava EEコンポーネントとしてデプロイできるようになりました。この構成では、大型の構成向けのクラスタ化および接続プーリングなどのアプリケーション・サーバー・レイヤー機能を利用できます。このJava EEエージェントはMBeanインタフェースを公開することで、アプリケーション・サーバー・コンソールからのライフサイクル操作(開始/停止)、ならびにアプリケーション・サーバー・コンソールでエージェント・アクティビティおよび状態を監視する目的で使用できるメトリックを有効にします。
スタンドアロン・エージェント
Java EEエージェントの他に、スタンドアロン・エージェント(Oracle Data Integratorの旧リリースで使用可能なエージェントに類似)を使用できます。これは単純なJava仮想マシンで動作し、統合フローの実行に必要とされる場所にデプロイできます。
接続されたスケジューラ
どちらのエージェント・フレーバも現在は常にマスター・リポジトリに接続されており、ビルトイン・スケジューラ・サービスによって開始されています。このスケジューラ・サービスは、接続されたマスターに関連付けられたすべての作業リポジトリからスケジュールを受け取ります。
コンポーネント通信のHTTPプロトコル
ランタイム・エージェントとの通信(実行リクエストをリモート・エージェントに送信する場合など)では、標準HTTPプロトコルを使用するようになりました。この機能により、分散環境におけるOracle Data Integratorコンポーネントのネットワーク管理およびセキュリティ確保が容易になります。
Oracle Data Integratorコンポーネントは、OracleのJava EEアプリケーション・サーバーとシームレスに統合します。
Java EEエージェント・テンプレートの生成
Oracle Data Integratorでは、Oracle WebLogic ServerにJava EEエージェントをデプロイするためのテンプレートを自動生成するウィザードが用意されています。こうしたテンプレートにはJava EEエージェントおよびその構成が組み込まれており、このエージェントに必要なJDBCデータソース定義の他に、これらのデータソースが機能するためのドライバ・ファイルおよびライブラリ・ファイルをオプションで含めることができます。
Oracle WebLogic構成ウィザードを使用することで、ドメイン管理者は自分のドメインを拡張したり、Oracle Data Integrator Java EEランタイム・エージェント用の新規ドメインを作成できます。
WebLogic Serverのデータソース自動作成
Java EEコンポーネントでは、JDBCデータソースを使用してリポジトリおよびソース/ターゲット・データ・サーバーに接続し、アプリケーション・サーバーにデプロイされた場合は、コンテナの接続プーリング機能を利用できます。
アプリケーション・サーバーにおけるこれらのデータソースの作成を容易にするため、Oracle Data Integrator Studioでは、データソースをリモートOracle WebLogicアプリケーション・サーバーにデプロイするオプションが用意されています。
Java EEコンポーネント用の事前パッケージ済WebLogic Serverテンプレート
現在、アプリケーション・サーバーにデプロイできるOracle Data Integrator Java EEコンポーネントには、Oracle WebLogic Server用の事前パッケージ済テンプレートが備わっています。Oracle Data Integratorは次に対応したテンプレートを提供します。
Java EEランタイム・エージェント
Oracle Data Integratorコンソール
パブリックWebサービス
これらのテンプレートは、Oracle Data IntegratorのWLSドメインの作成、およびOracle Data Integratorコンポーネントによる既存のドメインの拡張に使用されます。
Oracle Data Integrator Webサービス・サポートは、この項にリストした機能によって強化されています。
WebサービスのJAX-WSサポート
Oracle Data Integrator Webサービス(パブリックWebサービスおよび生成されたデータ・サービスを含む)では、市場標準Java API for XML Web Services(JAX-WS 2.0)をサポートするようになりました。結果として、それらはこのAPIを実装する任意のWebサービス・コンテナにデプロイできます。これらのWebサービスに対するAxis2スタックの使用は非推奨です。
Webサービスの変更および再編成
Webサービスは再編成されており、次のランタイムWeb操作はすでにランタイム・エージェント・アプリケーションの一部です。
getVersion
- エージェント・バージョンを取得します。この操作はこのバージョンで新規に追加されたものです。
getSessionStatus
- セッションのステータスを取得します。
invokeRestartSess
- セッションを再開します。
invokeStartScen
- シナリオを開始します。
パブリックWebサービス・アプリケーションは次の操作を保持します。
listScenario
- シナリオをリストします。
listContext
: コンテキストをリストします。
Oracle Data Integratorのセキュリティは、この項にリストしたエンタープライズ機能によって強化できます。
外部パスワード記憶域
ソースおよびターゲット・データ・サーバー・パスワード、ならびにコンテキスト・パスワードは、暗号化された形でマスター・リポジトリに格納するかわりに、オプションで外部資格証明ストアに格納できます。この資格証明ストアは、Java Platform Security(JPS)の資格証明ストア・フレームワーク(CSF)によってアクセスされます。パスワード記憶域メソッド(内部またはJPSによる外部)はリポジトリ作成で定義され、既存のリポジトリについては切替が可能です。
このパスワード記憶域アプローチを使用することで、管理者はデータ・サーバー・パスワードを保護する企業の資格証明ストアに依存することを選択できます。
外部認証とSSO
Oracle Data Integratorユーザーは、外部認証サービスを使用して認証を受けることができます。Oracle Platform Security Services(OPSS)を使用して、Oracle Data Integratorユーザーは、中央にエンタープライズ・ユーザーおよびパスワードが含まれる外部エンタープライズ・アイデンティティ・ストア(LDAP、Oracle Internet Directory、Active Directory)と照らし合せて認証を受けます。
この機能では、マスター・リポジトリはOracle Data Integrator固有の権限およびユーザー名を保持しますが、パスワードは集中管理されたアイデンティティ・ストアに依存し、認証は常にこの外部ストアに対して実行されます。認証モード(内部または外部)はリポジトリ作成で定義され、既存のリポジトリについては切替が可能です。
この機能により、Oracle Data Integratorコンソールのシングル・サインオン(SSO)、およびEnterprise ManagerとOracle Data Integratorコンソールとのシームレスな認証統合が可能になります。
デフォルト・パスワード・ポリシー
Oracle Data Integratorには現在、低いセキュリティ・レベルでのパスワード設定を防ぐデフォルト・パスワード・ポリシーがインストールされています。
資格証明ストアにおけるJava EEコンポーネント・パスワード
Oracle WebLogic Serverで、リポジトリへのブートストラップ接続を必要とするJava EEコンポーネント(Java EEエージェント、Oracle Data Integratorコンソール)をデプロイする場合、このコンポーネントの構成にはスーパーバイザ・ユーザーによるログインが含まれます。強固なセキュリティ・ポリシーを強制するために、このユーザーのパスワードはアプリケーション構成内に格納されず、WLS資格証明ストアで集中管理されます。構成はこの集中管理ストアを参照します。
Oracle Data Integratorでは、本番における操作性を向上させるための新機能が提供されています。
エラー・メッセージの改善
Oracle Data Integratorコンポーネントおよびセッションで発生するエラー・メッセージは、管理者および本番オペレータに対し、アーキテクチャのステータスのトラブルシューティングと修正、およびセッションのデバッグに関する正確な情報を提供するよう改善されています。改善されたメッセージは次に関するものです。
コンポーネント・ライフサイクル(起動、停止、スケジュールのリフレッシュなど)
セッション・ライフサイクル(不正なシナリオ・バージョン、ロード・バランシングの問題、エージェント使用不可など)
セッション・タスク/ステップ(ソース/ターゲット使用不可、インタフェース・エラー)。データベース・エラーには、開発者または本番オペレータがエラーの場所および理由を素早く識別できるようにする情報が盛り込まれています。
これらのエラー・メッセージは、Oracle Data Integratorエラー・コードで標準化されています。
通知とロギングの改善
Oracle Data Integratorコンポーネントは、Oracle Logging Frameworkを使用するようになりました。コンポーネントにおけるロギングは、開発、テストおよび本番環境の要件を満たすよう構成できます。
エージェント・コンポーネントでは、このロギング機能の他に、任意の管理コンソールに伝播するJava Management Extension(JMX)通知の形でステータスおよびセッション情報を取り上げることができます。
エラー表
エラー表はOracle Data Integratorコンソールで管理できるようになりました。本番オペレータはエラー表の内容を確認し、選択的にパージできます。
ログオン・セッション数のパージ
OdiPurgeLogツールでは、ログ内のセッション数のみを保持すると同時にログのパージをサポートするよう強化されました。パージされたセッションは、パージの実行前にツールによって自動的にアーカイブできます。
新規Oracle Data Integratorコンソール
メタデータ・ナビゲータUIはOracle Data Integratorコンソールに置き換えられています。この本番操作用のWebインタフェースは、ユーザーの操作性を充実させるためにADF-Faces Ajax Frameworkを使用して書き直されました。本番ユーザーはこのコンソールを使用して、環境設定、リポジトリのエクスポート/インポート、ランタイム操作の管理、セッションの監視、エラーの診断、デザインタイム・アーティファクトの参照および系統レポートの生成が可能です。
このWebインタフェースは、Oracle Fusion Middleware Controlコンソールとシームレスに統合されているため、Fusion Middlewareの管理者は、Oracle Data Integratorのコンポーネントおよびセッションの詳細にドリルダウンできます。
Oracle Fusion Middleware管理コンソールの統合
Oracle Data Integratorは、Oracle Fusion Middleware管理コンソールに統合された拡張機能を提供します。Oracle Data Integratorコンポーネントをこのコンソールによってドメインとして監視することができ、管理者は、単一管理コンソールから他のFusion Middlewareコンポーネントとともにこれらのコンポーネントを全体的に眺めることができます。
この拡張機能によってOracle Data Integratorコンポーネントが検出され、管理者は次の操作を行うことができます。
ステータスの監視と、マスター/作業リポジトリのメトリック、Java EE/スタンドアロン・エージェント・コンポーネントおよびOracle Data Integratorコンソールの表示
これらのコンポーネントによって生成された通知を中央の位置から確認
Oracle Data Integratorコンソールに透過的にドリルダウンし、リポジトリに格納された詳細情報を参照
Oracle Data IntegratorコンソールとJava EEエージェント・アプリケーションの起動と停止
セッション実行の監視およびこれらのコンポーネントに関連付けられたセッション統計の確認
特定のセッションの検索、セッション・ステータスの表示およびOracle Data Integratorコンソールのセッション詳細へのドリルダウン
セッションの即時停止
セッションは即時モードで停止できます。この新規モードでは、現在の操作(データベース・エンジンに対して起動されたSQL文など)の完了を待機せずに中断を試行します。
企業規模のデプロイの場合、この機能によってOracle Data Integratorコンポーネントの高可用性が実現します。
失効したセッションの検出と管理
Oracle Data Integratorは、エージェントまたはリポジトリの予期しない停止により保留中のセッションを検出できます。このような失効したセッションは現在では管理対象であり、エラー状態に置かれます。
リポジトリ接続の再試行
Oracle RACテクノロジに基づくリポジトリに接続されたエージェントは、接続再試行ロジックによって構成できます。エージェントのセッションをサポートするいずれかのOracle RACノードが使用不可となった場合、エージェントは再試行が可能であり、Oracle RACインフラストラクチャの別のノードでセッションを継続します。
WLSクラスタ化のサポート
WebLogic ServerにデプロイされたJava EEエージェントではクラスタ化がサポートされています。クラスタ化には、異なるクラスタ・ノードでのスケジュール・ポーティングが含まれます。リカバリ不可の実行中セッションは、自動的にエラー状態に移行します。
OPMN統合
スタンドアロン・エージェントは、Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)を使用して高可用性を高めることができます。スタンドアロン・エージェントを障害から保護するためのOPMNを構成するスクリプトが提供されています。
次の機能により、統合インタフェースの設計およびパフォーマンスが強化されています。
パーティション化
Oracle Data Integratorでは、データ・サーバーのパーティション化機能がサポートされるようになりました。パーティションは、RKMを使用してリバースエンジニアリングを実行したり、モデル内に手動で作成できます。インタフェースを設計する際に、ソースおよびターゲット・データストアで対処するパーティションを定義できます。Oracle Data Integratorコード生成では、この機能をサポートするテクノロジごとにパーティション使用構文が処理されます。
ルックアップ
ソースを駆動表およびモデルとして使用するか、またはターゲット・データストアを駆動表として使用するルックアップを作成するためのウィザードが、インタフェース・エディタに用意されています。これらのルックアップは、インタフェースのソース・ダイアグラムで小型のグラフィカル・オブジェクトとして表示されます。ユーザーは、ルックアップの生成方法を、FROM句で左側外部結合として生成、またはSELECT句で式として生成のいずれかから選択できます(ネステッド・ループを含むインメモリー・ルックアップ)。この2つ目の構文は、小さいルックアップ表ではより効率的である場合があります。
この機能により、ルックアップを使用したインタフェースの設計および可読性が単純化され、ルックアップの実行で最適化されたコードを使用できます。
データセットおよび集合ベースの演算子
この大規模な強化により、インタフェースにデータセットの概念が持ち込まれました。データセットは、結合およびフィルタ処理されたソース・データストアのグループからのデータの流れを表します。各データセットには、このソース・グループに対するターゲット・マッピングが含まれます。いくつかのデータセットを、UNIONおよびINTERSECTなどの集合ベースの演算子を使用してインタフェースのターゲット・データストアにマージできます。
この機能によりインタフェース設計が迅速化され、複数のデータ・フローを同じターゲット・データストアにマージするために必要なインタフェース数が減ります。
一時インタフェースの導出された選択
一時インタフェースを別のインタフェースでソースまたはルックアップ表として使用する場合、一時インタフェースのターゲットを保持せず、一時データストアのロードに対応する導出された選択(下位選択)文を生成するよう選択できます。このため、一時インタフェースは一時データストアをロードするために実行する必要がなくなりました。下位選択用に生成されるコードは、デフォルトの生成済コードまたはIKMで定義されたカスタマイズ済構文です。
この機能により、一時インタフェースを処理する複雑なパッケージが不要となり、一時インタフェースのカスケードの実行が簡略化されます。
ネイティブ順序のサポート
Oracle Data Integratorでは、データベース定義の順序に直接マップされる新しいタイプの順序がサポートされるようになりました。これらの順序が作成されると、データベースから取得されたリストから選択できます。ネイティブ順序は標準のOracle Data Integrator順序として使用され、コード生成によって順序に関するテクノロジ固有の構文が自動的に処理されます。
この機能により、あらゆる式のネイティブ順序の使用が簡略化され、こうした順序を使用する場合に相互参照が可能となります。
自然結合のサポート
Oracle Data Integratorでは、テクノロジ・レベルで定義された自然結合がサポートされるようになりました。この結合では、結合式の指定は不要であり、エンジンによって処理されます。このエンジンでは同じ名前の列が自動的に照合されます。
一時索引の自動管理
ソース表に結合またはフィルタを作成する場合、Oracle Data Integratorによって、これらの結合またはフィルタ処理の実行を最適化する一時索引を自動的に生成できます。ユーザーは、テクノロジの索引タイプのリストで、作成する必要がある索引のタイプを選択します。ナレッジ・モジュールでは、結合およびフィルタ処理の実行前における索引の作成、および使用後の削除を処理するコードが自動生成されます。
この機能により、結合およびフィルタ処理の実行の自動最適化が行われ、統合インタフェースのパフォーマンスが向上します。
新規インタフェース・エディタ
統合インタフェースの作成に使用されるインタフェース・エディタは、JDeveloperダイアグラム・フレームワークを使用するよう完全に再設計されています。
この新規ダイアグラムの利点は、次のとおりです:
改善されたルック・アンド・フィールとユーザー操作性の向上
ダイアグラム・オブジェクトに対してグラフィカル・オプションがサポートされています。たとえば、表示を縮小および拡大して読みやすくできます。
ソースおよびフロー・ダイアグラムで、大型のダイアグラム間を移動するためのサムネイルおよびズーム・イン/アウトがサポートされています。
複数のソース列をターゲット・データストアに直接ドロップし、マッピングを高速化できます。
ターゲット・マッピング表が改善されました。マッピング・プロパティ(位置、インジケータ、名前およびマッピング式)を選択的に表示し、ソートできます。
ソース、ターゲット、フィルタおよび結合は、フロー・ダイアグラムで直接選択および編集できます。
クイック編集
新規インタフェース・エディタには、インタフェース・ダイアグラムをより速く編集する新規の「クイック編集」タブが含まれます。「クイック編集」には、これらのコンポーネントが表形式で表示され、一括更新および直感的なキーボード・ナビゲーションがサポートされています。
自動修正
インタフェースを保存するか、インタフェース・エディタのツールバーでエラー・ボタンをクリックすると、インタフェースのすべての設計エラーのリストが、分かりやすいメッセージおよびヒントとともに表示されます。自動修正が提案され、シングル・クリックで適用できます。
コード・シミュレーション
Oracle Data Integrator Studioからデザインタイム・オブジェクトを実行する場合(インタフェース、プロシージャ、パッケージまたはカスタマイズされたリバースエンジニアリング・プロセスを実行する場合など)、完全な実行のかわりにコード・シミュレーションを実行することが可能です。
コード・シミュレーションでは、セッション・シミュレーション・レポートが表示されます。このレポートには、完全なセッション、ステップおよびタスク情報が含まれ、完全な生成コードが含まれます。セッション・シミュレーション・レポートを確認し、XMLまたはHTML形式で保存できます。
この機能により、Oracle Data Integratorの開発者は、トラブルシューティング、デバッグおよび最適化の目的で生成済コードを容易に確認し、この生成済コードを文書化またはアーカイブの目的で保存できます。
リバースエンジニアリングの改善点
モデルを作成すると、リバースエンジニアリング・コンテキストが自動的にデフォルト・コンテキストに設定されるため、これを手動で選択する必要はありません。さらに、選択的リバースエンジニアリングを実行する場合、システム表は非表示になります。
シナリオ命名規則
Studioから、またはツールを使用してシナリオまたはシナリオのグループを生成する際には、「シナリオ命名規則」ユーザー・パラメータを使用して、シナリオの命名に使用する命名規則を一定のパターンで定義できます(オブジェクト名、フォルダ・パスまたはプロジェクト名を使用)。
オブジェクト名の長さの延長
オブジェクト名は、長いデータベース・オブジェクト名(128文字)およびリポジトリ・オブジェクト・ラベル(400文字)をサポートするよう延長されました。
Oracle Data Integrator Java API
Oracle Data Integratorには、ランタイムおよびデザインタイム・アーティファクトを管理するJava APIが用意されています。Java開発者はこのAPIを使用して、Oracle Data Integratorを製品に埋め込み、統合プロセスの作成を独自のユーザー・インタフェースから導出できます。
Oracle Data Integratorには、Studioと呼ばれる、JDeveloperに基づく新規IDEが備わっています。このコンポーネントには、次の機能が組み込まれています。
新規ナビゲータ編成
新しいOracle Data Integrator Studioは、あらゆるOracle Data Integratorモジュール(デザイナ、トポロジ、オペレータおよびセキュリティ・マネージャ)の代替品として使用されます。これらのモジュールの機能はすべて、Oracle Data Integrator Studioウィンドウ内にナビゲータとして表示されます。
この新規ナビゲータ編成には、次の機能が備わっています。
ナビゲータは、「表示」メニューを使用してドッキング/ドッキング解除および表示/非表示できます。これらのナビゲータにより、ナビゲータ・ツールバー・メニューから以前のモジュール固有アクション(トポロジ・ナビゲータでのマスター・リポジトリのエクスポート/インポート操作など)にアクセスできます。
アコーディオンは、ナビゲータに表示されるツリー表示をグループ化します(デザイナ・ナビゲータの「プロジェクト」および「モデル」アコーディオンなど)。頻繁に使用しないアコーディオンはナビゲータの下部セクションに最小化し、他のツリー表示のためにスペースを空けることができます。アコーディオンによって、ツリー表示固有のアクションにツールバー・メニューからアクセスできます(例: デザイナ・ナビゲータの「プロジェクト」アコーディオンからプロジェクトをインポート)。
ツリー表示オブジェクトには、Oracle Data Integrator 10gと同様にコンテキスト・メニューおよびマーカーが備わっています。ツリー表示内またはツリー表示間でツリー表示オブジェクトをドラッグ・アンド・ドロップし、セキュリティ・ポリシーを定義できます。オブジェクトをダブルクリックすると、デフォルトにより対応するオブジェクト・エディタが開きます。
コンテキスト・メニューは、セパレータによってグループに再編成され、インタフェース全体で正規化されました。
ユーザーは、この機能が提供する単一ユーザー・インタフェースから、プロジェクト・ライフサイクル内のすべてのタスクを実行できます。また、この機能によってユーザーの生産性も向上します。
新規ルック・アンド・フィール
Oracle Data Integratorのルック・アンド・フィールは、JDeveloperベースのIDEを使用することで強化されました。この新規ルック・アンド・フィールは、「プリファレンス」メニュー・オプションを使用してカスタマイズできます。Oracle Data Integratorの全体的な外見上の魅力を高めるため、アイコンは新しい流行のスタイルで再設計しています。
再設計されたエディタ
Oracle Data Integratorのオブジェクト・エディタはすべて、操作性を向上させるため再設計されました。
主な変更点は次のとおりです。
タブは、エディタの左側にフィンガー・タブとして編成されています。複雑なエディタ(インタフェースまたはパッケージ・エディタなど)にも、エディタの下部にタブが表示されています。
フィールドはヘッダーの下にグループ化されています。これらのフィールド・グループは、拡張/縮小の動作を実装しています。
フィールドおよびラベルは、エディタの可読性を向上させるため、すべてのエディタで標準的な方法で編成されています。
エディタのテキスト・ボタンはハイパーリンクに変換され、エディタに表示されるボタンはすべて再設計されています。
独立したエディタを開くかわりにメイン・エディタから直接行を編集するために、ナレッジ・モジュール、アクションおよびプロシージャの各エディタが再設計されています。
ウィンドウの管理
Oracle Data Integrator Studioのウィンドウ、エディタおよびナビゲータでは、次のJDeveloper IDE機能を利用できます。
ドッキングの完全サポート: すべてのウィンドウ、エディタおよびナビゲータは、直感的にドッキングおよびドッキング解除できます。エディタ・ウィンドウおよびドッキング可能ウィンドウを再配置する際に提供されるビジュアル・フィードバックが改善されています。マウスを離したときのウィンドウの配置の輪郭が表示されるようになりました。また、ドラッグ・アンド・ドロップを使用してドキュメント・タブを並べ替えることもできます。
高速最大化とリストア: ドッキング可能ウィンドウまたはエディタ領域を素早く最大化するには、最大化するウィンドウのタイトル・バーをダブルクリックします。ウィンドウを前のディメンションにリストアするには、タイトル・バーを再度ダブルクリックします。
タブとしてのタイトル・バー: ドッキング可能ウィンドウのタブ(別のドッキング可能ウィンドウとともにタブ表示となった場合)は、タイトル・バーでもあります。これにより、画面上のスペースをより効率的に利用できます。ウィンドウを再配置するには、ウィンドウのタブをドラッグします。関連する追加の強化点には、タブの裏にあるグレーの背景領域からの新規コンテキスト・メニュー、"自動非表示"および"表示"から"最小化"および"リストア"への用語変更、シングル・クリックによるタブ式ウィンドウ・セットの最小化機能、最小化されたウィンドウのボタンをクリックすることによる表示の切替があります。
ドキュメント管理およびナビゲーション
Oracle Data Integrator Studioにおいて、オブジェクト・エディションはドキュメント管理の改善により強化されました。強化の内容は次のとおりです。
複数のエディタの保存と閉じる操作: 「ファイル」→「すべて保存」オプションを使用してシングル・クリックですべての作業を簡単に保存し、開いたすべてのエディタを同様に閉じることができます。また、現在のエディタを除くすべてのエディタを閉じることもできます。
進むおよび「戻る」ボタン: メイン・ツールバーにある便利なブラウザ式の進むおよび「戻る」ボタンを使用して、以前アクセスしたドキュメントに容易に戻ることができます。これらのボタンは履歴を保持しているため、「戻る」または進むボタンのドロップダウンを開いてドキュメントのリストを取得し、アクセスした場所を編集できます。[Alt]+左矢印および[Alt]+右矢印により、「戻る」および進むボタンがアクティブ化されます。
ドキュメントのクイック切替: エディタおよびナビゲータの切替も可能です。[Ctrl]を押しながら[Tab]、または[Ctrl]を押しながら[F6]を押すと、最も最近使用したドキュメントを基準に並べ替えたリストから、切り替えるドキュメントを選択できます。同じ技術を使用して、開かれたドッキング可能ウィンドウを切り替えるには、まずドッキング可能ウィンドウにフォーカスを置き、[Ctrl]を押しながら[Tab]、または[Ctrl]を押しながら[F6]を押します。
ユーザー支援の向上
Oracle Data Integratorでは、操作性を向上させる直感的な新機能が導入されています。
ヘルプ・センター/ようこそページ: ようこそページはヘルプ・センターに変わりました。ヘルプ・トピックおよび共通タスクに素早くアクセスできるようになり、役立つOracleリソースへのリンクも提供するように再設計されました。
新規オンライン・ヘルプ: オンライン・ヘルプは、新規ユーザー・インタフェースをサポートするために完全に書き直されました。
ヘルプ・ブックマーク: 「ヘルプ」ウィンドウには、タブ・ラベル付きのお気に入りがあります。ヘルプを参照中に、お気に入りに追加ボタンをクリックしてドキュメントをこのタブに追加できます。
この新規リリースでは、エクスポート/インポートが次の機能により強化されています。
インポート・レポート
オブジェクトがインポートされた後、ターゲット・リポジトリでインポートまたは削除されたオブジェクトがインポート・レポートに表示されます。さらに、インポート済オブジェクトによって参照される欠落オブジェクトは欠落参照として示され、インポートによって修正された欠落参照も示されます。インポート・レポートは、XMLまたはHTML形式で保存できます。
この機能により、すべての変更を識別およびアーカイブできるため、オブジェクトのインポートは非常に透過的な操作となります。
リポジトリ破損防止
リポジトリ間でオブジェクトをインポートする際に、インポート・エラーおよびリポジトリ破損のリスクを避けるため、次のケースが考慮されました。
別の起点(フィルタ式など)のテキストによってテキスト(マッピング式など)が上書される場合がある「シノニム」モードでのインポートは、現在検証済であり、許可されていません。
同じリポジトリ識別子を持つ2つのリポジトリからターゲット・リポジトリへのオブジェクトのインポートは許可されていません。これにより、オブジェクトの衝突および破損が避けられます。
別のリポジトリからインポートされたオブジェクトが含まれる作業リポジトリを関連付ける際に、ユーザーに警告が表示されます。
さらに、存在しないオブジェクトを参照するオブジェクトをインポートすると、インポート・レポートで識別される欠落参照が作成されます。こうした参照は欠落オブジェクトのインポートによって解決できます。
リポジトリの再番号付け
マスターリポジトリまたは作業リポジトリの作成後に、その識別子を変更できるようになりました。この操作によって、このリポジトリで作成されたオブジェクトの内部識別子が自動更新され、新規識別子と一致します。
この機能により、複数のリポジトリが同じ識別子で作成された場合の構成管理およびインポート/エクスポート状況の修正が容易になります。
次の改善された新規ナレッジ・モジュールが10gR3パッチ・セットで提供されており、このリリースで使用できます。
Oracle GoldenGateナレッジ・モジュール
Oracle Data Integratorでは、Oracle GoldenGateを使用して、オンライン・データをソースからステージング・データベースに複製します。ジャーナル化KMではOracle Data Integrator CDCインフラストラクチャが管理され、Oracle GoldenGateの構成が自動生成されます。
Oracle E-Business Suiteナレッジ・モジュール
E-Business Suite向けのOracle Data Integratorナレッジ・モジュールでは、Oracle Data IntegratorとE-Business Suiteの間に包括的な双方向の接続性が提供されており、データの抽出およびロードが可能です。ナレッジ・モジュールでは、E-Business Suiteのすべてのモジュールがサポートされており、EBSオブジェクト表/ビューおよびインタフェース表によって双方向の接続性が提供されます。
Oracle OLAPナレッジ・モジュール
Oracle OLAP向けのOracle Data Integratorナレッジ・モジュールでは、Oracle Data IntegratorおよびOracle OLAPキューブの間に統合および接続性が提供されています。これらのKMでは、Oracle OLAPデータ構造(ROLAPまたはMOLAPキューブで使用されるすべての表)のリバースエンジニアリングおよび増分更新モードでのOracle Analytical Workspaceターゲットのデータ統合がサポートされています。
Oracle PeopleSoftナレッジ・モジュール
PeopleSoft向けのOracle Data Integratorナレッジ・モジュールでは、Oracle Data IntegratorおよびPeopleSoftプラットフォームの間に統合および接続性が提供されています。これらのKMでは、PeopleSoftのデータレベル統合が可能であり、PeopleSoftデータ構造(ビジネス・オブジェクト、表、ビュー、列、キーおよび外部キー)のリバースエンジニアリングおよびPeopleSoftからのデータ抽出がサポートされています。
Oracle Siebelナレッジ・モジュール
Oracle Data Integrator Siebelナレッジ・モジュールでは、Siebelデータ構造(ビジネス・コンポーネントおよびビジネス・オブジェクト)およびEnterprise Integration Manager(EIM)表のリバースエンジニアリング、データレベルの統合およびデータ抽出を使用したSiebelからのデータ抽出、EIM表を使用したSiebelとの統合がサポートされています
JDE EnterpriseOneナレッジ・モジュール
JDE EnterpriseOne向けのOracle Data Integratorナレッジ・モジュールでは、Oracle Data IntegratorによるJDE EnterpriseOneプラットフォームと任意のデータベース・アプリケーションとの接続性および統合を提供しています。これらのKMでは、JDE EnterpriseOneデータ構造のリバースエンジニアリング、JDE EnterpriseOneからのデータ抽出(ダイレクト・データベース統合)およびJDEアプリケーションへのZ表による統合(インタフェース表の統合)がサポートされています
Oracle Changed Data Capture Adapters/Attunity Streamsナレッジ・モジュール
Oracle Data Integrator CDCナレッジ・モジュールでは、Oracle Changed Data Capture Adapters/Attunity Streamsステージング領域からの統合がJDBCインタフェースによって提供されています。このKMでは、変更されたデータが読み取られ、このデータがステージング領域にロードされ、Oracle Changed Data Capture Adapters/Attunity Streamsコンテキストが処理されて、読み取られた変更の一貫した使用が保証されます。
Hyperionアダプタ
Oracle Data Integratorを使用したHyperionテクノロジの統合について、ナレッジ・モジュールおよびテクノロジが追加されました。
これらのKMでは、次のHyperion製品がサポートされています。
Hyperion Financial Management(メタデータとデータをロードおよび抽出)。
Hyperion Planning(メタデータとデータをHyperion Planningにロード)。
Hyperion Essbase(Essbaseメタデータとデータをロードおよび抽出)。
デバッグのための行単位KM
行単位ロード(LKM SQLからSQLへ(行単位))および統合(IKM SQL増分更新(行単位))をサポートするナレッジ・モジュールがデバッグのために導入されました。これらのKMでは、KMによって実行された各行操作のロギングが可能です。
Teradataの最適化
Teradataの最適なパフォーマンスを可能にするため、Teradataナレッジ・モジュールが強化されました。
これには次の機能が含まれます。
Teradataユーティリティ(TTU)のサポート。
一時表のカスタマイズされた1次索引(PI)のサポート。
TTU使用時の名前付きパイプのサポート。
一時表の最適化された管理。
SAP ERPアダプタ
SAP ERPアダプタでは、SAP ERPシステムからのデータの抽出が可能です。このアダプタに組み込まれたOracle Data Integrator SAP ABAPナレッジ・モジュールでは、SAP JCoライブラリおよび生成されたABAPプログラムを使用したSAP ERPシステムからの統合が可能です。
SAP BWアダプタ
SAP BWアダプタでは、SAP BWシステムからのデータの抽出が可能です。このアダプタに組み込まれたOracle Data Integrator SAP BWナレッジ・モジュールでは、SAP JCoライブラリおよび生成されたABAPプログラムを使用したSAP BWからの統合が可能です。このアダプタでは、ODS、情報オブジェクト、情報キューブ、Open Hubおよびデルタ抽出がサポートされています。
このリリースでは、次のナレッジ・モジュールの強化が追加されています。
新規コア機能用のKM強化
このバージョンのOracle Data Integratorに追加されたコア機能をサポートするため、ナレッジ・モジュールが強化されています。これらの機能をサポートするため、次のKMが更新されました。
パーティション化のサポート: Oracle RKMはパーティションに対しリバースエンジニアリングを実行します。
データセットおよび集合ベースの演算子: この機能をサポートするため、すべてのIKMが更新されました。
一時索引の自動管理: この機能をサポートするため、OracleおよびTeradataのIKMとLKMが更新されました。
Oracle Business Intelligence Enterprise Edition - 物理
Oracle Data Integratorでは、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(OBI-EE)物理レイヤーで公開されているビュー・オブジェクトのリバースエンジニアリング機能が備わっています。これらのオブジェクトは、統合インタフェースのソースとして使用できます。
Oracle Multi-Table Inserts
Oracleの新規統合KMでは、単一ソースからの複数ターゲット表の移入が可能であり、データは1回のみ読み取られます。それは、INSERT ALL文を使用します。
Teradata Multi-Statements
新規Teradata統合KMでは、Teradata Multi-Statementsがサポートされており、複数のフローを並列して統合できます。