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Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integrator接続およびナレッジ・モジュール・ガイド
11g リリース1(11.1.1)
B62261-05
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26 LDAPディレクトリ

この章では、Oracle Data IntegratorでのLDAPディレクトリの使用方法について説明します。

この章には次の項が含まれます:

26.1 概要

Oracle Data Integratorでは、Oracle Data Integrator Driver for LDAPを使用したLDAPディレクトリ統合がサポートされています。

26.1.1 概念

LDAPの概念は、Oracle Data Integratorの概念に次のようにマップされます。1つのLDAPディレクトリ・ツリー、より具体的には、このLDAPツリーのエントリ・ポイントは、Oracle Data Integratorの1つのデータ・サーバーに対応します。このデータ・サーバー内で、単一のスキーマがLDAPディレクトリ・ツリーのコンテンツにマップされます。

Oracle Data Integrator Driver for LDAP (LDAPドライバ)により、LDAPツリーの階層構造がリレーショナル・スキーマにロードされます。このリレーショナル・スキーマは、標準のSQL文を使用した問合せまたは変更が可能な一連の表です。

リレーショナル・スキーマは、表、列および制約とともに、ODIでデータ・モデルとしてリバース・エンジニアリングされます。このモデルは、ODI内で通常のリレーショナル・データ・モデルと同様に使用されます。リレーショナル・スキーマ・データで実行されたすべての変更(挿入/更新)は、ドライバによって、ただちにLDAPデータに反映されます。

このドライバの詳細は、付録A「Oracle Data Integrator Driver for LDAPの参照情報」を参照してください。

26.1.2 ナレッジ・モジュール

Oracle Data Integratorには、LDAPテクノロジ専用のナレッジ・モジュール(KM)は用意されていません。LDAPは、SQLデータ・サーバーとして使用できます。LDAPデータ・サーバーでは、SQLデータ・サーバーをソース指定またはターゲット指定するテクノロジ固有のKMと汎用KMの両方がサポートされています。これらのKMの詳細は、第4章「汎用SQL」またはテクノロジの章を参照してください。

26.2 インストールおよび構成

LDAPテクノロジでの作業を開始する前に、この項の情報を必ず読んでください。

26.2.1 システム要件

インストールを実行する前に、システム要件および動作要件のドキュメントを読んで、使用する環境がインストールする製品の最低インストール要件を満たすことを確認する必要があります。

サポートされているプラットフォームおよびバージョンのリストには、次のOracle Technical Network (OTN)からアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/products/oracle-data-integrator/index.html

26.2.2 テクノロジ固有の要件

Oracle Data IntegratorでLDAPディレクトリを使用するためのテクノロジ固有の要件はありません。

26.2.3 接続性要件

この項では、LDAPデータベースに接続するための要件をリストします。

Oracle Data Integrator Driver for LDAP

LDAPディレクトリへのアクセスは、Oracle Data Integrator Driver for LDAPを介して行われます。このJDBCドライバは、Oracle Data Integratorとともにインストールされます。

LDAPディレクトリに接続するには、次の接続情報についてシステム管理者に問い合せてください。

  • ディレクトリに接続するためのURL。

  • ディレクトリに接続するためユーザーおよびパスワード。

  • 基本識別名(ベースDN)。これは、ODIがアクセスするLDAPツリー内の場所です。

参照LDAPツリー構造およびドライバの外部記憶域データベースへの接続が必要になる場合もあります。これらの概念および構成パラメータの詳細は、付録B「Oracle Data Integrator Driver for XMLの参照情報」を参照してください。

26.3 トポロジの設定

トポロジの設定には次が含まれます。

  1. LDAPデータ・サーバーの作成

  2. LDAP用物理スキーマの作成

26.3.1 LDAPデータ・サーバーの作成

各LDAPデータ・サーバーは、Oracle Data Integratorにアクセス可能な1つのLDAPツリーに対応します。

26.3.1.1 データ・サーバーの作成

『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のデータ・サーバーの作成に関する項に記載されている標準の手順で、LDAPテクノロジ用データ・サーバーを作成します。この項では、LDAPデータ・サーバーの定義に関する必須または固有のフィールドのみについて説明します。

  1. 「定義」タブ:

    • 名前: Oracle Data Integratorに表示されるデータ・サーバーの名前。

    • ユーザー/パスワード: LDAPディレクトリ・ユーザーの名前およびパスワード。

  2. 使用するドライバに応じて、「JDBC」タブに次の値を入力します。

    • JDBCドライバ: com.sunopsis.ldap.jdbc.driver.SnpsLdapDriver

    • JDBC URL: ドライバでサポートされるURL書式は次の2つです。

      • jdbc:snps:ldap?<property>=<value>[&<property>=<value>...]

      • jdbc:snps:ldap2?<property>=<value>[&<property>=<value>...]

      これらの2つのURLでは、表26-1にリストされている主要なプロパティが受け入れられます。これらのプロパティの詳細な説明およびJDBCドライバの全プロパティの包括的なリストは、付録Aの「ドライバの構成」の項を参照してください。


      注意:

      最初のURLでは、LDAPディレクトリのパスワードをエンコードする必要があります。2番目のURLでは、LDAPディレクトリのパスワードをエンコードせずに指定できます。最初のURLを使用して、LDAPディレクトリのパスワードを保護することをお薦めします。


    表26-1 JDBCドライバのプロパティ

    プロパティ 説明

    ldap_auth

    <認証モード>

    LDAPディレクトリの認証方式。表A-1authプロパティを参照してください。

    ldap_url

    <LDAP URL>

    LDAPディレクトリのURL。表A-1urlプロパティを参照してください。

    ldap_user

    <LDAPユーザー名>

    LDAPディレクトリのユーザー名。表A-1userプロパティを参照してください。

    ldap_password

    <LDAPユーザー・パスワード>

    LDAPディレクトリ・ユーザーのパスワード。jdbc:snps:ldap URL構文を使用する場合は、このパスワードをエンコードする必要があります。

    表A-1passwordプロパティを参照してください。

    ldap_basedn

    <ベースDN>

    LDAPディレクトリのベースDN。表A-1basednプロパティを参照してください。


URLの例

ユーザーorcladminを使用して、サーバーOHOST_OIDおよびポート3060にあるOracle Internet Directoryに接続し、ベースDN dc=us,dc=oracle,dc=comからこのディレクトリ・ツリーにアクセスする場合は、次のURLを使用できます。

jdbc:snps:ldap?ldap_url=ldap://OHOST_OID:3060/
&ldap_basedn=dc=us,dc=oracle,dc=com
&ldap_password=ENCODED_PASSWORD
&ldap_user=cn=orcladmin

26.3.2 LDAP用物理スキーマの作成

『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の物理スキーマの作成に関する項に記載されている標準の手順で、LDAP物理スキーマを作成します。

『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の論理スキーマの作成に関する項に記載されている標準の手順で、この物理スキーマ用の論理スキーマを作成し、特定のコンテキストで関連付けます。

26.4 統合プロジェクトの設定

LDAPデータベースを使用してプロジェクトを設定するには、標準の手順に従います。『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の統合プロジェクトの作成に関する項を参照してください。

作業を開始するにあたり、使用するプロジェクトに次のナレッジ・モジュールをインポートすることをお薦めします。

26.5 LDAPディレクトリの作成およびリバース・エンジニアリング

この項には次のトピックが含まれます:

26.5.1 LDAPモデルの作成

データ・モデルによって、一連のデータストアがグループ化されます。各データストアは、1つのディレクトリに関連して、1つのクラスまたはクラスのグループを表します。通常、クラスは表に、属性は列にマップされます。詳細は、付録Aの「LDAPからリレーショナルへのマッピング」の項を参照してください。

『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルの作成に関する項に記載されている標準の手順で、LDAPモデルを作成します。

26.5.2 LDAPモデルのリバース・エンジニアリング

LDAPでは、LDAPドライバの機能のみを使用する標準のリバース・エンジニアリングがサポートされています。

LDAPドライバのリバース・エンジニアリング・プロセスによってLDAPツリーがリレーショナル・データベース構造に変換させる際に、ツリー内のオブジェクト・セットに基づいて表が構成されます。

これらの2つの間のマッピングを維持するためには、これらの表の名前に、この元の構造を反映させる必要があります。その結果として表名は元のLDAPオブジェクト名で構成され、統合インタフェースのデータストア名には適さない、非常に長い名前になる可能性があります。

この解決策として、短く分かりやすい表名の別名を含む別名ファイルを作成します。詳細は、付録Aの「表の別名の構成」の項を参照してください。

標準のリバース・エンジニアリング

LDAPで標準のリバース・エンジニアリングを実行するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のモデルのリバース・エンジニアリングに関する項に記載されている通常の手順を行います。

標準のリバース・エンジニアリング・プロセスでは、LDAPツリーのコンテンツがリレーショナル・データベース構造に自動的にマップされます。これらの表には、ディレクトリ階層をマップするための主キーおよび外部キーの列が自動的に含まれます。

また、リバース・エンジニアリング・プロセスでは、下位のLDAPエントリ・ポイントからLDAPツリー構造のルートを表すROOT表も作成されます。

詳細は、付録Aの「LDAPプロセスの概要」の項を参照してください。

26.6 インタフェースの設計

LDAPエントリは、統合インタフェースのソースまたはターゲットとして使用できます。

インタフェースまたはチェック用に選択したKMによって、このインタフェースまたはチェックの機能およびパフォーマンスが決まります。この項に示す推奨事項は、LDAPデータ・サーバーに関連する様々な状況でのKMの選択に役立ちます。

26.6.1 LDAPとの間でのデータのロード

LDAPディレクトリは、インタフェースのソースまたはターゲットとして使用できます。インタフェース・フロー・タブでの、LDAPエントリと別のタイプのデータ・サーバー間でデータをロードするためのLKMの選択は、インタフェースのパフォーマンスに関してきわめて重要です。

26.6.1.1 LDAPディレクトリからのデータのロード

汎用SQL KMまたは関係するもう一方のテクノロジ固有のKMを使用して、LDAPデータベースからターゲットまたはステージング領域のデータベースへデータをロードします。

LDAPソースからステージング領域へのロードに使用できるKMの例を表26-2に示します。

表26-2 LDAPからステージング領域へロードするためのKM

ステージング領域 KM 説明

Microsoft SQL Server

LKM SQL to MSSQL (BULK)

SQL Serverのバルク・ローダーを使用します。

Oracle

LKM SQL to Oracle

汎用LKMより高速です(統計を使用)。

Sybase

LKM SQL to Sybase ASE (BCP)

Sybaseのバルク・ローダーを使用します。

すべて

LKM SQL to SQL

汎用KM


26.6.1.2 LDAPディレクトリへのデータのロード

LDAPディレクトリをステージング領域として使用することはお薦めしません。

26.6.2 LDAPディレクトリでのデータの統合

LDAPはインタフェースのターゲットとして使用できます。インタフェース・フロー・タブのIKMの選択によって、統合のパフォーマンスおよび可能性が決まります。

汎用SQL KMまたは関係するもう一方のテクノロジ固有のKMを使用して、LDAPディレクトリにデータを統合します。

ステージング領域からLDAPターゲットへのデータの統合に使用できるKMの例を表26-3に示します。

表26-3 LDAPディレクトリにデータを統合するためのKM

モード KM 説明

追加

IKM SQL to SQL Append

汎用KM


26.7 トラブルシューティング

この項では、Oracle Data IntegratorでのLDAPの使用時に発生する可能性がある問題のトラブルシューティングに関する情報を提供します。この章の内容は、次のとおりです。