このドキュメントでは、Oracle Portalの専用イントラネットおよび専用インターネットを構成し、イントラネットおよびインターネット設定をOracle Portal 10gからOracle Portal 11gにアップグレードする方法を説明します。このドキュメントは次のトピックで構成されています。
Oracle Portalの専用イントラネットおよび専用インターネットの構成
Oracle Portal 10gのイントラネットおよびインターネット設定の11gへのアップグレード
Oracle Portalは、企業ネットワーク内のクライアントと外部クライアントの両方からアクセスできるように構成できます。この項では、この構成のいくつかの重要な特徴と、このような目的でOracle Portalを構成する方法を説明します。
Oracle Portalのイントラネットとインターネットの構成には、それぞれ別のホスト上に存在する2つの論理中間層、portal.mycompany.com
とinternal.mycompany.com
が必要です。中間層が物理的に分離されることにより、インターネット・ユーザー用とイントラネット・ユーザー用にキャッシュされるコンテンツが分離されます。これによりセキュリティが強化され、一方の論理中間層に移動したユーザーがもう一方の論理中間層で処理されたコンテンツにアクセスすることがなくなります。各論理中間層からは、Oracle Application Server Metadata Repository内の同じOracle Portalスキーマおよび同じOracle Portalデータにアクセスできます。この構成では、外部の論理中間層がWebプロバイダのインストール、構成および公開に使用される1次中間層になります。内部の論理中間層はパートナ・アプリケーション用です。
イントラネットとインターネットを構成するには、すべてのOracle Web Cacheインスタンスが無効化専用クラスタとして構成されている必要があります。無効化専用のクラスタ化により、Oracle Web Cacheでは、2つの論理サイトで個別のキャッシュを維持しながら、クラスタ・メンバー間で無効化メッセージを共有できます(その結果、2つの論理サイト間でコンテンツの編集が認識されます)。
この構成では、無効化メッセージはOracleAS Metadata Repository内のOracle Portalスキーマから内部のOracle Web Cacheインスタンスに送信され、その後すべてのクラスタ・メンバーに送信されます。この構成で使用される無効化メッセージでは、キャッシュされたURLで指定されているホストやポートに関係なく必ずコンテンツが無効化されます。このような無効化により、いずれの論理中間層のURLでキャッシュされたコンテンツも確実に無効化されます。Oracle Web Cacheの無効化専用クラスタの詳細は、『Oracle Application Server Portal構成ガイド』を参照してください。
内部ユーザーと外部ユーザーのコミュニティが個別のものになるように、Oracle Portalアプリケーションへのアクセスには2つのURLが使用されます。イントラネットからの場合はhttp://internal.mycompany.com
、インターネットからの場合はhttps://portal.mycompany.com
です。
Oracle Portalの専用イントラネットと専用エクストラネットを構成するプロセスは次のタスクで構成されます。
外部中間層をインストールして構成するには、Oracle Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド:11.1.1.2の次の項にある手順を実行します。
APPHOST1へのアプリケーション層のインストール
APPHOST1の構成
最初の内部中間層をインストールするには、次の手順を実行します。
Disk1/stage/Response
ディレクトリのstaticport.ini
ファイルを、TMPなどのローカル・ディレクトリにコピーします。
staticport.ini
ファイルを編集し、次のカスタム・ポートを割り当てます。
Oracle HTTP Server port = 7777 Oracle HTTP Server Listen port = 7778 Web Cache HTTP Listen port = 7777 Web Cache Administration port = 9400 Web Cache Invalidation port = 9401 Web Cache Statistics port = 9402 Application Server Control port = 1810
APPHOST3に最初の中間層をインストールする前に、ポータル・スキーマのリポジトリ・バージョンを11.1.1.4から11.1.1.1.0に変更する必要があります。そのためには、次の手順を実行します。
次の例に示すように、portal schema
としてデータベースに接続し、ポータル・バージョンを問い合せます。
>sqlplus portal/portaldb_portal@portaldb sql> select version from wwc_version$; sql> 11.1.1.4.0
このポータル・リポジトリ・バージョンを忘れないように書き留めておきます。
次の例に示すように、ポータル・リポジトリ・バージョンを11.1.1.1.0に変更します。
sql> update wwc_version$ set version = '11.1.1.1.0'; sql> commit; sql> select * from wwc_version$; sql> 11.1.1.1.0
この手順は必須です。この手順を実行せずにAPPHOST3に新しく中間層をインストールすると、ポータル・スキーマに保持されている構成が新しくインストールした中間層の情報で上書きされます。これは外部ポータル中間層に影響を及ぼします。ポータル・スキーマ・バージョンを一時的にダウングレードすることで、ポータル・スキーマに保持されている構成をそのまま残すことができます。後でポータル・バージョンを元のバージョンに戻す必要があります。ポータル・リポジトリのダウングレードは、新しいドメインを作成する場合にのみ必要になります。
Weblogic Serverのインストール
Oracle Universal Installerを起動します。
Unixでインストーラを起動するには、server103_linux32.bin
コマンドを発行します。
Windowsでインストーラを起動するには、server103_win32.exe
コマンドを発行します。
「ようこそ」画面が表示されたら、「次へ」をクリックします。
ミドルウェア・ホーム・ディレクトリを選択します。
次の例に示すように、「ミドルウェア・ホーム」に値を入力します。
/u01/app/oracle/product/FMW
以降、これをMW_HOMEと呼びます。「次へ」をクリックします。
次の画面で、セキュリティ更新に登録するよう求められます。
Oracle Supportからのセキュリティ更新を受け取るかどうかを選択します。「次へ」をクリックします。
インストール・タイプの選択画面で「標準」インストール・タイプを選択します。
「次へ」をクリックします。
製品インストール・ディレクトリの選択画面で、製品のインストール先となるパスを指定します。「次へ」をクリックします。
これで、指定した場所にWeblogic Serverがインストールされるようになりました。「インストール・サマリー」画面が表示されます。「完了」をクリックして、インストールを完了します。
Oracle Portalのインストール
次のコマンドを実行して、前述の手順で作成したMW_HOMEにOracle Portalのバイナリをインストールします。
UNIXの場合: runInstaller
Windowsの場合: setup.exe
「ようこそ」画面が表示されます。「次へ」をクリックします。
「インストール・タイプ」画面が表示されます。ソフトウェアのインストールと構成を選択し、「次へ」をクリックします。
前提条件チェック画面が表示されます。
すべてのチェックで問題がないことを確認し、「次へ」をクリックします。
「インストール場所の指定」画面が表示されます。
次の値を入力します。
ミドルウェア・ホーム(MW_HOME)
例: /u01/1pp/oracle/product/FMW
Oracleホーム
ポータルのインストール・ディレクトリを入力します。これはMW_HOME
ディレクトリ内に配置されます。
例: Portal
Weblogicサーバー・ディレクトリ
Oracle Weblogic Serverのインストール・ディレクトリを入力します。これは、MW_HOME/wlserver_10.3
にする必要があります。
例: /u01/app/oracle/product/FMW/wlserver_10.3
Oracleインスタンスの場所
Oracle Configurationのファイルを配置するディレクトリを入力します。これは、Oracleホームの外部にする必要があります。以降、これをORACLE_INSTANCEと呼びます。
例: /u01/app/oracle/admin/PortalDomain/Portal1
Oracleインスタンス名。
この場合はPortal1
です。
「次へ」をクリックします。「ドメインの選択」画面が表示されます。
新規ドメインの作成を選択します。「ユーザー名」、「ユーザー・パスワード」および「ドメイン名」に値を入力します。
「次へ」をクリックします。「コンポーネントの構成」画面が表示されます。
次の値にチェックが付いていることを確認します。
サーバー・コンポーネント: Oracle Portal
管理コンポーネント: Enterprise Manager
クラスタ化されているボックス
「次へ」をクリックします。「ポートの構成」画面が表示されます。
構成ファイルを使用してポートを指定を選択します。
ファイル名を選択して、「表示」または「編集」をクリックします。サンプルのstatisticports.ini
ファイルは、インストールのDisk1のstage/repsonse
ディレクトリにあります。
ファイルを保存し、「次へ」をクリックします。
スキーマの指定画面で、次の値を指定します。
データベース接続文字列
例:
db_hostname:port:servicename
Portalスキーマ名: MYP_PORTAL
ポータル・スキーマ・パスワード
RCUで入力したパスワードを入力します。
「次へ」をクリックします。ポートレット・スキーマの指定画面が表示されます。
次のポートレット・スキーマの資格証明を指定します。
ポートレット・スキーマ名: MYP_PORTLET
ポートレット・スキーマ・パスワード: RCUで入力したパスワードを入力します。
「次へ」をクリックします。アプリケーション・アイデンティティ・ストアの指定画面が表示されます。
次の値を指定します。
ホスト名
OIDサーバーの名前を入力します。
ポート
OIDポート「389」を入力します
ユーザー名
「cn=orcladmin」と入力します。
パスワード
orcladminのOIDパスワードを入力します。
「次へ」をクリックします。「サマリー」画面が表示されます。
「インストール」をクリックしてインストール処理を開始します。
注意: UNIXインストールでは、プロンプトが表示されたら |
内部と外部の両方のコンピュータのOracle Web Cacheインスタンスを含む、Oracle Web Cacheの無効化専用クラスタを構成する必要があります。このクラスタ構成では、無効化リクエストがすべてのキャッシュ・クラスタ・メンバーに伝播されます。ただし、Oracle Web Cacheの無効化専用クラスタでは、その他のリクエストはクラスタ・メンバー間で転送されません。ユーザー・リクエストの処理中に、各クラスタ・メンバーは個々のキャッシュとして機能し、ピア・クラスタ・メンバーにはオブジェクトをリクエストしません。
この構成を使用すると、特にそのメンバーがファイアウォールで分離されているクラスタでは、多数のキャッシュの管理を簡略化できます。たとえば、イントラネットをインターネットから分離するファイアウォールの両側に2つのキャッシュが存在するクラスタを持つことができます。
外部と内部のOracle Web Cacheインスタンス間でOracle Web Cacheの無効化専用クラスタを構成する前に、次のチェックを実行します。
すべての外部Oracle Web Cacheインスタンスからすべての内部Oracle Web Cacheインスタンスを解決し、接続できること、またその逆が可能であることを確認します。これは、ping
ネットワーク・コマンドを使用して確認できます。
ファイアウォールで無効化ポート(9401)が一方向のみで開いていることを確認します。内部のOracle Web Cacheインスタンスから外部のOracle Web Cacheインスタンスに対して開いている必要があります。
ファイアウォールで管理ポート(9400)が双方向で開いていることを確認します。
注意: 構成が完了したら、外部中間層から内部中間層へのトラフィックに対して管理ポート(9400)を閉じてください。 |
内部のOracle Web Cacheのポートから外部のOracle Web Cacheのポートに、telnetを使用してネットワーク・パケットを送信できることを確認します。
この項では、APPHOST1のOracle Web Cache Managerを使用してキャッシュ・クラスタの設定を構成し、キャッシュをクラスタとして管理して、キャッシュのコンテンツを分離する方法を説明します。
ナビゲータ・フレームで「Properties」→「Clustering」を選択します。
「Clustering」ページが表示されます。「General Cluster Information」セクションにフェイルオーバーと無効化の伝幡に関するクラスタ全体のデフォルト値が表示されます。「Cluster Members」表に外部中間層キャッシュが表示されます。
「Clustering」ページの「General Cluster Information」セクションで「Edit」をクリックします。
「Edit General Cluster Information」ダイアログ・ボックスが表示されます。
「Propagate Invalidation」フィールドで「Yes」を選択して、キャッシュ・クラスタ・メンバーからの無効化リクエストが他のキャッシュ・クラスタ・メンバーに伝播されるように指定します。
「Submit」をクリックします。
「Clustering」ページの「Cluster Members」表に、現在のキャッシュのデフォルト値が表示されます。APPHOST1クラスタ・メンバーを選択し、「Edit Selected」をクリックします。
「Edit Cluster Member」ダイアログ・ボックスが表示されます。
「Capacity」フィールドに0
と入力します。
注意: すべてのクラスタ・メンバーの容量に0を割り当てると、クラスタ・メンバー間でリクエストの転送は行われません。この設定では、すべてのキャッシュ・クラスタ・メンバー間で構成と無効化を伝播して、多数のキャッシュの管理を簡略化できます。 |
「Submit」をクリックします。
クラスタにAPPHOST3を追加する前に、次の条件を満たしている必要があります。
キャッシュが起動されている。
追加するキャッシュの管理者パスワードは、APPHOST1の管理者パスワードと同じである必要があります。パスワードが異なる場合は、キャッシュの管理サーバーに接続して管理パスワードを変更する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』の第8章「設定と構成」の「作業2: セキュリティ設定の変更」を参照してください。
次に、APPHOST1のOracle Web Cache Managerを使用して、APPHOST3のキャッシュをクラスタに追加する必要があります。
OracleAS Web Cache Managerでクラスタにキャッシュを追加するには、次の手順を実行します。
ナビゲータ・フレームで「Properties」→「Clustering」を選択します。
「Clustering」ページが表示されます。
「Clustering」ページの「Cluster Members」セクションで、「Add」をクリックします。
「Add Cache to Cluster」ダイアログ・ボックスが表示されます。
「Host Name」フィールドに、クラスタに追加するキャッシュのホスト名としてapphost3.abc.oracle.com
と入力します。
「Admin Port」フィールドに、クラスタに追加するキャッシュのWebキャッシュ管理ポート(9400)を入力します。
HTTPブラウザ・リクエストを受け入れる場合は、「Protocol for Admin Port」フィールドで「HTTP」を選択します。
「Cache Name」フィールドに、apphost3.abc.oracle.com-webcache
と入力します。
「Submit」をクリックします。
これでキャッシュはクラスタの一部となり、「Cluster Members」表に表示されます。
「Host Name」フィールドと「Cache Name」フィールドをapphost4
に置き換え、手順2から7を繰り返します。
「変更の適用」をクリックします。
新しいキャッシュ・クラスタ・メンバーのキャッシュ固有の情報がクラスタ構成に追加されます。
各クラスタ・メンバーの「Capacity」を0
に設定します。そのためには、「Properties」→「Clustering」を選択します。クラスタ・メンバーを選択して「Edit」をクリックします。「Edit Cluster Member」ダイアログ・ボックスで、「Capacity」を0
に設定します。
すべてのクラスタ・メンバーに構成を伝播します。
クラスタを変更してそれを適用すると、OracleAS Web Cacheにより、新しいキャッシュ・クラスタ・メンバーのキャッシュ固有の情報が構成に追加されます。すべてのクラスタ・メンバーに変更を適用するには、構成を伝播してクラスタ・メンバーのキャッシュ・サーバー・プロセスを再起動する必要があります。
Oracle Web Cache Managerで新しいクラスタ・メンバーに構成を伝播するには、次の手順を実行します。
ナビゲータ・フレームで、「Operations」→「Cache Operations」を選択します。
「Cache Operations」ページが表示されます。「Operation Needed」列に、構成を伝幡するキャッシュが示されます。
すべてのキャッシュ・クラスタ・メンバーに構成を伝播します。
「Operate On」フィールドで「All caches」を選択します。
「Interval」で「Immediate」を選択します(伝幡にはその他の間隔は使用できません。)
「Propagate」をクリックします。
操作が完了すると、「Cache Operations」ページの「Operation Needed」列に再起動が必要なクラスタ・メンバーが示されます。
すべてのクラスタ・メンバーを停止して再起動します。
「Operate On」フィールドで「All caches」を選択します。
キャッシュに対する操作を時間差をつけて開始するために「Interval」を選択し、「Restart」をクリックします。
操作が完了すると、「Cache Operations」ページの「Operation Needed」列に必要な操作がないことが示されます。これでキャッシュ・クラスタを使用する準備ができました。
ネットワーク外からのトラフィックに対して管理ポートと無効化ポートが閉じていることを確認してください。
ファイアウォールを経由した外部から内部への通信を無効にするには、次の手順を実行します。
外部中間層から内部中間層への管理ポートを無効にします。
telnetを使用して、外部のOracle Web Cacheから内部のOracle Web Cacheの管理ポートおよび無効化ポートにネットワーク・パケットを送信できないことを確認します。
管理ポートと無効化ポートの両方で、内部のOracle Web Cacheから外部のOracle Web Cacheにネットワーク・パケットを送信できることを確認します。
通信パスおよびポートは、表9-1のようになります。
表9-1 ネットワーク・パケットによって使用される通信パスおよびポート
通信パス | 有効にするポート |
---|---|
内部WebCache 1から外部WebCache 1 |
ポート9400およびポート9401 |
内部WebCache 1から外部WebCache 2 |
ポート9400およびポート9401 |
注意: ネットワーク・セキュリティ上の理由から、クラスタ構成の追加は内部中間層のいずれかにあるWeb Cacheインスタンスから実行してください。クラスタ管理にはクラスタ内の任意のWeb Cacheインスタンスを使用できますが、外部のOracle Web Cacheインスタンスを使用する場合は、ファイアウォールに一時的に管理ポートを開いて、外部から内部へのトラフィックを許可する必要があります。 |
ロード・バランシング・ルーターがポート7777
でリクエストを受け入れ、APPHOST3上のOracleAS Web Cacheのポート7777
に転送するように構成する必要があります。
また、基盤となるコンポーネントがロード・バランシング・ルーターのホスト名(xmlns.oracle.com
)とポート番号7777
に基づいてURLを作成し、Oracle Portalページに表示される自己参照URLがブラウザで有効なものになるように、APPHOST3のOracle Portal中間層を構成する必要があります。そのためには、仮想ホストを構成する必要があります。仮想ホストを構成するには、次の手順を実行します。
ロード・バランシング・ルーターがポート80
でリクエストを受け入れ、APPHOST3で稼動するOracle Web Cacheのポート(7777
)に転送するように構成します。これを行うには、次の手順を実行します。
ロード・バランシング・ルーター上にグループ(プール)を設定します。このグループには個々のサーバーを追加できます。詳細な手順は、ロード・バランシング・ルーターのドキュメントを参照してください。
必要なサーバーのIPアドレスとポート番号をグループに追加します。
ポート80
でリスニングを行い、グループのメンバー間でリクエストを配分する仮想サーバーを作成します。詳細な手順は、ロード・バランシング・ルーターのドキュメントを参照してください。
ロード・バランシング・ルーターが、自身がリスニングしているポートを変換し、Oracle Web Cacheがリスニングしているポートにリクエストを転送することを確認します。
基盤となるコンポーネントがロード・バランシング・ルーターのホスト名(internal.mycompany.com
)とポート番号(80
)に基づいてURLを作成し、Oracle Portalページに表示される自己参照URLがブラウザで有効なものになるように、APPHOST3のOracle Portal中間層を構成します。そのためには、次のように仮想ホストを定義します。
http://apphost3.abc.oracle.com:7001/em
にあるOracle Enterprise Manager 11gコンソールにアクセスします。
左側のナビゲーション・パネルで「Web層」を開きます。
「ohs1」を選択します。Oracle HTTP Serverのホームページが表示されます。
メニューから「管理」を選択し、「拡張構成」に移動します。
「選択」ファイル・メニューから「httpd.conf」を選択します。「実行」をクリックしてファイルを編集します。
httpd.conf
ファイルを編集します。次の例に示すように、VirtualHostコンテナを追加します。
NameVirtualHost *:7778 <VirtualHost *:7778> ServerName internal.mycompany.com Port 80 ServerAdmin you@your.address RewriteEngine On RewriteOptions inherit UseCanonicalName On </VirtualHost>
「適用」をクリックします。
Oracle HTTP Serverを再起動するように求められたら、「いいえ」をクリックします。
2番目の仮想ホストを定義します。この場合、次の項目を除いて、最初の仮想ホストの定義と同じ手順を使用します。
「サーバー名」にapphost3.mycompany.com
を指定します。
VirtualHostコンテナのPortディレクティブに7777
を指定します。
Oracle HTTP Serverを再起動するように求められたら、「はい」をクリックします。
APPHOST3のOracle Web Cache Managerを使用して、前の手順で作成した仮想ホストのエントリに一致するサイトを定義します。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』の説明に従って、APPHOST3のOracle Web Cache Managerにアクセスします。
「Properties」で「Sites」をクリックします。
「Named Sites Definitions」で「Create」をクリックします。
「Create Named Site」ページで、「Host」にinternal.mycompany.com
、「Port」に80
を指定します。他のフィールドはすべてデフォルト値のままとします。
「OK」をクリックします。「Named Sites Definitions」表にinternal.mycompany.com
が表示されるようになります。
外部中間層のOracle Web Cache Managerを使用して、APPHOST3をオリジン・サーバーとしてOracle Web Cacheクラスタに追加します。APPHOST3を追加するには、次の手順を実行します。
「Origin Servers, Sites, and Load Balancing」で「Origin Server」をクリックします。
「Origin Server」ページで、「Application Web Servers」表の「Add」をクリックします。
「Add Application Web Server」ページで次の情報を入力します。
プロパティ | 値 |
---|---|
ホスト名 |
|
ポート |
|
Routing |
|
容量 |
|
フェイルオーバーのしきい値 |
|
URLのping |
|
Ping Interval |
|
プロトコル |
|
「発行」をクリックします。
オリジン・サーバーが正しく追加されていることを確認するために、「Origin Server」表でapphost3.mycompany.com
を探します。
注意: 詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』のサイトからオリジン・サーバーへのマッピングに関する項を参照してください。 |
外部中間層のOracle Web Cache Managerを使用して、サイトinternal.mycompany.com
を中間層apphost3.mycompany.com
にマップします。
ナビゲーション・フレームで、「Origin Servers, Sites, and Load Balancing」の「Site-to-Server Mapping」を選択します。
「Site-to-Server Mapping」ページで、表の中の最初のマッピングを選択して「Insert Above」をクリックします。
「Edit/Add Site-to-Server Mapping」ページで、「Select from Site definitions」オプションを選択し、internal.mycompany.com
を選択します。
「Select Application Web Servers」セクションで、「Origin Servers」ページで指定したAPPHOST3上のアプリケーション・サーバー(apphost3.mycompany.com
)を選択します。
「発行」をクリックします。
ページの上部にある「Apply Changes」をクリックします。
「Cache Operations」ページで「Restart」をクリックし、APPHOST3のOracle Web Cacheを再起動します。
サイトが正しくマッピングされていることを確認するには、「Site-to-Server Mapping」ページに移動し、APPHOST3がサイトinternal.mycompany.com
にマップされていることを確認します。
apphost3.mycompany.comコンピュータがロード・バランシング・ルーターのホスト名を解決して正しいIPアドレスを取得できるように構成します。DNS解決を使用するか、/etc/hosts
ファイルに次のエントリを作成します。
xxx.xxx.240 internal.mycompany.com
注意:
127.0.0.1 apphost3.mycompany.com |
シングル・サインオン・コンポーネントが正しく動作するためには、常にURLのホスト名と同じ名前でパートナ・アプリケーションから参照される必要があります。これは、Cookieが生成元のホストにのみ返されるためです。
内部中間層をパートナ・アプリケーションとして登録する必要があります。そのためには、内部中間層(APPHOST3)から次の手順を実行する必要があります。
ORACLE_HOME変数をSSOのORACLE_HOMEの場所に設定します。
例9-1のようにパラメータを指定して、SSO登録スクリプトORACLE_HOME/sso/bin/ssoreg.sh
を実行します。
例9-1 UNIXでのssoregの使用方法
-site_name_internal.mycompany.com
-mod_osso_URL https://internal.mycompany.com
-config_mod_osso TRUE
-oracle_home_path ORACLE_HOME
-config_file /tmp/osso.conf
-admin_info cn=orcladmin
-virtualhost
-remote_midtier
Windowsの場合は、ssoreg.bat
スクリプトを実行します。
MW_HOME/asinst_1/config/OHS/ohs1
にあるポータル中間層ホームに/tmp/osso.confをコピーします。
次のコマンドを発行してOracle HTTP Serverを再起動します。
ORACLE_HOME/opm/bin/opmnctl restartproc process-type=OHS
次のURLを使用してシングル・サインオン・サーバーにログインします。
http://login.mycompany.com/pls/orasso
管理ページに移動してから、「パートナ・アプリケーションの管理」ページに移動します。apphost3.mycompany.com
のエントリを削除します。
Web層を再起動して変更を有効にします。Oracle Web Tierコンポーネントを再起動するには次のコマンドを使用します。
opmnctl stopall
opmnctl startall
注意: 前述のコマンドを発行する前に、環境変数ORACLE_INSTANCEがインストール時に入力した値に設定されていることを確認してください。 |
Oracle HTTP ServerはWebLogicのプロキシとして機能するため、デフォルトでは特定のCGI環境変数はWebLogicに渡されません。これらには、ホストとポートが含まれます。WebLogicには、内部URLを適切に生成できるように仮想サイト名およびポートを使用していることを指示する必要があります。これを実現するには、次の手順を実行します。
次のURLを使用して、WebLogic管理コンソールにログインします。
http://apphost1.abc.oracle.com:7001/console
「環境」を選択して「クラスタ」に移動します。
「チェンジ・センター」ウィンドウで「ロックして編集」をクリックし、編集可能にします。
「cluster_portal」を選択します。「HTTP」に移動して次の値を入力します。
パラメータ | 値 |
---|---|
フロントエンド・ホスト |
internal.mycompany.com |
フロントエンドHTTPポート |
80 |
フロントエンドHTTPSポート |
任意 |
「チェンジ・センター」ウィンドウの「変更のアクティブ化」をクリックします。
WLS_PORTAL管理対象サーバーを再起動します。WLS_PORTALを再起動するには、次の手順を実行します。
http://apphost1.abc.oracle.com:7001/console
にログインします。
「サーバー」に移動して「制御」タブを選択します。
「WLS_PORTAL」チェック・ボックスを選択し、「停止」をクリックします。
WLS_PORTALを再起動するには、「WLS_PORTAL」チェック・ボックスを選択し、「起動」をクリックします。
WLS_PORTALが起動します。
APPHOST3の最初の内部中間層を構成したら、ポータル・バージョン番号を元のバージョン番号に戻す必要があります。これを行うには、次の手順を実行します:
次の例に示すように、portal schema
としてデータベースに接続し、ポータル・バージョンを問い合せます。
>sqlplus portal/portaldb_portal@portaldb sql> select version from wwc_version$; sql> 11.1.1.1.0
次の例に示すように、ポータル・リポジトリ・バージョンを11.1.1.4.0に変更します。
sql> update wwc_version$ set version = '11.1.1.4.0'; sql> commit; sql> select * from wwc_version$; sql> 11.1.1.4.0
構成を検証するには、次のテストを実行します。
テスト | URL | 結果 |
---|---|---|
ロード・バランサのテスト |
http://myPortal.mycompany.com/ |
ホーム・ページが表示されます |
SSL経由したロード・バランサのテスト |
https://myPortal.mycompany.com/ |
ホーム・ページが表示されます |
ロード・バランサの終了のテスト |
http://myPortal.mycompany.com/portal/pls/portal/owa_util.print_cgi_env |
HTTPSのREQUEST_PROTOCOL値 |
2番目の内部中間層をAPPHOST4にインストールする前に、APPHOST3で内部中間層が実行されていることを確認してください。2番目の内部中間層をAPPHOST4にインストールするには、次のタスクを実行します。
次の点を除き、第9.1.2項「APPHOST3への最初の内部中間層のインストール」の手順に従って2番目の内部中間層をインストールします。
必要に応じて、APPHOST3をAPPHOST4に置き換えます。
ポータル・バージョン番号の変更は最初の内部中間層をAPPHOST3にインストールする場合にのみ必要になります。以降、APPHOST4や他の中間層を設定する場合、ポータル・バージョン番号は変更しないでください。
「Oracle Portalをインストール」セクションで、手順6を次の手順に置き換えます。
「クラスタを開く」を選択します。次の値を入力します。
パラメータ | 値 |
---|---|
ホスト名 |
WebLogic管理サーバーを実行しているホストの名前: APPHOST3.mycompany.com |
ポート |
管理サーバーが使用しているポート。例: 7001 |
ユーザー名 |
管理サーバーの管理者アカウント名 |
パスワード |
管理サーバーのパスワード |
「次へ」をクリックします。「コンポーネントの構成」画面が表示されます。
注意: 2番目の中間層のインストールに同じ物理パスを使用することをお薦めします。このようにしておくと、1つのマシンで構成の変更を行い、その変更内容を別のマシンへ転送するときに役立ちます。 |
APPHOST4に2番目の中間層をインストールしたら、APPHOST1のOracle Web Cache Managerを使用して、APPHOST4のキャッシュをクラスタに追加する必要があります。そのためには、必要に応じてAPPHOST3をAPPHOST4に置き換えて第9.1.3項「Oracle Web Cacheの無効化専用クラスタの構成」の手順を実行します。
2番目の内部中間層をAPPHOST4に構成するには、次の手順を実行します。
WLS_PORTAL1(APPHOST4)をAPPHOST3のORACLE HTTP Serverに追加します。
管理対象サーバーWLS_PORTALを起動したら、外部中間層のOracle HTTP Server (OHS)からリクエストがルーティングされるように設定する必要があります。
クラスタ対応にするためにOracle HTTP Server構成を更新します。
WebLogicクラスタを作成したら、WebLogicのリクエストがクラスタに転送されるようにする必要があります。そのためには、APPHOST3のORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf
にあるportal.conf
ファイルを次のように編集する必要があります。
次で始まるブロックのエントリを変更します。
/portal
/portalTools
/wsrp-tools
/portalHelp
/portalHelp2
次を編集します。
<Location /portal> SetHandler WebLogic-handler WebLogicHost apphost3.mycompany.com WebLogicPort 9001 </Location>
編集後
<Location /portal> SetHandler WebLogic-handler WebLogicCluster apphost3.mycompany.com:9001,apphost4.mycompany.com:9001 </Location>
次のコマンドを使用してOracle HTTP Serverを再起動します。
opmnctl restartproc process-type=OHS
APPHOST3からAPPHOST4に構成情報をコピーします。
ファイル | APPHOST3上の場所 | APPHOST4上の場所 |
---|---|---|
appConfig.xml portal_cache.conf portal_dads.conf portal_plsql.conf |
MW_HOME/user_projects/domains/PortalDomain/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/ |
MW_HOME/user_projects/domains/PortalDomain/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL1/applications/portal/configuration |
mod_oradav.conf mod_osso.conf plsql.conf portal.conf virtual_hosts.conf |
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf |
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf |
osso.conf |
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1 |
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1 |
sqlnet.ora |
ORACLE_INSTANCE/config/ |
ORACLE_INSTANCE/config/ |
次のコマンドを使用してOracle HTTP Serverを再起動します。
ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
仮想ホストを構成します。
基盤となるコンポーネントがロード・バランシング・ルーターのホスト名(internal.mycompany.com
)とポート番号7777
に基づいてURLを作成できるようにOracle Portal中間層を構成する必要があります。そのためには、仮想ホストを構成する必要があります。仮想ホストを構成するには、次の手順を実行します。
$INSTANCE_HOME/config/OHS/ohs1
にあるhttpd.conf
ファイルを編集します。
次のエントリをこのファイルに追加します。
NameVirtualHost *:8888 <VirtualHost *8888> ServerName http://internal.mycompany.com:7777 RewriteEngine On RewriteOptions inherit UseCanonicalName On </VirtualHost>
<VirtualHost *:8888> ServerName apphost4.abc.oracle.com:7777 RewriteEngine On RewriteOptions inherit UseCanonicalName On </VirtualHost>
APPHOST4上に次のポータル・ディレクトリを作成し、Oracle Portalのキャッシュの記憶域にします。
ORACLE_INSTANCE/portal/cache
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/portal
ディレクトリ$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL1/applications/portal/configuration
内にあるファイルでインスタンス・パスを更新します。
次に示すようにファイルを編集します。
portal_cache.conf
: PlsqlCacheDirectoryを変更します
portal_plsql.conf
: PlsqlLogDirectoryを変更します
次のURLを使用してAPPHOST4の管理サーバーにログインし、WLS_PORTAL1を起動します。
http://apphost4.abc.oracle.com:7001/console
WLS_PORTAL1の起動の詳細は、Oracle Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド:11.1.1.2のWLS_PORTAL1の起動に関する項を参照してください。
構成を検証します
構成が完了したら、構成を検証する必要があります。構成を検証するには、次のテストを実行します。
テスト | URL | 結果 |
---|---|---|
ロード・バランサのテスト |
http://myPortal.mycompany.com/ |
ホーム・ページが表示されます |
SSL経由したロード・バランサのテスト |
https://myPortal.mycompany.com/ |
ホーム・ページが表示されます |
ロード・バランサの終了のテスト |
https://myPortal.mycompany.com/portal/pls/portal/owa_util.print_cgi_env |
HTTPSのREQUEST_PROTOCOL値 |
Web Cacheパスワードの変更
Web Cacheの無効化パスワードと管理パスワードはランダムに生成されます。これらのパスワードをデフォルト値から新しい既知の値に変更することをお薦めします。パスワードを変更するには、次の手順を実行します。
「ナビゲータ」ウィンドウで「Web層」ツリーを開きます。
APPHOST4で「wc1」を選択します。
ページの最上部にあるメニュー・リストから「管理」を選択し、「パスワード」に移動します。
新しい無効化パスワードと管理パスワードを入力します。確認して、「適用」をクリックします。
注意: 外部中間層で使用したパスワードと同じものを使用します。 |
次のコマンドを使用してWeb Cacheを再起動し、変更を有効にします。
opmnctl restartproc ias-component=wc1
APPHOST3のOracle Web Cache Managerを使用してAPPHOST4を追加します。
Oracle Web Cache Managerを使用してAPPHOST4を追加するには、次の手順を実行します。
「Origin Servers, Sites, and Load Balancing」で「Origin Server」をクリックします。
「Origin Server」ページで、「Application Web Servers」表の「Add」をクリックします。
「Add Application Web Server」ページで次の情報を入力します。
プロパティ | 値 |
---|---|
ホスト名 |
|
ポート |
|
Routing |
|
容量 |
|
フェイルオーバーのしきい値 |
|
URLのping |
|
Ping Interval |
|
プロトコル |
|
「発行」をクリックします。
オリジン・サーバーが正しく追加されていることを確認するために、「Origin Server」表でapphost4.abc.oracle.com
を探します。
APPHOST3のOracle Web Cache Managerを使用して、ロード・バランシング・ルーター・サイトをオリジン・サーバーにマップします。
Web Cache Managerを使用してロード・バランシング・ルーター・サイトinternal.mycompany.com
を2つのオリジン・サーバーapphost3.mycompany.com
およびapphost4.mycompany.com
にマップするには、次の手順を実行します。
ナビゲーション・フレームで、「Origin Servers, Sites, and Load Balancing」の「Site-to-Server Mapping」を選択します。
「Site-to-Server Mapping」ページにある表でロード・バランシング・ルーター・サイトのマッピングを選択し、「Edit Selected」をクリックします。
「Select Application Web Servers」セクションで、APPHOST4の「Origin Server」ページで指定したアプリケーションWebサーバー(apphost4.mycompany.com
)を選択します。
「発行」をクリックします。
サイトが正しくマッピングされていることを確認するには、「Site to Server Mappings」表でAPPHOST3とAPPHOST4の両方がinternal.mycompany.com
にマップされていることを確認します。
ページ上部の「変更の適用」をクリックします。「Cache Operations」ページで次の手順を実行します。
「Propagate」をクリックしてAPPHOST4に変更を伝幡します。
「Restart」をクリックしてAPPHOST3およびAPPHOST4のWeb Cachesを再起動します。
ホストに依存しない無効化を送信できるように、Oracle Metadata RepositoryのOracle Portalスキーマを構成します。これを行うには、次の手順を実行します:
APPHost1
にログインし、SQL*Plusを使用してスクリプトOH/portal/admin/plsql/wwc/cachhii.sql
を実行します。
プロンプトでon
を指定して、ホストに依存しない無効化を有効にします。
構成が完了し、正常に機能していることを確認するには、次の手順を実行します。
次の手順を実行して、ロード・バランシング・ルーターを介してOracle AS Portalにアクセスできるかどうかをテストします。
http://internal.mycompany.com:7777/pls/portal
にあるOracleAS Portalのホームページにアクセスします。
ポータルのログイン・リンクをクリックします。
ポータルのリンクをいくつかクリックしてみます。
コンテンツがOracle Web Cacheにキャッシュされていることを確認します。そのためには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』の説明に従って、APPHOST3のOracle Web Cache Managerにアクセスします。
「Monitoring」で「Popular Requests」をクリックします。「Filter Objects」ドロップダウン・リストから「Cached」を選択し、「Update」をクリックします。Oracle Portalにアクセスできていれば、ポータル・コンテンツ(/pls/portal
を含むURLなど)が表示されます。
Oracle Portalで、ポートレットをページに追加するなどの基本的なページ編集を行って、新しいコンテンツが表示されることを確認します。新しいコンテンツが正しく表示されない場合やエラーが発生する場合は、Oracle Web Cacheの無効化の構成に誤りがあります。
この項の内容は、次のとおりです。
外部中間層のインストール
外部中間層をインストールするには、次のタスクを実行します。
WebLogic Serverバージョン1034をインストールします。
PS1 S/Wビットをインストールします。
PS3 Sparseパッチをインストールします。
MW_HOME/oracle_home/install/config/deploy
にあるvi portal-deployment-sequence.xml
ファイルを開きます。
次に示すように、ファイルの次の行をコメントアウトします。
<!-- <Deploy name="portalHelp" file="portal/jlib/portalHelp.ear" description="Portal Help" stagingMode="nostage"/> --> <!-- <Deploy name="portalHelp2" file="portal/jlib/portalHelp2.ear" description="Portal Help 2" stagingMode="nostage"/>-->
MW_HOME/$ORACLE_HOME/bin
にある./config.sh
を実行します。
リポジトリおよび外部中間層のアップグレード
リポジトリおよび外部中間層は、アップグレード・アシスタントを使用してアップグレードする必要があります。外部中間層および必要なスキーマとリポジトリをアップグレードするには、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイドのタスク6: アップグレード・アシスタントを使用した必要なスキーマおよび中間層のアップグレードに関する項を参照してください。
リポジトリと中間層をアップグレードしたら、中間層を構成する必要があります。次の構成タスクを実行する必要があります。
MW_HOME/
instance_name
/config/OHS/ohs1
にあるhttpd.conf
ファイルを開きます。次に示すようにファイルを編集します。
NameVirtualHost*:7778 <VirtualHost*:7778> ServerName portal.mycompany.com #SecureHttps On Port 443 UseCanonicalName On RewriteEngine On RewriteOptions inherit </VirtualHost> <VirtualHost*:7778> ServerName apphost1.abc.oracle.com:7777 RewriteEngine On RewriteOptions inherit UseCanonicalName On </VirtualHost>
フロントエンド・ホストおよびポートの詳細を指定します。
次のURLを使用して、アップグレードしたWebLogicコンソールにログインします。
http://apphost1.abc.oracle.com:7001/console
左側のナビゲーション・パネルで「クラスタ」に移動し、「クラスタのサマリー」をクリックします。
「cluster_portal」を選択します。cluster_portalの設定ページが表示されます。
「構成」セクションで「HTTP」タブを選択します。
次に示すフロントエンド・ホストおよびポートの詳細を入力します。
フロントエンド・ホスト: portal.mycompany.com
フロントエンドHTTPポート: 80
フロントエンドHTTPSポート: 443
「保存」をクリックします。「変更のアクティブ化」をクリックして変更を有効にします。
WLS_PORTALを再起動して構成の変更を有効にします。WLS_PORTALを再起動するには、次の手順を実行します。
http://apphost1.abc.oracle.com:7001/console
にログインします。
「サーバー」に移動して「制御」タブを選択します。
「WLS_PORTAL」チェック・ボックスを選択し、「停止」をクリックします。
WLS_PORTALを再起動するには、「WLS_PORTAL」チェック・ボックスを選択し、「起動」をクリックします。
WLS_PORTALが起動します。
次の場所にあるportal_dads.conf
ファイルを開きます:次に示すようにファイルを編集します。
<Location /pls/portal> SetHandler pls_handler Order allow,deny Allow from All AllowOverride None PlsqlDatabaseUsername portal PlsqlDatabasePassword CSFPassword PlsqlDatabaseConnectString portalinfra.abc.oracle.com:1521:portaldb.abc.oracle.com ServiceNameFormat PlsqlNLSLanguage AMERICAN_AMERICA.WE8ISO8859P1 PlsqlAuthenticationMode SingleSignOn PlsqlDocumentTablename portal.wwdoc_document PlsqlDocumentPath docs PlsqlDocumentProcedure portal.wwdoc_process.process_download PlsqlDefaultPage portal.home PlsqlPathAlias url PlsqlPathAliasProcedure portal.wwpth_api_alias.process_download PlsqlExclusionList "#None#" PlsqlCGIEnvironmentList "REQUEST_PROTOCOL=HTTPS" PlsqlCGIEnvironmentList "SERVER_PORT=443" </Location>
データベース・ウォレットを作成し、そのウォレットにロード・バランサの証明書を格納します。データベース・ウォレット内に証明書を格納したら、そのウォレットの場所をポータル・リポジトリ内に格納する必要があります。
そのためには、Oracle Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド:11.1.1.2の次の項にある手順をすべて実行します。
データベース・ウォレットの作成
データベース・ウォレットへの証明書のインポート
ポータルに対するウォレットの識別
外部中間層をSSOに登録する必要があります。SSOへの登録の詳細は、Oracle Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド:11.1.1.2を参照してください。
Web層(OHSとWeb Cache)を再起動します。
前述の変更を行った後、Web層コンポーネントを再起動する必要があります。そのためには、次のコマンドを発行します。
opmnctl stopall
opmnctl startall
構成を検証します。
構成を検証するには、次のテストを実行します。
テスト | URL | 結果 |
---|---|---|
ロード・バランサのSSL終了のテスト |
https://myPortal.mycompany.com/portal/pls/portal/owa_util.print_cgi_env |
HTTPSのREQUEST_PROTOCOL値 |
ロード・バランサを経由したPortalのテスト |
https://myPortal.mycompany.com/portal/pls/portal |
ポータルのホーム・ページが表示されます |
ロード・バランサを経由したPortalログインのテスト |
https://myPortal.mycompany.com/portal/pls/portal |
orcladminアカウントを使用してログインできる必要があります。 |
APPHOST3への最初の内部中間層のインストール
内部中間層をAPPHOST3にインストールするには、次のタスクを実行します。
WebLogic Serverバージョン1034をインストールします。
PS1 S/Wビットをインストールします。
PS3 Sparseパッチをインストールします。
MW_HOME/oracle_home/install/config/deploy
にあるvi portal-deployment-sequence.xml
ファイルを開きます。
次に示すように、ファイルの次の行をコメントアウトします。
<!-- <Deploy name="portalHelp" file="portal/jlib/portalHelp.ear" description="Portal Help" stagingMode="nostage"/> --> <!-- <Deploy name="portalHelp2" file="portal/jlib/portalHelp2.ear" description="Portal Help 2" stagingMode="nostage"/>-->
次に示すように、データベースに接続し、ポータル・スキーマのバージョンを変更します。
>sqlplus portal/portaldb_portal@portaldb sql> select version from wwc_version$; sql> 11.1.1.4.0
次に示すように、今度はバージョンを11.1.1.1.0に変更します。
sql> update wwc_version$ set version = '11.1.1.1.0'; sql> commit; sql> select * from wwc_version$; sql> 11.1.1.1.0
11g RCUを使用してポートレット・スキーマを作成します。
MW_HOME/$ORACLE_HOME/bin
にある./config.sh
を実行します。
APPHOST3の最初の内部中間層のアップグレード
APPHOST3の内部中間層をアップグレードするには、アップグレード・アシスタントを使用する必要があります。APPHOST3の内部中間層をアップグレードするには、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイドのタスク6: アップグレード・アシスタントを使用した必要なスキーマおよび中間層のアップグレードに関する項を参照してください。
注意: リポジトリは外部中間層に対してのみアップグレードされます。APPHOST3およびAPPHOST4の内部中間層に対しては、リポジトリのアップグレードは不要です。 |
内部中間層をアップグレードしたら、その中間層を構成する必要があります。次の構成タスクを実行する必要があります。
フロントエンド・ホストおよびポートの詳細を指定します。
次のURLを使用して、アップグレードしたWebLogicコンソールにログインします。
http://apphost3.abc.oracle.com:7001/console
左側のナビゲーション・パネルで「クラスタ」に移動し、「クラスタのサマリー」をクリックします。
「cluster_portal」を選択します。cluster_portalの設定ページが表示されます。
「構成」セクションで「HTTP」タブを選択します。
次に示すフロントエンド・ホストおよびポートの詳細を入力します。
フロントエンド・ホスト: internal.mycompany.com
フロントエンドHTTPポート: 7777
「保存」をクリックします。
注意: 「フロントエンドHTTPSポート」フィールドは空白のままにします。 |
次の手順を実行してWLS_PORTALを再起動し、変更を有効にします。
WebLogicコンソールにログインします。
「サーバー」に移動して「制御」タブを選択します。
「WLS_PORTAL」チェック・ボックスを選択し、「停止」をクリックします。
WLS_PORTALを再起動するには、「WLS_PORTAL」チェック・ボックスを選択し、「起動」をクリックします。
WLS_PORTALが起動します。
APPHOST3の内部中間層をSSOに登録する必要があります。SSOへの登録の詳細は、Oracle Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド:11.1.1.2を参照してください。生成されたosso.conf
ファイルを次のディレクトリにコピーします。
$ORACLE_HOME/asinst_1/config/OHS/ohs1/osso
.
Web層(OHSとWeb Cache)を再起動します。
前述の変更を行った後、Web層コンポーネントを再起動する必要があります。そのためには、次のコマンドを発行します。
opmnctl stopall
opmnctl startall
APPHOST3の最初の内部中間層をインストールしてアップグレードしたら、ポータル・バージョン番号を元のバージョン番号に戻す必要があります。これを行うには、次の手順を実行します:
次の例に示すように、portal schema
としてデータベースに接続し、ポータル・バージョンを問い合せます。
>sqlplus portal/portaldb_portal@portaldb sql> select version from wwc_version$; sql> 11.1.1.1.0
次の例に示すように、ポータル・リポジトリ・バージョンを11.1.1.4.0に変更します。
sql> update wwc_version$ set version = '11.1.1.4.0'; sql> commit; sql> select * from wwc_version$; sql> 11.1.1.4.0
注意: ポータル・バージョン番号の変更は最初の内部中間層をAPPHOST3にインストールおよびアップグレードする場合にのみ必要になります。以降、APPHOST4や他の中間層を設定する場合、ポータル・バージョン番号は変更しないでください。 |
APPHOST4への2番目の内部中間層のインストール
2番目の内部中間層をAPPHOST4にインストールするには、次のタスクを実行します。
外部中間層のインストールの手順をすべて実行します。
第9.1.7項「APPHOST4への2番目の内部中間層のインストール」の説明に従って、Oracle Portal 11gをインストールします。
APPHOST4の2番目の内部中間層のアップグレード
APPHOST3の内部中間層をアップグレードするには、アップグレード・アシスタントを使用する必要があります。APPHOST3の内部中間層をアップグレードするには、Oracle Fusion Middleware Oracle Portal、Forms、ReportsおよびDiscovererアップグレード・ガイドのタスク6: アップグレード・アシスタントを使用した必要なスキーマおよび中間層のアップグレードに関する項を参照してください。
注意: リポジトリは外部中間層に対してのみアップグレードされます。APPHOST3およびAPPHOST4の内部中間層に対しては、リポジトリのアップグレードは不要です。 |
APPHOST4のWebLogicドメインを構成するには、次のタスクを実行します。
WLS_PORTAL1(APPHOST4)をAPPHOST3のORACLE HTTP Serverに追加します。
管理対象サーバーWLS_PORTALを起動したら、外部中間層のOracle HTTP Server (OHS)からリクエストがルーティングされるように設定する必要があります。
クラスタ対応にするためにOracle HTTP Server構成を更新します。
WebLogicクラスタを作成したら、WebLogicのリクエストがクラスタに転送されるようにする必要があります。そのためには、APPHOST3のORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf
にあるportal.conf
ファイルを次のように編集する必要があります。
次で始まるブロックのエントリを変更します。
/portal
/portalTools
/wsrp-tools
/portalHelp
/portalHelp2
次を編集します。
<Location /portal> SetHandler WebLogic-handler WebLogicHost apphost3.mycompany.com WebLogicPort 9001 </Location>
編集後
<Location /portal> SetHandler WebLogic-handler WebLogicCluster apphost3.mycompany.com:9001,apphost4.mycompany.com:9001 </Location>
次のコマンドを使用してOracle HTTP Serverを再起動します。
opmnctl restartproc process-type=OHS
APPHOST3からAPPHOST4に構成情報をコピーします。
ファイル | APPHOST3上の場所 | APPHOST4上の場所 |
---|---|---|
appConfig.xml portal_cache.conf portal_dads.conf portal_plsql.conf |
MW_HOME/user_projects/domains/PortalDomain/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL/applications/portal/configuration/ |
MW_HOME/user_projects/domains/PortalDomain/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL1/applications/portal/configuration |
mod_oradav.conf mod_osso.conf plsql.conf portal.conf virtual_hosts.conf |
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf |
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf |
osso.conf |
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1 |
ORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1 |
sqlnet.ora |
ORACLE_INSTANCE/config/ |
ORACLE_INSTANCE/config/ |
仮想ホストを構成します。これを実行する手順を次に示します。
APPHOST4のORACLE_INSTANCE/config/OHS/ohs1/moduleconf
にあるvirtual_hosts.conf
ファイルを編集します。
次に示すように、UseCanonicalName On
エントリがファイルにあることを確認します。
NameVirtualHost *:7778 <VirtualHost *7778> ServerName http://internal.mycompany.com:7777 RewriteEngine On RewriteOptions inherit UseCanonicalName On </VirtualHost>
<VirtualHost *:7778> ServerName apphost4.abc.oracle.com:7777 RewriteEngine On RewriteOptions inherit UseCanonicalName On </VirtualHost>
次のコマンドを使用してOracle HTTP Serverを再起動します。
ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
APPHOST4上に次のポータル・ディレクトリを作成し、Oracle Portalのキャッシュの記憶域にします。
ORACLE_INSTANCE/portal/cache
ORACLE_INSTANCE/diagnostics/logs/portal
ディレクトリ$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL1/applications/portal/configuration
内にあるファイルでインスタンス・パスを更新します。
次に示すようにファイルを編集します。
portal_cache.conf
: PlsqlCacheDirectoryを変更します
portal_plsql.conf
: PlsqlLogDirectoryを変更します
WLS_PORTAL1を起動する前に、次の手順を実行します。
$ORACLE_HOME/archives/applications dir
にあるportal.ear
ファイルを解凍します。
portal_dads.conf
(0バイトのファイル)を開きます。ファイルに内容を追加して0バイト以外のファイルにし、保存します。
portal.ear
ファイルを再ビルドします。
WLS_PORTAL1を再起動します。
APPHOST3インスタンスから$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/WLS_PORTAL1/applications/portal/configuration
(APPHOST4)にportal_dads.conf
ファイルをコピーします。
WLS_PORTAL1サーバーを再起動します。
次のURLを使用してAPPHOST4の管理サーバーにログインし、WLS_PORTAL1を起動します。
http://apphost4.abc.oracle.com:7001/console
WLS_PORTAL1の起動の詳細は、Oracle Portalエンタープライズ・デプロイメント・ガイド:11.1.1.2のWLS_PORTAL1の起動に関する項を参照してください。
構成を検証するには、次の2つのシナリオで外部ポータルURL (http://portal.mycompany.com/portal/pls/portal
)と内部ポータルURL (http://internal.mycompany.com:7777/portal/pls/portal
)にアクセスし、それぞれが正しく動作することを確認します。
APPHOST3 (opmnサービスとWLS_PORTAL)が完全に停止しており、APPHOST4 (opmnサービスとWLS_PORTAL)が完全に起動している。
APPHOST3 (opmnサービスとWLS_PORTAL)が完全に起動しており、APPHOST4 (opmnサービスとWLS_PORTAL)が完全に停止している。