ヘッダーをスキップ
Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementアップグレード・ガイド
11gリリース1(11.1.1.7.0)
B56245-05
  目次へ移動
目次

前
 
 

12 Oracle Identity Federation高可用性環境のアップグレード

この章では、高可用性環境でのOracle Identity Federationのアップグレード方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

12.1 タスク1: Oracle Identity Federation高可用性アップグレードの理解

Oracle Identity Federation高可用性アップグレードを準備するには、次の項を参照してください。

12.1.1 Oracle Identity Federation高可用性アップグレードの前提条件

このアップグレード手順を開始するには、次の事項が前提となります。

  • 10gのソース・トポロジが11gのアップグレード先トポロジと同じであること。

    つまり、インストールを予定しているOracle Identity Federationトポロジが、設計面で10g環境と同様である必要があります。たとえば、11g環境で同じ数のホストと同じ数のOracle Identity Federationインスタンスを実行していることが前提になります。

  • アップグレードする各Oracle Identity Federationインスタンスについて、ターゲットのOracle Identity Federation 11g Oracleホームが、ソースのOracle Identity Federation 10g Oracleホームと同じホストに存在すること。

  • Oracle Identity Federationスキーマのホストに使用するデータベースが、Oracle Fusion Middleware 11gでサポートされるバージョンにアップグレードされていること。

    詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のデータベースのアップグレードと準備に関する項を参照してください。

  • 関連するOracle HTTP Serverもアップグレードする場合は、アップグレード・プロセスを開始する前に他のホスト上の別のすべてのOracle Identity Federation 10gインストールのすべてのプロセスを停止します。

    Oracle Identity Federation 10gインストールに関連するOracle HTTP Serverのアップグレードの詳細は、第12.6.2項「Oracle HTTP ServerとOracle Identity Federationの選択および構成について」を参照してください。

12.1.2 この章で使用される規則

この章の例では、2つの個別ホスト・コンピュータで実行する2つのOracle Identity Federationインスタンスをアップグレードすると仮定しています。これらをIDMHOST1とIDMHOST2と呼びます。

さらに、2つのデータベース・サーバーがあり、これらも2つの個別ホストDBHOST1およびDBHOST2で実行しているとします。

12.2 タスク2: データベースへのOracle Identity Federationスキーマのインストール

アップグレード準備のためにOracle Identity Federation 11gをインストールするには、サポートされているデータベースにOracle Identity Federation 11gスキーマをインストールしておく必要があります。

リポジトリ作成ユーティリティを使用してスキーマを作成し、リポジトリ作成ユーティリティの「コンポーネントの選択」画面で「Oracle Identity Federation」コンポーネントを選択します。

詳細は、第7.2項「タスク2: リポジトリ作成ユーティリティを使用したデータベースへのOracle Identity Federationスキーマのインストール」を参照してください。

12.3 タスク3: Oracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成

Oracle WebLogic Serverのインストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』の「インストールの準備」および「グラフィカル・モードでのインストール・プログラムの実行」を参照してください。

12.4 タスク4: Oracle Identity Federation 11gリリース1(11.1.1.7.0)のインストール

Oracle Identity Federation 11gをインストールして構成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の「Oracle Identity Management (11.1.1.7.0)のインストールおよび構成」の章を参照してください。

12.5 タスク5: Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlのみによるOracle WebLogic Serverドメインの構成

Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、Oracle Virtual Directoryを構成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるドメインの作成』のグラフィカル・モードでのWebLogicドメインの作成に関する項を参照してください。


注意:

ポート番号7001および5556が、コンピュータ上のサービスによって使用されていないことを確認します。

たとえば、UNIXシステムの場合は、次のコマンドを入力します。ポートが使用されていない場合は、コマンドから出力は返されません。

netstat -an | grep "7001"
netstat -an | grep "5556"

Windowsオペレーティング・システムの場合は、次のようにします。

netstat -an | findstr "LISTEN" | findstr "7001"
netstat -an | findstr "LISTEN" | findstr "5556"

ポートが使用されている(コマンドからポートを識別する出力が返された)場合は、ポートを解放する必要があります。

たとえば、UNIXシステムでそのポートが1つ以上のサービスによって使用されている場合は、/etc/servicesファイルでポート7001および5556のエントリを削除して、サービスまたはコンピュータを再起動します。


12.6 タスク6: ドメインの拡張および最初のOracle Identity Federation 11g Oracleインスタンスの作成

これで、Oracle WebLogic Serverドメインの構成が完了したので、ドメインを拡張し、最初のOracle Identity FederationコンポーネントであるOracleインスタンスを作成できます。詳細は、次の項も参照してください。

12.6.1 ドメインの拡張およびOracle Identity Federationの構成

ドメインを拡張し、Oracle Identity Federationを構成するには、次のようにします。

  1. 『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の最初の4つの章を確認してください。

    これらの章には、システム要件や前提条件タスクなど重要なインストール前の情報が含まれています。

  2. ポート番号7499が、コンピュータ上のサービスによって使用されていないことを確認します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    netstat -an | grep "7499"
    

    Windowsオペレーティング・システムの場合は、次のようにします。

    netstat -an | findstr "LISTEN" | findstr "7499"
    

    ポートが使用されている(コマンドからポートを識別する出力が返された)場合は、ポートを解放する必要があります。

    たとえば、UNIXシステムでそのポートがサービスによって使用されている場合は、/etc/servicesファイルでポート7499のエントリを削除して、サービスまたはコンピュータを再起動します。

  3. Oracle Identity Management CD-ROMを検索します。

    また、Oracle Technology Networkでインストール・キットをダウンロードし、解凍することもできます。

    http://www.oracle.com/technology
    
  4. staticports.iniファイルを、CD–ROMの次のディレクトリ、またはソフトウェア・ダウンロードをダウンロードして解凍したディレクトリから、一時ディレクトリにコピーします。

    Disk1/stage/Response
    
  5. 一時ディレクトリにコピーしたstaticports.iniファイルを編集し、次のカスタム・ポートを割り当てます。

    [OIF]
    # The OIF Server Port
    OIF Server Port = 7499
    

    後で、最初のOracle Identity Federationインスタンスのインストール手順でこのファイルの場所を参照することが必要になります。

  6. 次のコマンドを実行することで、Oracle Identity Management構成ツールを起動します。

    OIF_ORACLE_HOME/bin/config.sh
    

    たとえば、次のようになります。

    /u01/app/oracle/product/fmw/idm/bin/config.sh
    
  7. 構成ウィザードの説明に従って、既存のドメインを拡張します。

    インストールと構成時は次のリソースを参照してください。

    • 表12-1。Oracle Identity Federation高可用性アップグレードのソフトウェアをインストールおよび構成する際に必要な特定の手順について説明します。

    • 『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』。または、Oracle Identity Federationのインストール時に必要な前提条件とその他のプロンプトについては、「ヘルプ」をクリックします。

  8. インストールおよび構成が完了したら、構成ツールを終了します。

表12-1 最初のOracle Identity Federation Oracleインスタンスを構成するときの構成画面の概要

画面 説明および実行するアクション

ようこそ

「次へ」をクリックし、Oracle Identity Federationの構成を開始します。

ドメインの選択

インストール場所の指定

  • このページの最初の2つのフィールドは読取り専用です。

  • 「Weblogicサーバー・ディレクトリ」フィールドで、既存のミドルウェア・ホーム内のwlserver_10.3ディレクトリの名前とパスを入力します。

  • 「Oracleインスタンスの場所」フィールドに、Oracleインスタンスのディレクトリを作成する場所のパスを入力します。ファイルが存在する既存のディレクトリへのパスを入力しないでください。既存のディレクトリへのパスを入力する場合、そのディレクトリが空である必要があります。

  • 「インスタンス名」フィールドに、oif_inst1と入力し、これを高可用性トポロジでの最初のOracle Identity Federationインスタンスとします。

詳細は、「ヘルプ」をクリックするか、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』を参照してください。

ミドルウェア・ホームの詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareの概念の理解に関する項を参照してください。

セキュリティ更新用の電子メールの指定

セキュリティ問題の通知方法を次の中から選択します。

  • セキュリティ上の問題について、電子メールで通知を受け取るには、「電子メール」フィールドに電子メール・アドレスを入力します。

  • セキュリティ上の問題について、My Oracle Support(旧MetaLink)から通知を受け取る場合、「My Oracle Support」オプションを選択し、My Oracle Supportのパスワードを入力します。

  • セキュリティ問題の通知を行わない場合は、すべてのフィールドを空のままにします。

コンポーネントの構成

この画面では、このインストールおよび構成セッションで構成するコンポーネントを特定します。

この手順の目的のため、次の操作を実行します。

ポートの構成

構成ファイルを使用してポートを指定を選択して、一時ディレクトリで編集して保存したstaticports.iniファイルのフルパス名を入力します。

OIFの詳細の指定

この例の場合、この画面のフィールドに次のように入力します。

  • PKCS12パスワード: セキュリティ・パスワードを入力します。

  • パスワードの確認: パスワードを再入力して、正しく入力したことを確認します。

  • サーバーID: oif_OIFDomainと入力します。

OIF拡張フロー属性

この画面の各フィールドには次の内容を入力します。

認証タイプ: JAAS

ユーザー・ストア: NONE

フェデレーション・ストア: NONE

ユーザー・セッション・ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

メッセージ・ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

構成ストア: RDBMS(デフォルトの選択、クラスタの場合は変更できません)

一時ストアのデータベースの詳細

この画面では次の情報を入力します。

  • 接続文字列: データベースに接続文字列を指定します。RACデータベースの場合、各ノードを入力してカレット文字(^)で区切ります。たとえば、次のようになります。

    oifdbhost1-vip.mycompany.com:1521:oifdb1^
    oifdbhost2-vip.mycompany.com:1521:oifdb2@ oifdb.mycompany.com
    
  • ユーザー名: 第12.2項「タスク2: データベースへのOracle Identity Federationスキーマのインストール」で作成したOracle Identity Federationスキーマの名前(接頭辞を含む)を入力します。

  • パスワード: Oracle Identity Federationスキーマの作成時に入力したパスワード。

インストール・サマリー

行った選択内容を確認します。変更が必要な場合は、「戻る」をクリックします。選択が適切であれば、「インストール」をクリックします。

インストールの進行状況

ディスクへのファイルのインストールの進行状況を監視します。

oracleRoot.shスクリプトのダイアログ・ボックス

UNIXプラットフォームへのインストール中に、このダイアログ・ボックスで、rootユーザーとしてログインして、oracleRoot.shスクリプトを実行するように求められます。

スクリプトにより、ファイルの作成や編集、および/usr/local/bin/ディレクトリにあるいくつかのOracle実行可能ファイルの権限の変更が行われるため、rootユーザーとしてログインする必要があります。

構成の進行状況

ソフトウェアの構成の進行状況を監視します。

インストール完了

「終了」をクリックしてインストールを終了し、インストーラを終了します。


12.6.2 Oracle HTTP ServerとOracle Identity Federationの選択および構成について

Oracle Identity Federationには、Oracle HTTP Serverインスタンスが必要です。ただし、Oracle Identity Federationと同じホストにOracle HTTP Serverインスタンスをインストールして構成するか、Web層インストールの一部として別のホストにOracle HTTP Serverインスタンスをインストールするかを選択できます。

Oracle HTTP Serverを同じホストにインストールするかどうかを判断する場合は、次の事項に注意してください。

  • Oracle HTTP ServerをOracle Identity Federationと同じホストにインストールする場合、Oracle Fusion Middlewareのアップグレード・アシスタントを使用して、Oracle Identity Federationのアップグレードと同時にOracle HTTP Serverインスタンスをアップグレードできます。

    つまり、アップグレード・アシスタントでは、すべてのSSL証明書とOSSO統合構成を、ソースのOracle Identity Federation 10gソース・トポロジからOracle Identity Federation 11gアップグレード先トポロジに移行できます。

  • Oracle HTTP Serverを別ホストにインストールする場合、アップグレード・アシスタントでは、SSL証明書とOSSO統合構成を移行しません。これらのアーティファクトは、アップグレード後に手動で移行する必要があります。

12.7 タスク7: アップグレード・アシスタントを使用した最初のOracle Identity Federation Oracleインスタンスのアップグレード

Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントによって、Oracle Application Server 10g環境のアップグレードが多くの点で自動化されます。

アップグレード・アシスタントは、Oracle Fusion Middleware Oracleホームのbinディレクトリに自動的にインストールされます。

詳細は、次の項を参照してください。

12.7.1 タスク7a: Oracle Identity Federationアップグレードのためのアップグレード・アシスタントの起動

グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用したアップグレード・アシスタントを起動する手順は、次のとおりです。


注意:

Oracle Application Server 10g Oracleホームのアップグレードには、アップグレード・アシスタントのコマンドライン・インタフェースも使用できます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレード・アシスタントのコマンドライン・インタフェースの使用に関する項を参照してください。


  1. ディレクトリを、Oracle Fusion MiddlewareインストールのORACLE_HOME/binディレクトリに変更します。

  2. 次のコマンドを入力して、アップグレード・アシスタントを起動します。

    UNIXシステムの場合:

    ./ua
    

    Windowsシステムの場合:

    ua.bat
    

    図12-1に示すとおり、アップグレード・アシスタントの「ようこそ」画面が表示されます。

    図12-1 アップグレード・アシスタントの「ようこそ」画面

    図12-1の説明が続きます。
    「図12-1 アップグレード・アシスタントの「ようこそ」画面」の説明

  3. 「次へ」をクリックすると、「操作の指定」画面が表示されます(図12-2)。

    アップグレード・アシスタントで使用可能なオプションは、アシスタントを起動したOracleホーム固有のものです。Oracle Application Server Identity ManagementのOracleホームからアップグレード・アシスタントを起動する場合、「操作の指定」画面に表示されるオプションが、Oracle Application Server Identity ManagementのOracleホームに対して有効なオプションです。

    図12-2 Oracle Identity Federationアップグレードのためのアップグレード・アシスタントの「操作の指定」画面

    図12-2の説明が続きます。
    「図12-2 Oracle Identity Federationアップグレードのためのアップグレード・アシスタントの「操作の指定」画面」の説明

12.7.2 タスク7b: Oracle Identity Federationのアップグレード

Oracle Identity Federationをアップグレードする場合、アップグレード・アシスタントによって、Oracle Identity Federation中間層の構成ファイルがアップグレードされます。

Oracle Identity Federationが同一のOracleインスタンスにある場合にOracle Identity Federationをアップグレードするには、次のようにします。

  1. 「タスク7a: Oracle Identity Federationアップグレードのためのアップグレード・アシスタントの起動」に示すとおり、アップグレード・アシスタントを起動します。

  2. 「操作の指定」画面(図12-2)の「アイデンティティ管理インスタンスのアップグレード」を選択します。

  3. Oracle Identity Federationのアップグレード中に入力を必要とするアップグレード・アシスタントの画面の説明は、表12-2を参照してください。

  4. アップグレード・アシスタントでは、「アップグレード・オプションの指定」画面の後に次のタスクが実行され、それぞれのタスクの進行状況が表示されます。

    • アップグレード対象のコンポーネントとスキーマを調査し、アップグレード可能かどうかを確認します。

    • アップグレード対象のコンポーネントのサマリーを示します。これにより、アップグレード・アシスタントによってコンポーネントとスキーマが予測どおりにアップグレードされることを確認できます。

    • 進行状況画面を表示します。これにより、アップグレードのステータスを進行に応じて確認できます。

    • アップグレード中に発生したエラーまたは問題について警告します。


      関連項目:

      アップグレード・アシスタントの実行中に発生する問題のトラブルシューティングの具体的な方法は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードのトラブルシューティングに関する項を参照してください。


    • アップグレードが完了したことを確認する「アップグレードの終了」画面を表示します。

  5. アップグレード・アシスタントを終了します。

表12-2 Oracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformのアップグレード中に入力が必要なアップグレード・アシスタント画面

アップグレード・アシスタント画面 説明

ソース・ホームの指定

10g(10.1.4.0.1)のソースOracleホームを選択します。

アップグレードするOracleホームがドロップダウン・リストに表示されない場合は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のOracleASアップグレード・アシスタントに一覧表示されないソースOracleホームに関する項を参照してください。

アップグレード先インスタンスの指定

ミドルウェア・ホーム内にインストールしたアップグレード先の11g Oracleインスタンスの完全パスを入力します。これは、Oracle Identity Federationソフトウェアが含まれるOracleホームです。

または、「参照」をクリックしてディレクトリを選択します。

WebLogic Serverの指定

第12.5項「タスク5: Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlのみによるOracle WebLogic Serverドメインの構成」で構成したOracle WebLogic Serverドメインのホスト、管理サーバーのポートおよび管理ユーザーの資格証明を入力します。

「警告」ダイアログ・ボックス

ソースOracleホームに、ターゲットOracleインスタンスにインストールおよび構成されていないOracle Application Serverコンポーネントがある場合は、この警告ダイアログ・ボックスが表示されます。

この警告は、ソースOracleホームに11g Oracleホームで使用できないOracle HTTP Serverのインスタンスが含まれる場合などに表示されます。

ダイアログ・ボックス内の情報が正しく、どのコンポーネントがアップグレードされるかがわかっている場合は、「はい」をクリックして続行します。それ以外は、「いいえ」をクリックして、コンポーネントが各11g Oracleインスタンスでインストールおよび構成されていることを確認します。

アップグレード・オプションの指定

この画面は、これらのアップグレード・オプションを示します。

  • アップグレード先でソースOracleホーム・ポートを使用: Oracle Application Server 10gのOracleホームで使用しているポートの割当てをOracle Fusion Middlewareの新しいOracleインスタンスに移行する場合に指定します。

    Oracle Identity Federationをアップグレードする際は、このオプションを常に選択することをお薦めします。

  • アップグレード完了後にアップグレード先コンポーネントを起動: アップグレードの完了後にUpgrade Assistantによってアップグレード先Oracleホームのコンポーネントを自動的に起動する場合に指定します。このオプションを選択しない場合、アップグレード後にアップグレード先インスタンスを手動で起動する必要があります。

この例の目的のため、両方のアップグレード・オプションを選択します。


12.8 タスク8: IDMHOST2でのOracle WebLogic Serverのインストールおよびミドルウェア・ホームの作成

IDMHOST1に作成したOracle WebLogic Serverクラスタを拡張してIDMHOST2を含める前に、Oracle WebLogic Serverバイナリ・ファイルをIDMHOST2にインストールしてIDMHOST2にミドルウェア・ホームを作成しておく必要があります。

Oracle WebLogic Serverのインストールの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』の「インストールの準備」および「グラフィカル・モードでのインストール・プログラムの実行」を参照してください。

Oracle WebLogic Serverをインストールする場合、ミドルウェア・ホームの完全パスを書き留めておいてください。この情報は、アップグレード手順で後ほど必要になります。

12.9 タスク9: IDMHOST2でのOracle Identity Federation 10gインスタンスの削除

Oracle Identity Federation高可用性環境の2番目のホストにOracle Identity Federation 11gをインストールする前に、その2番目のホストで現在稼動しているOracle Identity Federation 10gインスタンスを削除することをお薦めします。

この手順は、既存のOracle Identity Federation 10gインスタンスと新しいOracle Identity Federation 11gインスタンスの間のポートの競合を回避するために必要です。

詳細は、次のトピックを参照してください。

12.9.1 Oracle Identity Federation 10gインスタンスの削除手順

Oracle Identity Federation 10gの削除手順は、Oracle Technology Network(OTN)のOracle Application Server 10g(10.1.4.0.1)ドキュメント・ライブラリで入手できる『Oracle Identity Federation管理者ガイド』のOracle Identity Federationの削除に関する項を参照してください。

http://www.oracle.com/technology/documentation/oim1014.html

12.9.2 ポートの競合を回避するための代替手段

組織でOracle Identity Federation 10gの削除を選択しない場合は、次の代替ソリューションを検討できます。これには、Oracle HTTP Server 10gの構成ファイルの変更が含まれています。

Oracle Identity Federation 11gのインストール中に、Oracle HTTP Server 10gインスタンスを変更してポートの競合を回避する手順は次のとおりです。

  1. ディレクトリをOracle HTTP Serverの構成ディレクトリに変更します。

    10g_ORACLE_HOME\Apache\Apache\conf\
    
  2. このディレクトリの次に示すファイルのバックアップ・コピーを作成します。

    httpd.conf
    ssl.conf
    
  3. ファイルhttpd.confを編集し、Oracle Identity Federation 11gのインストール中に再使用する必要があるHTTP非SSLポートの出現を検索します。

  4. 出現ごとに、httpd.confファイルの値を編集または削除します。

    たとえば、HTTP非SSLポートが7786である場合は、その値を削除するか、その値を7786から77861に変更します。

  5. 同様の方法で、ファイルssl.confを編集し、再使用する必要があるHTTP SSLポートの出現を検索します。

  6. 出現ごとに、ssl.confファイルの値を編集または削除します。

12.10 タスク10: 2番目のインスタンスIDMHOST2へのOracle Identity Federation 11gリリース1(11.1.1.7.0)のインストール

IDMHOST2にOracle Identity Federation 11gをインストールして構成するには、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』の「Oracle Identity Management(11.1.1.7.0)のインストールおよび構成」の章を参照してください。

12.11 タスク11: IDMHOST2でのOracle WebLogic Serverドメインの構成

Oracle Fusion Middleware構成ウィザードを使用して、Oracle Virtual Directoryを構成します。詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるドメインの作成』のグラフィカル・モードでのWebLogicドメインの作成に関する項を参照してください。


注意:

ポート番号7499が、コンピュータ上のサービスによって使用されていないことを確認します。

たとえば、UNIXシステムの場合は、次のコマンドを入力します。ポートが使用されていない場合は、コマンドから出力は返されません。

netstat -an | grep "7499"

Windowsオペレーティング・システムの場合は、次のようにします。

netstat -an | findstr "LISTEN" | findstr "7499"

そのポートが使用されている(コマンドからそのポートを特定する出力が返された)場合は、それらを解放する必要があります。

たとえば、UNIXシステムでそのポートが1つ以上のサービスによって使用されている場合は、/etc/servicesファイルでポート7499のエントリを削除して、サービスまたはコンピュータを再起動します。


12.12 タスク12: IDMHOST1からIDMHOST2へのOracle Identity Federationアプリケーションのコピー

Oracle Directory Integration Platformアプリケーションは、外部でステージング済のアプリケーションとしてIDMHOST1にデプロイされます。このアプリケーションは、IDMHOST1からOIFHOST2にコピーする必要があります。それ以外の場合は、IDMHOST2上の管理対象サーバーは、Oracle WebLogic Server管理コンソールに「不明」状態であるとリストされます。

  1. IDMHOST1で、Oracle WebLogic Serverドメイン・ディレクトリ内のapplicationsディレクトリを探します。

    MW_HOME/user_projects/domains/OIFDomain/config/fmwconfig/servers
           /wls_oif1/applications
    
  2. IDMHOST1のapplicationsディレクトリとその内容を、IDMHOST2のドメイン・ディレクトリ内の同じ場所にコピーします。

    たとえば、次のようになります。

    scp -rp MW_HOME/user_projects/domains/OIFDomain/config/fmwconfig/servers
                   /wls_oif1/applications
         user@IDMHOST2:MW_HOME/user_projects/domains/OIFDomain/config/fmwconfig
                   /servers/wls_oif2/applications
    

12.13 タスク13: IDMHOST2での管理対象サーバーの起動

次の手順に従い、クラスタのwls_ods2管理対象サーバーを起動します。

  1. ブラウザを開き、次のURLのWebLogic管理コンソールに移動します。

    http://idmhost1.mycompany.com:port/console
    
  2. 管理者資格証明を使用して、WebLogic管理コンソールにログインします。

  3. WebLogic管理コンソールの左ペインで、「環境」を展開し「クラスタ」を選択します。

  4. 起動する管理対象サーバー(wls_oif2)を含むクラスタ(cluster_oif)を選択します。

  5. 「制御」を選択します。

  6. 「このクラスタの管理対象サーバーのインスタンス」で、起動する管理対象サーバー(wls_ods2)の横にあるチェック・ボックスを選択して「起動」をクリックします。

  7. 「サーバー・ライフサイクル・アシスタント」ページで「はい」をクリックして確定します。


注意:

ノード・マネージャによりターゲット・マシンでサーバーが起動されます。ノード・マネージャによる起動シーケンスが終了すると、サーバーの状態が「サーバー状態」表の「状態」列に示されます。


12.14 タスク14: アップグレード後の手順の完了

アップグレード後の重要なOracle Identity Federation高可用性の手順については、次の項を参照してください。

12.14.1 Oracle Identity FederationとOracle HTTP Server間のルーティングの構成

次の手順に従って新しいOracle HTTP Serverインスタンスを作成し、IDMHOST1およびIDMHOST2のOracle HTTP ServerインスタンスとOracle Identity Federationインスタンス間の通信を有効にします。

Oracle Identity Federationをインストールおよび構成する場合、Oracle HTTP ServerソフトウェアはOracleホームにインストールされますが、Oracle HTTP Serverインスタンスはデフォルトで構成されません。

  1. Oracle HTTP Serverインスタンスを作成し、Oracle Identity Federationとともに構成します。

    INSTANCE_HOME/bin/opmnctl createcomponent
              -componentType OHS
              -componentName ohs1
    
  2. IDMHOST2で、次の構成ファイルを編集します。

    INSTANCE_HOME/config/OHS/ohs_name/moduleconf/oif.conf
    

    この例では、ohs_nameは、Oracle HTTP Serverコンポーネントの名前(ohs1など)です。

  3. Oracle Identity Federation Serverインスタンスを実行する管理対象サーバーを参照するように、WebLogicCluster変数を非コメント化して設定します。

    たとえば、各管理対象サーバーのホストとポートが次のような場合、

    idmhost1.mycompany.com:7499
    idmhost2.mycompany.com:7499
    

    次のエントリを含めるようにファイルを更新します。

    <Location /fed>
         WebLogicCluster idmhost1.mycompany.com:7499,idmhost2.mycompany.com:7499
         SetHandler weblogic-handler
    </Location>
    
  4. oif.confファイルを保存します。

  5. 次に示すようにOracle HTTP Serverを起動します。

    INSTANCE_HOME /bin/opmnctl startproc process-type=OHS
    

12.14.2 ロード・バランサの構成

高可用性構成でデプロイされるOracle Identity Federationトポロジは、外部ロード・バランサでフロントエンド化されます。これにより、各種OIFインスタンス間でHTTPリクエストのロード・バランシングが行われます。

Oracle Identity Federation高可用性環境をアップグレードしたら、IDMHOST1およびIDMHOST2のOracle HTTP Serverインスタンスをリスニングするようにロード・バランサを構成します。このタスクを実行するには、ロード・バランサのベンダーで提供されるドキュメントを参照してください。

12.14.3 Oracle Identity Federationの構成プロパティの設定

次の手順に従い、IDMHOST1およびIDMHOST2のOracle Identity Federationインスタンスを有効にし、ロード・バランサの仮想ホスト名を認識します。

このタスクを行うには、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用します。

  1. Fusion Middleware Controlにログインし、Oracle Identity Federationインスタンスのホームページを見つけます。

  2. サーバー・プロパティを次のように変更します。

    1. 「Oracle Identity Federation」メニューから、「管理」「サーバー・プロパティ」を選択します。

    2. ロード・バランサの仮想ホスト名を反映するように、「ホスト」フィールドを変更します。

    3. ロード・バランサで使用されるポートを反映するように、「ポート」「SSL有効」、および「SOAPポート」「SSL有効」を変更します。

    4. 変更を保存します。

  3. アイデンティティ・プロバイダのプロパティを次のように変更します。

    1. 「管理」メニューから、「アイデンティティ・プロバイダ」を選択します。

    2. 「プロバイダID」フィールドに、ロード・バランサの仮想ホスト名とポートのURLを入力します。

      たとえば、次のようになります。

      http://load_balancer_host:port
      
  4. サービス・プロバイダのプロパティを次のように変更します。

    1. 「管理」メニューから、「サービス・プロバイダ」を選択します。

    2. 「プロバイダID」フィールドに、ロード・バランサの仮想ホスト名とポートのURLを入力します。

      たとえば、次のようになります。

      http://load_balancer_host:port
      
  5. 高可用性環境の以降のOracle Identity Federationインスタンスについて、手順2から4を繰り返します。

  6. Oracle Identity Federationメタデータが変更されるため、メタデータをリモート・パートナに再分配して、加えられた構成の変更をリモート・パートナに通知します。

12.14.4 関連する追加の高可用性タスク

この項にリストされているこれらのタスクのほかに、Oracle Identity Federation 11g高可用性環境の構成に必要な追加のタスクがないか必ず確認してください。

特に、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』の次の項を参照してください。

  • Oracle Directory Services ManagerのためのOracle HTTP Serverの高可用性の構成に関する項

  • Oracle HTTP Serverの構成に関する項

  • Oracle Identity Federationの構成に関する項

12.15 タスク15: Oracle Identity Federation高可用性アップグレードの確認

次の手順に従い、アップグレードしたOracle Identity Federation高可用性アップグレードを確認します。

  1. Webブラウザで次に示すURLにアクセスします。

    http://<LoadBalancerHost>:<LoadBalancerPort>/fed/sp/metadata
    http://<LoadBalancerHost>:<LoadBalancerPort>/fed/idp/metadata
    
  2. 『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide for Oracle Identity Federation』の次の項の手順に従い、SPのメタデータをIdPに、IDPのメタデータをSPにインポートします。

    • サーバー・メタデータの入手に関する項

    • 信頼できるプロバイダの追加に関する項

  3. 次のURLに移動して、シングル・サインオン操作を実行します。

    http://Loadbalancer_SP_Host:Loadbalancer SP_port/fed/user/testspsso
    
  4. アップグレード時に、10g環境のシングル・サインオン構成を、アップグレードしたインスタンスに移行する必要があります。その結果、アップグレード・プロセスが正常に完了した場合は、そのURLにアクセスできるようになります。