ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integratorアップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1.1.7.0)
B70182-02
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

3 Oracle Data Integrator環境のアップグレード

この章では、既存のOracle Data Integrator 10g環境をOracle Data Integrator 11gにアップグレードする方法について説明します。既存の11g環境をODIの新しい11gのバージョンにアップグレードする場合は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 Oracle Data Integratorの開始ポイントの理解

アップグレードでサポートされる開始ポイントは、アップグレードするコンポーネントとインストール済のコンポーネントによって異なります。

また、ODI 10gを11.1.1.6.0にアップグレードする場合は、後続の各項で説明するODI用アップグレード・アシスタントを使用します。ODI 11.1.1.5.0から11.1.1.6.0へアップグレードする場合は、ODI用のOracleパッチ・セット・アシスタントを使用します。パッチ・セット・アシスタントの使用方法の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。

この項では、次のアップグレード操作の開始点について説明します。


注意:

Oracle Data Integrator 10gリリース3(10.1.3) Data Qualityは、標準のOracle Data Integrator 11gのインストールには含まれていません。これらのコンポーネントは、別々にインストールし、別々のアップグレード・プロセスでアップグレードする必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Profiling and Oracle Data Quality for Oracle Data Integratorアップグレード・ガイド』を参照してください。


3.1.1 中間層インスタンスをアップグレードするときの開始点

ODI中間層のアップグレードでは、10gエージェント・ライブラリ、ドライバおよびスクリプト・エンジンを11gスタンドアロン・エージェントのインストール・フォルダにコピーします。

Oracle Data Integratorの中間層のアップグレードを実行するには、ODI 10g (10.1.3)ランタイム・エージェントおよびODI 11gスタンドアロン・エージェントが同一システムにインストールされている必要があります。

3.1.2 Oracle Data Integratorリポジトリをアップグレードするときの開始点

Oracle Data Integratorリポジトリを含むデータベースは、Oracle Fusion Middleware 11gによってサポートされる必要があります。アップグレード・アシスタントは、以下に示すデータベースのマスター・リポジトリおよび作業リポジトリのアップグレードをサポートしています。


注意:

ODI Smart Export and Importの機能を使用して、オブジェクトを10gからエクスポートし、11.1.1.5.0以上にインポートできます。

エクスポート/インポートによるODIプロジェクトのアップグレードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のエクスポート/インポートに関する項を参照してください。


現在のデータベースが次のリストにない場合や、使用しているデータベースのバージョンがODI 11gと互換性があるかを検証する場合には、「ODIリポジトリを含むデータベースのアップグレード」を参照してください。

  • Oracle RDBMS

    注意: Oracle Database DBAでアップグレードを実行するにはSYSDBA権限が必要です。

  • Microsoft SQL Server

  • Sybase Adaptive Server

    注意: Sybaseに格納されているリポジトリをアップグレードするには、そのリポジトリが4K以上のページ・サイズのデータベースに格納されている必要があります。リポジトリがページ・サイズの小さなデータベースに格納されている場合、そのリポジトリをアップグレードする前に、データベースを適切なページ・サイズのデータベースに移行する必要があります。

    ページ・サイズの増加方法の詳細は、http://www.sybase.com/content/1021203/sybmigrate_wp.pdfを参照してください。

  • Hypersonic SQL

  • IBM DB2

  • IBM DB2/400

  • PostgreSQL

    注意: ODI 11gアップグレード・アシスタントには、サポート対象のすべてのデータベースに対応するドライバが含まれています(PostgreSQLを除く)。PostgreSQLにアップグレード・アシスタントを使用する場合は、postgresql-8.4-701.jdbc4.jarを次のディレクトリにインストールしてから、アップグレード・アシスタントを使用してください。

    ODI_HOME/upgrade/jlib

    ODI_HOMEは、Oracle Data Integrator 11gのインストール・ディレクトリです。

3.2 Oracle Data Integratorコンポーネントのアーキテクチャの計画

Oracle Data Integrator 10gコンポーネントのアーキテクチャは、ODI 11gで変更されています。ODI 10gと同じコンポーネントの構成を維持することもできますが、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のOracle Data Integratorの概要に関する項で新しいコンポーネントの構成を確認することをお薦めします。

3.3 ODIリポジトリを含むデータベースのアップグレード

Oracle Data Integratorリポジトリを含むデータベースは、Oracle Fusion Middleware 11gによってサポートされる必要があります。サポートされているデータベースの最新リストは、次を参照してください。

http://www.oracle.com/technology/software/products/ias/files/fusion_certification.html

データベースがOracle Fusion Middleware 11gの要件を満たしているかどうかを確認する手順については、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のデータベースのアップグレードと準備に関する項を参照してください。関連情報として、データベース独自のアップグレードに関するドキュメントを参照することをお薦めします。


注意:

使用していたRDBMSがOracle Data Integrator 10gでサポートされていたが、Oracle Data Integrator 11gでサポートされなくなった場合は、アップグレードする前にODI 10gバージョンで、次の手順を実行します。

  1. サポートされていないデータベース・システム/バージョンからODI 10gリポジトリをエクスポートします。

  2. サポート対象のデータベース・システム/バージョンに、新しい10gバージョンのリポジトリを作成し、マスターおよび作業リポジトリをインポートします。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のリポジトリレベルのエクスポート/インポートに関する項を参照してください。


3.4 作業リポジトリが正しいスキーマにアタッチされていることの確認

11.1.1.6.0以降、アップグレード・アシスタントはマスター・リポジトリにアタッチされているすべての作業リポジトリをアップグレードします。作業リポジトリを正常にアップグレードするために、アップグレードの前に、リポジトリが正しいスキーマおよびホストにアタッチされていることを確認する必要があります。

  1. 既存のODIクライアント(アップグレード前のバージョン)を使用してODIマスター・リポジトリに接続します。

    ODIマスター・リポジトリへの接続の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』のマスター・リポジトリへの接続に関する項を参照してください。

  2. 作業リポジトリが正しい作業リポジトリのスキーマおよびホストにアタッチされていることを検証します。

    詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integrator開発者ガイド』の作業リポジトリへの接続に関する項と作業リポジトリのアタッチおよび削除に関する項を参照してください。


注意:

スキーマがOracle Databaseでホストされている場合、アップグレードする前に次の権限付与をすべての作業リポジトリに対して発行する必要があります。

GRANT EXECUTE on dbms_lock to WORKSCHEMA

WORKSCHEMAは、作業リポジトリのスキーマの名前です。


3.5 既存のマスターおよび作業リポジトリのクローニング

アップグレード・プロセスの開始前にオリジナルのODIマスターおよび作業リポジトリのそれぞれをコピー(クローニング)することをお薦めします。マスター・リポジトリのアップグレード・プロセスの間に、アップグレード・アシスタントによって、クローニングされたマスター・リポジトリおよび作業リポジトリの場所と資格証明が要求されます。

次の項では、ODIリポジトリのホストをサポートするデータベースについて、基本的なスキーマのクローニング手順を説明します。詳細は、各データベースのドキュメントを参照してください。


注意:

この項の目的は、アップグレード・プロセスの開始前に、ODI 10gおよび11gリポジトリのそれぞれをコピー(クローニング)することの重要性について強調することです。この項に記載されているクローニング手順は、ODI 11gでサポートされているデータベースごとのサンプルの手順です。これらの手順は制限なく使用できます。常に、要求に合ったクローニング手順を使用してください。


3.5.1 Oracle Databaseでのスキーマのクローニング・プロセス

次の手順は、ODI用Oracle Databaseスキーマをクローニングするために使用できます。

  1. Oracleエクスポート・ユーティリティを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをエクスポートします。

    次に例を示します。

    exp userid=odi_master_10g/odi_master_10g file=/tmp/odi_master_10g.dmp
    exp userid=odi_work_10g/odi_work_10g file=/tmp/odi_work_10g.dmp
    exp userid=odi_work1_10g/odi_work1_10g file=/tmp/odi_work1_10g.dmp
    

    Datapumpユーティリティを使用して、ODI 11gのマスターおよび作業スキーマをエクスポートします。

    次に例を示します。

    expdp odi_tmp/odi_tmppwd schemas=odiw10135 dumpfile=odiw10135.dmp
    
  2. クローンのマスターおよび作業スキーマを作成します。

    SQL*Plusを使用して、クローンのマスターおよび作業スキーマを作成し、接続権限とリソース権限を付与します。

    次に例を示します。

    create user  odi_master_10g_cp identified by odi_master_10g_cp;
    create user  odi_work_10g_cp identified by odi_work_10g_cp;
    create user  odi_work1_10g_cp identified by odi_work1_10g_cp;
    grant connect,resource to odi_master_10g_cp, odi_work_10g_cp,odi_work1_10g_cp;
    
  3. Oracleインポート・ユーティリティを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをクローニングされたスキーマにインポートします。

    Oracleインポートを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをクローニングされたマスターおよび作業スキーマにダンプします。

    次に例を示します。

    imp userid='system/manager' touser=odi_master_10g_cp fromuser=odi_master_10g file=/tmp/odi_master_10g.dmp
    imp userid='system/manager' touser=odi_work_10g_cp fromuser=odi_work_10g file=/tmp/odi_work_10g.dmp
    imp userid='system/manager' touser=odi_work1_10g_cp fromuser=odi_work1_10g file=/tmp/odi_work1_10g.dmp
    

    Datapumpユーティリティを使用して、ODI 11gのマスターおよび作業スキーマをインポートします。

    次に例を示します。

    impdp ODI_TMP/ODI_TMPPWD dumpfile=odim10135 remap_tablespace=repo10135:odi11gremap_schema=odim10135:odim1113
    

    impdpを使用して、データ・ストレージのスキーマ名と表領域を変更することもできます。remap_xxパラメータはオプションです。

3.5.2 MySQLデータベースでのスキーマのクローニング・プロセス

次の手順は、MySQLデータベース・スキーマをクローニングするために使用できます。

  1. mysqldumpを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをエクスポートします。

    次に例を示します。

    mysqldump -h localhost -u root -p DEV_ODI_REPO > /scratch/dump.sql
    
  2. mysqlを使用して、ODIスキーマを新しいスキーマにリストアします。

    例: 最初に、クローニングされたスキーマを作成します。

    mysql -h localhost -u root -p
    create schema NEW_ODI_REPO default character set=utf8 default collate=utf8_bin;
    

    その後、ODIスキーマをクローニングされたスキーマにインポートします。

    次に例を示します。

    mysql -h localhost -u root -p NEW_ODI_REPO < /scratch/dump.sql
    
  3. mysqlを使用して、クローニングされたスキーマのログインを作成します。

    次に例を示します。

    mysql -h localhost -u root -p
    grant all on NEW_ODI_REPO.* to NEW_ODI_REPO1@'localhost' identified by 'password';
    grant process on *.* to NEW_ODI_REPO1@'localhost'
    

3.5.3 Microsoft SQL Serverデータベースでのスキーマのクローニング・プロセス

次の手順は、Microsoft SQL 2005/2008データベース・スキーマをクローニングするために使用できます。

  1. SQL Management Studioを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをエクスポートします。

    次に例を示します。

    BACKUP DATABASE [odi_10g] TO DISK = N'C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.1\MSSQL\Backup\odi_10g.bak' WITH INIT, NOSKIP;
    
  2. SQL Management Studioを使用して、マスターおよび作業スキーマを新しいデータベースでリストアします。

    SQL Management Studio Expressを使用して、次の手順を実行します。

    1. マスターおよび作業スキーマをリストアします。

    2. データベースを格納するために使用するファイルの論理名を出力します。

    3. データベースを格納するために使用するファイルを移動します。

    次に例を示します。

    RESTORE DATABASE [odi_10g_cp] FROM DISK = N'C:\Program Files\Microsoft SQL 
    Server\MSSQL.1\MSSQL\Backup\odi_10g.bak' 
    WITH FILE = 1, MOVE N'odi_10g' TO N'C:\Program Files\Microsoft SQL 
    Server\MSSQL.1\MSSQL\DATA\odi_10g_cp.mdf', 
    MOVE N'odi_10g_log' TO N'C:\Program Files\Microsoft SQL 
    Server\MSSQL.1\MSSQL\DATA\odi_10g_cp_log.ldf', NOUNLOAD; 
    go
    
  3. SQL Management Studioを使用して、クローニングされたマスターおよび作業スキーマ用のログインとユーザーを作成します。

    SQL Management Studio Expressを使用して、クローニングされたマスターおよび作業スキーマにアクセスするログインとユーザーを作成します。SQL Management Studio Expressで適切なデータベース・インスタンスを選択します。これらのコマンドが選択したデータベース・インスタンスに適用されます。

    次に例を示します。

    create login odi_10g_cp with password=N'odi_10g_cp', 
    default_database=odi_10g_cp,  check_expiration = off, check_policy = off; 
    go 
    USE odi_10g_cp
    go 
    create user odi_10g_cp  for login odi_10g_cp; 
    go 
    USE odi_10g_cp 
    go
    
  4. 古いスキーマを新しいスキーマの場所に移動するには、次のSQLスクリプトを実行します。

    注意: 次の例では古いスキーマの名前がodi_10gで、新しいスキーマの名前がodi_10g_cpです。

    CREATE SCHEMA [odi_10g_cp] AUTHORIZATION odi_10g_cp
    go
    .
    DECLARE @OldSchema AS varchar(255)
    DECLARE @NewSchema AS varchar(255)
    . 
    SET @OldSchema = 'odi_10g'
    SET @NewSchema = 'odi_10g_cp'
    .
    DECLARE @sql AS varchar(MAX)
    SET @sql = CHAR(13) + CHAR(10)
    .
    SELECT @sql = @sql + 'ALTER SCHEMA [' + @NewSchema + '] TRANSFER [' + 
    TABLE_SCHEMA + '].[' + TABLE_NAME + ']' + CHAR(13) + CHAR(10) 
    FROM INFORMATION_SCHEMA.TABLES
    WHERE TABLE_SCHEMA = @OldSchema
    .
    EXEC (@sql)
    go
    
  5. スキーマの移動を完了するには、次のSQLクエリを実行します。

    DROP SCHEMA [odi_10g] 
    go 
    drop user odi_10g; 
    go 
    alter user odi_10g_cp with default_schema = odi_10g_cp; 
    go 
    grant create table, create view, create procedure,create function to 
    odi_10g_cp; 
    go
    

3.5.4 PostgreSQLデータベースでのスキーマのクローニング・プロセス

次の手順は、PostgreSQLデータベース・スキーマをクローニングするために使用できます。

  1. PostgreSQLバックアップ・ユーティリティを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをエクスポートします。

    次に例を示します。

    pg_dump -U odi_master_10g --schema=odi_master_10g -Ft -f "c:/odi_master_10g.dmp.tar" odi_10g
    pg_dump -U odi_work_10g --schema=odi_work_10g -Ft -f "c:/odi_work_10g.dmp.tar" odi_10g
    pg_dump -U odi_work1_10g --schema=odi_work1_10g -Ft -f "c:/odi_work1_10g.dmp.tar" odi_10g
    
  2. データベースと、マスターおよび作業ユーザーのクローンを作成します。

    PostgreSQLの対話型ターミナルを使用し、SUPERUSERオプションによってクローン・データベースとクローンのマスターおよび作業スキーマのユーザーを作成します。

    次に例を示します。

    psql -U postres
    CREATE ROLE odi_master_10g_cp WITH SUPERUSER LOGIN PASSWORD 'odi_master_10g_cp';
    CREATE ROLE odi_work_10g_cp WITH SUPERUSER LOGIN PASSWORD 'odi_work_10g_cp';
    CREATE ROLE odi_work1_10g_cp WITH SUPERUSER LOGIN PASSWORD 'odi_work1_10g_cp';
    CREATE DATABASE odi_10g_cp with owner=odi_master_10g_cp;
    
  3. PostgreSQLを使用して、マスターおよび作業スキーマをクローン・データベースでリストアします。

    PostgreSQLのリストア・ユーティリティを使用して、マスターおよび作業スキーマをクローン・データベースでリストアします。

    次に例を示します。

    pg_restore -O -U odi_master_10g_cp -d odi_10g_cp -C "c:/odi_master_10g.dmp.tar"
    pg_restore -O -U odi_work_10g_cp -d odi_10g_cp "c:/odi_work_10g.dmp.tar"
    pg_restore -O -U odi_work1_10g_cp -d odi_10g_cp "c:/odi_work1_10g.dmp.tar"
    
  4. クローンのマスターおよび作業スキーマを構成します。

    PostgreSQLの対話型ターミナルを使用し、クローンのマスターおよび作業スキーマのユーザーにNOSUPERUSERを設定します。

    次に例を示します。

    psql -U postres -d odi_10g_cp
     
    ALTER USER  odi_master_10g_cp WITH NOSUPERUSER;
    ALTER USER  odi_work_10g_cp WITH NOSUPERUSER;
    ALTER USER  odi_work1_10g_cp WITH NOSUPERUSER;
    

    PostgreSQLの対話型ターミナルを使用し、クローンのマスターおよび作業スキーマの名前を変更します。

    次に例を示します。

    ALTER SCHEMA odi_master_10g RENAME TO odi_master_10g_cp;
    ALTER SCHEMA odi_work_10g RENAME TO odi_work_10g_cp;
    ALTER SCHEMA odi_work1_10g RENAME TO odi_work1_10g_cp;
    

3.5.5 IBM DB2 Universal Databaseでのスキーマのクローニング・プロセス

次のいずれかの手順を選択して、IBMのDB2 Universal Databaseスキーマをクローニングします。


注意:

データベースのページ・サイズは32768 (32K)に設定する必要があります。さらに、オペレーティング・システム・ユーザーのODI_MASTER_10G_CPおよびODI_WORK_10G_CPを手動で作成する必要があります。


3.5.5.1 ODI 10gマスターおよび作業スキーマに対する共通のホストのクローニング・プロセス

次の手順は、IBM DB2スキーマを同じホストまたはプラットフォームでクローニングするために使用できます。

  1. コマンド・ライン・プロセッサを使用してDB2データベースを作成します。

    次に例を示します。

    db2 CREATE DATABASE ODI11 AUTOMATIC STORAGE YES  ON 'C:\' DBPATH ON 'C:\' USING CODESET IBM-1252 TERRITORY US COLLATE USING SYSTEM PAGESIZE 32768
    
  2. DB2 Database Movement Toolを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマを新しいスキーマにコピーします。

    マスター・スキーマの例:

    db2move ODI10G COPY -sn odi_master_10g -co TARGET_DB ODI10GCP USER db2admin USING welcome SCHEMA_MAP ((odi_master_10g,odi_master_10g_cp)) TABLESPACE_MAP ((USERSPACE1,USERSPACE1),SYS_ANY) owner odi_master_10g_cp
    

    作業スキーマの例:

    db2move ODI10G COPY -sn odi_work_10g -co TARGET_DB ODI10GCP USER db2admin USING welcome SCHEMA_MAP ((odi_work_10g,odi_work_10g_cp)) TABLESPACE_MAP ((USERSPACE1,USERSPACE1),SYS_ANY) owner odi_work_10g_cp
    

3.5.5.2 ODI 10gマスターおよび作業スキーマに対する異なるホストのクローニング・プロセス

次の手順は、IBM DB2スキーマを異なるホストまたはプラットフォームでクローニングするために使用できます。

  1. DB2 Database Movement ToolおよびDDL抽出ツールを使用して、マスターおよび作業スキーマからDDLおよびデータをエクスポートします。

    DB2 Database Movement Toolは、PC/IXFファイルとデータ、およびdb2move.lstファイルと表のリストを生成します。ファイルは、このツールが呼び出したフォルダに生成されます。DDL Extracting Toolは、SQL問合せによってdb2master.sqlおよびdb2work.sqlを生成し、データベース構造を再作成します。

    次に例を示します。

    db2move ODI10G export -sn odi_master_10g,odi_work_10g
    db2look -d ODI10G -z odi_master_10g -e -o c:/db2master.sql
    db2look -d ODI10G -z odi_work_10g -e -o c:/db2work.sql
    
  2. 新しい場所にエクスポートされたファイルが転送されます。

    1. PC/IXFがバイナリ・モードで転送され、db2move.lstファイルとdb2master.sqlおよびdb2work.sqlファイルがASCIIモードで転送されたことを確認します。

    2. PC/IXFファイルをDB2 Database Movement Toolが配置されている場所に配置します。

  3. コマンド・ライン・プロセッサを使用してDB2データベースを作成します。

    次に例を示します。

    db2 CREATE DATABASE ODI10G AUTOMATIC STORAGE YES  ON 'C:\' DBPATH ON 'C:\' USING CODESET IBM-1252 TERRITORY US COLLATE USING SYSTEM PAGESIZE 32768
    
  4. コマンド・ライン・プロセッサを使用してエクスポート済のDDLを新しいデータベースにインポートします。

    次に例を示します。

    db2 -tvf c:/db2backup/db2master.sql
    db2 -tvf c:/db2backup/db2work.sql
    
  5. DB2 Database Movement Toolを使用してエクスポート済のデータを新しいデータベースにインポートします。

    次に例を示します。

    db2move ODI10G load
    
  6. クローニングされたスキーマが完全であることを確認します。一部の表は、チェック・ペンディング状態になる場合があります(チェック制約が原因)。

    set integrityコマンドを使用して通常状態に移行します。

    次に例を示します。

    db2 set integrity for <table name> immediate checked
    

3.5.6 IBM DB2 AS/400データベースでのスキーマのクローニング・プロセス

次の手順は、IBM DB2 AS/400 データベース・スキーマをクローニングするために使用できます。

  1. ODI 10gのマスターおよび作業スキーマを保存します。

    Telnetクライアントを使用してODI 10gのマスターおよび作業スキーマを保存します。

    次に例を示します。

    CRTLIB LIB(ODI10GDMP) TYPE(*TEST)
    CRTSAVF FILE(ODI10GDMP/ODIM10GDMP)
    CRTSAVF FILE(ODI10GDMP/ODIW10GDMP)
    SAVLIB ODIM10G DEV(*SAVF) SAVF(ODI10GDMP/ODIM10GDMP) ACCPTH(*YES) CLEAR(*ALL)
    SAVLIB ODIW10G DEV(*SAVF) SAVF(ODI10GDMP/ODIW10GDMP) ACCPTH(*YES) CLEAR(*ALL)
    
  2. クローンのマスターおよび作業スキーマを作成します。

    Telnetを使用して、クローニング済スキーマのユーザー・プロファイルを作成します。

    次に例を示します。

    CRTUSRPRF USRPRF(ODIMCP) PASSWORD(ODIMCP) PWDEXP(*NO)
    CRTUSRPRF USRPRF(ODIWCP) PASSWORD(ODIWCP) PWDEXP(*NO)
    
  3. ODI 10gのクローンのマスターおよび作業スキーマを作成します。

    iSeriesナビゲータまたはInteractive SQL (STRSQL)を使用してODI 10gのクローンのマスターおよび作業スキーマを作成します。

    次に例を示します。

    CREATE SCHEMA AUTHORIZATION ODIMCP
    CREATE SCHEMA AUTHORIZATION ODIWCP
    
  4. ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをクローンのスキーマにリストアします。

    Telnetを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをクローンのスキーマにリストアします。

    次に例を示します。

    RSTLIB SAVLIB(ODIM10G) DEV(*SAVF) SAVF(ODI10GDMP/ODIM10GDMP) OPTION(*NEW) RSTLIB(ODIMCP)
    RSTLIB SAVLIB(ODIW10G) DEV(*SAVF) SAVF(ODI10GDMP/ODIW10GDMP) OPTION(*NEW) RSTLIB(ODIWCP)
    CHGOWN OBJ('QSYS.LIB/ODIMCP.LIB/*.*')  NEWOWN(ODIMCP)
    CHGOWN OBJ('QSYS.LIB/ODIWCP.LIB/*.*')  NEWOWN(ODIWCP)
    
  5. iSeriesナビゲータを使用して、ODIM10GおよびODIW10Gスキーマ内のテーブルを選択し、ジャーナルを停止します。

    1. スキーマODIM10Gから「Journal」を選択します(「Databases」→「Denmlas3」→「Schemas」→「ODIM10G」→「Journals」)。

    2. ファイルQSQJRNを選択します。

    3. ジャーナルのポップアップ・メニューで「Start or End Table Journaling」を選択します。

    4. 「Tables already journalized」ビューでスキーマODIM10Gの表を選択します。

    5. 削除するには「Remove」をクリックします。

    6. スキーマODIW10Gに対してa~eの手順を繰り返します(ODIM10GのかわりにODIW10Gを使用します)。

  6. iSeriesナビゲータを使用して、ODIMCP およびODIWCPスキーマ内のテーブルを選択し、ジャーナルを開始します。

    次に例を示します。

    1. スキーマODIMCPから「Journal」を選択します(「Databases」→「Denmlas3」→「Schemas」→「ODIMCP」→「Journals」)。

    2. ファイルQSQJRNを選択します。

    3. ジャーナルのポップアップ・メニューで「Start or End Table Journaling」を選択します。

    4. 表のビューでスキーマODIMCPを選択します。

    5. スキーマODIMCPから、すべてのテーブルを「Table to journal」ビューに追加します。

    6. それらについて「Journal both images」および「Omit open/close entries」をチェックします。「OK」をクリックします。

    7. スキーマODIWCPに対してa~fの手順を繰り返します(ODIMCPのかわりにODIWCPを使用します)。

3.5.7 Sybase AS Enterprise 15+でのスキーマのクローニング・プロセス

次の手順は、Sybase AS Enterpriseデータベース・スキーマをクローニングするために使用できます。

  1. ISQLユーティリティを使用して、ODI 10gのマスターおよび作業スキーマをエクスポートします。

    次に例を示します。

    isql -D odi -S STANE08 -U sa -P welcome
     
    dump database odi10g to "c:/odi10g.dmp" with init
    go
    
  2. ISQLユーティリティを使用して、マスターおよび作業スキーマを新しいデータベースでリストアします。

    ISQLユーティリティを使用して、マスターおよび作業スキーマをリストアします。

    次に例を示します。

    isql -S STANE08 -U sa -P welcome
     
    create database odi10gcp on master = 860
    go
    load database odi10gcp from "c:/odi10g.dmp" with override
    go
    ONLINE DATABASE odi10gcp
    go
    
  3. ISQLユーティリティを使用して、クローニングされたマスターおよび作業スキーマ用のログインを作成します。

    ISQLユーティリティを使用して、クローニングされたマスターおよび作業スキーマにアクセスするログインを作成します。

    次に例を示します。

    sp_addlogin ODIMCP, ODIMCP, odi10gcp       
    go
    sp_addlogin ODIWCP, ODIWCP, odi10gcp
    go
    
  4. ISQLユーティリティを使用して、オリジナルのマスターおよび作業スキーマの名前を変更します。表の所有者の変更やユーザー名の変更はできません。ユーザーの名前を直接変更する必要があります。

    次に例を示します。

    sql -D odi10gcp -S STANE08 -U sa -P welcome
     
    sp_configure 'allow updates', 1
    go
    update dbo.sysusers set name='ODIMCP' where name='ODI_MASTER_10G'
    go
    update dbo.sysusers set name='ODIWCP' where name='ODI_WORK_10G'
    go
    sp_configure 'allow updates', 0
    go
    
  5. ISQLユーティリティを使用して、作成したログインを名前を変更したユーザーに割り当てます。1つのログインを1人のユーザーに割り当てることはできません。複数のログインを複数のユーザーに直接割り当てる必要があります。

    次に例を示します。

    select suid from master.dbo.syslogins where name='ODIMCP'
    go
    NOTE: Use the returned suid 'ODIMCP' in the first update query below.
    select suid from master.dbo.syslogins where name='ODIWCP'
    go
    NOTE: Use returned suid 'ODIWCP' in the second update query below.
    sp_configure 'allow updates', 1
    go
    update dbo.sysusers set suid=5 where name='ODIMCP'
    go
    update dbo.sysusers set suid=6 where name='ODIWCP'
    go
    sp_configure 'allow updates', 0
    go
    

3.5.8 Hypersonic SQL 1.7.3.3でのスキーマのクローニング・プロセス

ODI 11.1.1.5.0にアップグレードする前に、HSQLデータベース・バージョン1.7.3をバージョン2.0にアップグレードする必要があります。アップグレード・プロセスは、バージョン1.7.3.3から1.8.xと、1.8.xから2.0.0への2段階で実施します。

HSQLデータベース・バージョン2.0のアップグレード方法の詳細は、http://www.hsqldb.org/doc/2.0/guide/deployment-chapt.html#deployment_upgrade-sectを参照してください。

次の手順は、Hypersonic SQL 1.7.3.3データベース・スキーマをHypersonic SQL 2.0.0へアップグレードする間にクローニングするために使用できます。

  1. server.propertiesを更新します。

    server.database.0=file:ODI/odi_10g
    server.dbname.0=odi_10g
    
  2. sqltool.rcを新しい接続情報によって更新します。

    urlid odi_sa
    url jdbc:hsqldb:hsql://localhost:9001/odi_10g
    username SA
    password
    
  3. サーバーを起動します。

    /etc/init.d/hsqldb start
    
  4. SQL Toolを使用して、サーバーを停止します。

    java -jar ./lib/hsqldb.jar odi_sa
    checkpoint;
    shutdown;
    
  5. *.properties、*.scriptおよび*.backupを新しいデータベースの場所にコピーすることでODI 10gデータベースをクローニングします。

    1. データベースの宣言をHSQL 1.7.3.3からHSQL 1.8.x server.propertiesファイルにコピーします。

    2. データベース・ファイルをHSQL 1.7.3.3からHSQL 1.8.xにコピーします。

    3. データベースのスクリプト・ファイルをHSQL 1.8.xから開き、二重引用符も含めて次の記述で置き換えます。

      DDL文内のPOSITIONを"POSITION"へ

      SCHEMA_VERSION_REGISTRY$を"SCHEMA_VERSION_REGISTRY$"へ

    4. HSQL 1.8.xとデータベース・インスタンスを起動します。自動的にデータベースがアップグレードされます。

    5. SQL Toolを使用して、HSQL 1.8.xを停止します。

      java -jar ./lib/hsqldb.jar odi_sa
      checkpoint;
      shutdown;
      
    6. データベースの宣言をHSQL 1.8.xからHSQL 2.0.0 server.propertiesファイルにコピーします。

    7. データベース・ファイルをHSQL 1.8.xからHSQL 2.0.0にコピーします。

    8. クローン・データベースの宣言を追加するために、HSQL 2.0.0のserver.propertiesを更新します。

      server.database.1=file:ODI/odi_10g_cpserver.dbname.1=odi_10g_cp
      
    9. sqltool.rcをクローン・データベースの新しい接続情報によって更新します。

      urlid odicp_sa
      url jdbc:hsqldb:hsql://localhost/odi_10g_cp
      username SA
      password
      
    10. データベースのファイルを新しいデータベースの場所にコピーします。このため、ODI Uses MEMORY表は、プロパティとスクリプト・ファイルのみしかコピーしません。

      copy odi_10g.properties <HSQL1.8>/ODI/odi_10g.properties
      copy odi_10g.script <HSQL1.8>/ODI/odi_10g.script
      start HSQL 2.0.0
      
  6. SQL Toolを使用してクローニングされた10gデータベースの新しいログインを作成します。

    SQL問合せの例を次に示します。

    create user odim10g_cp password odim10g_cp ADMIN
    create user odiw10g_cp password odiw10g_cp ADMIN
    drop user odim10g
    drop user odiw10g
    

3.6 アップグレードするODIリポジトリのデータベース・バックアップの作成

ODIマスターおよび作業リポジトリのそれぞれのバックアップを作成することをお薦めします。バックアップにより、必要時にアップグレード前の状態にリストアできます。詳細は、『Oracle Fusion Middlewareアップグレード・プランニング・ガイド』のアップグレードのバックアップ計画に関する項を参照してください。

アップグレード・アシスタントの前提条件の画面ではODIリポジトリのバックアップが完了したかどうかを確認されます。ただし、アップグレード・アシスタントではバックアップが完了したことが検証されない点に注意してください。


警告:

これは、特にリポジトリをクローニングしていない場合には、アップグレード・プロセスの重要な手順です。アップグレードの結果が満足できない場合に、ODIリポジトリのバックアップがあれば、重要なデータを失わないようにすることができます。バックアップの作成の詳細は、データベースのバックアップおよびリカバリのドキュメントを参照してください。


3.7 Oracle Data Integrator 11gのインストールと構成

アップグレード・アシスタントを実行する前に、Oracle Universal Installerを使用してODI 11gをインストールおよび構成します。インストール・プロセス中にRepository Configuration Utility (RCU)の実行、エージェント構成の確定またはJava EEコンポーネントの構成を行う必要はありません。

ODIのインストールおよび構成の手順は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorインストレーション・ガイド』を参照してください。

3.8 ODI中間層およびリポジトリをアップグレードするためのアップグレード・アシスタントの実行

Oracle Fusion Middlewareアップグレード・アシスタントは、Oracle Data Integrator 10g環境の様々な要素のアップグレードを自動化します。ただし、いくつかのアップグレード後の構成手順が必要になる場合があります。

アップグレード・アシスタントでは、次のタスクが実行され、各タスクの進捗が示されます。

アップグレード・アシスタントは、Oracle Data Integratorホーム(ODI_HOME)のbinディレクトリに自動的にインストールされます。

3.8.1 Oracle Data Integratorに対するアップグレード・アシスタントの実行

グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用したアップグレード・アシスタントを起動する手順は、次のとおりです。

  1. ディレクトリをODI_HOME/binディレクトリに変更します。ODI_HOMEは、Oracle Fusion MiddlewareインストールのOracle Data Integratorディレクトリのインストール・フォルダです。

  2. 次のコマンドを入力して、アップグレード・アシスタントを起動します。

    UNIXシステムの場合:

    ./ua
    

    Windowsシステムの場合:

    ua.bat
    
  3. アップグレード・アシスタントの各画面で必要な情報を指定します。

3.8.2 中間層インスタンスのアップグレード

ODI中間層のアップグレードでは、10gエージェント・ライブラリ、ドライバおよびスクリプト・エンジンを11gスタンドアロン・エージェントのインストール・フォルダにコピーします。


注意:

ODIのアップグレードの操作は、どのような順序でも実行できます。ODIリポジトリを先にアップグレードする場合は、第3.8.3項を参照してください。


中間層インスタンスをアップグレードするには、「Oracle Data Integratorに対するアップグレード・アシスタントの実行」の説明に従ってアップグレード・アシスタントを起動し、次の画面で必要な情報を入力します。

表3-1 中間層インスタンスのアップグレード用インストール画面

画面 画面が表示される状況 説明

ようこそ


毎回

操作は必要ありません。

操作の指定


毎回

「中間層インスタンスのアップグレード」オプションを選択します。

ソース・ホームの指定


「操作の指定」画面で「中間層インスタンスのアップグレード」を選択した場合のみ。

アップグレードする10g Oracleホームの場所を指定します。

調査


毎回

アップグレード・アシスタントでは、選択したコンポーネントのアップグレードを実行する前に、一連の検証が実行されます。すべての検証が成功していることを確認します。

アップグレード・サマリー


毎回

サマリー情報が正しい場合は、「アップグレード」をクリックします。

アップグレードの進行状況


毎回

「コンポーネントのアップグレード」画面には、アップグレード・プロセスの進行状況が表示されます。完了したら、「次へ」をクリックします。

アップグレードの終了


毎回

「アップグレード完了」画面には、アップグレード・ログ・ファイルへのリンクが表示されます。ログ・ファイルを参照し、アップグレードされたアプリケーションをテストして、予測どおりに機能していることを確認します。「閉じる」をクリックしてアップグレード・アシスタントを終了します。


3.8.3 Oracle Data Integratorリポジトリのアップグレード

Oracle Data Integratorリポジトリのアップグレード・オプションは、Oracle Data Integrator 10gリポジトリをOracle Data Integrator 11gバージョンへアップグレードします。ODI 10gリポジトリは、アップグレード・アシスタントを起動する前に、常にクローニング(コピー)する必要があります。「既存のマスターおよび作業リポジトリのクローニング」を参照してください。


注意:

ODI UAは、ODIマスター・リポジトリの実際のデータおよび構成を使用して、リポジトリがすでにアップグレード済でないかどうかを判定します。アップグレード・アシスタントは、次の状況の場合には、リポジトリがアップグレード済であることを示すメッセージを返します。

  • バージョン・レジストリが有効な状態で、リポジトリのバージョンを保持している

  • リポジトリが11g

  • リポジトリのバージョンが、UAが使用するODI SDKのバージョン以上である

リポジトリ・カタログ情報をデバッグまたは表示するには、(ODIスキーマ/リポジトリ内ではなく)Adminユーザーに格納されているschema_version_registry表に対して次の問合せを使用します。

SELECT COMP_ID,COMP_NAME,MRC_NAME,OWNER,VERSION,STATUS,UPGRADED FROM schema_version_registry;

(DB2/400オペレーティング・システムの場合、AdminユーザーはQSECOFRで、schema_version_registry表はスキーマNULLID内に配置されています。)

ODIコンポーネントの行は、ODIリポジトリの追跡に使用されます。


ODIリポジトリをアップグレードするには、「Oracle Data Integratorに対するアップグレード・アシスタントの実行」の説明に従ってアップグレード・アシスタントを起動し、次の画面で必要な情報を入力します。


警告:

アップグレード・プロセスが失敗した場合は、アップグレード・アシスタントを閉じて問題を修正し、第3.8.1項の説明に従ってアップグレード・アシスタントを再起動する必要があります。

アップグレード・プロセスの起動後にアップグレード・プロセスが失敗した場合は、クローニングされたリポジトリを削除して、根本的な問題を修正してから、新たにクローニングしたリポジトリで起動する必要があります。失敗したアップグレード・プロセスを再起動することはできません。


表3-2 ODIリポジトリのアップグレード用インストール画面

画面名 画面が表示される状況 説明

ようこそ


毎回

操作は必要ありません。

操作の指定


毎回

「Oracle Data Integratorリポジトリのアップグレード」を選択し、実行する追加のリポジトリ・アップグレード・オプションを選択します。

  • トポロジおよびセキュリティ・メタデータの更新

  • KMを必須更新で置換

これらのオプションの詳細は、付録A「操作の指定」画面の説明を参照してください。

前提条件


「操作の指定」画面で「Oracle Data Integratorリポジトリのアップグレード」を選択した場合のみ。

アップグレード・アシスタントでは、アップグレードを続行するときに、次の前提条件を実施していることを示す必要があります。

  • データベース・スキーマのバックアップが完了済

    アップグレードの前に、データベースのODIリポジトリをバックアップすることをお薦めします。アップグレード・アシスタントでは、リポジトリがバックアップされているかどうかは検証されないため、このオプションはリマインダとして機能します。詳細は、「アップグレードするODIリポジトリのデータベース・バックアップの作成」を参照してください。

  • Fusion Middlewareのアップグレードを行うデータベースのバージョンがOracleにより動作保証済

    アップグレード・アシスタントでは、サポートされているデータベースにOracle Data Integratorリポジトリが存在している必要があります。Oracle Data Integratorがサポートするデータベースの最新リストへのリンクは、3.3項「ODIリポジトリを含むデータベースのアップグレード」を参照してください。

ターゲット・データベース


「操作の指定」画面で「Oracle Data Integratorリポジトリのアップグレード」を選択した場合のみ。

「ターゲット・データベースの指定」画面では、データベース・タイプと、マスターおよび作業リポジトリをホストするターゲット・データベースのDBAログイン資格証明の入力を求められます。さらに、マスター・リポジトリに接続するためのデータベース・ユーザー名とパスワード、およびODIスーパーバイザ名とパスワードを指定する必要があります。

注意: DBAユーザーは、SYSDBA権限を所有している必要があります。

調査


毎回

すべてのコンポーネントのステータスが正常であれば、「次へ」をクリックします。1つ以上のコンポーネントの調査に失敗した場合、「戻る」をクリックして、入力した情報を確認します。ログ・ファイルも重要な情報を提供します。(ログ・ファイルの場所は、画面の下部に表示されます。)

アップグレード・サマリー


毎回

サマリー情報が正しい場合は、「アップグレード」をクリックします。

アップグレードの進行状況


毎回

「コンポーネントのアップグレード」画面には、アップグレード・プロセスの進行状況が表示されます。完了したら、「次へ」をクリックします。

アップグレードの終了


毎回

「アップグレード完了」画面には、アップグレード・ログ・ファイルへのリンクが表示されます。ログ・ファイルを参照し、アップグレードされたアプリケーションをテストして、予測どおりに機能していることを確認します。「閉じる」をクリックしてアップグレード・アシスタントを終了します。


3.9 アップグレード後の手順の実行

アップグレード・プロセスの間に選択したオプションによっては、手動の手順を行ってアップグレード・プロセスを完了しなければならない場合があります。

Oracle Data Integratorの各コンポーネントに対して実行しなければならない場合があるアップグレード後のタスクの詳細は、第4章「アップグレード後のODIの再構成」を参照してください。