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Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Server管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1)
B55928-07
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B よくある質問

この付録では、Oracle HTTP Serverに関してよくある質問とそれに対する回答について説明します。内容は次のとおりです。

該当する場合は、Apache Software Foundationのドキュメントを参照しています。


注意:

このガイドをPDF版またはハード・コピー形式でご利用いただく場合、HTML形式でのみのご提供となるサードパーティのドキュメントを参照できません。文中で参照されているサードパーティのドキュメントをご利用いただくためには、このガイドのHTML版をご利用のうえ、文中のハイパーリンクをクリックしてください。


B.1 アプリケーション固有のエラー・ページはどのように作成しますか

Oracle HTTP Serverには、エラー処理用のデフォルトのコンテンツ・ハンドラが用意されています。ErrorDocumentディレクティブを使用すると、デフォルトをオーバーライドできます。


関連項目:

Apache HTTP Serverドキュメントの「ErrorDocument directive」


B.2 HTTPおよびHTTPSでは、どのタイプの仮想ホストがサポートされますか

HTTPの場合、Oracle HTTP Serverでは、名前ベースとIPベースの両方の仮想ホストがサポートされます。名前ベースの仮想ホストは共通のリスニング・アドレス(IPとポートの組合せ)を共有する仮想ホストですが、クライアントにより送信されたHostヘッダーとVirtualHost内のServerNameディレクティブの間の一致に基づいてリクエストをルーティングします。IPベースの仮想ホストは、固有のリスニング・アドレスを持つ仮想ホストです。IPベースの仮想ホストは、リクエストが受信されたアドレスに基づいてリクエストをルーティングします。

HTTPSの場合、Oracle HTTP Serverで使用できるのはIPベースの仮想ホストのみです。これは、名前ベースの仮想ホストの場合、リクエストの処理に使用する仮想ホストを判別するために、リクエストを読み取って調査する必要があるためです。HTTPSが使用されている場合、リクエストを読み取る前にSSLハンドシェイクを実行する必要があります。SSLハンドシェイクを実行するためには、サーバー証明書を提供する必要があります。意味のあるサーバー証明書を提供するには、証明書のホスト名が、クライアントがリクエストしたホスト名に一致する必要があります。これは、仮想ホストごとにサーバー証明書が一意であることを意味します。しかし、サーバーはリクエストを読み取るまで、そのリクエストのルーティング先の仮想ホストを認識できず、また提供するサーバー証明書がわからなければリクエストを適切に読み取ることもできないため、HTTPSでは名前ベースの仮想ホスティングを行うことは不可能です。


関連項目:

Apacheの仮想ホストのドキュメントは、次を参照してください。

http://httpd.apache.org/docs/2.2/vhosts/


B.3 Oracle HTTP Serverをキャッシュとして使用できますか

Oracle HTTP ServerではなくOracle Web Cacheを使用することをお薦めします。Oracle Web Cacheはコンテンツ対応のサーバー・アクセラレータであり、セキュアなリバース・プロキシ・サーバーであるため、Webサイトのパフォーマンス、スケーラビリティおよび可用性を高めます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』を参照してください。

B.4 異なる言語およびキャラクタ・セット・バージョンのドキュメントを使用できますか

使用できます。Apacheサーバーの機能に与えられた汎用名であるMultiviewsを使用すると、リクエストに対するレスポンスで様々なバージョンの言語と文字固有のドキュメントを提供できます。


関連項目:

Apache HTTP Serverマニュアルの「Multiviews」


B.5 Oracle HTTP ServerにApacheセキュリティ・パッチを適用できますか

次の理由で、Oracle HTTP ServerにはApache HTTP Serverセキュリティ・パッチを適用できません。

Oracle HTTP Serverに対するセキュリティ関連の最新の修正は、Oracle Critical Patch Update (CPU)を介して実行します。詳細は、OracleのWebページ「Critical Patch Updates and Security Alerts」を参照してください。


注意:

CPUを適用した後、Apache HTTP Serverベースのバージョンがそのまま残っていることがありますが、脆弱性は修正されます。バージョンを確認できるサード・パーティのセキュリティ検出ツールがありますが、これらのツールで脆弱性そのものを確認することはできません。


B.6 Oracle HTTP ServerのApacheバージョンをアップグレードできますか

Oracle HTTP Server内のApache HTTP Serverバージョンのみをアップグレードすることはできません。Oracle HTTP ServerのベースとなるApache HTTP Serverの新バージョンが、パッチ更新またはOracle Fusion Middlewareの次期メジャー・リリースかマイナー・リリースの一部として提供されます。

B.7 Oracle HTTP Serverからの出力を圧縮できますか

一般に、この目的ではOracle Web Cacheを使用することをお薦めします。Oracle Web Cacheでは、オンザフライの圧縮を使用し、圧縮可能なMIMEタイプを動的に認識し、低速のネットワーク・クライアントへのレスポンスを制限することによって、効率的なコンテンツの配信を実現します。もう一つの圧縮ソリューションはmod_deflateで、これはOracle HTTP Serverに組み込まれています。mod_deflateモジュールに関する詳細は、http://httpd.apache.org/docs/2.2/mod/mod_deflate.htmlを参照してください。

追加情報については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Web Cache管理者ガイド』を参照してください。

B.8 ファイアウォールおよびクラスタを介して機能するネームスペースはどのように作成しますか

一般的には、1つの分散Webサイトの全サーバーで、単一のURLネームスペースを使用する必要があります。すべてのサーバーでネームスペースの一部を処理し、処理しないURLのリクエストをそのURLにより近いサーバーにリダイレクトまたはプロキシできます。たとえば、次のようなネームスペースがあるとします。

/app1/login.html
/app1/catalog.html
/app1/dologin.jsp
/app2/orderForm.html
/apps/placeOrder.jsp

最初に、server1にapp1、server2にapp2を置いて、これらのネームスペースを2つのWebサーバーにマップします。server1の構成は次のようになります。

Redirect permanent /app2 http://server2/app2
Alias /app1 /myApps/application1
<Directory /myApps/application1>
  ...
</Directory>

server2の構成は補足的です。

ネームスペースをコンテンツ・タイプ(server1ではHTML、server2ではJSP)別にパーティション化すると決定した場合、サーバー構成を変更してファイルを移動できますが、アプリケーション自体を変更する必要はありません。その結果、server1の構成は次のようになります。

RedirectMatch permanent (.*) \.jsp$ http://server2/$1.jsp
AliasMatch ^/app(.*) \.html$ /myPages/application$1.html
<DirectoryMatch "^/myPages/application\d">
  ...
</DirectoryMatch>

実際のリダイレクションの量は、ハードウェアのロード・バランサ(F5システムのBIG-IPなど)を、URLに基づいてserver1またはserver2にリクエストが送信されるように構成することで、最小限に抑えることが可能です。

B.9 Webサイトをハッカーからどのように保護しますか

ハッカーによる攻撃は多く、日々新しい攻撃が開発されています。サイトの保護に関する一般的なガイドラインは、次のとおりです。サイトを完全に保護することはできませんが、攻撃されさやすいターゲットとなることは回避できます。

B.10 SSLの有効化と無効化を切り替える場合、SSOサーバーにパートナ・アプリケーションを再登録する必要がありますか

あります。SSLの有効化と無効化を切り替える場合、SSOサーバーにパートナ・アプリケーションを再登録する必要があります。URLに影響を与える変更(ホスト名やポートの変更、SSLの有効化または無効化など)を行う場合、SSOサーバーに登録された古いURLは無効になるため、SSOサーバーにパートナ・アプリケーションを再登録する必要があります。新しいURLを使用してパートナ・アプリケーションを再登録してください。

B.11 REDIRECT_ERROR_NOTESが、「ファイルが見つかりません」というエラーに設定されていないのはなぜですか

REDIRECT_ERROR_NOTES CGI環境変数は、Oracle HTTP Server 11gで「ファイルが見つかりません」というエラーに設定されていません。Apache HTTP Server 2.0以上では、該当する情報をCGIおよびその他のアプリケーションでこの状況に対して使用できないためです。

B.12 Webサーバー・ベンダーおよびバージョンに関する情報はどのように隠すことができますか

この情報をWebサーバーで生成されたレスポンスから削除するには、「ServerSignature Off」を指定します。Oracle HTTP ServerがWebサーバー・レスポンス・ヘッダーを生成したときにWebサーバー・ソフトウェアを非表示にするには、「ServerTokens Custom some-server-string」を指定します。(バックエンド・サーバーがレスポンスを生成するときは、プロキシ・メカニズムに応じてバックエンド・サーバーからサーバー・レスポンス・ヘッダーが生成される場合があります。)


注意:

<code>ServerTokens Custom some-server-string</code>は、Oracle HTTP Server 10gの<code>ServerHeader Off</code>設定の置換文字列です。