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Oracle® Fusion Middleware Webサービスのためのセキュリティおよび管理者ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7)
B56247-07
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4 Oracle Fusion MiddlewareにおけるOracle WSMの再設計の詳細

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1では、Oracle Web Services Manager(WSM)のセキュリティと管理が完全に再設計および再構築されました。旧リリースでは、Oracle WSM 10gは、スタンドアロン製品またはOracle SOA Suiteのコンポーネントとして提供されていました。11gリリースでは、Oracle WSMは、Oracle Fusion Middleware SOA Suiteの一部としてOracle WebLogic Serverと統合されています。

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1におけるOracle WSM 10gの再設計の詳細

Oracle Fusion Middleware 11gリリース1では、次のようにOracle WSM 10gが再設計されています。

Oracle WSM 10gの一部の機能は、Oracle Fusion Middlewareの最初のリリースではサポートされません。

表4-1に、10gおよび11gのコンポーネントの比較をまとめます。また、コンポーネントは図4-1および図4-2に示されています。

表4-1 Oracle WSM 10gおよびOracle Fusion Middleware 11gリリース1の比較


機能の説明 Oracle WSM 10gのコンポーネント Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のコンポーネント

1

ポリシー強制ポイント

Oracle WSM Server AgentおよびOracle WSM Client Agent、Oracle WSM Gateway

Oracle WSM Agentはポリシー・インターセプタを管理します。Oracle Fusion Middleware 11gリリース1には、Oracle WSM Gatewayに相当するコンポーネントはありません。

2

ポリシーを作成してWebサービスに添付するためのGUIコンポーネント

Web Services Manager Control

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control


3

ポリシーを管理するためのコンポーネント

Oracle WSM Policy Manager

Oracle WSM Policy Manager

4

Webサービス・データの監視に使用されるコンポーネント

Oracle WSM Monitor

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびOracle Enterprise Manager Grid Control

5

ポリシー・ストア

Oracle WSMデータベース

Oracle WSMリポジトリ


図4-1では、Oracle WSM 10gのコンポーネントを説明します。また、表4-1の番号は、この図のコンポーネントを指します。

図4-1 Oracle WSM 10gのコンポーネント

図4-1の説明が続きます
「図4-1 Oracle WSM 10gのコンポーネント」の説明

図4-2に、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のコンポーネントを示します。表4-1の番号は、この図のコンポーネントに対応します。

図4-2 Oracle Fusion Middleware 11g Webサービスのセキュリティのコンポーネント

図4-2の説明が続きます
「図4-2 Oracle Fusion Middleware 11g Webサービスのセキュリティのコンポーネント」の説明

Oracle WSM 10gおよびOracle WSM 11gのポリシーの比較

Oracle WSM 10gおよびOracle WSM 11gのどちらでも、ポリシーはセキュリティの実行に使用されます。ただし、ポリシーの構造は多少異なります。Oracle WSM 10gでは、ポリシーはリクエスト・パイプラインおよびレスポンス・パイプラインで構成されており、それぞれが1つ以上のポリシー・ステップで構成されています。

たとえば、図4-3では、リクエスト・パイプラインは、資格証明の抽出、LDAP認証およびLDAP認可というポリシー・ステップで構成されています。レスポンス・パイプラインには異なるポリシー・ステップであるXML暗号化が含まれています。リクエスト・パイプラインおよびレスポンス・パイプラインを異なるポリシー・ステップで構成できるため、リクエスト・メッセージとレスポンス・メッセージで異なる処理を実行できます。

図4-3 Oracle WSM 10gのポリシー・パイプライン

図4-3の説明が続きます
「図4-3 Oracle WSM 10gのポリシー・パイプライン」の説明

Oracle WSM 11gでは、ポリシーは1つ以上のアサーションで構成されており、リクエスト・メッセージとレスポンス・メッセージで使用されるアサーションを制御できます。たとえば、図4-4では、11gのサンプル・ポリシーには2つのアサーションが含まれています。

  1. wss11-username-with-certificates

  2. binding-authorization

図4-4 Oracle WSM 11gのポリシー・パイプライン

図4-4の説明が続きます
「図4-4 Oracle WSM 11gのポリシー・パイプライン」の説明

リクエスト・メッセージがWebサービスに送信されると、表示されている順序でアサーションが実行されます。レスポンス・メッセージがクライアントに返されると、同じアサーションが実行されますが、順序は逆です。リクエスト・メッセージに対するアサーションの動作は、レスポンス・メッセージの動作とは異なります。インスタンスによっては、レスポンスで何も発生しない場合があります。たとえば前述の例では、認可アサーションはリクエストの一部としてのみ実行されます。

Oracle WSM 10.1.3ポリシー・ステップをOracle WSM 11gの事前定義済ポリシーにマッピングする方法の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suite、WebCenter PortalおよびADFアップグレード・ガイド(リリース11g)のOracle Web Services Managerのポリシーの更新に関する項を参照してください。

Oracle Application Server 10g WS-SecurityとOracle WSM 11gの比較

次に、Oracle Application Server 10g WS-Securityに関するOracle WSM 11gの主な拡張内容を示します。

相互運用性およびアップグレード

Oracle WSM 11gは、10.1.3の次のコンポーネントと相互運用できます。

また、次のコンポーネントとも相互運用できます。

次に示す10.1.3機能を、Oracle Fusion Middleware 11gリリース1にアップグレードできます。