この章では、構成ウィザードを使用してWebLogicドメインを拡張する方法について説明します。リモート・サーバー上の起動スクリプトを更新する方法についても説明します。
構成ウィザードを使用して既存のWebLogicドメインを拡張することによって、そのドメインに製品コンポーネント機能、または追加のアプリケーションおよびサービスを追加できます。たとえば、基本のWebLogicドメインを作成した後、Avitek Medical Records Examplesの機能を追加する場合は、medrec.jar
テンプレートを使用してドメインを拡張できます。
構成ウィザードでは、拡張テンプレートを使用することによって、既存のWebLogicドメインを簡単に拡張できます。Oracleでは、様々なサンプル拡張テンプレートおよび様々なFusion Middleware製品用の拡張テンプレートが提供されています。WLSTまたはunpackコマンドを使用してユーザー独自の拡張テンプレートを作成できます。
Oracleが提供する拡張テンプレートの詳細は、『ドメイン・テンプレート・リファレンス』を参照してください。
この章では、次の項について説明します。
構成ウィザードを実行してUNIXまたはLinuxオペレーティング・システム上でドメインを更新する前に、まだ実行していない場合は、CONFIG_JVM_ARGS
環境変数を次の値に設定します。
-Djava.security.egd=file:/dev/./urandom
これによって、構成ウィザードがドメインを作成または更新するのにかかる時間が短縮されます。
WebLogicドメインを拡張するには、拡張するドメインを選択し、1つ以上の追加の製品コンポーネントを選択します。または、追加のアプリケーションおよびサービスを含む拡張テンプレートJARファイルを指定して、既存のドメインを拡張できます。また、JDBC接続をカスタマイズしたり、JMSファイル・ストアを変更したりすることもできます。構成ウィザードでは、入力した情報を使用してconfig.xml
などの構成ファイル、および必要に応じてドメイン・ディレクトリ内に生成される他のすべてのコンポーネントを更新します。
図3-1では、構成ウィザードを使用してWebLogicドメインを拡張する手順を示します。破線のボックスに示す手順は、RCUを使用する製品やJDBCデータ・ソースを必要とする製品などの特定の製品を含めるようにドメインを拡張する場合にのみ適用されます。
構成ウィザードをグラフィカル・モードで使用して新しいWebLogicドメインを拡張するには、「構成ウィザードのグラフィカル・モードでの起動」で説明しているように、構成ウィザードを起動します。
注意: 構成ウィザードをGUIモードで実行できない場合は、ドメインを作成または拡張するためにWLSTスクリプトを使用することをお薦めします。詳細は、『Oracle WebLogic Scripting Tool』のドメイン・テンプレートの作成と使用(オフライン)に関する項を参照してください。 |
構成ウィザードでは、表3-1にリストされる順序で一連の画面が表示されます。各画面の詳細は、第4章「構成ウィザードの画面」の関連項目を参照するか、または「画面」列のリンクをクリックします。
表3-1 既存のWebLogicドメインを拡張するための構成画面
番号 | 画面 | この画面はいつ表示されるか | 次のアクションを実行します |
---|---|---|---|
1 |
|
常に |
既存のWebLogicドメインを拡張するを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
2 |
|
常に |
有効なドメイン・ディレクトリを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
3 |
|
常に |
以下のいずれか1つを実行します。
「次へ」をクリックして続行します。 |
4-6 |
スキーマの構成 |
選択した製品またはテンプレートに、データベース・スキーマをロードするためにOracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用する必要のあるコンポーネント(SOAなど)が含まれている場合のみ |
これらの画面の詳細は、「スキーマの構成」を参照してください。 |
7-10 |
データ・ソースの構成 |
選択した製品またはテンプレートに、JDBCデータ・ソースまたはOracle RACマルチ・データ・ソースを必要とするコンポーネントが含まれている場合のみ |
これらの画面の詳細は、「データ・ソースの構成」を参照してください。 |
11 |
|
選択した製品またはテンプレートに、キーストア・パスワードを必要とする製品が含まれている場合のみ |
パスワード・フィールドの各セットに、キーストアに使用するパスワードを入力して、確認します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
12 |
|
常に |
詳細構成タスクを実行する各カテゴリ(存在する場合)のチェック・ボックスを選択します。 選択できるチェック・ボックスは、選択した製品またはテンプレートに構成されるリソースによって異なります。 注意: ドメインを拡張するときには、管理サーバーまたはRDBMSセキュリティ・ストア構成を変更できません。そのため、これらのオプションは利用できません。 「次へ」をクリックして続行します。 |
13 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「JMS分散宛先」を選択した場合のみ |
各JMSシステム・リソースに対して分散宛先タイプを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
14 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」を選択した場合のみ |
必要に応じて、管理対象サーバーを追加、削除または再構成します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
15 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」を選択した場合のみ |
必要に応じて、クラスタを追加、削除または再構成します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
16 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」を選択し、かつドメインに少なくとも1つのクラスタがある場合のみ |
ドメイン内のクラスタにサーバーを追加するか、またはクラスタからサーバーを削除します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
17 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」を選択し、ドメインには少なくとも1つのクラスタ、およびクラスタに割り当てられていない少なくとも1つのサーバーが含まれている場合のみ |
各クラスタに対して、クラスタのHTTPプロキシ・アプリケーションを作成するかどうかを指定します。クラスタに対して「HTTPプロキシの作成」チェック・ボックスを選択した場合、そのクラスタで使用するプロキシ・サーバーを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
18 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」を選択した場合のみ。 |
必要に応じて、マシンを追加、削除または再構成します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
19 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「管理対象サーバー、クラスタ、およびマシン」を選択し、かつドメインに少なくとも1つのマシンが構成されている場合のみ |
管理サーバーおよび管理対象サーバーを適切なマシンに割り当てます。 「次へ」をクリックして続行します。 |
20 |
「デプロイメントのクラスタまたはサーバーへのターゲット設定」 |
「オプションの構成を選択」画面で「デプロイメントとサービス」を選択し、かつ選択した製品またはテンプレートにJava EEアプリケーションまたはライブラリが含まれている場合のみ |
アプリケーションまたはライブラリをデプロイするターゲット・サーバーまたはクラスタを選択します。 選択したターゲットにデプロイする各アプリケーションまたはライブラリのチェック・ボックスを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
21 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「デプロイメントとサービス」を選択した場合のみ |
ターゲット・サーバーまたはクラスタを選択します。 サーバーまたはクラスタにターゲット指定する各サービスのチェック・ボックスを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
22 |
|
「オプションの構成を選択」画面で「JMSファイル・ストア」を選択した場合のみ |
必要に応じてJMSファイル・ストアの設定を変更して、各ファイル・ストアの同期書込みポリシーを選択します。 「次へ」をクリックして続行します。 |
24 |
|
常に |
「サマリー・ビュー」を選択してから、そのビューのリストの個々の項目を選択してドメインの構成を確認します。 ドメインが意図したとおりに構成されている場合、「拡張」をクリックしてドメインを拡張します。 構成を変更する必要がある場合は、「前へ」をクリックし、該当する画面に戻って設定を変更します。 |
25 |
|
常に |
ドメイン作成の進行状況を示します。 処理が終了したら、「完了」をクリックします。 |
(pack
およびunpack
コマンドを使用して)管理対象サーバーがリモート・マシンに配置されるWebLogicドメインを拡張する場合、リモート・マシン上の起動スクリプトは自動的に更新されません。
リモート・マシン上の起動スクリプトが更新されることを確認するには、ドメインを拡張した後に次の手順を実行します。
リモート・マシン上の管理対象サーバー・ディレクトリを削除します。
-managed=true
オプションを指定してpack
コマンドを使用することで、拡張したドメインから管理対象サーバーのテンプレートを作成します。
unpack
コマンドを使用して管理対象サーバーのテンプレートを解凍し、リモート・マシンに管理対象サーバーを作成します。
pack
およびunpack
コマンドの詳細は、『PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』を参照してください。