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Oracle® Fusion Middleware Oracle MapViewerユーザーズ・ガイド
11gリリース1 (11.1.1)
B61387-04
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10 Oracle MapViewer Editor

この章では、Oracle MapViewer Editor (マップ・エディタとも呼ばれる)について説明します。基本的には、Oracle Map Editorの使用時に提供されるオンライン・ヘルプと同じ情報が含まれます。

オンライン・ヘルプを参照するには、マップ・キャンバス領域のツールバーにある「ヘルプ」(疑問符)アイコンをクリックします。

「ヘルプ」アイコン

主なトピック

MapViewer Editorの概要および使用方法

MapViewer Editorのリファレンス

10.1 MapViewer Editorの概要および使用方法

「関連トピック」では、MapViewer Editorの重要な概念について説明するとともに、空間データの編集に関するスタート・ガイドとして役立つ、一般的なワークフローの例を示します。

関連トピック

MapViewer Editorについて

MapViewer Editorのメイン・ウィンドウ

編集セッション

スタート・ガイド: 一般的なワークフロー

既知の問題

参照項目

MapViewer Editorのリファレンス

10.1.1 MapViewer Editorについて

MapViewer Editorは、Webベースの空間データ編集ツールです。MapViewer EARファイルの一部として配布され、MapViewerサーバーの稼働中、任意のWebブラウザからJavaアプレットとして起動できます。MapViewer Editorでは、エンタープライズ全体にまたがった、マルチユーザーおよびマルチセッションのオンライン・データ編集機能がサポートされています。

MapViewer Editorは、編集対象の空間データがSDO_GEOMETRYタイプの2次元(2D)ジオメトリから構成されていることを前提としています。方位ポイントがサポートされています。ただし、3DおよびLRS (線形参照システム)ジオメトリの編集は完全にはサポートされていないため、これらのオブジェクトに対する編集操作を実行した場合、未知の結果が発生する可能性があります(つまり、このようなデータの視覚化は可能ですが、編集操作は失敗する場合があります)。

MapViewer Editorを効果的に使用するには、Oracle Spatial and Graph開発者ガイドの空間データ型およびメタデータに関する章で説明されている概念を理解する必要があります。

10.1.2 MapViewer Editorのメイン・ウィンドウ

MapViewer Editorには、図10-1のようなメイン・ウィンドウがあります。

図10-1 MapViewer Editorのメイン・ウィンドウ

図10-1の説明が続きます
「図10-1 MapViewer Editorのメイン・ウィンドウ」の説明

MapViewer Editorのメイン・ウィンドウには、次に示す3つの主な領域があります。

10.1.3 編集セッション

MapViewer Editorでは、編集セッション(または単にセッションとも呼ばれます)により、MapViewer Editorユーザーが空間データを編集できる個人用ワークスペースが定義されます。各セッションには、少なくとも次の情報が含まれます。

  • セッションの名前(新しいセッションの作成時に指定します)

  • データ層のリスト(バックグラウンド層や、空間ジオメトリ・データを含む編集可能な表など)

  • データ表の表示スタイル

  • セッションを作成したユーザー(つまりセッション所有者)の名前

セッション定義は、そのセッションの編集に使用されるデータベースに永続的に格納されます。ユーザーはどの時点でも複数の編集セッションを保持できます。

セッションごとに、通常1つ以上のバックグラウンド層(各層は、任意の事前定義済テーマ、ベース・マップまたはタイル層にすることができます)および1つ以上の編集層を追加します。編集層のソースには、通常同じMapViewerデータソース(データベース・スキーマ)またはWeb Feature Server (WFS)の公開済地物を使用します。

編集セッションはUSER_SDO_EDIT_SESSIONSビューに格納されます。MapViewer Editorを使用する前に、DBAは第10.1.4.1項「USER_SDO_EDIT_SESSIONSビューのインストール」の説明に従ってsdedefinition.sqlスクリプトを実行する必要があります。

10.1.3.1 編集モード

空間データを編集するには、単純に第10.1.4項「スタート・ガイド: 一般的なワークフロー」で説明されている特定の基本手順を実行します。そのうちの1つは、セッション編集可能層で編集モードを有効にするための手順です。

セッションでは、セッション編集可能層が編集モードになっているかどうかに応じて、編集可能なデータ表が異なる方法でレンダリングされる場合があります。セッションを作成するか再度開いたとき、層は通常、編集モードになっていません。編集モードになっていない場合、データ層はMapViewerサーバーによってレンダリングされ、エディタ・アプリケーションは、単純にそのサーバーによって生成された画像を表示します。

層のセッションを編集モードに切り替えると、編集可能なデータ表は、(引き続きサーバー側でレンダリングされる)他の層とは異なる方法でレンダリングされます。これらの表は、編集可能なライブ・ベクター地物としてレンダリングされます。表示可能な地物が多すぎる場合は、編集可能モードに設定しないことをお薦めします。これは、アプリケーションがそれらをクライアント側でロードしようとするためです。あまり多くの情報がクライアント側にロードされないように、小さい領域に対して作業を行うことをお薦めします。

セッション内で行われた変更はすべて保存できます。保存された変更はデータベース内で保持されますが、それらの変更は、セッションがLIVEワークスペースで編集されている場合を除き、同じセッション内でのみ表示されます。別のユーザーが、LIVE以外のワークスペースで、同じデータ表を操作する新しいセッションを作成した場合、そのセッションでは、最初のセッションで行われた変更は表示されません。その逆も同様です。変更が他のユーザーに表示されるのは、LIVE以外のワークスペースを使用するセッションをマージした場合のみです。

セッションをマージすると、そのセッション内で行われたすべての編集内容がライブ・データ表に公開され、その表に問い合せたすべてのユーザーに表示されます。このセッションは実質的には完了していますが、(将来の編集用に)引き続きデータベースに格納され、後からパージできます。

セッションの編集内容を保存したが、そのセッションをマージしていない場合、編集者は時間や場所を問わず、そのセッションを再度開き、編集作業を継続できます。セッションは数日間(またはそれ以上)開いたままになっているのが一般的です。

10.1.3.2 セキュリティとマルチユーザー編集に関する考慮事項

MapViewer Editorは、組織内の複数のユーザーが使用できるように設計されています。エディタ自体のユーザー管理やセキュリティは、MapViewerサーバーに依存しています。ユーザーがMapViewerホームページからエディタを起動した場合、そのユーザーはmap_edit_roleロールを持つJava EEまたはミドルウェア・ユーザーとしてサーバーにログインする必要があります。管理者は新しいユーザーをJava EEコンテナに追加でき、そのユーザーには、必要なmap_edit_roleロールを付与する必要があります。(map_admin_roleロールを持つユーザーも、MapViewer Editorへのログインとその使用が可能です。)

各ユーザーは、それぞれがデータ表を変更できる編集セッションを作成するか、再度開く必要があります。マルチユーザー環境では、すべてのユーザーが作業を調整し、明確なルールに従う場合を除き、セッション間で編集の競合が発生することは避けられません。

10.1.4 スタート・ガイド: 一般的なワークフロー

このトピックでは、MVDEMOサンプル・データ・スキーマを使用して空間データ表を編集する、一般的なワークフローの例について説明します。基本の手順は次のとおりです。

  1. USER_SDO_EDIT_SESSIONSビューのインストール

  2. MapViewerデータソースの編集可能化

  3. MapViewer Editorの起動とログイン

  4. データソースの選択と新しいセッションの作成

  5. セッションへのデータ層の追加

  6. データ層プロパティの変更

  7. マップ内の移動と編集モードの有効化

  8. 編集する地物の選択

  9. セッションの編集内容の保存とマージ

これらの基本手順は、新しいセッションの作成、既存のジオメトリ表のロードおよびいくつかの編集作業を行った後、セッションを終了し、そのセッションがバージョニングされている場合は変更をライブ表にマージする、一般的なワークフローを示しています。

(または、新しいセッションの作成後、ツリー・ノードをクリックして新しいジオメトリ層を作成することによって、新しい表を作成することもできます。その後、いくつかのバックグラウンド層を追加し、新しい表に含める新しい地物をデジタル化できます。)

10.1.4.1 USER_SDO_EDIT_SESSIONSビューのインストール

この1回かぎりのタスク(DBAが実行する必要があります)により、MapViewer Editorに必要なUSER_SDO_EDIT_SESSIONSシステム・ビューがインストールされます。このインストールを実行するには、MapViewerのWEB-INF/adminディレクトリにあるSQLスクリプト・ファイルsdedefinition.sqlを実行します。

すべての編集セッションの定義は、USER_SDO_EDIT_SESSIONビューに格納されます。各セッションの属性は次のとおりです。

  • name: セッションの名前。

  • description: セッションの説明。

  • editor: セッションの所有者の名前。この名前はユーザー・スキーマ名ではありませんが、編集者を識別する任意の名前を指定できます。

  • area: セッションの領域の名前(現在は使用されていません)。

  • workspace: 基礎となるOracleワークスペースの名前。このワークスペース名は、セッションの作成時に自動的に割り当てられます。セッションがバージョニングされていない場合は、LIVEという名前が割り当てられます。セッションがバージョニングされている場合、この名前は<editor-name>_<session-name>_<data-source-name>という組合せになります。

  • definition: セッションの一般属性や層の説明を含む、セッションのXML記述。

10.1.4.2 MapViewerデータソースの編集可能化

MapViewer Editorは、編集可能になっているデータソースのみをロードします。データソースを編集可能にするには、MapViewer構成ファイルの<map_data_source>要素を変更して、editable="true"と指定する必要があります。例:

<map_data_source name="mvdemo"
                 jdbc_host="yourhost.com"
                 jdbc_sid="lbsmain"
                 jdbc_port="37407"
                 jdbc_user="mvdemo"
                 jdbc_password="!mvdemo" 
                 jdbc_mode="thin"
                 number_of_mappers="3"
                 allow_jdbc_theme_based_foi="true"
                 editable="true"
 />

editable属性のデフォルト値はfalseであり、これはデータソースが編集可能でないことを意味します。

10.1.4.3 MapViewer Editorの起動とログイン

MapViewer Editorを使用する前に、MapViewerがデプロイされ、mvdemoデータソースが定義されていることを確認します。

  1. MapViewerホームページに移動します(通常はhttp://<host>:<port>/mapviewer)。

  2. 右上隅の「エディタ」リンク(「管理」と「ヘルプ」の間)をクリックします。

  3. アプリケーション・サーバーの管理ユーザーとしてログインします(たとえば、WebLogic Serverの場合はweblogic)。

ロード画面が、大きいJavaアイコンとともに表示されます。ロードが完了すると、MapViewer Editorのメイン・ウィンドウが表示されます。

10.1.4.4 データソースの選択と新しいセッションの作成

データソースを選択し、新しい編集セッションを作成します。

  1. 編集セッション領域の左にあるセッション層とデータ層の操作用ツールバーで、「編集セッションを開きます」アイコンをクリックして、このMapViewerサーバーの編集可能なデータソースを示すダイアログ・ボックス(図10-2を参照)を表示します。

    図10-2 編集セッションを開く

    図10-2の説明が続きます
    「図10-2 編集セッションを開く」の説明

  2. 表示された使用可能なサーバー上のデータソースをクリックして、そのデータソースを選択します。たとえば、データソース表示ツリーの「MVDEMO」の下にある「編集セッションの作成」ノードをクリックします。

  3. 「編集セッションの作成」ダイアログ・ボックスで、次のように適切な情報を入力します。

    名前: 編集セッションの名前。例: STATES_LIVE

    説明: セッションに関する説明テキスト(オプション)。例: Edit US states data

    バージョン有効化: このオプションを選択した場合、このセッション用の新しいワークスペースが作成され、後からすべての変更をマージできるようになります。このオプションを選択しなかった場合、バージョンは管理されず、セッションの編集内容が直接LIVEデータに適用されます。バージョニングされたセッション(LIVE以外)の場合、ワークスペース名の形式は<EDITOR_NAME>_<SESSION_NAME>_<DATASOURCE>になるため、バージョニングされた各セッションは独自のワークスペースを保持します。


    注意:

    バージョニングされたセッションでは、Oracle Workspace Managerを使用してバージョン有効化された表が必要になります。詳細は、Oracle Database Workspace Manager開発者ガイドを参照してください。

表示された使用可能なサーバーにデータソースが含まれていない場合は、「サーバーに接続」をクリックして、図10-3のようなダイアログ・ボックスを表示できます。

図10-3 データソースの選択

図10-3の説明が続きます
「図10-3 データソースの選択」の説明

「データ・ソースの選択」ダイアログ・ボックスで、次のように適切な情報を入力します。

  • MapViewerサーバー: データソースがあるMapViewerサーバーのURL。

  • エディタ名: セッション所有者の名前(表示するセッションのフィルタ処理に使用します)。

  • データ・サーバー認証(フォーム・タイプ): MapViewerサーバーが(フォーム認証を使用する)セキュアなサーバーである場合、このオプションを選択し、ユーザーおよびパスワード情報を入力します。

「OK」をクリックすると、指定されたサーバー上にある、指定されたエディタ名に関連付けられたすべての編集セッションの名前がツリーにロードされます。

10.1.4.5 セッションへのデータ層の追加

1つ以上のデータ層を編集セッションに追加します。

  1. 編集セッション領域の左にあるセッション層とデータ層の操作用ツールバーで、「空間データを追加します」アイコンをクリックして、空間データの追加ダイアログ・ボックスを表示します。

  2. このダイアログ・ボックス(図10-4を参照)で、目的のサーバー、ジオメトリ層、目的のデータソース(この例ではMVDEMO)、目的の層(この例ではSTATES)の順にクリックします。

    図10-4 空間データの追加

    図10-4の説明が続きます
    「図10-4 空間データの追加」の説明

    各層の横にある[8307]は、その層がSRID 8307 (つまりWGS84経度-緯度座標系)に基づいていることを示しています。編集セッションで使用するすべてのデータは、同じSRIDに基づいている必要があります。

「OK」をクリックすると、MapViewer Editorは、層の表のメタデータ情報に基づいてマップの領域を設定し、データの範囲に含まれる領域を取得し、サブセット領域を現在のマップ領域として設定します。(マップ領域にデータが含まれていない場合、マップ・キャンバスに他の値(中心X、中心Y、高さ、スケールなど)を入力し、「リフレッシュ」ボタンをクリックしてマップを再描画します。)

10.1.4.6 データ層プロパティの変更

編集可能な層がOracle表に基づいている場合、「キー列」がこのデータ用に正しく設定されていること、およびその値がROWIDではないことを確認します。

編集可能な層を編集セッション領域に追加すると、MapViewer Editorは自動的にその層の表に主キーが含まれているかどうかを確認し、「キー列」プロパティをこの値に設定します。「キー列」がROWIDに設定されている場合、MapViewer Editorはデータを編集できません。この場合、「キー列」プロパティを、一意の値を含む表内の別の列に設定する必要があります。(これは表の主キーでなくてもかまいませんが、一意の値を含んでいる必要があります。)

「キー列」の値を変更するには、編集セッション領域の左にあるセッション層とデータ層の操作用ツールバーで、「セッション・プロパティを編集します」をクリックして、セッションと層のプリファレンスを編集するためのダイアログ・ボックスを表示します。

  1. 編集セッション領域の左にあるセッション層とデータ層の操作用ツールバーで、「セッション・プロパティを編集します」をクリックして、セッションと層のプリファレンスを編集するためのダイアログ・ボックスを表示します。

  2. ダイアログ・ボックスの「キー列」で、一意の値を含むテキスト列を選択します。たとえばSTATESの場合、キー列としてSTATE_ABRV (州の略称を表す2つの文字)を選択します。

10.1.4.7 マップ内の移動と編集モードの有効化

マップ・キャンバス領域の左上隅にあるナビゲーション・パネルを使用すると、マップをパンしたり、ズーム(マーキー・ズーム、ズーム・イン、ズーム・アウト)操作を実行したりすることができます。

左側の編集セッション領域にある「データ・レイヤー」パネルを使用すると、層の可視性の制御、層の編集可能化、編集操作を適用するターゲット層の指定または変更、および編集セッションの動作に影響を与えるその他の選択を行うことができます。

手順の例を次に示します。

  1. マップ・キャンバス領域の左上隅にあるナビゲーション・パネルを使用して、編集する特定のマップ領域にパンし、必要に応じてズームします。

  2. 目的のデータ層に対して、「データ・レイヤー」パネルにある「レイヤーは編集可能です」(鉛筆)アイコンのチェック・ボックスを選択して、その層を編集モードにします。

    セッションがバージョニングされ、データ層が編集可能になっている場合、MapViewer Editorは、その層のベース表がOracle Workspace Managerを使用してバージョニングされているかどうかを確認します。バージョニングされていない場合、バージョニング用にその表の主キーを指定する必要があります(主キーが定義されていない場合)。

  3. 目的のデータ層に対して、「データ・レイヤー」パネルにある「現在編集中のターゲット」(的)アイコンのチェック・ボックスを選択して、すべての編集内容がこの層に適用されるようにします。

  4. ツール領域のツールを使用して、いくつかの編集操作を実行します。(「編集する地物の選択」も参照。)

10.1.4.8 編集する地物の選択

セッションが編集モードまたは選択モードになっている場合、マウスをマップ領域の上に移動すると、地物がハイライトされます。地物をクリックすると、その地物が選択されます(枠線がアニメーション化され、内側の領域が透明になります)。たとえば、図10-5における米国のフロリダ州のようになります。

図10-5 選択された地物

図10-5の説明が続きます
「図10-5 選択された地物」の説明

データ層のレンダリングの内容は、「描画プロパティ」パネルでの選択内容によって決まります。ラベル付けの内容は、「ラベル付けプロパティ」パネルでの選択内容によって決まります。動的スタイルは、これらのプロパティ・パネルでの選択内容に基づいて作成されます。

選択した地物(前述の図ではフロリダ)のMBR (最小外接矩形)の周りにはマニピュレータが表示され、これに含まれる9個の四角形を使用して、この地物をドラッグしたり、サイズを変更できます。また、小さい赤色の円を使用して地物を回転することもできます。

ウィンドウの右側にあるツール領域のパネルには、選択、描画、頂点の編集、グループ化およびその他の操作を実行するためのツールが表示されます。

10.1.4.9 セッションの編集内容の保存とマージ

目的の編集を行ったら、マップ・キャンバス領域のツールバーで、次のいずれかのボタンをクリックして編集内容を保存します。

  • ターゲット・レイヤーの編集されたデータを保存します: 現在のターゲット層で行われた、保存されていない変更を適用します。

  • すべての編集されたデータを保存します: 現在のセッションで行われた、保存されていないすべての変更を適用します。

編集モードの間は、編集内容を頻繁に保存することをお薦めします。保存をリクエストすると、編集されたデータがサーバーに返送され、コミットされます。

セッションがバージョニングされている場合、ここまでの編集内容は、バージョニングされたこのセッション内でのみ表示され、他のユーザー(またはセッション)には表示されないことに注意してください。


注意:

バージョニングされたセッションでは、Oracle Workspace Managerを使用してバージョン有効化された表が必要になります。詳細は、Oracle Database Workspace Manager開発者ガイドを参照してください。

バージョニングされたセッションを完了し、変更を公開できる状態になったら、左側の編集セッション領域の最上部近くにあるセッション層とデータ層の操作用ツールバー「セッションの表示可能なレイヤーをマージします」アイコンをクリックして、セッションをマージする必要があります。(処理されるのはバージョニングされた層のみであるため、マージする層がセッション内に多数存在する場合は、層を個別に表示可能にして作業し、他の(表示可能でない)層は編集用に残して、後から表示可能にできます。)

編集セッションがバージョニングされている場合、一度変更を保存すると、編集可能な層のベース表をLIVEデータとマージできるようになります。マージを実行すると、編集可能な層の編集セッションのワークスペース・データが現在のLIVEデータと比較され、競合が発生した場合は「競合の解決」ダイアログ・ボックスが表示されます。たとえば、図10-6は、赤色の大きい地物がGEOMETRYおよびNAME列で競合していることを示しています。

図10-6 競合の解決

図10-6の説明が続きます
「図10-6 競合の解決」の説明

LIVEデータとして使用するバージョン属性を選択して、競合の解決方法を定義します。地物の競合は空間属性と非空間属性の両方で発生する場合があり、様々なデータから値を選択して、それらの競合を解決できます。前述の図では、STATES_V編集セッションのGEOMETRY値と、LIVEデータのNAME値を使用して競合を解決します。

マージ・プロセスを実行および完了すると、バージョニングされた編集セッションの地物には、競合を解決するために選択した値が割り当てられます。バージョニングされた編集セッションは引き続き存在しますが、最終的なマージの後にパージできます。

層の競合が多すぎる場合、一度にすべての競合を解決する必要はありません。「競合の解決」ダイアログ・ボックスで作業を行い、「OK」をクリックするたびに、解決の対象として影響を受ける競合が、サーバー内で処理されます。ただし、他のデータ競合がまだ1つ以上存在する場合、マージ操作は層のすべての競合が解決されるまで実行されません。

「はい」をクリックして確認すると、すべてのユーザーのマップ・データ上に表示されるライブ・データ表に、変更がマージされます。バージョニングされたデータとLIVEデータとの間で競合が発生している場合、競合を解決し、データをマージするためのマージ・ツール・ダイアログが表示されます。

10.1.5 既知の問題

現在のリリースに関する既知の問題と考慮事項については、readmeファイルを参照してください。

10.2 MapViewer Editorのリファレンス

リファレンス・トピックでは、MapViewer Editorのプリファレンス(プロパティ)とメイン・ウィンドウの領域について説明します。

関連トピック

セッションと層のプリファレンス

編集セッション領域

マップ・キャンバス領域

ツール領域

参照項目

MapViewer Editorの概要および使用方法

10.2.1 セッションと層のプリファレンス

セッションと層のプロパティに関する特定のプリファレンスを編集して、関連するプロパティのデフォルト値を指定できます。プリファレンスを設定できるプロパティのカテゴリは、次のとおりです。

<session-name> Properties
Control Layer Properties
  Feature Selection
  Drawing Tools
  Vertex Tools
  Background Layer
  Scale Bar Layer
  Manipulator Layer
Data Layer Properties
  <data-layer-name> (one for each data layer)

いずれかのペインで変更を行い、これらの変更を保存する場合、別のペインに切り替える前か、「閉じる」をクリックして「プリファレンスの編集」ダイアログ・ボックスを閉じる前に、「適用」をクリックする必要があります

10.2.1.1 <session-name>のプロパティ

編集セッションのオプションが含まれています。

ロギング・レベル: ロギングの情報レベル。基本的な(制限された)情報の場合はinfo、詳細な情報の場合はfinestを指定します。(finestでは詳細な情報が提供されますが、処理に時間がかかり、必要な記憶域の量も増加します。)

HTTPタイムアウト: HTTPリクエストからのレスポンスを待機する(WFSサーバーの機能にアクセスする場合など)最大時間(秒単位)。

HTTPプロキシの使用: 選択した場合、使用するHTTPプロキシ・サーバーのホストおよびポートを指定します。

10.2.1.2 コントロール層のプロパティ

様々なオブジェクトの色やサイズなど、編集セッションの視覚的な側面に関するオプションが含まれています。

色に関するオプションについては、現在のデフォルトの色を示す小さいボックスをクリックして、「色の選択」ダイアログ・ボックスを表示します。このダイアログ・ボックスでは、サンプル、HSV、HSL、RGBまたはCMYKのいずれかの方法を使用して、新しい色を指定できます。指定するたびに、実際の外観がダイアログ・ボックスのプレビュー領域に表示されます。指定した内容を保存するには、「適用」をクリックします。

10.2.1.2.1 地物の選択

地物のマウス・オーバーの色: マウスの下にある地物の表示色。

ターゲット地物の色: ターゲット層の選択された地物の色。

非ターゲット地物の色: ターゲット層以外の層の選択された地物の色。

地物要素の色: 地物のジオメトリ要素をハイライトするための色。地物ジオメトリの検証および表示に使用します。

10.2.1.2.2 描画ツール

カーソル中央の色: 描画時にカーソル記号内に表示される十字マーカーの色。

カーソル枠線の色: 描画時にカーソル記号の境界に使用される色。

カーソル・ポイント・サイズ: カーソル記号のサイズ(ピクセル単位)。

スナップ・ポイント中央の色: スナップ層でマウス位置をスナップしたときにカーソル記号内に表示される十字マーカーの色。

スナップ・ポイント枠線の色: スナップ層でマウス位置をスナップしたときにカーソル記号の境界に使用される色。

線セグメントの色: 線や多角形をデジタル化するときにポイント間に表示されるセグメントの色。

線セグメントの幅: 線や多角形をデジタル化するときにポイント間に表示されるセグメントの幅。

ラバーバンド・セグメントの色: マウスを移動して線や多角形のポイントをデジタル化するときの線セグメントの色。

ラバーバンド・セグメントの幅: マウスを移動して線や多角形のポイントをデジタル化するときの線セグメントの幅。

10.2.1.2.3 頂点ツール

頂点の表示: 地物の境界の周りでマウスを移動したときに、選択された地物の頂点をハイライトします。

頂点ボックスの色: 頂点を表す四角形の色。

頂点ボックス・サイズ: 頂点を表す四角形のサイズ(ピクセル単位)。

10.2.1.2.4 バックグラウンド層

表示されるマップ領域の背景色。

10.2.1.2.5 スケール・バー層

スケール・バーの表示: マップ・スケール・バーを表示します。

10.2.1.2.6 マニピュレータ層

: マニピュレータ四角形の境界色。

スナップ・ハイライト色: スナップ・ポイントをハイライトするための色。地物が選択され、マニピュレータ四角形が表示されている場合、右クリックにより、選択されている地物にスナップ・ポイントを設定するためのオプションが提供されます。このスナップ・ポイントは、地物を移動して別の場所にスナップするときに使用できます。

変更された地物の色: 移動中の地物の境界色。

ハンドル・サイズ: マニピュレータ四角形の角にあるマーカーのサイズ(ピクセル単位)。

妨害された場合に非表示: マニピュレータ四角形が別のパネルに覆われたとき、その四角形を非表示にします。

10.2.1.3 データ層のプロパティ

各データ層でプリファレンスを設定できるプロパティは、そのデータ層のタイプによって異なります。

10.2.1.3.1 ジオメトリ層のプロパティ

データセットおよび「描画中」タブが含まれています。

データセット・タブ:

MapViewerサーバー: 層を定義するMapViewerサーバーのURL。

キー列: 編集可能な地物を対象とする、層のキー列。主キーでなくてもかまいませんが、データ値は一意である必要があります。

ジオメトリ列: この層に関連付けられたジオメトリ列の名前。

問合せ条件: 層の地物をフィルタ処理するためのオプション条件(WHEREキーワードを含まないSQL WHERE句)。

ライブ・スケール: (現在は使用されていません。)

ラベル列: 選択した場合、地物のラベル付けに使用するテキスト・データが含まれている列を指定します。

共有境界線: 編集中のオブジェクトと境界を共有する他のジオメトリ・オブジェクトに、編集操作を適用します。

たとえば、2つの土地が境界を共有しているとします。このオプションを選択した場合、一方の土地を編集して共有境界を変更することにより、その土地を大きくすると、もう一方の土地の定義は変更され、サイズもそれに応じて小さくなります。このオプションを選択しなかった場合、2番目の土地の定義は変更されません(このため、2つの土地の定義は空間的に重なります)。

順序の作成: MapViewerサーバー上に新しい順序を作成します。

「描画中」タブ:

編集可能でない場合はMapViewerに描画: 層が編集可能でない場合でも、その層をMapViewerに表示します。このオプションを選択しなかった場合、層は編集可能な場合のみ表示されます。

10.2.1.3.2 WFS層のプロパティ

キー列: 編集可能な地物を対象とする、層のキー列。主キーでなくてもかまいませんが、データ値は一意である必要があります。WFS 1.0.0層の場合は常にFIDです。

ジオメトリ列: WFS地物タイプの空間属性の名前。

ラベル列: 選択した場合、地物のラベル付けに使用するテキスト・データが含まれている列を指定します。

多角形の外部リングの方向: 多角形の外部リングの方向を指定します。Oracle Spatial and Graphデータの場合、外部リングの方向は反時計回りですが、WFSサーバーによって提供された外部データの場合、この方向は異なる場合があります。この値は新しい多角形の構築時に考慮されます。デジタル化する多角形の外部境界の方向がこの値と異なる場合、座標の方向は自動的に再指定されます。

共有境界線: 編集中の地物と境界を共有する他の地物に編集操作を適用します。

たとえば、2つの土地が境界を共有しているとします。このオプションを選択した場合、一方の土地を編集して共有境界を変更することにより、その土地を大きくすると、もう一方の土地の定義は変更され、サイズもそれに応じて小さくなります。このオプションを選択しなかった場合、2番目の土地の定義は変更されません(このため、2つの土地の定義は空間的に重なります)。

機能のGET URL: GetCapabilitiesリクエストに対するWFSサーバーのURL。

バージョン: WFSサーバーのバージョン。(現在は1.0.0のみがサポートされています。)

認証: Basicタイプの認証を(セキュアなWFSサーバーの場合に)適用するかどうかを指定します。

10.2.2 編集セッション領域

MapViewer Editorウィンドウの左側にある編集セッション領域では、セッション層とデータ層の操作や設定を指定したり、デフォルトのレンダリング・プロパティやラベル付けプロパティをオーバーライドしたりできます。「描画プロパティ」および「ラベル付けプロパティ」パネルは展開および縮小できます。

10.2.2.1 セッション層とデータ層の操作用ツールバー

編集セッション領域の最上部にあるツールバーには、次の操作を実行するためのアイコンが含まれています。

  • 編集セッションを開きます: 開く編集セッションを選択するためのダイアログ・ボックスを表示します。

  • 空間データ・レイヤーを追加します: セッションに空間データ層を追加できるダイアログ・ボックスを表示します。空間表のジオメトリ層は編集できますが、事前定義済テーマ、ベース・マップおよびタイル層は、通常バックグラウンド層として使用されるため、編集できません。

    MapViewer層またはWFS層の階層を展開して目的のデータ層を探した後、「OK」をクリックします。

  • データ・レイヤーを削除します: 現在選択されているデータ層を「データ・レイヤー」領域から削除します。

  • データ・レイヤーを上に移動します: 現在選択されているデータ層を「データ・レイヤー」領域内の1つ上のレベルに移動します。

  • データ・レイヤーを下に移動します: 現在選択されているデータ層を「データ・レイヤー」領域内の1つ下のレベルに移動します。

  • セッション・プロパティを編集します: セッションと層のプリファレンスを編集するためのダイアログ・ボックスを表示します。

  • セッションの表示可能なレイヤーをマージします (バージョニングされた編集セッションでのみアクティブ)マージ層のワークスペースをLIVEワークスペースにマージします。(「セッションの編集内容の保存とマージ」を参照。)

  • 編集セッションの定義を保存します: 現在のセッション定義をUSER_SDO_EDIT_SESSIONSビューに保存します。(「編集セッション」および「USER_SDO_EDIT_SESSIONSビューのインストール」を参照。)

  • 現在の編集セッションを削除します: 現在のセッション定義をUSER_SDO_EDIT_SESSIONSビューから削除します。

    セッションがバージョニングされている場合、そのセッションに関連付けられているワークスペースも削除されます。ただし、バージョニングされている層のベース表については、セッション層のベース表が他のワークスペース内で変更されていない場合、ダイアログ・ボックスが表示され、その表のバージョニングを解除するかどうかを選択できます。セッション層のベース表が他のワークスペース内で変更されている場合、その表はバージョニングされたままになります。

10.2.2.2 データ・レイヤー

「データ・レイヤー」パネルには、ヘッダー行および編集可能な(追加され、削除されていない)各空間データ層に対応する行が含まれています。ヘッダー行には、次の各操作に対応するアイコンを含む列があり、個々の層に対してオプションを選択および選択解除できます。

  • レイヤーは表示可能です(眼鏡のアイコン): 層をマップ・キャンバスに表示するかどうかを制御します。

  • レイヤーは編集可能です(鉛筆のアイコン): 層を編集可能にする(つまり、現在の編集セッションで編集モードにする)かどうかを制御します。

    層の空間データを変更するには、その層が編集可能になっている必要があります。1つのセッションで1つ以上の層を編集可能にできます。層を編集可能にすると、その層の現在の地物が、編集用にマップ領域にロードされます(まだロードされていない場合)。

  • 現在編集中のターゲット(的のアイコン): 編集操作が適用される層を識別します。

    編集中のターゲットにできるのは0個または1個の層のみであり、層の空間データを変更するには、その層が編集中のターゲットになっている必要がなります。

  • このレイヤーにスナップしています(スナップ・アイコン): 層をスナップ層(つまり、地物のジオメトリ・ポイントをデジタル化するときに、頂点のスナップに使用できる層)にするかどうかを制御します。スナップ層では、マウス・ポインタを所定の距離まで既存の頂点に近づけると、ポインタは自動的にその既存の頂点にスナップされます。

    複数の層をスナップ層として使用できます。

  • このレイヤーで発生した選択(選択アイコン): 層を選択層にするかどうかを制御します。

    選択ツールは選択層で使用します。1つの選択層の地物を使用して、別のターゲット層の地物を生成できます。これには、結合、交差、差分などの操作を使用します。1つ以上の層を選択層にできます。層を選択層にすると、その層の現在の地物が、選択用にマップ領域にロードされます(まだロードされていない場合)。

セッション層とデータ層の操作用ツールバーを使用すると、データ層を追加および削除したり、表示されている層を上下に移動したりできます。

10.2.2.3 描画プロパティ

レンダリング・プロパティは、編集可能なデータのレンダリングに影響を与えます。「データ・レイヤー」パネルで編集可能な層の行を選択すると、その層によって使用される現在のスタイルに「描画プロパティ」パネルの内容が反映されます。「色」、「線」および「マーカー」のプロパティを、それぞれ該当するタブに表示して変更できます。

  • 「色」の属性は、塗りつぶし色、ストロークの色、および塗りつぶし色の透過性です。

  • 「線」の属性は、塗りつぶし色、ストロークの色、線幅、塗りつぶし色の透過性、およびストロークの色の透過性です。

  • 「マーカー」の属性は、マーカー・タイプ、塗りつぶし色、ストロークの色、マーカー・サイズ、および塗りつぶし色の透過性です。

10.2.2.4 ラベル付けプロパティ

ラベル付けプロパティは、編集可能なデータのラベル付けに影響を与えます。「データ・レイヤー」パネルで編集可能な層の行を選択すると、その層によって使用される現在のスタイルに「ラベル付けプロパティ」パネルの内容が反映されます。

「ラベル付けプロパティ」の属性は、テキスト・フォント、テキストの色、テキスト・サイズ、イタリックおよび太字です。

10.2.3 マップ・キャンバス領域

ウィンドウの中央にあるマップ・キャンバス領域には、マップが表示されます。設定したプロパティやプリファレンス、選択したツールおよび実行したデータ編集操作は、この領域のコンテンツに反映されます。

マップ・キャンバス領域の最上部にあるツールバーには、次の操作を実行するためのアイコンが含まれています。

  • ターゲット層の編集されたデータを保存する

  • すべての編集されたデータを保存する

  • 前の変更を元に戻す

  • 前の操作をやり直す

  • ヘルプ(疑問符のアイコン)

  • 前のマップを描画する(現在は使用されていません)

  • 次のマップを描画する(現在は使用されていません)

  • CxおよびCy (マップの中心のX座標とY座標を空間参照システムの単位、つまりSRIDで表したもの。たとえば、WGS 84データの緯度と経度)

  • マップ・キャンバス領域内で表される領域のY軸の高さ(SRID単位)またはスケール(メートル単位の測地データ)たとえば、特定のマップ・キャンバスのサイズとズーム・レベルで、WGS 84 (経度/緯度)データに基づく高さの値が5.2657 (緯度)、対応するスケールの値が5,750,861 (メートル)の場合があります。

  • マップ・プレビューのリフレッシュ

10.2.3.1 ナビゲーション・パネル

マップ・キャンバス領域のツールバーの左下には、ナビゲーション・パネルがあります(図10-7を参照)。

図10-7 ナビゲーション・パネル

図10-7の説明が続きます
「図10-7 ナビゲーション・パネル」の説明

  • 円(回転する輪)を使用してマップをパン(回転し、矢印をクリックして表示をその方向に移動)します。

  • 四角形を使用して領域を選択(クリック、ドラッグおよびリリース)およびズームします(マーキー・ズームと呼ばれることもあります)。

  • プラス記号(+)を使用してズーム・インします。

  • マイナス記号(-)を使用してズーム・アウトします。

10.2.3.2 マップ・スケール・バー

スケール・バー層「スケール・バーの表示」プロパティを有効にすると、マップ・キャンバス領域の右下に、バー内の様々なセグメントによって表される距離をマイル(mi)単位およびキロメートル(km)またはメートル(m)単位で示すマップ・スケール・バーが表示されます。図10-8に例を示します。

図10-8 スケール・バー

図10-8の説明が続きます
「図10-8 スケール・バー」の説明

スケール・バーに表示される距離には、現在のズーム・レベルが反映されます。

10.2.4 ツール領域

MapViewer Editorウィンドウの右側にあるツール領域には、一連の縮小可能なパネルが含まれており、各パネルには、機能に応じてグループ化された一連のツールが含まれています。アプリケーション・コンテキストに応じて、特定のパネルとツールが有効(表示および使用可能)になります。たとえば、アクティブで編集可能な層がある場合は、選択ツールが有効になります。

ツール・グループを次に示します。

  • 地物ツール(地物の属性の選択、選択解除、削除、複製および編集)

  • 描画ツール(マップへの形状の描画による新しい地物の作成)

  • 頂点ツール(個々の頂点の操作、多角形の分割やボイド関連操作の実行、既存の行の分割)

  • グループ化ツール(地物のグループ化およびグループ解除)

  • ジオメトリ・ツール(ジオメトリの検証、検査、単純化および周りへのバッファの追加)

  • 変換ツール(地物のスケーリング、回転および変換)

10.2.4.1 地物ツール

次のツールに対応するアイコンが表示されます。

  • 地物を選択します: 汎用ポインタ・ツールと単一選択ツールの両方として機能します(地物をクリックしたとき)。また、地物を含まない領域をクリックしたときに、現在選択されている地物の選択を解除します。地物を選択すると、その地物のアウトラインがアニメーション化され(地物全体がマップのビューポート内にある場合)、一連のマニピュレータ(小さい四角形)がその周りに表示されます。[Shift]キーを押しながらクリックすると、地物が選択されている場合はその選択を解除し、選択されていない場合は地物を選択済リストに追加できます。

    マニピュレータは、地物の移動、スケーリングまたは回転に使用できる一連のマーカーです。地物を移動するには、中心の四角形マークをクリックしたままドラッグします。地物をスケーリングするには、外側に表示されているいずれかの四角形マークをクリックしたままドラッグします。地物を回転するには、円マークをクリックしたままドラッグします。複数の操作を実行した後、地物の外側の任意の場所をクリックすると、変更を効果的に適用できます。または、変換ツールを使用して変更を適用できます。

  • 複数の地物を選択します: これを使用すると、マップ上の四角形を選択したままドラッグすることによって、複数の地物を選択できます。四角形との間になんらかの相互作用がある地物が選択されます。[Shift]キーを押しながらドラッグすると、選択されている地物の選択を解除するか、新しい選択内容を既存の選択セットに追加できます。

  • 属性値により地物を選択します: 属性値に基づいて地物を選択できます。「属性による地物選択」ダイアログ・ボックスが表示され、そこで層のベース表、属性列、および選択に使用する属性値を指定したり、結果を既存の選択内容(存在する場合)に追加するか、既存の選択内容を結果で置換するかを指定したりできます。

  • 地物の選択を解除します: 現在選択されている地物の選択を解除します。

  • 選択された地物を削除します: 現在選択されている地物を削除します。

  • 選択された地物を複製します: 選択された地物を複製します。

  • 地物属性を編集します: 選択された地物の属性を編集します。

10.2.4.2 描画ツール

描画ツールをアクティブにするには、層を編集可能にするためのチェック・ボックスおよびターゲット層にするためのチェック・ボックスを選択します。新しいジオメトリを別の新しい地物にする場合は、これらのツールのいずれかを使用して新しい地物を作成するときに、まず選択されているすべての地物の選択を解除します。地物が選択されているときに地物作成ツールを使用した場合、デフォルトでは、選択されている地物に新しいジオメトリが追加されます。

次のツールに対応するアイコンが表示されます。

  • ポイントを描画します: 新しいポイント地物を作成します。マップをクリックすると、新しいポイントがマップ上に作成され、表示されたポップアップに、必要なキー列の値、およびデータを移入する可能性があるその他の属性列を入力できます。順序名が割り当てられている場合(層プロパティのパネル内で変更できます)、新しい地物のキー値が自動的に移入されます。

  • 線を描画します: 新しい行文字列地物(1つ以上の線形セグメント)を作成します。マウスの左ボタンを使用してポイントをデジタル化し、右ボタンを使用して行文字列を終了します。

  • 多角形を描画します: 線形セグメントを使用して新しい多角形地物を作成します。マウスの左ボタンを使用してポイントをデジタル化し、右ボタンを使用して多角形を終了します。最後のポイントは、自動的に1つ目のポイントにリンクされます。多角形に穴(ボイド)を追加するには、グループ化ツールの対応するツールを使用します。

  • 四角形を描画します: 新しい四角形地物を作成します。クリックしたまま対角までドラッグしてリリースすると、最適な四角形が生成されます。

  • 円または楕円を描画します: 新しい円または楕円地物を作成します。クリックしたままドラッグしてリリースすると、円または楕円が生成されます。

10.2.4.3 頂点ツール

頂点ツールを使用すると、個々の頂点を操作できます。頂点ツールをアクティブにするには、層を編集可能にするためのチェック・ボックスおよびターゲット層にするためのチェック・ボックスを選択します。

次のツールに対応するアイコンが表示されます。

  • 行文字列に頂点ポイントを追加します: 新しい頂点を既存の行セグメントに追加します。ターゲット行セグメントにポインタを近づけると、ポインタは自動的にセグメント上にスナップされます。スナップされ、ハイライトされた円が、頂点の追加先として有効な場所です。その後、クリックすると新しい頂点が追加されます。

  • 行文字列から頂点ポイントを削除します: 既存の頂点を削除します。マウスを頂点に移動して(頂点がハイライトされます)クリックすると、その頂点が削除されます。クリックとドラッグにより、そのドラッグ領域内に含まれる複数の頂点を削除することもできます。

  • 頂点を選択して移動します: 既存の頂点を移動します。マウスを頂点に移動し(スナップにより、頂点がハイライトされます)、その頂点をクリックしたまま新しい位置にドラッグします。

  • ボイドのある多角形を追加します: 既存の多角形内に新しいボイドを作成します。多角形地物を選択し、その多角形地物内で、新しいボイド多角形をデジタル化します。マウスの左ボタンを使用してポイントをデジタル化し、右ボタンを使用して多角形を終了します。最後のポイントは、自動的に1つ目のポイントにリンクされます。

  • 多角形からボイドを削除します: 多角形から既存のボイドを削除します。ボイドを削除するには、選択した地物のボイド境界内で任意の場所をクリックするか、ボイド多角形を囲む四角形をクリックしたままドラッグします。

  • 行を分割します: 既存の地物の行文字列(単純な行)を2行に分割し、新しい地物を生成します。マウスを行に移動して(スナップにより、分割ポイントがハイライトされます)クリックすると、その場所で行が分割されます。表示されたダイアログ・ボックスで、新しい地物にする部分を選択したり、新しい地物の属性を定義したりします。

  • 多角形を分割します: 多角形地物を2つの地物に分割します。マウスを多角形の境界に移動して(分割ポイントがハイライトされます)クリックすると、分割ポイントが作成されます(青色になります)。その後、分割線の次のポイントをクリックし、最後に分割線の終点となる、別の境界の分割ポイントをクリックします(スナップにより、境界ポイントがハイライトされます)。多角形内のボイド要素が分割線の経路に含まれている状態で、ボイドの境界に分割ポイントを作成した場合、分割線の次のポイントは、同じボイド要素の境界に位置している必要があります。分割を終了したら、表示されたダイアログ・ボックスで、新しい地物にする部分を選択したり、新しい地物の属性を定義したりします。

10.2.4.4 グループ化ツール

グループ化ツールを使用すると、複数の地物と要素に対する操作を実行できます。一部のツールでは、ターゲット層が選択層と異なる場合があります。グループ化ツールでは、結合、差分、交差などのOracle Spatial and Graph操作を使用します。

次のツールに対応するアイコンが表示されます。

  • グループ地物: 地物をグループ化します。1つ以上の地物を選択し、このボタンをクリックすると、選択された地物が新しい地物としてグループ化されます。(結合操作が実行されます。)

  • 地物要素のグループを解除します: (現在は使用されていません。)

  • 地物要素を削除します: 1つ以上の地物要素を地物内から削除します。複数の要素を指定するには、四角形をドラッグしてそれらを囲み、リリースします。

  • 地物の結合から地物を生成します: 選択された地物の結合に基づいて、新しい地物を生成するか、既存の地物(ターゲット層内)を更新します。選択済地物リストには、現在のターゲット層以外の層の地物が含まれている必要があります。

    たとえば、層Aが現在のターゲット層であるときに、層Bの地物の結合によって新しい地物を生成するとします。

    1. 左側にある「データ・レイヤー」パネルの選択層を層Bに変更します。

    2. 層Bの1つ以上の地物を選択します。

    3. 「地物の結合から地物を生成します」アイコンをクリックして、選択された層Bの地物間の結合操作を実行します。選択された地物が層Aにも含まれている場合は、この地物も結合操作に使用され、ターゲット地物のジオメトリが更新されます。

  • 地物の交差から地物を生成します: 選択された地物の交差に基づいて、新しい地物を生成するか、既存の地物(ターゲット層内)を更新します。選択済地物リストには、現在のターゲット層以外の層の地物が含まれている必要があります。

    たとえば、層Aが現在のターゲット層であるときに、層Bの地物の交差によって新しい地物を生成するとします。

    1. 左側にある「データ・レイヤー」パネルの選択層を層Bに変更します。

    2. 層Bの1つ以上の地物を選択します。

    3. 「地物の交差から地物を生成します」アイコンをクリックして、選択された層Bの地物間の交差操作を実行します。選択した地物が層Aにも含まれている場合は、この地物も交差操作に使用され、ターゲット地物のジオメトリが更新されます。

  • 地物の差分から地物を生成します: 選択された地物の差分に基づいて、新しい地物を生成するか、既存の地物(ターゲット層内)を更新します。選択済地物リストには、現在のターゲット層以外の層の地物が含まれている必要があります。

    たとえば、層Aが現在のターゲット層であるときに、層Bの地物の差分によって新しい地物を生成するとします。

    1. 左側にある「データ・レイヤー」パネルの選択層を層Bに変更します。

    2. 層Bの1つ以上の地物を選択します。

    3. 「地物の差分から地物を生成します」アイコンをクリックして、選択された層Bの地物間の差分操作を実行します。選択された地物が層Aにも含まれている場合は、この地物も差分操作に使用され、ターゲット地物のジオメトリが更新されます。

  • ターゲット・レイヤー・ジオメトリを地物の結合で更新します: ターゲット層の地物を、異なる選択層から選択された地物の結合によって更新します。

    たとえば、2つの層があり、1つが州用、1つが郡用で、それぞれに独自のジオメトリが含まれているとします。それぞれの郡地物には、その郡が属する州を定義する属性があります。郡地物を変更した後、関連する州のジオメトリを、郡の変更の結合によって更新できます。その結果、両方のジオメトリ層で、必要な境界の調整がすべて行われます。手順の例を次に示します。

    1. Counties層をターゲット層および選択層にし、State Aのすべての郡を選択します。

    2. 選択したこれらの地物を変更します(すべての地物のスケーリングなど)。

    3. State層をターゲット層にし、「ターゲット・レイヤー・ジオメトリを地物の結合で更新します」アイコンをクリックします。2つの層間のリンク属性を定義するためのダイアログ・ボックスが表示され、そこでターゲット層、ターゲット・キー属性列、選択層および選択結合属性列を指定します。

      「OK」をクリックすると、ターゲット層Stateのジオメトリが、選択した地物の結合により、選択結合属性に基づいて更新されます。

10.2.4.5 ジオメトリ・ツール

ジオメトリ・ツールを使用すると、ジオメトリ・オブジェクトに対するOracle Spatial and Graph操作を実行できます。

次のツールに対応するアイコンが表示されます。

  • 選択されたジオメトリを検証します: 選択された地物のジオメトリを検証します。無効なジオメトリが検出された場合、無効であることを示すOracle Spatial and Graphコードがダイアログ・ボックスに表示されます(ジオメトリの検証コードとエラー・コードの詳細は、Oracle Spatial and Graph開発者ガイドのSDO_GEOM.VALIDATE_GEOMETRY_WITH_CONTEXTファンクションに関するリファレンス資料を参照してください。)

    ダイアログ・ボックスで表の行を選択すると、エラーに関連するジオメトリ・セグメントのセクションがハイライトされます。提供されているMapViewer Editorツールを使用して、いずれかのエラーを修正できる場合があります。

  • ジオメトリ要素を表示します: 選択された地物のジオメトリ要素を示すダイアログ・ボックスを表示します。ジオメトリ・ノードをクリックすると、いずれかの要素の境界がハイライトされます。このダイアログ・ボックスではジオメトリ情報を編集できません。

  • 選択されたジオメトリを単純化します: 選択されたジオメトリを単純化します。多角形地物の場合、まず隣接するジオメトリ間に単一の輪郭を生成するための内部トポロジを構築します。選択したジオメトリの数によっては、この手順におけるトポロジの構築に時間がかかる場合があります。その後、2つのアルゴリズム・オプションを含むダイアログ・ボックスが表示され、すべての輪郭を単純化するか、輪郭のサブセットを選択して単純化できます。特定の輪郭を選択するときに、[Shift]キーを使用して、前に選択した輪郭の選択を解除することもできます。使用可能なオプションは、Douglas-PeuckerアルゴリズムまたはVisvalingham-Whyattアルゴリズムのいずれを選択するかによって異なります。

    Douglas-Peuckerの場合(Oracle Spatial and Graph開発者ガイドで説明されているSDO_UTIL.SIMPLIFYファンクションを使用):

    • しきい値: 考慮する頂点間の最小距離。測地データの場合、この値はメートル単位です。それ以外の場合は、データ単位です。バーを使用して、削除するポイントの範囲を定義します。(ただし、必ずしもアルゴリズムによって、この量のデータが正確に削除されるわけではありません。)

    • 単純化: 選択されたジオメトリを単純化します。

    • リセット: 前回の単純化操作を取り消します。

    • o %ポイント: 単純化後に保持される元の頂点の割合。

    Visvalingham-Whyattの場合(Oracle Spatial and Graph開発者ガイドで説明されているSDO_UTIL.SIMPLIFYVWファンクションを使用):

    • 削除するポイントの割合(o %): バーを使用して、削除するポイントの範囲を定義します。(ただし、必ずしもアルゴリズムによって、この量のデータが正確に削除されるわけではありません。)

    • 高い三角形: 偏平度フィルタの適用時に、高い三角形を許可します。

    • o %ポイント: 単純化後に保持される元の頂点の割合。

  • 選択された地物からバッファ地物を生成します: 選択された地物の周りにバッファ地物を生成します。バッファを生成するには、距離値を入力します。測地データの場合は、値をメートル単位で入力します。それ以外の場合は、値をデータ単位で入力します。

10.2.4.6 変換ツール

次の変換ツールに対応するアイコンが提供されます。

  • 選択されたジオメトリを回転します: 選択された地物のジオメトリを、指定された値の角度だけ回転します。

  • Xの選択されたジオメトリをスケーリングします: 選択された地物のジオメトリを、指定されたX方向の係数を使用してスケーリングします。

  • Yの選択されたジオメトリをスケーリングします: 選択された地物のジオメトリを、指定されたY方向の係数を使用してスケーリングします。

  • Xの選択されたジオメトリを変換します: 選択されたジオメトリを、データ単位で指定されたX方向の値を使用して変換します。

  • Yの選択されたジオメトリを変換します: 選択されたジオメトリを、データ単位で指定されたY方向の値を使用して変換します。

  • ターゲット・レイヤーの選択された地物に変換を適用します: 現在の変換を、ターゲット層の選択された地物にのみ適用します。

  • 選択されたすべての地物に変換を適用します: 現在の変換を、選択されたすべての地物に適用します。

  • 変換をリセットします: 現在の変換をクリアします。