Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansバージョン3.0のプログラミング 11g リリース1 (10.3.6) B61625-06 |
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この章では、Oracle WebLogic Serverを使用したOracle TopLinkアプリケーションの開発の概要を示します。次の内容について説明します。
Oracle TopLinkは高度なオブジェクト永続性およびオブジェクト変換フレームワークであり、開発と保守にかかる労力を削減して、エンタープライズ・アプリケーションの機能性を高める開発ツールと実行時機能を提供します。
Oracle TopLinkには、Java EEおよびJava SE環境でのEJB 3.0のサポートや、EJB 2.nのコンテナ管理による永続性(CMP)のサポートが含まれています。Oracle TopLinkは、Oracle WebLogic Server、OC4J、SunAS、JBoss、IBM WebSphereなどの様々なアプリケーション・サーバーと統合できます。
Oracle TopLinkアプリケーションの開発、デプロイ、構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle TopLink開発者ガイド』を参照してください。
今回のWebLogic Serverリリースで永続性プロバイダとしてTopLinkを使用するとき、JPA 2.0用のサポートを提供するパッチをインストールできます。「WebLogic ServerにおけるJPA 2.0とTopLinkの併用」を参照してください。
『Oracle Fusion Middleware Oracle TopLink開発者ガイド』のTopLinkアプリケーション開発の概要に関する項の説明に従って、Oracle TopLinkアプリケーションを開発します。
Oracle TopLinkアプリケーションをOracle WebLogic Serverにデプロイする前に、次の統合手順を実行する必要があります。
JTAを使用する場合は、必要に応じて、外部トランザクション・コントローラを構成します。
デプロイ済のJMX MBeanを使用して、実行時のOracle TopLinkセッションを構成します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle TopLink開発者ガイド』のTopLinkとOracle WebLogic Serverの統合に関する項を参照してください。また、同ドキュメントの「Integrating TopLink with an Application Server」で説明されている要件を満たす必要があります。
今回のWebLogic Serverリリースで永続性プロバイダとしてTopLinkを使用するとき、Java Persistence Architecture (JPA) 2.0用のサポートを提供するパッチをインストールできます。
JPA 2.0では、ドメイン・モデリング、オブジェクト/リレーショナル・マッピング、EntityManager
インタフェース、問合せ
インタフェースおよびJava Persistence Query Language (JPQL)の各機能が向上し、強化されています。条件問合せ、メタモデルAPIおよび検証のサポート用の新しいAPIが含まれています。JPA 2.0の仕様は、「JSR-000317 Java Persistence 2.0 (最終リリース)」(http://jcp.org/aboutJava/communityprocess/final/jsr317/index.html
)を参照してください。
注意: JPA 2.0は、Java Platform, Enterprise Edition (Java EE) 6の一部であるため、WebLogic ServerでのJPA 2.0のサポートはパッチとして提供されます。このため、現在のリリースでJPA 2.0のサポートを有効にすると、WebLogic ServerがJava EE 5との互換性の要件に一部適合しなくなります。現在のリリースでJava EE 5との互換性を保つために、サポートに必要なファイル(WebLogic Serverの標準インストールに含まれています)がデフォルトでは有効になりません。 |
今回のWebLogic ServerリリースでJPA 2.0を使用するには、次の手順を実行します。
『Oracle Fusion Middleware Oracle TopLink開発者ガイド』のTopLinkとOracle WebLogic Serverの統合に関する項で説明されているように、Oracle TopLinkを永続性プロバイダとして使用します。
次の2つの方法のいずれかを使用してパッチをインストールします。
Oracle Smart Updateとは、WebLogic Serverインストールにパッチを適用するプロセスを簡略化するスタンドアロンJavaアプリケーションです。これはMiddlewareホーム・ディレクトリに自動的にインストールされます。Smart Updateを使用するためのアクティブなMy Oracle Supportアカウントが必要です。
Smart Updateを使用してパッチをインストールするには、次の手順を実行します。
My Oracle Support (https://support.oracle.com/CSP/ui/flash.html
)にサインインします(アカウントを持っていない場合は作成する必要があります)。
パッチ「Enable JPA 2.0 support on WebLogic Server」を見つけてダウンロードします。
注意: パッチの番号とIDは、WebLogic Serverのリリース間で変わる場合があります。WebLogic Server 10.3.5では、パッチは「Patch 9923849: SU Patch [QWG8]: Enable JPA 2.0 support on WebLogic Server」になります。 |
パッチの検索とダウンロードの詳細は、Oracle Smart Updateパッチおよびメンテナンス・パックのインストールの概要に関する項とパッチのダウンロードに関する項を参照してください。
『Oracle Smart Updateパッチおよびメンテナンス・パックのインストール』のSmart Updateの起動に関する項とパッチの適用に関する項の説明に従い、ダウンロードしたパッチを解凍し、Smart Updateツールを使用してパッチをインストールします。
Smart Updateを使用してパッチを適用すると、次が実行されます。
パッチ・ファイルがMW_HOME
/patch_wls1036/patch_jars
にコピーされます。
MW_HOME
\patch_wls1036\profiles\default\sys_manifest_classpath\weblogic_patch.jar
が、FMW_HOME
/wlserver_10.3\common\bin\setPatchEnv.cmd
によってCLASSPATHに追加されます。
標準のstartWeblogic.cmd
またはstartWeblogic.sh
を使用してサーバーを起動できます。それ以上の変更は必要ありません。
カスタム・スクリプトを使用してサーバーを起動する場合、MW_HOME
\modules\javax.persistence_1.1.0.0_2-0.jar;%wls_modules%\com.oracle.jpa2support_1.0.0.0_2-0.jar
またはMW_HOME
\patch_wls1036\profiles\default\sys_manifest_classpath\weblogic_patch.jar
を、CLASSPATHの先頭に配置する必要があります。これを実行する方法は、「手動インストール」を参照してください。
JPA 2.0のサポートに必要なファイルは、デフォルトのWebLogic Serverインストールに含まれますが、デフォルトでは有効化されてはいません。ファイルは、WL_HOME
\modules
ディレクトリにインストールされます。ファイルは次のような内容です。
javax.persistence_1.1.0.0_2-0 JAR
ファイルには、JPA 2.0ライブラリが含まれます。
com.oracle.jpa2support_1.0.0.0_2-0.jar
ファイルには、WebLogic ServerでJPA 2.0サポートを有効化するためのファイルが含まれます。
アクティブなMy Oracle Supportアカウント(Smart Updateの使用に必要)を持っていない場合、WebLogicのクラスパスの先頭にファイルを配置することによって、手動でパッチをインストールできます。たとえば、次のいずれかの方法を使用できます。
WebLogic Server起動前にPRE_CLASSPATH
環境変数を定義します。
たとえば、Windowsコンソールのウィンドウで、startWebLogic.cmd
を実行する前に次のスクリプトを実行します。
@echo off if ".%1" == "." goto TellSyntax set wls_modules=%1 set PRE_CLASSPATH=%wls_modules%\javax.persistence_1.1.0.0_2-0.jar; %wls_modules%\com.oracle.jpa2support_1.0.0.0_2-0.jar goto End :TellSyntax echo setJPA2SupportPatch [path-to-weblogic-modules-directory :End echo PRE_CLASSPATH=%PRE_CLASSPATH%
同様のスクリプトは、Linux、UNIX、またはMacintosh用に記述できます。
WL_HOME
/common/bin
ディレクトリのcommEnv.cmd
またはcommEnv.sh
スクリプトを変更し、スクリプトの先頭でPRE_CLASSPATH
を定義します。